試乗記・レポート

2025年最新 トヨタ ライズとホンダ WR-Vの違いは?価格・サイズ・燃費の違いを詳しく解説

2025年最新 トヨタ ライズとホンダ WR-Vの違いは?価格・サイズ・燃費の違いを詳しく解説

こんにちは、KINTOコラム編集部のマサカです。 いまコンパクトSUV市場で注目を集めている2台、トヨタ「ライズ」とホンダ「WR-V」。どちらも「タフなSUVデザイン」と「買いやすい価格帯」で注目が集まっていますが、この2台、実際にじっくり比較してみたところ、似ているようで、かなり方向性が違う車だと感じました。
 
この記事では、KINTO公式YouTube動画と連動し、価格・サイズが近いこの2台の違いを徹底解説。購入の決め手となるスペックや装備の違いを詳しく解説します。

間坂 晶子(まさか あきこ)

この記事の執筆者

間坂 晶子(まさか あきこ)

KINTOコラム編集部のマサカです。都内在住の小学生男子のママ。アウトドアが大好きで、カスタマイズしたクルマで車中泊しながら日本一周の旅に出るのが夢。ただし、現実はペーパードライバー歴20年以上。子どものサッカーの送迎にクルマが使えるようになったら楽だろうなと思いつつ、運転することへの恐怖心と戦う日々。片道5km範囲なら自転車移動をしているが、試合の遠征などで、他県に行くことも増えてきており、体力と気力と交通手段に限界を感じています。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

ライズとWR-Vの開発背景とコンセプトの違い

トヨタ ライズとは?

トヨタライズの画像

2019年に登場したトヨタ最小のSUV「ライズ」。ダイハツ「ロッキー」と兄弟車で、DNGA(Daihatsu New Global Architecture)プラットフォームを採用。最大の特徴は「日本の道路事情に最適化された5ナンバーサイズ」と「選べるパワーユニット」。①1.2L ガソリン 2WD(FF)、②1.0L ターボ 4WD(四輪駆動)、③シリーズハイブリッドのe-SMART HYBRID 2WD(FF)の3つをラインアップしています。 価格は以下の通りです。

パワーユニット

駆動方式

グレード

価格 (税込)

ガソリン① (1.2L)

 

 

2WD (FF)

 

 

X

1,800,700円

G

1,958,000円

Z

2,152,700円

ガソリン② (1.0L ターボ)

 

 

4WD

 

 

X

2,079,000円

G

2,235,200円

Z

2,413,400円

ハイブリッド③ (e-SMART)

 

2WD (FF)

 

G

2,263,800円

Z

2,442,000円

※2025年11月現在

ホンダ WR-Vとは?

ホンダWR-Vの画像

2024年に日本発売されたホンダのSUV「WR-V」。グローバルモデル「エレベイト(ELEVATE)」をベースに開発。3ナンバーサイズながら214万円台からという価格を実現。
パワーユニットは1.5L ガソリン・FF(2WD)のみで、4WD(四輪駆動)はラインアップにありません。価格は以下の通りです。

グレード

パワーユニット

駆動方式

価格 (税込)

X

ガソリン

FF (2WD)

2,149,400円

Z

ガソリン

FF (2WD)

2,398,000円

Z BLACK STYLE(特別仕様車)

ガソリン

FF (2WD)

2,483,800円

Z+

ガソリン

FF (2WD)

2,549,800円

Z+ BLACK STYLE(特別仕様車)

ガソリン

FF (2WD)

2,580,600円

※2025年11月現在

ライズはパワーユニットの選択肢が豊富、WR-Vはシンプル構成で価格を抑えた設定といえます。

ライズ vs WR-V 主要スペック比較

トヨタ ライズ (RAIZE)

ホンダ WR-V

全長

3,995 mm

4,325 mm

全幅

1,695 mm(5ナンバー)

1,790 mm(3ナンバー)

全高

1,620 mm

1,650 mm

車両重量

970〜1,070kg

1,210〜1,230kg

駆動方式

FFおよび4WD

FFのみ

燃費(WLTC)

17.4〜28.0km/L

16.2〜16.4km/L

荷室容量(5人乗車時)

369L(デッキボード下段時)

※デッキボード上段時の荷室容量は303L

458L(床下収納を除く)

