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夏タイヤから冬タイヤへの交換時期はいつがいい?選び方は?
夏タイヤ(ノーマルタイヤ)から冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)への交換時期は、いつぐらいがベストなのか。また、冬タイヤから夏タイヤに戻すタイミングは?ここでは交換のタイミングとあわせて、冬タイヤの選びかたを解説します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
冬期に走行するならば、スリップしないよう履いておきたいスタッドレタイヤ。「冬タイヤ」とも呼ばれ、対して通常のノーマルタイヤは「夏タイヤ」とも呼ばれます。本記事では、夏タイヤから冬タイヤへの交換時期を調べている人に向けて、交換時期や冬タイヤの選び方について解説します。
なお、記事内では夏タイヤや冬タイヤで調べている方に向けて、ノーマルタイヤのことを夏タイヤ、スタッドレスタイヤのことを冬タイヤと呼びます。
はじめに、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)がどんなタイヤなのかを、簡単に説明しておきましょう。日本では1980年頃まで、タイヤの表面に路面を引っ掻くための鋲(びょう)を打ち込んだ「スパイクタイヤ」を冬タイヤとして利用していました。スパイクタイヤは日本での呼称で、英語では「Studded TIRE(スタテッド・タイヤ)」と呼びます。
1980年代に入り、積雪や凍結のないアスファルトをスパイクタイヤで走行することで、路面を削って粉塵を発生することが判明。大きな社会問題になります。そして1990年に施行された「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」により、一部の地域や緊急性・公共性の高い用途に使用される自動車などをのぞいて公道でのスパイクタイヤの使用は禁止されました。
代わって、タイヤの素材や構造で雪上や氷上でのグリップ力を確保するスタッドレスタイヤが普及。現在では冬タイヤというとスタッドレスタイヤを指すようになりました。スパイク(スタッド)がないので、スタッドレスタイヤと呼ばれます。
凍結路での夏タイヤの制動距離は冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)のおよそ1.3倍
2017年のJAFの調査よると、圧雪路を時速40kmで走行する車が急ブレーキをかけてから停止するまでの距離(制動距離)は、夏タイヤが29.9mだったのに対し、スタッドレスタイヤは17.3m。凍結路だと、夏タイヤが105.4mだったのに対し、スタッドレスタイヤは78.5mでした。圧雪路でおよそ1.7倍、凍結路で1.3倍もの差が出た結果になります。
ほとんど降雪がない地域であっても、環境により路面の凍結は発生します。特に夜間から明け方にかけて運転する機会が多い場合は、安全のために冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を利用しましょう。
夏タイヤから冬タイヤへの交換時期はいつがいい?
新品の冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)は装着後、慣らし運転が必要とされています。最低100~200km、走行することでタイヤ表面の油や汚れが落ち、路面と接するトレッド面が均一化され、十分な性能が発揮されるためです。なお、ならし運転は路面の凍結や降雪の前に実施しましょう。
例年、降雪予報が発表されると、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)への履き替えのため、混雑したタイヤショップの様子が報道されます。先の慣らし運転を終えるため、くわえて品切れで購入できないといった事態を避けるため、冬タイヤへの履き替えは初氷結(路面凍結)や初雪(降雪)の1ヶ月前あたりを目安にしてみてください。また、天気予報の最低気温に着目するのも良いでしょう。最低気温が3℃程度でも路面凍結が発生する可能性があるので、日々の最低気温が3℃に近づいてくる前に交換することをおすすめします。
なお、初氷結や初雪は、気象庁の「霜・雪・結氷の初終日(平均値)」で確認できますので、事前にチェックしておくといいでしょう。
気象庁の「霜・雪・結氷の初終日(平均値)」によると、例えば東京の初氷結は12月24日ごろ、初雪平均日は1月3日ごろ。そこから逆算すると、11月末から12月初頭にかけてが交換の目安になります。昨シーズン利用したスタッドレスタイヤを利用するならば、慣らし運転の必要はありません。この場合も初降雪の1ヶ月前を目安に交換しておくと、急な冷え込みによる氷結に対応できます。
逆に冬タイヤから夏タイヤに戻す目安は、雪や氷結の終日が目安になります。「霜・雪・結氷の初終日(平均値)」によると、例えば東京の氷結終日は3月5日ごろ、雪終日は3月9日ごろ。同じように逆算すると、3月中頃が交換の目安となるでしょう。
参考:気象庁―過去の気象データ検索
※地点を選択→都道府県選択へと進み、地点を選択すると「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日の平年値を表示」がクリックできるようになり、クリックすると「霜・雪・結氷の初終日(平均値)」が確認できます。なお、赤二重丸のマーク(気象台等)の地点を選択しないと「霜・雪・結氷の初終日(平均値)」は確認できないようなので、お気を付けください
冬タイヤの寿命や交換タイミングは?
