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車のタイヤがパンク…どうする?対処法や事前対策などを解説

車のタイヤがパンク…どうする?対処法や事前対策などを解説

「車の故障」ときいて、真っ先に思い浮かべるのはどの部分の故障でしょうか。エンジンやブレーキなどの不具合、あるいは衝突などによる車体のへこみ(変形)などを思い浮かべた人もいるかもしれません。
 
しかし、実際に発生件数が最も多いのは、タイヤのトラブルです。
 
JAFによると、2023年度に全国で約44万件のタイヤのパンクやバースト、空気圧不足による救援要請があったそう。これは1日あたり約1,200件ものタイヤのトラブルが発生している計算になります。
 
では、走行中にタイヤがパンクしたらどうすればよいのでしょうか。
 
本記事では、万が一のときに落ち着いて行動するための基本知識と、パンクを未然に防ぐための日常のチェックポイントをわかりやすくご紹介します。

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

この記事の執筆者

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

自動車ジャーナリスト。日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

車のタイヤの日常点検は、安全なカーライフを送る上で非常に重要

タイヤパンク
タイヤパンク

昨今の車は多少のメンテナンス不足ではびくともしないですが、それでも日常点検は欠かせません。特に重要なのがタイヤです。

車のタイヤに関しては、「溝が残っていれば大丈夫」と考えている人もいるようですが、それだけでは不十分です。溝が残っていても、サイドウォールの傷やひび割れ、空気圧不足などが原因で走行中にパンクしてしまう可能性は十分にあります。

走行中のパンクは、ハンドルを取られてしまったりブレーキが利きにくくなるなど、非常に危険。タイヤのトラブルを防ぐチェックポイントと、万が一パンクしてしまった際の対処法をご紹介します。

パンクした際の違和感を察知しよう

パンクした際の違和感を察知しよう
パンクした際の違和感を察知しよう

走行中にタイヤがパンクすると、異常な振動や異音が発生したり、ハンドルが左右に取られて操作が重く感じられたりします。また、加速が鈍ったり、車が傾いているように感じたりと、普段とは違う様々な違和感を覚えることがあります。

運転中にこれらの異変を感じたら、ハンドルをしっかりと握りながらゆっくりと速度を落とし、できるだけ早く安全な場所に車を停め、タイヤの状態を目視で確認しましょう。

ただ、現代の乗用車にはチューブレスタイヤが採用されているため、空気が一気に抜けていくことは少なく、見た目だけで判断するのはなかなか難しいかもしれません。

特に低扁平タイヤ(横から見たときのタイヤゴムの部分が薄いタイヤ)は、パンクの判別がしづらいことも。見た目で判断しづらいと感じる場合は、4輪のたわみ具合を見比べてみるとわかりやすいでしょう。

また、ハンドル操作に違和感がある場合は、前輪のタイヤに不具合が生じている可能性が高いため、前輪を後輪と比較して確認してみてください。

パンクしたまま走行を続けることは危険

パンクしたまま走行を続けることは、事態を悪化させる
パンクしたまま走行を続けることは、事態を悪化させる

タイヤがパンクした状態で走行を続けてしまうと、「バンッ」といった破裂音と共に、タイヤが破裂する「バースト」を引き起こす可能性があります。バーストすると、突然ハンドルやブレーキの利きが悪くなり、車を制御できなくなり非常に危険です。特に高速道路では、速度が高いためタイヤへの負荷が大きく、バーストの発生リスクが高まるだけでなく、重大事故に至る恐れがあります

また、パンクしたまま走行を続けると、ホイールリムやサスペンション系にもダメージを与え、修理代金も高額になることも。パンクに気づいたら、できるだけ早く安全な場所に車を止めることが大切です。

ただし、高速道路上は駐停車が禁止されているため、走行中にパンクした場合は、バーストを避けるために速度を落とし、可能であれば最寄りのサービスエリアやパーキングエリアに入るようにしてください。

停車後の対処法

ここでは、安全な場所に停車した後の対処法についてご紹介します。

スペアタイヤがあるなら交換しよう

スペアタイヤがある場合は交換しましょう。近くのガソリンスタンドや専門店に向かう場合も、スペアタイヤに交換してからの方が、パンクしたタイヤの状態を悪化させることなく、安全にたどり着くことができます。小さな穴のパンクなら、内面パッチ等で補修し再利用できるため、修理費を抑えられます。

ただ、タイヤ交換に自信がない場合は、無理をせずこの時点でロードサービスに連絡をしてください。自分で交換する場合は、安全で平坦な場所で作業を行い、ナットの緩みがないか確認し、走行開始直後は特に慎重に運転をするようにしてください。

小さな穴であれば、パンク修理キットで応急措置を

小さな穴であれば、パンク修理キットで応急措置を
小さな穴であれば、パンク修理キットで応急措置を

最近の車は、ほとんどがスペアタイヤではなく、パンク修理キットを搭載しているはず。パンク修理キットは難しそうにも思えますが、JAFが以前に実施したモニターテストでは、初めての人でも、取扱説明書を見ながら作業すれば、約18分で応急修理ができたそう(※)。

出典:JAF「パンク応急修理キットでどこまで修理できる?(JAFユーザーテスト)

ただし、修理キットで補修できるのは、タイヤが地面と接地するトレッド面に小さな穴が空いた場合のみ。穴や亀裂が大きい場合や、タイヤ側面が損傷している場合は使用できません。また、タイヤに異物が刺さっている場合は、そのままにしておく必要があります。異物を抜くと補修液が漏れ出てしまい、補修が難しくなります