ライズとWR-Vの違いを6つのポイントで徹底比較

1. サイズと取り回し ― 5ナンバーの機動性 vs 3ナンバーの安定感

左:WR-V 右:ライズ
左:WR-V 右:ライズ
奥:WR-V 手前:ライズ
奥:WR-V 手前:ライズ

ライズは全長3,995mm・全幅1,695mmという5ナンバーサイズが特長で、取り回しの良さが際立っています。視界が広く、ボディの四隅も把握しやすいため、狭い住宅街や立体駐車場でもストレスなく扱えるでしょう。

一方、WR-Vは全長4,325mm・全幅1,790mmのワイドボディです。ハンドルを握るとしっとりとした安定感があり、街中ではやや大きく感じられるかもしれませんが、高速道路ではミドルSUVのような安心感が得られます。

取り回しの指標となる最小回転半径は、ライズが4.9~5.0mとコンパクトSUVの中でも特に優秀なのに対し、WR-Vは5.2mとなっています。この差は、Uターンや駐車時の切り返しといった日常シーンで体感できるポイントです。

2. 室内空間と後席の快適性 ― WR-Vが広い

WR-V
WR-V
RIZE
ライズ

後席の居住性については、WR-Vに軍配があがります

まず、物理的な「広さ」が違います。膝周り・頭上空間ともにライズと比べてかなり広く、ライズもコンパクトSUVとして十分な広さを持っていますが、WR-Vの「3ナンバーの余裕」は座った瞬間にダイレクトに体感できるほどの差がありました。

加えて、「快適装備」も充実しています。ライズにはない「後席用エアコン吹き出し口」や「アームレスト」が備わっており、後席の乗員への配慮が手厚い点も見逃せません。

WR-Vにのみある後席用エアコン吹き出し口
WR-Vにのみある後席用エアコン吹き出し口
アームレストもWR-Vのみ
アームレストもWR-Vのみ

さらに注目したいのが、「シート自体の出来」です。WR-Vの後席シートは背もたれの傾斜があり身体が沈み込むようにできていたので、これにより、ただ広いだけでなく長距離移動でも疲れにくい、座り心地の良さが魅力的だと感じました。

WR-V
WR-V
ライズ
ライズ

普段から後席に人を乗せる機会が多いのであれば、WR-Vが有利といえるでしょう。

3. 荷室の使い勝手 ― フラット構造のライズ vs 容量重視のWR-V

ライズはデッキボードにより荷室床がフラットになり、荷物の積み降ろしが楽
ライズはデッキボードにより荷室床がフラットになり、荷物の積み降ろしが楽

ライズはリヤシートを前に倒して、デッキボードを上段にすると、ほぼフラットになり、最大で長さ1,730mmのスペース(※)を作り出すことができるため、横になって休むことも可能です(※別記事企画にて現地で実寸)

ライズの荷室
ライズの荷室

※荷室長は最大1,730mm

一方、WR-Vは床が低いため、背の高い荷物でも余裕で積めます
一方、WR-Vは床が低いため、背の高い荷物でも余裕で積めます

WR-Vはリヤシートを前に倒すと段差ができてしまうので、ここを解消する必要がありますが、最大約2,181mm(※)のスペースが確保でき、車中泊でも工夫次第で快適に過ごせそうです。
※参考:WR-V「装備・室内空間

荷物の出し入れといった利便性はライズ、アウトドアや旅行でたくさんの積載量といった観点からはWR-Vがよいと思います。

4. 走行性能と乗り味 ― 軽快なライズ vs しっとり安定のWR-V

 実際にライズの1.2L ガソリン 2WD(FF)Zグレードと、WR-Vの1.5L ガソリン・FF(2WD)Xグレードに試乗してみました。ライズのガソリン車は1トンを切る軽量な車両重量と3気筒エンジンによる軽快な走りが特徴です。一方、WR-Vはライズに比べて車両重量があり、4気筒エンジンを搭載しているため、振動が少なく安定感のある乗り味が特徴といえます。

