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【タイヤ交換の注意点】タイヤ交換は自分でしない方がいい?
近年、インターネットでホイール付きのタイヤが安く販売されており、ディーラーやタイヤ専門店以外でも気軽に入手できるようになりました。交換に必要な工具なども安く手に入るため、場合によっては自分でタイヤ交換を行う方もいらっしゃるでしょう。
そのため、「自分もやってみようかな」と考える人は少なくないと思いますが、タイヤ交換は難しい作業ではないものの、正しい道具を使用し、正しい手順を守らなければ思わぬ事故に繋がる可能性があります。ここでは、自分でタイヤ交換をする際の注意点をご紹介しましょう。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
侮ることなかれ 重大事故にもつながりかねないタイヤ交換
自分でタイヤ交換をした後の確認ミスが原因となる事故は度々発生しています。記憶に新しいのが、2023年11月に札幌市で発生した重大事故。走行中の軽自動車から脱落した左リヤタイヤが歩道を歩いていた女児に直撃し、意識不明の重体となりました。
事故の原因は脱落したタイヤのナットが5本とも外れるという整備不良でした。タイヤ交換者が正しい作業をしていれば防げていた事故だと考えられます。この事故では、運転していた男性と車を所有していた男性の2名が道路運送車両法違反と過失運転致傷の罪で起訴されており、2025年1月16日に札幌地裁で行われた初公判では、2名ともが起訴内容を認めました。このように、タイヤ交換は正しく行わなければ人の命を奪ってしまう可能性がある作業なのです。
タイヤ交換の作業手順・必要な工具
タイヤ交換は、適切な工具を使い、正しい作業手順で行うことが重要です。タイヤ交換の正しい作業手順と必要な工具についてご紹介します。
交換作業前の準備

平らで車体が安定する場所を確保する
タイヤ交換をするうえで重要なことは、エンジンを切った状態で、平らで車体が安定する場所で作業をすることです。
道具の用意・輪留めをかける
車体を上げるためのジャッキや、ホイールを止めているナットを外したり締めたりするためのレンチを用意しましょう。
その後、車体が動かないようにするため、AT車であればPレンジに入れ(MT車の場合1速、やむを得ず坂の場合では動こうとする向きと逆のギア「上り=1速、下り=R」に入れる)、サイドブレーキがかかっていることを確認します。さらに、交換するタイヤと対角線上にあるタイヤに輪留めをかけましょう。
正しい順番で交換する

いま履いているタイヤのナットを十字レンチなどで緩め、車載パンタジャッキや市販のフロアジャッキなどを使って車体を持ち上げ、タイヤを外します。
交換したいタイヤを取り付けたら、ナットを手で回せる範囲で軽く締め、十字レンチなどで手ごたえがあるまで締め付けます。このとき、対角線(ナットが5つならば五つ星を描くような順番で)の順番で締め込むようにしてください。すべて終わったら、ゆっくりとクルマを地面に下ろします。
トルクレンチを使った本締めを忘れずに

これでタイヤ交換の作業は終わったように感じますが、タイヤ交換はここからが重要。トルクレンチを使い、すべてのナットが指定の締め付けトルクで締め付けられているか、確認しなければなりません。
締め付けトルクとは、ホイールを留めるナットを締める際のねじりの強さのこと。ホイールナットの締め付けトルクは車ごとに指定されており、軽自動車の場合は80~100Nm、一般的な乗用車だと100~120Nm、近年は締め付けトルク140Nmと高めの車種もあります。多くの場合、締め付けトルクはクルマの説明書に記載されていますので、分からない場合は説明書を確認してください。
締め付けトルクをチェックするには、トルクレンチを使います。
一般的に使われるプレセット型(カチッとなるタイプ)のトルクレンチの場合、トルクレンチをナットにはめ、ゆっくりと回して一度「カチン」となったら、規定トルクで締め付けられている証拠です。「カチン」となったところが規定トルクなので、それ以上締め込んではいけません。
すべてのナットを確認したら、近所をクルマで一周するなどしてすこし馴染ませ、もう一度トルクチェックをします。ホイールが車軸側ハブに馴染むと、ナットが僅かに動く場合があるためです。
トルクレンチはネット通販で数万円もするプロ用のものもありますが、4,000~6,000円程度のもので十分です。自分でタイヤホイールの交換をするならば、トルクレンチは必須。車載の簡易工具のみでタイヤ交換する方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合も、適切なトルクで締め付けができたかをガソリンスタンドなどで確認することが必要です。
ホイールナットは、ホイールに適合するものを必ず使う

