試乗記・レポート

トヨタ新型プリウス1.8L(Uグレード)と2.0L(Z/G)をプロが比較!加速力や走行性能の違いは?

トヨタ新型プリウス1.8L(Uグレード)と2.0L(Z/G)をプロが比較!加速力や走行性能の違いは?

2023年1月10日に発売された新型プリウス。まずは1.8L(Uグレード)と2.0L(Z/Gグレード)、2種類のハイブリッドモデルが登場。どちらにするか迷っている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、新型プリウスの魅力を深堀すべく富士スピードウェイにてロケを敢行。TOYOTA GAZOO Racingに所属するプロドライバー(以降GRドライバー)に1.8Lモデルと2.0Lモデルを乗り比べてもらい、違いを解説してもらいました。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

GRドライバーへのインタビューの様子は、前編(本記事)と後編の2記事に分けてお届けします。ロケの様子はYouTubeにて公開しているのでご覧ください。


また、ロケにて新型プリウス開発責任者の大矢主査へのインタビューに成功!本記事のクルマの魅力以外に、こぼれ話を中心に記事を公開中です。そちらもぜひご覧ください。  

さて、GRドライバーによる1.8Lと2.0L試乗比較の前に、新型プリウスの特徴について解説しましょう。

新型プリウスはどんな車?

※新型プリウス(マスタード)

1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生したプリウス。5代目となる新型プリウスは、「Hybrid Reborn」をコンセプトに、高い環境性能に加え、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えた車を目指して開発されました。今回は1.8Lハイブリッドに加え2.0Lハイブリッドを新たに設定。走りのよさを追及しています。

1.8Lハイブリッド(Uグレード)の燃費はなんと32.6km/L!2.0Lモデル(Z/Gグレード)も28.6km/Lと圧倒的な低燃費

※1.8Lハイブリッドシステム

最新の「第5世代ハイブリッドシステム」を搭載する新型プリウス。UグレードとXグレードに搭載される1.8Lハイブリッドの燃費は32.6km/Lを達成。先代プリウスの27.2km/Lを5.4km/L上まわりました。

1.8Lハイブリッドのシステム最高出力は140psで、2.0Lハイブリッドの196psと比べると出力は抑えられていますが、先代からモーターの出力(※)がアップしており、エコでありながらも、さらにハイブリッドならではの加速やレスポンスを感じられるパワートレーンに仕上がりました。
※新型プリウス1.8Lのモータースペックは95ps/18.9kgm(2WDの場合)。先代プリウスのモータースペックが72ps/16.6kgmなので、23ps/2.3kgmアップしています
※2.0Lハイブリッドシステム

ZグレードとGグレードに搭載される2.0Lハイブリッドは、従来型比1.6倍となる196ps(システム最高出力)を実現しながら、燃費も28.6km/Lとこちらも先代(4代目)プリウスを上回る低燃費に仕上がっています。従来のプリウスのイメージがガラッと変わる、トルクフルな走りを味わえます。

※高剛性ボディ

また、改良を重ねられたTNGAプラットフォームをベースに開発された第2世代TNGAプラットフォームを初採用。より低重心化が図られ「虜にする走り」を実現しています。GRドライバーがどう評価するのか注目です。
※4代目プリウス A“ツーリングセレクション”(1.8L HEV・2WD、17インチタイヤ装着)のWLTCモード燃費27.2km/L

カッコいいと評判の「一目惚れするデザイン」を纏った

※新型プリウス フロントアイデアキースケッチ

プリウス独自の「モノフォルムシルエット」を採用しながらも、全高は先代プリウスから40mm(Uグレードは50mm)低い1,430mm(Uグレードは1,420mm)、全幅は20mm広くなりました。ハンマーヘッドをモチーフとした水平基調のフロントデザインと相まって、よりワイド&ローなカッコいいスタイルとなっています。
左:17インチタイヤ(Uグレード)、右:19インチタイヤ(Z/Gグレード)

UグレードとXグレードは17インチ、ZグレードとGグレードはより低扁平な19インチのタイヤを採用、先代よりも大型化しました。さらに、タイヤ回りのフェンダーを黒くすることで、低重心感がより強調されてカッコよく見えます。

