トヨタ車&レクサス車解説
レクサスNX PHEVモデルをレビュー!ハイブリッド車の違いは?
外部電源からの充電機能を備えたPHEV(プラグインハイブリッド車)。上手に活用すればガソリンの消費をおさえ、経済的に走行することができます。
この記事ではレクサスNX450h+(PHEV)がどのような車か、NX350h(HEV)と比較しながら紹介します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
レクサスNXのPHEV(プラグインハイブリッド車)とHEV(ハイブリッド車)の違い
2014年に登場し、2021年に2代目へとモデルチェンジを果たした、レクサスのコンパクトクロスオーバーSUV、NXシリーズ。グローバルコアモデルとして、90以上の国と地域で、累計142万台(2023年12月時点)を販売しています。今年2月に一部改良が施され、またグレードに「OVERTRAIL」が加わりました。
現在、NXシリーズには
- 直列4気筒2.5Lエンジン+プラグインハイブリッド車の「NX450h+」
- 直列4気筒2.5Lエンジン+ハイブリッド車の「NX350h」
- 直列4気筒インタークーラー付ターボ2.4Lエンジン車の「NX350」
- 直列4気筒 2.5Lエンジン車の「NX250」
が設定されています。
NX450h+の駆動方式はAWD(4WD)のみ、グレードは「version L」、「F SPORT」、「OVER TRAIL」の3種類が設定されます。
NX350hの駆動方式は2WD(FF)とAWDを用意。グレードは2WDに「version L」、「F SPORT」、標準仕様3種類、AWDに「version L」、「F SPORT」、「OVERTRAIL」、標準仕様の4種類を設定します。
スクロールできます
| NX450h+ | NX350h | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
駆動方式 | AWD(4WD) | 2WD(FF) | AWD(4WD) | |||||||
グレード | version L | F SPORT | OVER TRAIL | 標準仕様 | version L | F SPORT | 標準仕様 | version L | F SPORT | OVER TRAIL |
ここではNX450h+とNX350hのAWDモデル、グレードは両車ともversion Lで比較を行います。
価格の違い
| NX450h+ | NX350h(AWD) |
---|---|---|
グレード | version L | version L |
価格(税込) | 7,495,000円 | 6,646,000円 |
NX450h+のversion Lは749万5,000円。NX350h(AWD)のversion Lは664万6,000円。その差は84万9,000円になります。
※2024年8月時点で、NX450h+はCEV補助金対象車種のため55万円の補助金の交付を受けることができます。補助金の交付を受けた場合の差は29万9,000円になります。CEV補助金については後述します
外観や内装の違い
レクサスNXはグレードにより外装や内装の違いはありますが、NX450h+とNX350hで同一グレードの場合、外装や内装は同じもの(同じオプション)になります。外装や内装に左右されることなく、PHEVとHEVのパワートレーンで選ぶことができます。
NX450h+にはPHEV用の充電装備(充電ケーブル(AC200V用 7m)・電源プラグコード(AC100V用)・充電ポート(充電インレット照明&充電インジケーター付)・充電リッドオープナー(プッシュリフター式)・ドアロック連動リッド&コネクターロックシステム・普通充電インレット・ヴィークルパワーコネクター)が標準装備されています。
※ケーブルの長さは参考値であり、製品の状態や測定方法で異なります
燃費の違いとEV航続距離
NX450h+は外部充電を活用することで、ガソリン消費を抑えて走行できます(駆動用バッテリーに蓄えた電力が少なくなる、あるいは急加速をすることで、自動的にEVモードが解除され、エンジンが始動します)。ここで紹介する燃費は、外部充電を行わず、ハイブリッドモードで走行を続けた場合の数値です。
| NX450h+ | NX350h(AWD) |
---|---|---|
グレード | version L | version L |
WLTCモード燃費 | 19.6km/L | 19.9km/L |
※数値は標準装備タイヤ&アルミホイール着用時
NX450h+のWLTCモード燃費は19.6km/L、NX350hは19.9km/Lと、その差は0.3km/L。NX450h+はNX350hと比べて車両重量が200kg重く、重量差を考慮すると燃費性能は優秀といえます。
NX450h+ | |
---|---|
EV航続距離(充電電力使用時走行距離) | 87km |
※数値はWLTCモード(国土交通省審査値)
「EV航続距離」はPHEVの駆動用バッテリーを満充電し、EVモードのみで走行可能な距離のこと。
