トヨタ車&レクサス車解説
イマドキの車に搭載される安全装置や運転支援システムを解説
運転するたびに恩恵を受けるものから、万が一のときに守ってくれるものまで、現代の車には数え切れないほどの安全装置(安全運転を支援する装置)や運転支援システムが搭載されています。年々、種類や機能が増えていくため、よほどの新型車好きでない限り、各種の機能を理解している人はいないでしょう。
そこで、2025年現在、多くの車に搭載されている安全装置や運転支援システムを自動車ジャーナリストの鈴木ケンイチさんに解説していただきました!
本記事で取り扱う安全装置や運転支援システムは、特定の車種・グレードに限定されたものではありません。一般的なシステムや技術の概要を解説するものであり、各メーカーやモデルによって名称、機能、性能、動作条件などは異なります。ご自身の車で安全装置や運転支援システムをご使用する前には、あらかじめ取扱説明書で各システムの特徴・操作方法を必ずご確認ください。
<この記事の目次>
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
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大きく3つの機能に分類
車は日々進化を続けています。その中でも近年、急速に進化しているのが「安全」にまつわる機能です。こうした最新の機能は、先進運転支援システム(Advanced driver assistance systems)といい、その頭文字ADASから「エイダス」と呼ばれます。
ここでは、
- 走行をサポートしてくれる機能
- もしものときに守ってくれる機能
- 駐車を助けてくれる機能
の大きく3つに分けて、解説していきましょう。
走行をサポートしてくれる機能
レーダークルーズコントロール
高速道路などの自動車専用道路で運転をサポートしてくれる機能のひとつが、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」です。トヨタでは、「レーダークルーズコントロール(追従ドライブ支援機能)」と呼びます。これは高速道路や自動車専用道路を走行中に先行車の動きを検知し、アクセルやブレーキ操作をサポートして車間距離のキープを支援してくれる機能です。

システムをONにすると、設定した速度を守って走り、遅い先行車に出会うと、速度を自動的に調整し、一定の間隔を保って走り続けます。その時、ドライバーは、ステアリング操作と周囲の安全確認を行います。ちなみに、これまでも一定の速度で走る「クルーズコントロール」はありました。しかし、レーダーなどを持たないため、先行車に合わせて速度を調整する機能はありませんでした。
ステアリングサポート(車線維持支援、レーンチェンジアシスト)
システムが、ステアリング操作をアシストしてくれる機能を大きく「ステアリングサポート」と呼びます。「大きく」としたのは、ステアリングサポートによって実現した機能が、複数あるから。それが「レーントレーシングアシスト(LTA)」であり、「レーンチェンジアシスト(LCA)」「緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付き)」といったものです。

「車線維持支援機能」とも呼ばれる「レーントレーシングアシスト(LTA)」は、車線を検知し、走行レーンをはみ出さないようにステアリング操作をアシストするもので、「車線維持支援システム(LKAS)」「車線逸脱防止支援システム」などと呼ばれることもあります。「レーンチェンジアシスト(LCA)」は、高速道路でレーンチェンジ(車線変更)するときのステアリング操作と、周囲の監視をシステムがサポートします。

ドライバーがレーンチェンジしようとウインカーを出すと、隣の車線の状況を検知し、適切なタイミングでシステムがステアリング操作をアシストする、というものです。「緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)」は、走行中に歩行者や走行する自転車、他車両などに衝突しそうなとき、回避するためのステアリング操作をシステムがアシストします。メーカーにより「衝突回避ステアリングアシスト」「歩行者事故低減ステアリング」と呼ばれることも。
一部のシステムでは、ACCとステアリングサポートを併用中に特定の条件を満たすと、高速道路や自動車専用道路での渋滞時にハンドル操作や加減速、停止をシステムが支援し、ドライバーの負担を軽減します。トヨタ車の場合は「トヨタチームメイト[アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)]」※の名称で、2021年発売の『MIRAI』から採用され、現行「ノア/ヴォクシー」などにも搭載されています。
※アドバンストドライブ(渋滞時支援)は自動運転システムではありません。システムを過信せず、運転者自身の責任で常に周囲の状況を確認し、必要なときにすぐに運転操作ができるよう備えてください