ライズを運転しているときは、アクセルを踏み込むと力強さを感じられ、運転が楽しく感じました

ライズを運転している様子
ライズを運転している様子

一方のWR-Vは、路面からの振動が少なく、カーブや車線変更などの場面でハンドルが安定していてステアリングの手応えがあり、安定感を強く感じました

WR-Vを運転している様子
WR-Vを運転している様子

この違いは好みが分かれるポイントでしょう。

5. パワーユニット・燃費と価格 ― 選べるライズ vs 割り切るWR-V

ライズは3種類のパワーユニット(ハイブリッド車、ガソリン車(1.2L)、ガソリン・ターボ車(1.0L))から選べます。特にハイブリッド車(e-SMART HYBRID)は、WLTCモードで28.0km/L(2WD)という優れた燃費性能です。なお、ガソリン車(1.2L)ではWLTCモード20.7km/L(2WD)、ガソリン・ターボ車(1.0L)ではWLTCモード17.4km/L(2WD)となっています。

一方、WR-Vは1.5L ガソリン車のみのラインアップで、燃費(WLTCモード)は16.2km/L~16.4km/Lです。燃費性能を最優先する場合は、ライズのハイブリッド車が有力な選択肢に入るでしょう。

車両価格については、WR-Vの「コストパフォーマンス」が光ります。WR-Vは、ライズより一回り大きい3ナンバーサイズ でありながら、Xグレードで2,149,400円からという価格を実現しています。もちろん、購入の「最低価格」だけを見れば、ライズにはWR-Vより低い価格帯のガソリン車(Xグレード・1.2L:1,800,700円~)が設定されています。

しかしWR-Vの強みは、その価格で実現した「後席の広さ」 や「荷室容量」 といった車格のゆとりを手に入れられる点にあります。

必要な装備とあわせて比較検討することをおすすめしますが、室内の広さや安定感を重視しつつ価格を抑えたい方にとっては、WR-Vは有力な選択肢になりそうです。

6.機能・装備 ― 街乗りに便利なライズ vs シンプル構成のWR-V

 ライズとWR-Vでは、機能・装備にも違いがあります。例えばライズのハイブリッド車(Z・Gグレード)には、信号待ちや渋滞時にブレーキペダルを踏み続けなくても停止状態を保持する「ブレーキホールド」機能が標準装備されています。

Pマークの電動パーキングブレーキスイッチ
ライズにはPマークの電動パーキングブレーキスイッチがあります

一方、WR-Vは全グレードで手引き式のパーキングブレーキを採用しており、ブレーキホールド機能はありません。

手引き式のパーキングブレーキ採用
WR-Vは手引き式のパーキングブレーキ

街乗りでの停止・発進が多い方にとって、ライズのハイブリッド車に搭載されるブレーキホールド機能は、運転の疲労を軽減する上で大きな検討ポイントとなるかもしれません。

結論:ライズとWR-V、どんな人におすすめ?

トヨタ ライズがおすすめの方

トヨタライズの後ろ姿

優れた燃費と静粛性を誇るハイブリッド車や、雪国で頼もしい4WD(ガソリン・ターボ車)が選べるのは、ライズの大きな魅力です。さらに、狭い道でも運転しやすい「5ナンバーサイズ」のコンパクトなボディも強みといえるでしょう。ハイブリッド車は運転モードも選べるため、シーンに合わせた走りを楽しみたい方にもおすすめです。

ホンダ WR-Vがおすすめの方

ホンダWR-Vの後ろ姿

ご家族やご友人を乗せる機会が多い方にとって、余裕ある後席空間と座り心地の良いシートは大きな魅力です。また、大容量の荷室を誇るため、キャンプやレジャーで荷物をたくさん積みたい方にも、おすすめできます。走行性能においても、「落ち着いた安定感のある走り」を好む方におすすめな一台といえます。

コンパクトSUVの選択に迷ったら、「普段どこを走るか」「誰と乗るか」で選ぶことが、後悔しない一台につながります。この比較が、あなたの車選びの参考になれば幸いです。

トヨタモビリティ東京 江東砂町店

撮影にご協力いただいたトヨタ販売店

トヨタモビリティ東京 江東砂町店

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間坂 晶子(まさか あきこ)

この記事の執筆者

間坂 晶子(まさか あきこ)

KINTOコラム編集部のマサカです。都内在住の小学生男子のママ。アウトドアが大好きで、カスタマイズしたクルマで車中泊しながら日本一周の旅に出るのが夢。ただし、現実はペーパードライバー歴20年以上。子どものサッカーの送迎にクルマが使えるようになったら楽だろうなと思いつつ、運転することへの恐怖心と戦う日々。片道5km範囲なら自転車移動をしているが、試合の遠征などで、他県に行くことも増えてきており、体力と気力と交通手段に限界を感じています。

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