NX450h+の場合、駆動用バッテリーが満充電ならば、EVモードで87kmの走行が可能です。
例えば自宅から20~30km離れた職場への通勤に使うならば、ガソリンを消費せずにNX450h+を利用することができます(※)。
※一部の状況ではEV走行が解除され、エンジンを併用した走行となります
ただし長期間滞留したガソリンは品質が劣化し、部品やエンジンに影響を及ぼす可能性があります。レクサスでは1年間で20L以上、消費する走行を推奨しています。
走りの違い
2024年の一部改良により、ボディ剛性の強化と足回りのチューニングが施されたNXシリーズ。これにより操縦安定性と乗り心地の向上が果たされました。
NX450h+とNX350hのボディサイズは同じ。グレードにより全高と最低地上高が異なります。エンジン、フロントモーター、リヤモーターも同じものが採用されています(制御によりNX450h+のエンジン出力は、NX350hよりおさえられています)。
名称 | NX450h+ | NX350h(AWD) |
---|---|---|
グレード | version L | version L |
全長(mm) | 4,660 | |
全幅(mm) | 1,865 | |
全高(mm) | 1,660 | |
ホイールベース(mm) | 2,690 | |
トレッド) | 1,605/1,625 | |
最低地上高(mm) | 185 | |
最小回転半径(mm) | 5.8 | |
車両重量(kg) | 2,030 | 1,830 |
エンジン最高出力 | 185ps/6,000rpm | 190ps/6,000rpm |
※車両重量は18インチタイヤ&アルミホイールを装着した場合、20kg減少。ムーンルーフを装着した場合、10kg増加。パノラマルーフを装着した場合、30kg増加。“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステムを装着した場合10kg増加
NX450h+ | NX350h | |
---|---|---|
グレード | version L | version L |
駆動用バッテリーの種類 | リチウムイオン電池 | |
電圧(V) | 3.7 | |
容量(Ah) | 51 | 4.3 |
個数 | 96 | 70 |
総電圧(V) | 355.2 | 259 |
総電力量(kWh) | 18.1 | ― |
一番の違いは駆動用バッテリーで、種類は同じリチウムイオン電池ですが、NX450h+は、より大容量のバッテリーを採用。それによりNX350hと比べて車両重量で200kg重くなっていますが、高効率エンジンにギヤトレーンと高出力モーターを組み合わせることにより、優れた低燃費と静粛性、走りを実現しました。
高速道路でのスピードの伸びや安定性を重視するならNX450h+が、ワインディングで軽快な走りを楽しみたいのならNX350hが向いていると言えます。
ホイールベースとトレッドは同じ値で、最小回転半径も共に5.8mなので、生活道路や駐車場での取り回しは、両車とも同じ感覚で行えます。
レクサスNX450h+の充電と給電機能
NX450h+を十分に活用するには、日常的に外部からの充電を行うとよいでしょう。充電は家庭用の配線から行えますが、専用の配線工事を行うことで短時間での充電が可能になります。
充電方法や充電時間
新たに開発された高効率な充電システムを採用したNX450h+。充電は普通充電のみで、急速充電には対応していません。
電源規格 | 200V/16A | 100V/6A |
---|---|---|
専用の配線工事 | 必要 | 不要 |
満充電までの充電時間 | 約5時間30分 | 約33時間 |
主な設置場所 |
|
|
こんな人におすすめ | 毎日、車を使う人 | 休日の利用が中心の人 |
※満充電までの時間は社内測定値。駆動用バッテリーの残量や温度、外気温、接続した電源の状態、充電器の仕様などにより変わります
家庭用の配線(100V/6A)からの充電の場合、ハイブリッドモードに入った状態から、約33時間で満充電にできます。専用の配線工事を行ったコンセント(200V/16A)からならば、約5時間30分で満充電にできます。販売店や商業施設に設置される充電器からの充電も同様です。
日々の移動距離が短い人ならば家庭用電源からの充電でも、EVモード中心の運用をすることが可能です。
屋外への外部給電システム
NX450h+は標準で、外部への給電が可能な「非常時給電システム」と「AC外部給電システム」を備えます。NX350hは非常時給電システムのみ、メーカーオプション設定があります。
非常時給電システムでは車内の「アクセサリーコンセント」から、AC外部給電システムは、充電ポート装着した「ヴィークルパワーコネクター」から給電を行います。
非常時給電システムとAC外部給電システムの給電能力はAC100Vで1500Wまで。バッテリー残量が少なくなると自動的にエンジンが始動し、給電を継続します。
※一部の自治体では、駐車または停車中にエンジンが始動した場合、条例違反になる可能性があります
レクサスNX450h+の補助金額(令和5年度補正予算分)はいくら?