ロードサインアシスト、発進遅れ告知機能
車に備えられたカメラで、道路わきの標識や信号、前車を検知し、ドライバーに知らせてくれる機能があります。

標識や赤信号を教えてくれるのが、「ロードサインアシスト(RSA)」や「標識検知機能」と呼ばれる機能。信号が変わったのを気づかずにいた場合、ある条件を満たすと先行車が発進したことを教えてくれるのが「発進遅れ告知機能(TMN)」や「先行車発進お知らせ」と呼ばれる機能です。
先進ライト
夜間の走行中に、より広く遠くまで明るく照らす機能を備えたヘッドライトを「先進ライト」と呼びます。
「先進ライト」にもいくつかのタイプがあり、ハイビームを基本としつつ、対向車や先行車がいるときだけロービームに自動で切り替わるのが、「ハイビームアシスト」や「オートハイビーム」と呼ばれる機能。

同じくハイビームのままながら、対向車などが眩しくないように照射する場所を緻密に調整する機能が、「アダプティブハイビームシステム(AHS)」「アダプティブドライビングビーム」などと呼ばれるシステムです。
ブラインドスポットモニター
走行中に確認しにくい、斜め後ろを警戒してくれる機能が、一般的に「ブラインドスポットモニター(BSM)」と呼ばれる、「後側方車両検知警報」です。

自車の斜め後方をレーダーなどで常にモニターし、他車両が近づくと、ドアミラー内のインジケーターを光らせるなどして、ドライバーに他車両の存在を教えてくれます。車線変更の安全確認に役立つ、便利な機能です。
もしものときにサポートしてくれる機能
プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)
直進走行時に、自車の前方にある他車両などと衝突しそうなときにブレーキを作動させるのが、「プリクラッシュセーフティ」や「衝突被害軽減ブレーキ」などと呼ばれる機能です安心感を高めてくれる機能ですが、あくまでも“衝突被害軽減”であり、“衝突回避”ではないことに加え、車に搭載されるシステムにより、作動する対象が異なっていることにご注意を。
基本は昼間、他車両と歩行者が検知対象。システムが高度化するとともに、「夜も作動できる」「歩行者、自転車、オートバイまで対応する」などと、車種やグレードによっては対象が広がってきています。

最新のシステムの場合、直進時だけでなく、交差点で自車が右折しようとしたときの対向の直進車や、右左折した先の横断歩道の歩行者や自転車、さらには交差点進入時に左右からくる他車両(いわゆる出合い頭の事故)にも対応できるものも。
なお、同じ車種でも、年式により検知対象が変化している場合があります。自分の運転する車が、あるいは買おうとしている車が、どこまで対応できるのかを確認しておくといいでしょう。
フロント/リヤクロストラフィックアラート
車が交差する場所において、ぶつかりそうなときにアラート(警告)を発する機能が「クロストラフィックアラート」です。

前進して交差点に進入するときに、左右から他車両が近づいてくるときに警告するのが「フロントクロストラフィックアラート」、駐車スペースから後退しながら出るときに、左右から近づく他車両の存在を知らせるのが「リヤクロストラフィックアラート」となります。
ドライバー異常時対応システム
ドライバーが運転中に病気などで意識を失ったとき、救命・救護をサポートする機能。システムがドライバーの異常を検知すると、まずは音と表示、緩やかな減速で警告を発します。

それでもドライバーからの反応がないときは、ハザードランプ/ホーン/ストップランプなどを発しながら、それまで走行していた車線内に減速して停止。停車後はドアのロックを解除し、ヘルプネットを自動接続して、救命の要請を行います。
ペダル踏み間違い急発進抑制機能
停止中やゆっくりと走っているときに、踏み間違えによりアクセルを強く踏んでも、急加速しないよう、エンジンやモーターの出力を抑えるのが「ペダル踏み間違い急発進抑制機能」です。