※左から順にプラチナホワイトパールマイカ、アッシュ、アティチュードブラックマイカ、エモーショナルレッドⅡ、マスタード、ダークブルー

ボディカラーは2023年1月時点で全8色です。

  • 定番の人気色「プラチナホワイトパールマイカ」
  • 濃い青で引き締まった印象の「ダークブルー」
  • 鮮やかな赤でスポーティさが際立つ「エモーショナルレッドⅡ」
  • ただの黒じゃない。キラキラと光るマイカ(雲母)入り「アティチュードブラックマイカ」
  • グレーが大人な雰囲気を醸し出す「アッシュ」
  • 鮮やかな黄色が印象的な「マスタード」
  • Xグレード(法人向け)限定のホワイトカラー「スーパーホワイトⅡ」
  • Xグレード(法人向け)限定のメタリックカラー「シルバーメタリック」

今回試乗してくれたGRドライバープロフィール

今回試乗してくれたのは、TOYOTA GAZOO Racingに所属する中山雄一さんと山下健太さん。両名とも国内トップカテゴリで活躍するプロドライバーです。

中山雄一(SUPER GTドライバー)

1991年7月25日生まれ、東京都出身のレーシングドライバー。幼少よりカートレースで活躍。2008年からフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)に参戦し、2010年にはFCJ全12戦中全戦でポールポジション獲得、10勝という圧倒的な成績を残す。2013年全日本F3 Cクラス(選手権)王者を獲得し、翌年から3季スーパーフォーミュラに参戦。また、2015~18年スーパーGTのGT300クラス通算7勝。19年よりスーパーGT、GT500クラスに参戦中。
https://toyotagazooracing.com/jp/motorsports/driver/2021/yuichi-nakayama/

山下健太(スーパーフォーミュラ&スーパーGTドライバー)

1995年8月3日生まれ、千葉県出身のレーシングドライバー。2012年に限定A級ライセンスを得て参戦したスーパーFJもてぎ選手権を勝利。その後、2016年に全日本F3王者を獲得、翌年からスーパーフォーミュラにステップアップし、2019年に初勝利。2018年からスーパーGTのGT500クラスにも参戦中。2022年はスーパーフォーミュラとスーパーGTの二刀流で戦った。
https://toyotagazooracing.com/jp/motorsports/driver/2022/kenta-yamashita/

新型プリウス2.0Lハイブリッドの走りの評価 ~加速感、ハンドリングなど~

まずは2.0Lハイブリッドの評価をお届けします。2.0Lモデルは1.8Lに比べてパワーは大きいですが、エンジンが大きくなった分フロントの重量が重くなっているのでフロントのボディ剛性が高められています。どの程度パワーに違いがあるのか、フロント重量増が車のキャラクターにどう影響しているのか注目です。

中山雄一:
まず感じられるのはパワーです。1.8Lとくらべてエンジンが大きくなったことで、出力やトルクがよりしっかり出ているなと感じました。エンジンのパワーが大きいと、組み合わせるハイブリッドシステムとの間にギクシャク感が生じるものなのですが、そこもしっかり作りこまれているなと感じました。ギクシャク感を全く感じることなく、スムーズに綺麗に加速していく印象です。
※車の限界領域を探るべくアタックを続ける中山さん

エンジンが大きく重たくなった分、コーナリングフォースがかかった際に軽い1.8Lより外に膨らむ動きをするんですが、プロの私でも何周もコースを走らないと違いがわからないくらいに抑えられています。素人の方だと、今回のようなクローズドのサーキットで、2.0Lと1.8Lを5回くらい乗り換えて走ったら違いがわかる…くらいの差です。今までのプリウスにないクイックなハンドリングを楽しめると思います。

山下健太:
「よく曲がるな」というのが第一印象です。車のフロントまわりの剛性が高められているおかげで、ステアリングを切った時も思ったとおりに曲がってくれます。車の動きにこだわっているという大矢主査(新型プリウス開発責任者)の話がよくわかりましたね。
 