パンク修理液を注入したタイヤの再使用は推奨されていません。補修材がタイヤ内部に流し込まれているため、交換が必要になります。また、ホイールにも補修材が付着するため清掃作業も必要になります。

ロードサービスに連絡をする

ロードサービスに連絡をする
ロードサービスに連絡をする

パンクの程度が大きい場合や、作業に自信がない場合、また道路上で停止し車を動かせなくなった場合は、ロードサービスに連絡をしましょう。加入している自動車保険にロードサービスが含まれていることもあるため、一度確認するのがおすすめです。

JAFに加入している場合は、応急処置も無料で受けられるほか、最寄りの修理工場へのけん引や搬送も20kmまで無料です。自分で作業するより、安全で確実な対応が可能です。

パンクの原因

タイヤがパンクする原因はさまざまですが、主なものは以下の3つです。

空気圧不足やタイヤの劣化などのメンテナンス不足・点検不足

空気圧不足やタイヤの劣化などのメンテナンス不足・点検不足
空気圧不足やタイヤの劣化などのメンテナンス不足・点検不足

タイヤはゴム製品のため、経年劣化によって柔軟性がなくなり、ひび割れや亀裂が発生し、空気圧が徐々に低下します。空気が抜けた状態のタイヤは走行時のたわみが大きくなり、繰り返し変形負荷がかかることでタイヤの内部が破損し、最終的にパンクします。

一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が2022年に行った「東名高速道路浜名湖SAにおけるタイヤ点検」によると、点検を実施した乗用車75台のうち、なんと44%にあたる33台が空気圧不足だったと報告されています。

また、JATMAの調査によると、ドライバーの25人に1人は1年以内にパンクを経験しているとの結果も。「これまで問題なかったから大丈夫」と考えず、これまでがラッキーだったと捉え、この機会に空気圧チェックを習慣化しましょう。

道路に落ちていた釘やネジといった金属片を踏む

道路に落ちていた釘やネジといった金属片を踏む
道路に落ちていた釘やネジといった金属片を踏む

タイヤのパンクはメンテナンスや点検不足だけが原因ではありません。道路にはさまざまな異物が落ちており、これらがタイヤに刺さることで発生することもあります。

昨今の乗用車はチューブレスタイヤが採用されているため、金属片を踏んでもすぐに空気が抜けることはなく、徐々に空気が抜けていきます。そのため、タイヤに異物が食い込んでいても、空気圧が安定している場合は、異物を抜かずそのままの状態で、速度を抑えてガソリンスタンドや修理工場、最寄りのディーラーなどへ早急に持ち込んでください。

空気圧が安定しているからといって放置することは危険です。バーストにつながる恐れがあるため、早急に対処しましょう

縁石乗り上げ・異物踏みつけによるタイヤ損傷

道路の縁石に乗り上げたりキャッツアイを踏んだりすることで、タイヤ内部が損傷
道路の縁石に乗り上げたりキャッツアイを踏んだりすることで、タイヤ内部が損傷

道路の縁石にタイヤ側面をぶつけると、パンクの原因になることがあります。トレッド面(路面に接する部分)と比べ、側面(サイドウォール)が薄く、ここに衝撃が加わることで結果的にタイヤが損傷、パンクをしてしまうのです。

また、縁石に乗り上げることもタイヤのパンクを引き起こす要因の一つです。乗り上げた衝撃でホイールが変形すると、タイヤとホイールの間に隙間ができ、空気が漏れ出して(パンクして)しまいます。

パンクしても走行可能な「ランフラットタイヤ」とは?

パンクしても走り続けることができるタイヤもある
パンクしても走り続けることができるタイヤもある

しっかり点検やメンテナンスをしていても、タイヤのパンクを完全に防ぐことは難しく、万が一の際は走行を停止し、ロードサービスに連絡をするか、慣れない作業を行う必要があります。しかし、タイヤの種類によっては、空気圧がゼロになっても一定距離の走行が可能なランフラットタイヤというものがあります。

ランフラットタイヤは、タイヤサイドの補強ゴムが車の荷重を支える構造となっており、ISO(国際標準化機構)の基準で、パンク後も時速80kmで最大80kmの走行できる性能を持ちます。そのため、ランフラットタイヤを装着している場合はスペアタイヤもパンク修理キットも積載が不要になり、慣れない作業をすることも、ロードサービスの到着を待つという手間も省けます。

ただし、メリットばかりではありません。ランフラットタイヤは一般的なタイヤより高価で、補強ゴムが仕込まれているため弾力性に欠け、乗り心地が劣ることがあります。

また、タイヤ取り付けには専用工具が必要となるため対応可能な店舗が限られ、パンク時の修理ができず、新品交換が必須です。さらに、タイヤ空気圧警報装置(空気圧センサー)が搭載されている車両に使用することが義務付けられています。

突然のパンクによる事故リスクを回避できるのは大きなメリット。安全性を重視するならば、ランフラットタイヤはおすすめといえます。

まとめ

突然のトラブルは誰でもパニックになりがち。さらに、慣れない作業となると不安が増しますよね。スペアタイヤへの交換やパンク修理キットでの応急処置を行う場合は、何より安全を確保し、落ち着いて作業しましょう。不安に感じたら、迷わずロードサービスに連絡をしてください。

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

この記事の執筆者

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

自動車ジャーナリスト。日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど。

車のサブスク「KINTO」では、通常使用により発生したパンク時の修理・タイヤ交換が、メンテナンスサービスに含まれています。

ここからは、そんなKINTOについてご紹介します。

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KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?

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