試乗記・レポート
プリウスUグレード試乗レポート!Gグレード比較/従来からのプリウス価値の継承・進化をより感じる1.8L
2023年1月に発売されたプリウスは“低燃費”に加えて“斬新なスタイル”や“大幅向上した動力・運動性能”などで人気を集めています。今回は、KINTOのみで取り扱っている“1.8Lハイブリッド車のUグレード”に試乗しました。また、2.0Lハイブリッド車のGグレードとの比較もお伝えします。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から特徴を分解し、印象・感想をレポートしたいと思います。
<この記事の目次>
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年3月
プリウスU/Gグレード試乗概要
新しい“プリウス価値”を具現化した外観スタイル1.8L/2.0Lハイブリッド車共通
発売以来1年強を経過しているプリウスですが、見ると今でも新鮮さ・インパクトを強く感じさせられ、低く構えたピラーが大きく寝かされた4ドアクーペ的フォルム、存在感ある19インチタイヤ(1.8Lは17インチ)とフェンダー、シャープで印象的なフロント&リヤスタイルなど、トヨタ商品ラインアップの中でも一際目立つ存在となっています。
今回は、1.8Lと2.0Lハイブリッド車を比較、試乗してみる企画だったのですが、並べてみての違いは、タイヤ/ホイールサイズ程度でほぼ同じような印象でした。
「新型プリウスは、一目みただけで、インパクトありスタイリッシュさを印象付けられるクルマ」という発表時の感想は今でも通用すると思われ、そこには新しい“プリウス価値”を具現化した外観が大きな役割を果たしていると再認識させられました。
新しさと快適さ・扱い易さを兼ね備えたインテリア・操作系・視認系。1.8L/2.0L共通
メーターがステアリングから遠い正面に配置され、シフトレバーが普通の位置に変更、また様々なスイッチ類・操作系が大幅に整理されたインテリアも、先代までのプリウスとは大きく変化した内容ですが、全体の印象としては、“クルマとして正常進化したインテリア”という感じで、これまでのプリウスの特徴・独自性は減ったが、進化度は結構高いレベルにあると思いました。
大きく寝かされたピラーや低くされた全高・視点にも関わらず、乗降性や運転するときの姿勢・視界には不都合なく、新しさと扱い易さを兼ね備えたインテリアと言えそうです。
1.8Lと2.0Lの差については、1.8LのUグレードの試乗車が“上級内装仕様” オプションであったため、2.0LのGグレードとの差が殆どなく(センターディスプレイは12.3インチで1.8Lの方が大きかった)、ほぼ同じ見映え・感触・操作感でした。
これまでとは異なるレベルの動力性能を得た2.0L。これまでのプリウスと似た性能・走り味の1.8L。燃費は双方良好ながら1.8L>2.0L
新型プリウスの大きな変更点のひとつはエンジンの2.0L化(追加)。これまで何回か2.0Lのプリウスには乗っていますが、今回も市街地・郊外路・高速道…どんな条件でも余裕を持った走行が可能で、プリウスとしては、これまでとは異なるレベルの動力性能を得ていると改めて感じました。
一方の1.8Lは、乗ってすぐに“これまで慣れ親しんだプリウスの走り”という感想が浮かびました。必要十分な動力性能ながら、いかにもエコ走行をしたくなるようなパワートレーンのフィールや音など、先代までのプリウスに近い走り味を体感したからです。
今回の試乗は、名古屋駅前からトヨタ博物館までの市街地一般路、そのあとは郊外路で豊田市の鞍ヶ池公園に向かい、そこから高速道路で戻ってくる約100km(94.4km)の道のりでしたが、総平均燃費は、1.8Lは“30.8km/L”、2.0Lは“28.9km/L”で、1.8L>2.0Lという結果となりました。
低いドラポジで低重心感あり安心できるコーナリング性能。乗り味の新鮮さは2.0L>1.8L
プリウスの運動性能・乗心地に関しては、TNGAの骨格やサスペンションの改良に加えて、19インチタイヤ装着(2.0L)が主要変更点だと思いますが、基本的に、低いドライビングポジションと低重心感によって、ロールを感じにくい“曲がり”だと感じました。運動性能面の改良も、新型プリウスの大きな変更点のひとつに挙げられると思います。
1.8Lと2.0Lの差については、コーナリング性能に関しては、さほど大きなものを感じ取れませんでした(試乗全体にエコ志向ドライビングを心掛けたためもあるが)が、乗心地や動力性能も含めた“乗り味全体”として、2.0Lの方に新鮮さを強く感じました。
タイヤ分乗心地の良好な1.8L。時に19インチらしさを感じる2.0L
1.8Lと2.0Lの違いは、動力性能・全体の乗り味で感じ取れましたが、乗心地も分かり易い違いだと思います。
スペック上は、装着タイヤ/ホイールが、1.8L=195/60R17+6.5Jホイールに対して、2.0L=195/50R19+6.5Jアルミホイールと口径が違うことに加えて、1.8Lには、フロントのパフォーマンスロッドとリアのスタビライザーが非装着となり、結果的に、路面の凸凹や不整に対して、1.8Lの方が、マイルドで滑らかな乗心地に仕立てられていると感じ取れました。
一方の2.0Lについてもハーシュな乗心地という訳ではなく、“19インチでも基本的にはなめらかにしなやかに走るんだなあ”という感想でしたが、時には“やっぱり19インチだから乗越え段差はきつめだな”と思う場面もあり、全体として17インチ装着の1.8Lよりも固めな印象になっていました。Cセグメント実用車として、妥当な範囲の乗り心地だと思いますが、19インチ化による影響はなしとは言えない…という感じでしょうか?