環境にやさしい自動車の普及を目的とした制度「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」。対象となる車を新車で購入後(新車リースも対象)、申請することで、車種毎に定められた補助金の交付を受けることができます。
令和5年度補正予算分のCEV補助金では、普通乗用車はPHEVとBEV(バッテリー電気自動車)、FCEV(燃料電池車)、EV(超小型モビリティ、ミニカー、側車付二輪自動車・原動機付自転車)が対象になります。
レクサスNX450h+(version L/F Sport)はCEV補助金の対象車両で、現在、実施されている「令和5年度補正予算」では55万円の補助金の交付を受けることができます。
CEV補助金の概要や申請方法は、「一般社団法人次世代自動車振興センターの公式サイト」で確認できます。CEV補助金は、申請総額が予算上限に到達し次第、受け付けは終了となります。CEV補助金の申請書の提出期限は原則、初度登録(届出)の日から1ヶ月以内となりますので、購入後は速やかに申請を行うことをおすすめします。
またCEV補助金の交付を受けて購入した車は、原則として新車登録日から3年間、または4年間(自家用乗用車の場合は4年)の所有が義務付けられています。処分制限期間内に車を手放すと、期間に応じた補助金の返還が求められますので、その点に留意しましょう。
レクサスNX450h+はCEV補助金のほか、エコカー減税やグリーン化特例の優遇を受けることができます。また各地方自治体が独自に交付する補助金も、あわせて受けることができる場合があります。例えば東京都の場合、レクサスNX450h+の補助金額は55万円、さらに充放電設備(V2B・V2H)導入による上乗せ補助金額が10万円、再生可能エネルギー電力導入による上乗せ補助額が10万円となります。
これらの補助金や優遇は「一般社団法人次世代自動車振興センターの公式サイト」にて紹介されていますが、詳しくは各地方自治体に直接ご確認ください。
CEV補助金については、以下の関連記事も合わせてご覧ください。
レクサスNX450h+まとめ
NX450h+を最大限に活用するには、自宅で充電を行える環境が必要になります。マンションの駐車場などを利用し、どうしても車まで電源ケーブルを通せない場合は、NX350hやNX350、NX250を検討すべきでしょう。
家庭用の配線からの充電は時間がかかります。車を毎日利用し、また移動距離が長いといった環境にあるのなら、NX450h+を快適に利用するため、専用の配線工事も視野に入れましょう。
先にも触れましたが、レクサスNXシリーズはグレードによる専用の外装や内装はありますが、パワートレーンによる専用の外装や内装はありません。最初に好きな専用の外装、内装の施されるグレードを選んだのちに、PHEVのNX450h+か、HEVのNX350hかを選ぶこともできます。
まず自分の車の使い方や駐車場の環境がPHEVに適しているかを判断し、適したパワートレーンを有するNXシリーズを見極めましょう。
なお2024年8月1日より、車のサブスク「KINTO」でもPHEVの取り扱いが始まりました。トヨタやレクサスのPHEVをご検討中の方は、一括購入やローン購入とあわせて、KINTOも選択肢の一つとして、是非ご検討ください(※)。
※車のサブスク「KINTO」でCEV補助金の対象となるのは初期費用フリープランの「5年契約」「7年契約」のみとなります
※レクサス車は3年契約と定めているため、CEV補助金の対象外となります
最後に、車のサブスクリプションサービス「KINTO」についてご案内します。
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
- トヨタの新車が対象の「KINTO ONE」
- レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS」
- SUBARUの新車が対象の「KINTO ONE(SUBARU)」
- トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE(中古車)」納期1ヶ月~2ヶ月!(東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中)
- KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited」
などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
KINTO ONEとは?
KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります
初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「KINTO ONE(中古車)」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ
トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。
また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。
KINTO Unlimitedとは?
トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。
KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。
充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?
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