タイヤ交換においてもうひとつ、見落としてはならないのが、ホイールナットの種類です。タイヤを交換する際、元々ついていたナットをそのまま使う場合が多いと思いますが、なかには、色や形の異なるナットへ交換したくなることもあるでしょう。
ナットにはねじ径(M)、ねじピッチ(P)などの規格があり、自動車メーカーや車格の違いによって規格が異なります。国産車の場合、乗用車でねじ径M12、軽自動車でM10が一般的です。ただし、一部の国産車や輸入車ではM14(ピッチは1.5)のラグボルト式が一般的。ピッチ(ネジ歯の山の距離)は、トヨタ、ホンダ、マツダ、三菱、ダイハツは1.5、日産、スバル、スズキは1.25といった具合にメーカーによって異なります。
また、ホイールとねじが接触する取り付け座面も、平面座、球面座、60度テーパー座など、複数の座面形状があります。座面のあっていないホイールナットは、規定トルクで締め付けても緩む可能性が高いため、必ずホイールの取り付け座面に合った製品を使用する必要があります。
タイヤは保管方法にも注意が必要

スタッドレスタイヤへの履き替えなどで次のシーズンまで保管をする場合、取り外したタイヤの保管方法も気を付けなければなりません。
外したタイヤホイールは、まずきれいに水洗いをして泥や油脂などを落としましょう。タイヤとホイールにはブレーキダストや砂埃、融雪剤のカスなどの汚れが大量に付着しているため、カーシャンプーなどを使い念入りに洗います。洗いながら、トレッド面に挟まった小石などの異物もできるだけ取り除きましょう。釘などが刺さっている場合は、専門店で修理対応が可能か確認してください。
洗い終わったら、保管する前にしっかりと乾燥させます。夏場ならば2~3時間、冬場ならば半日、風通しの良い場所で乾燥させましょう。保管する際、タイヤ同士の接触面のワックスが変質する可能性があるため、タイヤワックス等は不要です。
タイヤへの負担を低減するため、タイヤ空気圧も指定の半分程度に下げるのが望ましいです。シーズン後にタイヤを再び装着する場合は、適正空気圧に戻すこともお忘れなく。自分でタイヤ交換をするならば、エアコンプレッサーもあるといいかもしれません。電動エアコンプレッサーは1万円程度で購入することができますが、エアコンプレッサーがない場合は、ガソリンスタンドなどでタイヤに空気圧を補充してもらってから装着してください。
保管の際、ホイール付きのタイヤは横積み(横向きに重ねる)するのが望ましいです。国内最大手タイヤメーカーも「横積み(平積み)」で保管することを推奨しています。ただし、ホイールがついていないタイヤ単体の場合は、サイドウォールに負荷がかからないようタイヤラックなどを利用して縦置きしておくのが良いでしょう。
直射日光や雨を避ける涼しい屋内で保管するのが理想ですが、屋外に置く場合にはタイヤカバーなどを掛けてください。このとき、地面に直置きにせず、タイヤ用パレットなどを利用してかさ上げしておくとベスト。重ねたタイヤの上に水を入れたペットボトルを置いておくと、カバー最上段の窪みに雨水が溜まることを防ぐことができます。
まとめ
タイヤは自分で交換すれば作業賃はかかりませんが、責任は全て自身が負うことになります。十字レンチやフロアジャッキ、トルクレンチ、空気圧計、エアコンプレサー、さらには保管用のタイヤカバーやタイヤパレットなど、ある程度の工具も揃えなければなりませんし、作業中に大怪我をする可能性もあります。
怪我に至らなくても、タイヤ交換は、力のいる作業。例えば、17インチサイズのタイヤ1本は約10kg、ホイールは1本で約15kg、合わせて25㎏近くにもなります。大型車用の19インチ、20インチでは40kgを超える場合も。
交換作業に自信がない方は、自分でタイヤ交換を行わないほうがいいでしょう。タイヤ交換を自分で行う場合、ジャッキアップ等が必要で、ナットの締め付け加減を誤ると走行中にタイヤが外れてしまう危険もあります。交換作業に慣れている方、自信がある方以外は、タイヤ交換はプロに任せることをおすすめします。
昨今は、タイヤホイールを持ち込めば、数千円で交換作業(空気圧調整も含む)をしてくれる専門店が多くあります。また、外したタイヤホイールを次に使うときまで保管してくれる店もあるため、外したタイヤホイールの置き場所がないという人も安心です。「不安なことはプロに任せる」というのも、賢い選択肢ではないでしょうか。
(文:吉川 賢一 編集:KINTOコラム編集部)
車のサブスク「KINTO」では、月額利用料の中にタイヤ交換(組み替え)が含まれています(※)。また、降雪の多い地域にお住まいの方や、冬場に路面凍結を走行される方のため、冬タイヤオプションをご用意しています。冬タイヤオプションには、冬用タイヤ、ホイール、シーズン中の履き替え(上限年2回)、タイヤの引取り代金(契約終了時)、冬タイヤの摩耗時の交換が含まれており、販売店によっては交換後のタイヤの保管サービス(別途有料)を利用できる場合もあります。詳細は販売店へお問合せください。
※レクサス車、GR車、その他、天災地変・いたずらによるもの、お客様の過失・事故によるもの、冬タイヤのオフシーズンでの履き潰し(冬タイヤ選択時)の場合は除く
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最後にKINTOについてご紹介します。
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
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KINTO Unlimitedとは?
トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。
KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。
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