夏タイヤは残りの溝の深さが1.6mmになると「スリップサイン」があらわれ、交換時期を教えてくれます。溝の深さが一部でも1.6mm未満になった場合は、すみやかにタイヤ交換を行いましょう。
冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)の溝は、スリップサインとは別に設けられているプラットホームサインで確認します。プラットホームサインの場所は、タイヤサイドに表記された矢印(⇒マーク)の位置にあるので、昨年使ったタイヤを使用する場合は、装着前にチェックしておきましょう。プラットホームの高さとトレッド(タイヤと路面の接地面)が近づいてきたら、プラットホームが露出する前に交換しましょう。
プラットホームサインがトレッドに露出していなくても、トレッド部のひび割れや偏摩耗が確認できた場合、すでに氷雪路でのグリップ性能が損なわれている可能性があります。すみやかに販売店やタイヤショップに相談しましょう。
なお、低温でも柔らかさを維持するため、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)は特別なゴムを使用しています。そのため夏タイヤと比べて利用できる期間は短く、寿命はおおむね3~4年。この寿命は利用する環境や保管のしかたによって大きく左右されます。定期的にコンディションの確認やタイヤローテーションを行い、適切な環境で保管を行えば長くなり、逆に過酷な環境での利用や保管を続ければ短くなります。
冬タイヤの選び方は?どういった性能がある?
各タイヤメーカーの夏タイヤに多くのモデルがあるように、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)も多くのモデルがあります。車重があって重心の高い車に向けた、ふらつきや偏摩耗に強いモデル、雪上の走行性にすぐれたモデル、凍結路の走行性にすぐれたモデル、経済性にすぐれるモデルなど、それぞれが方向性や特性を持っています。
購入にあたって、事前に車のタイプや利用目的、地域の自然環境や道路環境、予算をしっかりと把握し、販売店やタイヤショップのスタッフに伝えることで、適切な冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を選ぶことができるでしょう。
冬タイヤはホイールと一緒に買ったほうがいい?
冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)の購入方法には、タイヤを単品で購入し、履いている夏タイヤを外して組み替える方法と、ホイールと一緒に購入し、その場で組んでもらう方法の2つがあります。
冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を単体で購入した場合は、ホイール代金が不要です。その一方で、春に夏タイヤへの組み替え、そして初冬に再び冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)への組み替えを行う必要があります。
タイヤの組み替え料金設定はタイヤサイズ、販売店やタイヤショップによって異なりますが、1本あたり数千円かかります。年に2回(8本分)の組み替えを行うため、冬タイヤ交換の際は覚えておくといいでしょう。
スタッドレスタイヤとホイールをセットで購入すれば、ホイールの費用とタイヤの組み換え費用が発生しません。ただし、タイヤ交換が自力できればタイヤ交換費用も浮きますが、できない場合はタイヤ交換費用が発生します。また、外したタイヤを保管する際も、ホイールとセットならばタイヤの内側にホコリや汚れが付着しないというメリットもあります。
短期間で車を買い替えるのならば、ホイールをセットで購入するより、タイヤの組み替えの方が安くなるケースもあります。自身のカーライフスタイルを考慮し、スタッドレスタイヤを単体で購入するか、ホイールとセットで購入するかを決めましょう。
冬タイヤに交換したら夏タイヤはどうする?またその逆は?