「踏み間違い加速抑制システム」や「誤発進抑制機能」「踏み間違い衝突防止アシスト」などと呼ばれています。
この機能については、2025年6月17日、国土交通省より義務化についての発表がありました。
「電気自動車を含め、オートマの乗用車(クラッチペダルのない乗用車)には、『ペダル踏み間違い時加速抑制装置に係る協定規則』に適合する装置を備えなければならないこととします」として、新型乗用車への適用時期を「令和10年9月1日(輸入車は令和11年1月1日)」としています。
出典:国土交通省「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を義務づけます!」
つまり、2028年9月以降に発売される新型車には、この機能が搭載されるということです。
駐車を助けてくれる機能
パノラミックビューモニター
駐車するときに、自車の周りを360°、真上から見たような視線でディスプレイに表示する機能で、「パノラミックビューモニター」のほか、「アラウンドビューモニター」「マルチビューモニター」などとも呼ばれます。

運転席からでは見えにくい場所を確認でき、また、駐車するスペースと自車の関係もわかるため、駐車がより安全で簡単になります。また、最近では車両を真上から俯瞰して見えるだけでなく、車体の下が透けて見えるような「床下透過映像」を映し出すタイプも登場しています。
パーキングアシスト(駐車支援)
駐車スペースに車を停めるときに、ステアリングやアクセル、ブレーキ操作などをシステムが行ってくれる機能です。メーカーによって「トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク]」や「プロパイロットマーキング」などと名称が異なります。
![トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク]の動作イメージ](/cms-images/assets/c8f79fe8d67e4eb3a34ad72f0d950baf/cbde4b3beb644708907a47699f19a594/ToyotaSafety%20Sense2005_14.jpg)
システム自体は20年以上前から存在していましたが、当初は、駐車枠の設定にコツがいるなど、あまり人気のない機能といえました。近年になって機能が大幅に進化し、使いやすくなっています。
リモートパーキング
車の駐車を自動で行ってくれる「パーキングアシスト」機能を、車から降りて外から操作することができるのが「リモートパーキング」機能です。

「トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク]リモート」「プロパイロット リモート パーキング」など、メーカーによりさまざまな呼び名がつけられています。日本では認可の問題もあり実現していないものの、メルセデス・ベンツなどには「車寄せ」でドライバーが降りたあと、駐車場所まで無人で走っていくタイプも存在しています。
メーカー独自の名称と機能
自動車メーカーは、ひとつの車に数多くの安全装置や運転支援システムを搭載しています。そして、そうした安全装置や運転支援システムを、まとめた名称を利用しています。それが「トヨタセーフティセンス」であり、「ホンダ センシング」、日産の「プロパイロット」、スバルの「アイサイト」といったものです。また、そうした個々の安全装置や運転支援システムを組み合わせて、より高い安全を目指すようにもなっています。
トヨタの「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」は、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリング・ブレーキ操作をサポートします。

同じように、スバルの「アイサイトX」やホンダの「ホンダ センシング360」でもカーブの有無を検知して、走行速度を適切に調整する機能などを持っています。そして、こうした安全装置や運転支援システムの進化の先に、自動運転技術の実現が待っているのです。
初心者や運転に苦手意識のある人ほど高機能な車を!
車の運転には、事故というリスクが存在します。ただし、それらのリスクは、車の安全装置や運転支援システムの誕生と進化により、着実に小さくなっています。運転初心者や「運転が苦手」や「怖い」と感じている人こそ、そうした安全装置や運転支援システムを活用したいものですし、高機能な車を選ぶべきでしょう。

新車/中古車を問わず、車を購入するときは、どんな安全装置・先進運転支援システムがあるのかをチェックするようにしてください。ただし、どんなに安全機能が進んでも所詮は道具です。最後の安全はドライバーの手にかかっています。過信せず、上手に機能を利用して、安全・安心なカーライフを目指してくださいね!
(文:鈴木 ケンイチ 企画・編集:木谷宗義/type-e)
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