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「取り回しがしやすい」とは?初心者のためのクルマ用語講座
「取り回しがしやすい」という表現は、自動車のレビューや購入検討時に見聞きすることが多い表現です。しかし、あらためてその意味を問われると、「小回りがきくということかな?」などとあいまいな答えをしてしまう方も多いようです。
そこでこの記事では、「取り回しがしやすい」の定義や、どんな車に当てはまる表現なのか、また試乗時に「取り回しがしやすい」ことを実感するためのヒントについてご紹介します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
「取り回しがしやすい」とはどういう意味?

そもそも「取り回しがしやすい」という表現には、次のような意味が含まれています。
- 狭い場所でも走行しやすい
- 駐車場などで切り返すのが楽である
- 低速時や停止する時の操作性が良い
さらに付け加えるならば、「低速での走行時」という前提条件もあります。直線的な広い道路を走るだけでは感じえないのが、「取り回し」だからです。
そのため「取り回しがしやすい」とは、細い路地がたくさんあって小回りが求められる都市部や、タイトなカーブが続く山道などで有効性を感じやすいのが特徴です。
どういう車が「取り回しがしやすい」の?

車の取り回しのしやすさには、複数の要因が複雑に影響しています。
最小回転半径

最小回転半径とは、「車のハンドルを左右のどちらかに目いっぱい切って旋回した時に、一番外側のタイヤの接地面の中心が描く軌跡の半径」を指します。端的にいうならば、「ハンドルを最大限に切って回転した時の円の半径」のこと。
自動車メーカーのホームページやカタログなどに載っている車のスペック表(主要諸元表)には、車名や車両型式、寸法・重量・定員などとともに「最小回転半径」も表記されていますので、確認してみてください。
基本的にはこの最小回転半径の数値が小さいほどUターンがしやすく、小回りが利く車であるといえます。
しかし、取り回しの良さは最小回転半径だけでなく、ハンドルの切れ角、ハンドルを操作する際に必要な力、車体の大きさや前後の出っ張り具合などを考慮した上で、車両感覚のつかみやすさ、視界の良さなどを加味して「取り回しが良い・悪い」という評価をすることになります。
では、「取り回しがしやすい」最小回転半径はどれくらいなのでしょうか。明確な数値は決まってはいませんが、5メートル以下であればかなり小回りが利く印象です。逆に5.5メートルを超えると狭い場所では扱いにくいと感じる方が多くなるでしょう。
トヨタ車でいえば、「ヤリス」の2WD車が4.8m、「シエンタ」が5.0m、「ヴォクシー」で5.5mといった具合です。
車両サイズ

やはり車両サイズが大きい車よりも小さい車のほうが、「取り回しがしやすい」傾向にあります。小さいほうが狭い道路で物理的にすれ違いやすいですし、駐車場での切り返しも容易になるからです。
ただし、車両サイズと聞くと前後の長さ(全長)と横幅(全幅)の数値に意識が向きがちですが、全長が同じ車でもホイールベース(前後輪の軸間)の短いほうが、小回りがしやすくなります。
また、全幅が同じ車でもサイドミラーの端まで含めた幅は違っていることが多く、その差が小回りのしにくさにつながることもあります。車両前部(ボンネット)や車両後部(トランク)のせり出し具合、ボディサイドの膨らみ方なども車両感覚に影響を与える要因になるでしょう。
運転席からの視界

運転席からの視界が広く、死角が少ない車は、障害物を避けやすくなるため取り回しがしやすくなります。
シートの座面が高い車は視界が広くなり、車両の周囲の様子を把握しやすいでしょう。ただし、ボンネットの形状によっては前方の見切りが悪くなる場合もあります。
パワーステアリングの性能

ハンドル操作が軽快にこなせることも、「取り回しがしやすい」と感じる要因のひとつです。
パワーステアリング(略してパワステ)は、運転時のハンドル操作を軽くして、よりスムーズな走行をかなえてくれる装置です。
特に低速走行や駐車場で切り返しを行う際の負担を軽減してくれるので、あまり運転に慣れていない方の強い味方といえるでしょう。パワーステアリングは、100%といっていいほど、ほとんどの車についています。
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アシスト機能の使いやすさ

最近は、バックカメラやパークアシスト機能などが充実した車が増えています。そうした補助機能を活用すれば、車の操作に自信がない方でも狭い道の走行や駐車場での取り回しがしやすくなります。
試乗時にはそれらを実際に体験してみて、ご自身にとって有用であると感じたなら、運転時のストレスが大幅に減って大きな安心感を得られるはずです。
試乗で「取り回しのしやすさ」を確認するポイント

車を選ぶ際には、カタログの数値を確認するだけでなく必ず試乗をして、実際に自分がどう感じるのか確認することをおすすめします。
次のようなポイントをチェックすると、その車がどれくらい「取り回しがしやすい」のかどうかを実感しやすくなります。もし可能であれば、販売店のスタッフさんに同乗を頼んでみるのもいいでしょう。その車の特性ならではの取り回しのコツを聞くことができるかもしれません。
最小回転半径を試してみる

カタログに書かれている最小回転半径の数値は、実測ではなく国土交通省の定める保安基準に沿った計算式で弾き出された“理論値”。実際には、路面の傾斜や滑りやすさ、タイヤの減り具合などにも左右されます。
そのため試乗時には低速でUターンを試みて、その車の小回り性能を試してみるといいでしょう。その際は、小回りが利くかだけでなく「見切りはいいか」「どれくらい死角があるか」といった複合的な判断をすることが重要です。
狭い道や駐車場での動きを確かめる

試乗ルートが設定できる場合は、意識して狭い路地を通ってみてください。さらに駐車場でバック駐車を試みたりして、ハンドルを切り返すときの操作感や車幅感覚を確認しましょう。
ハンドルの操作感は、ステアリングを回してみて重すぎたり軽すぎたりしないかをチェックします。運転に不慣れな方なら、軽めで反応の良いハンドルが適しています。
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運転席のシートポジションと視界を確認する

繰り返しになりますが、運転席からの視界はとても重要です。試乗時は運転席に座ってシートポジションを調整した上で、そこからどんな景色が見えるのか、死角がどこにできるのかを確認しましょう。
特に、左前方と後方の見え方は駐車時に影響するため、必ずチェックしてください。
まとめ
今回は、「取り回しがしやすい」という表現に着目して、チェックするべきポイントをご紹介しました。ただし「取り回しがしやすい」と感じる車には共通の特徴こそあるものの、運転する方の運転スキルやライフスタイルなどによって感じ方は異なりますから、同じ車種に対して「取り回しがしやすい」と感じるとはかぎりません。
また当初は「取り回しがしにくい」と感じたとしても、愛車として乗り続けていくうちに運転操作に慣れ、「取り回しがしやすい」と感じることも少なくありません。
この記事を参考に、気になる車があれば積極的に販売店で試乗をして、ご自身に合った「取り回しがしやすい」車を見つけてください。
(取材・文:増田美栄子 編集:田村恵美/PASSERBY GRAFFICS+type-e)
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KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
- トヨタの新車が対象の「KINTO ONE」
- レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS」
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などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
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