前輪駆動の車って普通はアンダーステア(曲がる際に外に膨らむ動きのこと)なんですが、前輪駆動車なのにこんなに曲がるんだって驚きました。新型プリウス、運転に慣れている人にとっても面白い車ですよ。私としても走るのがとても楽しかったです、「プリウスで全開走行ができるんだ!」って。パワー感も十分です。加速もスムーズですし、坂も楽に登っていきます。

新型プリウス1.8Lハイブリッドの走りの評価 ~加速感、ハンドリングなど~

パワーがあり、よく曲がると評価された2.0Lハイブリッド。一方の1.8Lハイブリッドの評価はどうでしょうか。パワー感や走りの違いをGRドライバーがどう感じとったのかに注目です。

中山雄一:
2.0Lは今までのプリウスとは違う味付けに感じました。1.8Lは逆に今までのプリウスからバランスよく進化している印象です。パワーもしっかり上がっていますし、それに応えるために車体側の剛性も上がっているので、高いコーナリングフォースがかかっても車体が傾かない(傾く量が少ない)し、ブレーキを踏んだ時に縦方向に傾きづらい(傾きづらい)です。

人は車が傾くと、姿勢を元に戻そうとして無意識に体幹に力が入ります。その疲れが少なくなっていると思いますね。例えば、走行距離が長い車ってすごく車が動くじゃないですか、そういう車に乗ると気持ち悪く感じると思います。そういうのが減るということですね。
※取材当日はKINTOのYouTube用動画も撮影

山下健太:
2.0Lとの違いは「軽さ」です。軽快な感じが1.8Lの方にはありました。2.0Lの方が「よく曲がる」印象ですが、1.8Lは車が軽いので乗っていて面白かったです。
 
車が重いと、切り返し(※車庫入れではなく、走行中にハンドルの右から左に連続して操作する切り返し)の際に動きがもっさりというか、自分の意志からワンテンポ遅れて車が動いてしまいます。軽いとそういうもっさり感が少なく軽快に車が動いてくれます。2.0Lも十分よく動くのですが、軽快な動きは1.8Lの方がありました。
 
エンジンに関してですが、1.8Lと2.0L…正直に言いますと、パワー感だけだと1.8Lと2.0Lにそこまで差があるとは思わなかったです、というくらい1.8Lでも十分なパワーがありました。日常領域では1.8Lでも全く問題ないと思いますよ。

新型プリウス1.8Lモデルと2Lモデル、それぞれどんな人におすすめ?

※新型プリウス開発責任者、大矢賢樹主査(右)と談笑する中山さん、山下さん

パワーがあり、よく曲がると評価された2.0Lハイブリッド。一方の1.8Lハイブリッドの評価はどうでしょうか。パワー感や走りの違いをGRドライバーがどう感じとったのかに注目です。
 
中山雄一:
1.8Lはこれまでのプリウスの良さを継承しながら、全てがバランスよくハイレベルになったプリウスです。これまでのプリウスに乗っていた人が違和感なく乗り換えられると思います。2.0Lはパワフルなパワートレーンとそれに見合ったハンドリングを実現している、これまでとは違う新しいプリウスです。今までのプリウスとの違いを体感していただけたらなと思います。
 
山下健太:
2.0Lは運転を楽しみたい人向けで、ワインディングとかをちょっと早いスピードで走ってみたいという人におすすめです。1.8Lは街乗りなど普段使いでストレスなく使える車です。軽くて扱いやすいし、パワーも十分です。何にでも使える、誰にでもおすすめできる車です。

新旧1.8Lハイブリッドの比較は後編記事で!

パワーがあってよく曲がる「わかりやすいキャラクター」の2.0L、軽快で扱いやすい「ストレスフリーな優等生」の1.8L、という違いがあることが取材を通してわかりました。GRドライバーのお二人には、1.8Lと2.0Lの試乗比較のほかに、先代プリウスと新型プリウスの試乗比較もしてもらっています。別記事にて公開中なので、そちらもぜひご覧ください。

新型プリウスに乗るならKINTO。KINTO Unlimitedでお得に乗ろう

KINTO月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける()サブスクリプションサービスを展開しています。
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などのサブスクリプションサービスを展開しています。

それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。

KINTO ONEとは?

KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用がコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります

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また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。

KINTO Unlimitedとは?

トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。

KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?

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