プロアクティブドライビングアシスト(PDA)等の有効な運転支援装備は1.8L・2.0L共通
安全関連・周辺監視・運転支援機能に関しては、基本的に1.8Lも2.0Lも共通して最新の充実した仕様・装備になっていました。(1.8LのUグレードは安全装備パッケージもフル装着されていたため、また2.0LのGグレードはレンタカーであったため、一部の安全装備は1.8L>2.0Lとなっていた。例えばパノラミックビューモニターは1.8Lのみ装着)
今回の試乗でも“本当に役立つ装備だなあ!”と痛感したのは、ドライビングを微妙にアシストしてくれる装備“PDA”でした。
これは、先行車やコーナーをカメラで見ながら、減速支援やステアリング反力を変化させるもので、カタログには“…危険に近づきすぎないよう運転操作をサポートし、ドライバーの安心につなげます。”とありますが、その通りで、例えば今回の走行では高速道路での追従走行で、その有難さが染み入ってきました。
具体的に言うと、先行する車両との車間距離を読んでいるので、割り込み車があった場合、微妙に回生ブレーキが効き減速してくれ、フットブレーキの必要性を大幅に減らすことができました。ステアリングの反力変化に関しては、あまり感じ取ることはありませんでしたが、何回か、自分の運転操作以外の力がステアリングに掛かっている感覚を実感できました。
このような機構は、ADAS~自動運転化に向かう今後のクルマでは当然のものとなっていくのでしょうが、“ドライバーが運転操作の主役であることは不変ながら、脇役のクルマ側が安全走行できるようにアシストする”もので、「テクノロジーの進化でこんなこともできるんだ!」と改めてその機能に感動させられました(自分のクルマにも欲しい機能の最有力候補)。
プリウス試乗レビューまとめ
1.8L・2.0Lのどちらも“新しいプリウス価値”は具現化されており、魅力的な商品となっている
- インパクトの強いスタイリッシュな外観
- 新しさと快適さ・操作性を兼ね備えたインテリア
- 良好な燃費性能
- 低いドラポジで低重心感あり安心できるコーナリング性能
- プロアクティブドライビングアシスト等の有効な運転支援機能
従来からのプリウス乗り味に近く継承型と感じられる1.8L。新しいプリウス価値がより顕著な2.0L
- よりエコドライビングしたくなる乗り味を備えた1.8L
- 19インチによる乗り味や2.0Lエンジンによる動力性能など、これまでのプリウスには(あまり)なかった価値提供を感じ取れる2.0L
乗心地・良好な燃費・プライスが魅力的な1.8L
- タイヤの差分、乗心地が良好
- 燃費性能が良好(WLTCでは32.6km/L⇔28.6km/L)
- 月額利用料が税込18,480円~
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
○ (動力性能・コーナリング・PDAなど期待値を超えていた)
- また乗りたいか?
〇+ (色々な状況・路で乗ってみたい。ワインディング路など走る機会あれば…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:トヨタ プリウス1.8L Uグレード(ハイブリッド車)
〔車両価格〕:月額利用料18,480円~(KINTOのみ取り扱いグレード・除OPT類)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,600mmx1,780mmx1,420mm・2,750mm・1,360kg、2ZR-FXEエンジン:1.797cc,98ps/5,200rpm,142Nm/3,600rpm+前モーター(1VM)、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:195/60R17
〔試乗車〕:トヨタ プリウス2.0L Gグレード(ハイブリッド車)
〔車両価格〕:3,200,000円~
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,600mmx1,780mmx1,430mm・2,750mm・1,360kg、M20A-FXSエンジン:1.986cc,152ps/6,000rpm,188Nm/4,400~5,200rpm+前モーター(1VM)、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:195/50R19
〔試乗概要〕94km走行、平均燃費30.8km/L
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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