トヨタ車&レクサス車解説
トヨタ シエンタ「モデルチェンジ」の歴史~初代と最新比較
2003年9月に登場した「シエンタ」は画期的なモデルでした。
4,100mmという短い全長のコンパクトカーながら、室内は広くて3列のシートを配置。高い天井&低い床にスライドドアを組み合わせることで実現した乗り降りのしやすさも、評判を呼びました。
そんなシエンタは、これまで2回のフルモデルチェンジを施し、今では3代目へと成長。人気モデルとなっています。
では、2003年に登場した初代と、2022年に登場した現行型を比較すると、どんな部分が進化しているのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
5ナンバーサイズ維持でも室内は拡大!
初代と3代目を比べて、まず異なるのは車体サイズです。初代シエンタの車体サイズは全長4,100mm×全幅1,695mm×全高1,670mmでした。

対して現行モデルとなる3代目は全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695mm。全幅は変わっていませんし、現行モデルも5ナンバーサイズ(全幅1,700mm未満)をキープしていますが、全長は160mm伸びています。

このサイズアップの目的は、室内の居住性を向上するため。
「もっとゆとりが欲しい」というユーザーの声に応じる形で、運転しやすさを損なわない範囲でフルモデルチェンジのたびに室内が拡大されてきました。
ここに、おもしろい数字があります。それは2代目と3代目のフルモデルチェンジ時のプレスリリース(トヨタ自動車広報部がメディア向けに発表した資料)です。そこに「2列目ひざ回り空間(最後部までスライドした2列目乗員の1列目背中までの距離)の、従来モデルに対する拡大」に関しての記述があります。
それによると、2代目が登場した際は、初代に対して25mm拡大。そして3代目は、2代目に対して80mm拡大しています。つまり、初代に対して3代目は、105mmも拡大しているのです。


ただし、3代目の拡大量は「シートスライド量の後方への拡大」によって稼いだもので、1列目から3列目までの距離は、2代目も3代目も変わりません。2代目までは、3列目の足元を狭くしすぎないために、2列目シートスライドの後方への移動量を短めにしていたためです。
すなわち、2代目から3代目へのフルモデルチェンジは、「3列目の狭くしすぎないために2列目に制約を設ける」から、「より2列目を快適にする」という方向へ、“考え方をシフトした”ともいえるわけ。

3列目の乗車定員は初代からずっと2名ですが、シート形状は左右が独立したセパレート形状から、2代目・3代目では、左右がつながったベンチシートタイプになっているのも興味深いところです。

また、初代では全車3列シートだったのに対し、2代目以降は2列シート車が追加されているのも、時代のニーズを反映しても変化といえるでしょう。シエンタは、荷物をたくさん積み込むアウトドアギアや、また車いすを載せる福祉車両としても使い勝手のいい車として選ばれるようになったためです。

床面を低くして、乗降性を向上
次に運転席まわりや乗降性の変化を見てみましょう。
運転席まわりでもっとも大きな変化は、メーターの位置。初代シエンタでは、当時流行していたセンターメーターを採用していましたが、2代目からはドライバーの正面に配置するレイアウトとなり、3代目もそれを継承しています。


そして、ハンドル調整機能も、初代はチルトステアリング(上下位置調整)のみだったのが、2・3代目ではテレスコピック機能(前後調整)が備わるようになりました。
また、シエンタの長所でもある乗降性も進化しています。初代でも十分に低くて乗り降りしやすい床の高さでしたが、2代目へのフルモデルチェンジ時に、スライドドア開口部床の高さを初代に対して55mm低くして、地上330mm(FF車)という驚きの低さに。3代目もそれを継承しています。

また、2代目以降はスライドドア開口幅も、初代より50mm拡大した665mmとなりました。初代に比べて2代目や3代目は、乗降性が大きく高まっているのです。「シエンタの進化=使いやすさの進化」といっていいでしょう。
初代の時には「なかった装備」もたくさん実用性といえば、装備もずいぶんと充実しました。
3代目の装備を見ると、たとえばスマートエントリー(ポケットやカバンに入れておくだけでドアロック解除やエンジン始動ができる電波式のキー)は全車に標準装備だし、さらにスマートフォンがキーの代わりになる先進機能のデジタルキーも設定されました。

