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タイヤで乗り心地が変わる?操作性や静粛性に影響する「3つのポイント」

タイヤで乗り心地が変わる?操作性や静粛性に影響する「3つのポイント」

こんにちは!タイヤオタクのTC58です。みなさんはタイヤを交換した時、「同じクルマなのに何だか乗り心地が違うな」と感じた経験はありませんか?

タイヤはサイズに大小こそあれ、見た目はどれも黒くて丸いもの。タイヤで乗り心地が変わるとは想像つかない方もいるでしょう。そこで、乗り心地に影響するポイントをタイヤメーカーに15年間勤務した私の経験から解説いたします。

TC58(てぃーしーごじゅうはち)

この記事の執筆者

TC58(てぃーしーごじゅうはち)

15年間タイヤメーカーに勤務し、商品企画やマーケティングに従事する一方、アマチュアレーサーとして、タイムアタックやワンメイクレースに参戦。タイヤの知識だけでなく、自らステアリングを握って得た経験をもとに自動車メディアに寄稿中。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

クルマを構成する部品の中で、唯一地面と接するのがタイヤです。一般的にクルマの乗り心地は、サスペンションが決めると思われがちですが、タイヤでクルマの印象そのものが変わると言っても過言ではありません。

タイヤが乗り心地に与える影響を、「突き上げ感」「静粛性」「鮮度」の3つのポイントに分けて解説します。

「突き上げ感」はゴムの硬さとタイヤの構造、サイズが影響する

サイズ表記の画像の「55」に該当するのが扁平率。この数値が小さいほどタイヤのサイドウォールは薄く、構造は硬い
サイズ表記の画像の「55」に該当するのが扁平率。この数値が小さいほどタイヤのサイドウォールは薄く、構造は硬い

まずは乗り心地に影響する、ゴムとタイヤの構造。硬めのゴムは耐摩耗性(減りにくさ)に優れ、ハンドリングもシャキッとしますが、段差や継ぎ目の衝撃をダイレクトに伝えやすくなります。

一方、柔らかいゴムは、路面の細かな凹凸を吸収し、振動がマイルドな傾向。結果として、静かでしっとりした乗り味になりやすいのが特徴です。

次にタイヤの構造。サイドウォール(側面)の剛性が高いタイヤはステアリングの応答性が良く、高速走行時の安定感も高いものの、路面からの突き上げを感じやすくなります。

反対に、剛性を抑えたコンフォート系タイヤは、入力をしなやかに受け流すため、乗り心地は柔らかくなります。

タイヤの幅に対してサイドウォールが薄いタイヤ(扁平率が低いタイヤ)は、サイドウォールの剛性が上がり、カーブなどでのたわみが減少。結果として、ステアリングの応答性と見た目のカッコよさが向上しますが、その引き換えに突き上げ感が増し、快適性に影響を与える場合があります。

扁平率の低いタイヤ
扁平率の低いタイヤ。55、50、45、40…と数字が小さいほど「扁平率が低い」と言う

タイヤの空気圧も同様で、空気圧が高いと応答性や燃費に有利ですが、段差を拾いやすくなり硬い乗り味に。逆に低めにすると柔らかくなります。

ただし、低すぎるとフワフワした不安定な動きになり、乗り物酔いの原因になることがあるので、車両指定空気圧(適正空気圧)の管理は乗り心地の基本と心得ましょう。

「静粛性」はロードノイズ、パターンノイズ、空洞共鳴音の抑制がポイント

突き上げ感に次いで乗り心地に影響するのが、静粛性。簡単に言うと「静かさ」です。

タイヤから発生するノイズは大きく3種類あり、その1つが路面の凸凹を通過した際の衝撃がタイヤから車体に伝わって発生するロードノイズ。

「ゴー」といった低い音が特徴で、路面状況が悪いほどノイズは大きくなります。トレッド面のブロックの細分化や、やわらかいゴムを使うことでノイズが軽減できます。

次に、空気がタイヤの溝を通過することで発生するパターンノイズ。パターンノイズは「シャー」といった高い音が特徴で、路面状況に関わらず発生します。

タイヤの溝の配置を工夫し、空気の通り道に変化をつけることでノイズの抑制が可能。スポーツ系のタイヤに比べ、コンフォート系のタイヤに細い溝が数多く配置されているのはこのためです。

