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カローラクロス ハイブリッドの四駆システム「E-Four」とは?ガソリン車の4WDとの違いを解説
トヨタのSUVラインアップにおいて、ヤリス クロスとRAV4の中間に位置する、いわば“ミドルコンパクト”な位置づけにあるモデルがカローラ クロスです。全長4,495mm・全幅1,825mm・全高1,620mmという扱いやすいボディサイズながら、大人4人が快適に座れるパッケージングと必要十分なラゲージルームを備え、ファミリーユースにもパーソナルユースにも活用できる人気モデルです。
さて、そのカローラ クロスですが、オフロード/ラフロードの走行も想定されるSUVだけに四輪駆動モデルもラインアップしています。2021年の発売当初より、四駆モデルはガソリン車に設定はなく、ハイブリッド(HEV)モデルにのみ設定があり、電気式4WDシステム「E-Four」と呼ばれています(E-Fourはトヨタ自動車の商標)。このE-Four、いったいどのような四輪駆動システムなのでしょうか。今回はカローラクロス ハイブリッドの四駆システム「E-Four」について見ていきます。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
E-Fourってどんな仕組みの四輪駆動?
カローラ クロスの2WDモデルは前輪駆動(FF:Front Engine Front Drive)ですが、E-Four車は、前輪側だけでなく後輪側にもモーターを搭載しています。一般のエンジン車の場合、エンジンから出力された駆動力を後輪に配分するために、センターデフ式やビスカスカップリング方式など、車種によって様々な機構を搭載していますが、E-Fourはそれらを廃す代わりにモーターが搭載されています。

カローラ クロス E-Fourのリアモーター最大出力/最大トルクは30kW(41PS)/84Nmで、前輪を駆動するエンジン(72kW)と前輪モーター(70kW)と比較すると控えめなパワーですが、濡れた路面や雪道での走行安定性、多少のラフロードでの走破性を持たせるには必要十分な出力を発揮します。
一部車種ではE-Fourの進化版E-Four Advancedも
E-Fourはカローラ クロスの他にカローラ(セダン)やカローラ ツーリング、ヤリス、アクア、RAV4、プリウス、ヴォクシー/ノアからアルファード/ヴェルファイアに至るほとんどのHEVモデルにラインアップされており、車種によって1.5リットルから2.5リットルまでのエンジンと組み合わされています。
またクラウン クロスオーバーの一部(RSグレード)とセンチュリー(PHEV)には、E-Fourの進化版である「E-Four Advanced」という4WDシステムを採用しています。 E-Four Advanced では、通常のE-Fourよりも大出力の後輪駆動用モーターが搭載され、走行状態に合わせて前後輪トルク配分を100:0~20:80の間で制御します。冷却機構を通常のE-Fourの空冷式から水冷式に変更されており、後輪モーターを積極的に駆動させるシステムとなっています。

E-Fourのメリット・デメリットは?
ではE-Fourはエンジン車の4WDと比較してどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット①燃費改善に有利
E-Fourには、先ほども触れたようにエンジンの駆動力を配分する機構はなく、バッテリーに蓄積された電力からモーターで後輪を駆動させる方式になっています。センターデフなどの車体構造の大幅な変更が不要で、歯車やクラッチ機構などを持たないため伝達ロスを減らすことができ、燃費改善に貢献するシステムとなっています。
メリット②省スペースで4WD化にともなう居住性への影響は最小限
前輪駆動ベースのガソリン車の場合、4WD化のためにプロペラシャフトなどの動力を後輪に伝える大きな機構が必要になります。これに対して、E-Fourは後輪用モーターと配線類の追加にとどまりますので、居住性への犠牲は最小限です。
デメリット①オフロード走破性は直結機構を持つ四駆に一歩譲る
ではE-Fourにはデメリットはないのでしょうか。まず一つは、後輪駆動用のモーターの出力が30kW(41PS)と決して大きくはないため、前後50:50の直結(デフロック)機構を持つ4WDに比べれば激しく荒れた路面での走破性能には劣るという点です。とはいえ、この点はE-Fourに限った弱点ではなく、いわゆる生活四駆と呼ばれるオンデマンド式の4WDは後輪への配分トルクに制約があるケースが大半です。
デメリット②高速走行時の後輪駆動力は限定的
またモーターの特性として、低回転で大きなトルクを発揮し、高回転になるほど減衰するため、高速走行時のスタビリティ改善には効果が限定的になる可能性があります。
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E-Fourはリアサスペンションが違う!
なお、カローラ クロスの場合、前輪駆動車はリアサスペンションがトーションバー形式なのに対し、E-Fourはダブルウィッシュボーン形式が採用されています。カローラ クロスに限らず、特に小型~中型クラスの多くの車種でE-Fourはサスペンション構造がトーションビーム形式からダブルウィッシュボーン形式に変更されています。

サスペンションが変更されている理由は、駆動用モーターの搭載に伴いリアまわりの配線やパーツなどを取り回しが必要になるためです。一般的にダブルウィッシュボーン形式はトーションバー形式と比較してタイヤが路面の凹凸に対して垂直に接地し続ける能力(対地キャンバー変化の抑制)に優れています。これにより、4WDの駆動力を無駄なく路面に伝えやすくなり、悪路や雪道での安定性が高まるというポジティブな側面もあるということを付け加えておきます。
実際の走行でE-Fourの恩恵を感じるか?
先日、カローラ クロスをキャンプに駆り出して湖畔近くの砂利道を走り、また富士五湖近辺の路面状況が悪い中での雨中ドライブを経験しましたが、その走行性能にはまったく不安を覚えることはありませんでした(詳細記事はこちら)。

ディスプレイオーディオには四輪の駆動状況もリアルタイムで表示されるので、E-Fourが走りの安定感に貢献していることは視覚的にも分かります。よほどのオフロードを走行したり、法定速度を大きく超える速度域で高速走行したりしない限り、一般的な使用であればE-Fourは十分以上のトラクションを発揮してくれるでしょう。

E-Fourは2WDと比べて約100kg重く、約26万円高い
カローラ クロスでは、同一グレードの2WDと比較して、E-Fourは約100kgの重量増(G/Sグレードの場合。Zグレードは90kg増)となります。これは後輪駆動用のモーターの搭載に加えて、リアサスのダブルウィッシュボーン化によって部品点数が増加していることも要因と考えられます。
重量増は燃費悪化の要因のひとつになりますが、カタログを見ると2WDが26.4km/リットルに対して、E-Fourは24.6km/リットルと、2WD比で93.2%の燃費となっています。なお、2WDモデルとの価格差は全グレードで259,000円(税込)です。
上記のキャンプドライブで300km走行した際には、渋滞に巻き込まれながらもトータルで22.8km/リットルという好燃費を記録したことから、同車格のエンジン車4WDと比べても優れた燃費性能のメリットを享受できるでしょう。
4WDの安心感と引き換えにわずかな燃費悪化とエクストラコストを出せるかが、判断のポイントになるでしょう。
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