パワースライドドアは、ベーシックな「X」に助手席側、中級グレードの「G」や上級グレード「Z」では、左右に装備。GとZでは、「コネクティッドナビ対応」として、通信式ながらカーナビも実質的に標準装備しています。
対して初代は、スマートキーや助手席側のパワースライドドアこそ“最上級グレードに標準装備”するものの、ベーシックグレードや中級グレードではオプションでも設定なし。今では信じられませんが、運転席側のパワースライドドアは全車とも用意がありませんでした。
もちろん、カーナビだってオプション扱い(CDナビとDVDナビ)で、デジタルキーなどは存在しませんでした。初代と3代目では装備水準が大きく異なることに、四半世紀近くの進化を感じずにはいられませんね。

加えて安全装備の充実も見逃せません。3代目ではベーシックグレードを除き、車両周囲360度の様子を確認できる「パノラミックビューモニター」が装備され(Z、Gに標準装備。Xにメーカーオプション)、車庫入れなど狭い場所での運転しやすさと、車両直近の死角も確認できる安全性を手に入れています。

初代では、やっとバックガイドモニター(後方だけのカメラ)がオプションで装着できるという状況でした。シエンタに限らず、2002年に登場した初代「アルファード」でもそうでしたから、それが当時の“普通”だったのです。
もちろん、(当然3代目にも備わる)衝突被害軽減ブレーキは、初代シエンタにはまだ設定がありません。初代の時と比べ、安全性能は大きく進化したのです。
ハイブリッド車も初代にはなかった
大きく変わったといえば、パワートレインを外すわけにはいきません。初代シエンタに用意されていたパワートレインは1種類のみ。排気量1.5Lのガソリンエンジンです。

一方3代目は、同様に1.5Lガソリン搭載車もあるものの、エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車も搭載し、選べるようになっています。
ハイブリッド車の大きな特徴は優れた燃費ですが、実はガソリン車(純エンジン車)に対するアドバンテージは、それだけにとどまりません。エンジンを止めて走行する際の静粛性は快適性を大きく高めてくれるし、モーターのアシストによる加速性能は、高速道路や上り坂を走る際にコンパクトカーで感じがちな力不足感を解消。快適に走ってくれるのです。それもハイブリッドの魅力といっていいでしょう。

参考までにカタログ記載の燃費は、初代(FFモデル)の燃費値が19.0km/L(10・15モード計測)だったのに対し、3代目のハイブリッドモデルではより実燃費に近いWLTCモード計測ながら最大28.4km/L(5人乗り Xグレード FFモデル)まで拡大。使うガソリンの量は、半分ほどで済んでしまいます。
シエンタならではの「変わらないこと」も
さて、ここまでは「変化したこと」に注目してきましたが、もちろん初代から変わらず貫かれていることもあります。たとえば、3列目シートの格納方法。
他メーカーのコンパクトミニバンには、左右に跳ね上げて格納するタイプもあります。跳ね上げ式は格納・展開操作が簡単というメリットがある一方、シエンタは、初代から一貫して、畳んだ3列目を「2列目の下」へ納めるというダイブイン方式を継承しています。




最大のメリットは、畳んだシートを上手にデッドスペースに納めるため、荷室を広く使えること。3列シート車であっても、2列シート車と同等の荷室が使えるのです。
そして、初代から受け継がれているシエンタの最大の特徴は、高効率なパッケージング。運転しやすいコンパクトボディと室内の広さの両立は、「これぞシエンタの神髄!」といっていいでしょう。

3列シートのミニバンながら、運転に自信がない人や自宅の駐車場環境で大きな車を選べないという人にも、安心して選んでもらえるモデルなのです。
いつの時代も「ファミリーに寄り添うクルマ」
昨今は、ひとクラス上のミニバンである「ノア」「ヴォクシー」の車体が大型化したことで、ますますシエンタの重要性が増しているといえます。

ちなみに「X 2WD」で価格を比較してみましょう。初代の価格は149万円(税抜)、3代目は207万7,900円(税込)です。公平に比較するため、初代の価格に当時(2003年)の消費税率5%を加えて税込価格を算出すると約156.5万円になります。この金額と現在の3代目の価格(約207.8万円)を比べると、その差額は約51万円です。
先進安全運転支援機能やパワースライドドア、スマートエントリーなどが装備されたことを考えると、価格の上昇幅は意外と小さいといえるかもしれません。
コンパクトで運転しやすい車体と、高効率パッケージングによる広い室内、そしてお求めやすい価格を兼ね備えたシエンタはいつの時代もファミリーに寄り添う車なのです。
(文:工藤貴宏 企画・編集:木谷宗義/type-e)
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