しかしながら、タイヤの摩耗が進むと溝の形状が徐々に変化し、ノイズを抑える役割が低下。特に空気圧の管理不足やアライメントの調整不足により偏摩耗したタイヤはノイズがひどくなります。

空気圧不足による偏摩耗が最も多く見受けられますが、空気圧不足で乗り続けたタイヤは、中央部分よりも、外側と内側の摩耗が進みます。ぜひ一度、ご自身のタイヤの摩耗状態をチェックしてみてください。

もうひとつ、タイヤが路面の凹凸や道路の継ぎ目を通過した際に、車内に響く空洞共鳴音という音もあります。タイヤに加わった衝撃がタイヤ内部で共鳴し、車内に伝わることで不快に感じる音のことです。

近年ではタイヤの内側に吸音スポンジを設けるなどの対策が講じられたタイヤも存在します。

吸音スポンジ
空洞共鳴音を抑制するためにタイヤの内側に設けられた吸音スポンジ

ここまでの「突き上げ感」と「静粛性」をまとめると、タイヤの快適性と操縦安定性(操安性)は、相反することがわかります。

柔らかい構造と、ブロックの細かい溝パターンは快適性が高い一方、ステアリングの応答性はマイルドで、操安性の面では不利。スポーツ系のタイヤは高負荷の状況でも高い剛性によって、適切な接地形状を保つように設計されています。

同じタイヤでも「鮮度=使用状態」で変化する乗り心地

最後のポイントは「鮮度」。タイヤも新鮮なほど乗り心地や性能がいい、つまりタイヤの使用状態によって乗り心地が変化するのです。

タイヤは、時間とともにゴムの油分が抜けて硬くなる他、摩耗によって路面の追従性も低下し、衝撃吸収性が落ちます。そのため、同じ銘柄でも新品のタイヤに交換すると乗り心地が良くなります。

また、雨の日に止まりにくいと感じるのは、摩耗により排水性が低下しただけでなく、路面の細かい凹凸をとらえる性能が低下したことによる影響です。

タイヤの交換時期は、残りの溝深さが1.6mm以下になる前(KINTOでは2.0mmが目安)とされていますが、それはあくまでタイヤが均一に摩耗した場合。偏摩耗したタイヤであれば、より早いタイミングでの交換が必要になります。

ひび割れたタイヤ
タイヤの劣化が進むとサイドウォールや溝にヒビ割れが生じる。トレッド面の摩耗状態とあわせて交換時期を判断する目安に

一方で、走行頻度が少ない方にとっては残りの溝深さに加え、タイヤのひび割れにも注意が必要です。

走行をしなくても、タイヤは紫外線などの影響で劣化が進みます。当然、劣化が進むとゴムにひび割れが生じます。

多少のひび割れで空気が漏れることはありませんが、ひび割れが生じるということは、劣化が進み、性能が低下している兆候。残りの溝深さに関わらず早めの交換が安心でしょう。

タイヤには劣化防止剤が含まれていますが、これらは走ることで機能するもの。また、走らなくてもタイヤの空気はごく微量ながら漏れていきます。走行頻度が少ない人は、溝深さ以外にも、タイヤの状態に気を配るようにしましょう。

正しいタイヤ選びで、快適性や静粛性を手に入れよう!

冒頭でも述べたように、タイヤは路面と接する唯一の部品です。どんなにクルマの走行性能や安全性能が進化しようとも、タイヤの状態が悪ければ、性能を十分に生かすことはできません。

タイヤのゴムの性質、構造、サイズ、溝パターン、そして空気圧や劣化状態などが、クルマのフィーリングに大きく影響します。「最近ゴツゴツする」「ノイズがうるさい」と感じたら、まずはタイヤをチェックしてみてください。

クルマ
クルマに乗るときやガソリンスタンドに行くときにチェックする習慣をつけよう

KINTOの月額利用料には、定期的なメンテナンス費用も含まれています。販売店スタッフの点検により、タイヤの摩耗が確認された際には無償での交換が可能です(※タイヤ銘柄の指定は承っておりません)。快適、そして安全にクルマに乗るために、タイヤの状態は常に気にしておいてくださいね!

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TC58(てぃーしーごじゅうはち)

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木谷 宗義(きたに むねよし)/type-e

この記事の編集者

木谷 宗義(きたに むねよし)/type-e

SNSを含むさまざまなクルマ関連メディアで、クルマとカーライフにまつわるコンテンツの企画・制作を行う自動車編集者。そのほか自動車コラムニストや大学講師などの顔も持つ。

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