外したタイヤを保管できるスペースがある場合は、自宅で保管するケースが多いでしょう。注意しなくてはいけないのは、タイヤはゴム製品のため、紫外線に当て続けると劣化してしまうということ。直射日光や雨の当たらない、風通しのいい場所で保管することが必要となります。油類や熱源の近くの保管はとても危険なのでやらないようにしましょう。
外したタイヤは保管前に軽く水洗いをし、汚れを落とします。そして十分に乾いてから保管場所へ持ち込みます。保管中、タイヤから劣化を防ぐ薬品などが染み出る場合があります。保管場所にはあらかじめタイヤを置く専用の台座や段ボールなどを用意しておくといいです。
ホイールのないタイヤ単体で保管する場合、自重で変形しないよう縦置きで保管します。ホイールとセットで保管する場合、まずタイヤに負担がかからないよう、半分程度(ゆるゆるにならない程度)に空気を抜き、平置きで保管します。いずれの場合も紫外線や風雨からタイヤを守るため、専用のカバーをかけるのがおすすめです。
タイヤを保管する場所がない場合は、販売店やタイヤショップ、ガソリンスタンドといった“タイヤの保管サービス”を実施している施設に保管を依頼します。料金や条件は施設によって異なるので、冬タイヤを購入する前に調べておきましょう。
KINTOなら「冬タイヤオプション」でスタッドレスタイヤに毎年交換できる!
最後に、車のサブスクKINTOで車に乗っている場合のスタッドレスタイヤへの履き替えについて解説します。
KINTOでは冬タイヤの代金、4本分のホイールセット、履き替え料金(上限年2回)、車両返却時のタイヤ引取り代金、冬タイヤ摩耗時の交換がセットになった「冬タイヤオプション(有料)」を設定しています。KINTO契約の際に冬タイヤオプションを追加しておけば、月額料金にスタッドレスタイヤに関わる費用もコミコミにできるので、スタッドレスタイヤの購入や交換に関する出費を心配する必要がありません。降雪・積雪・路面凍結する地域にお住まいの方は、KINTOの「冬タイヤオプション」を追加しておくと冬も安心といえるでしょう。
※「GRヤリス」、「GRヤリス"モリゾウセレクション"」、「GR86」は冬タイヤオプションを選択できません
契約途中での「冬タイヤオプション」の追加はできないため、契約時に選択する必要があります。外したタイヤの保管サービスの有無や保管料金は、販売店によって異なります。販売店に相談し、確認しましょう。
詳しくは「タイヤのメンテナンスについて」をご覧ください。
夏タイヤから冬タイヤへの交換時期はいつがいい?選び方は まとめ
低い気温や氷雪路を得意とする冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)。一方で気温が高い状況や雨天はノーマルタイヤと比較して性能が劣るといった特徴を持っています。一年を通して安全なグリップ力を確保するため、夏タイヤと冬タイヤは目安となる日をむかえたら、早めに交換しましょう。
また外したタイヤは劣化を最小限にとどめるべく、適切な場所と設置方法で保管。良好なコンディションで翌シーズンをむかえましょう。
最後に、車のサブスクリプションサービス「KINTO」について紹介します。先述した「冬タイヤオプション」もあり、車にかかる費用のほとんどをコミコミにできるので、購入やローンとあわせてKINTOも検討してください。
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
- トヨタの新車が対象の「KINTO ONE」
- レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS」
- SUBARUの新車が対象の「KINTO ONE(SUBARU)」
- トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE(中古車)」納期1ヶ月~2ヶ月!(東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中)
- KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited」
などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
KINTO ONEとは?
KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります
初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「KINTO ONE(中古車)」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ
トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。
また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。
KINTO Unlimitedとは?
トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。
KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。
充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?
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