試乗記・レポート
LEXUS UX300h “version L” AWD試乗レビュー!より電気リッチで洗練された走り味で改良幅“大”。 様々な改良を加えられた今のUX300hは現行モデル完成版か?
2022年7月に引き続き2023年12月に中身を中心とした商品改良が実施されたLEXUS UX300h。これまで”F SPORT”のFWD版とAWD版に試乗してきましたが、今回は上級グレード“version L”のAWD版に試乗してみました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年11月
LEXUS UX300h “version L” AWD試乗概要
モデリスタパーツでスポーティにドレスアップされた外観スタイル。内装はメーターの改良がポイント
販売店の店頭に停められていたUX300hは、とても鮮烈なブルー色で目を引きましたが、同時に、とてもスポーティな印象がありました。実車を見るまで試乗車がドレスアップされたクルマとは知らなかったのですが、モデリスタ・エアロパーツセットとホイールでカスタマイズされており、”version L”ながら”F SPORT”以上にスポーティでシャープな雰囲気になっていました。自分のクルマ(LEXUS UX250h F SPORT)として見慣れたスタイルとはいえ、一味違った外観で新鮮さを覚えました。
インテリアは上級仕様らしく、上品で豊富な仕様・装備のクルマになっていましたが、2023年一部改良でのポイントは12.3インチフル液晶メーターの採用で、確かに、様々な情報が整理され見やすくなっていると実感できました。
より電気リッチになり、加減速とも洗練された走り味
UX250hからUX300hと呼称するようになった所以は、ハイブリッドシステムの次世代化(モーター出力向上・リチウムイオンバッテリー化等)によるものですが、その走りは「より電気リッチ化した感覚」が強く、その分、静か&スムーズで洗練された感じがしました。また、エンジンサウンド自体も、制振材追加や遮音手法の変更によるものか?音圧・音質ともに改善しているように思われました。
具体的には、販売店から幹線道路に出て速めの流れに乗った際、とてもスムーズな加速と静かさが両立していると感じましたし、その後も、信号停止からの発進加速では、モーター先行でエンジンは後から始動し協調加速するなど、これまでのUX250hに対して“電気モーターの存在”をより実感できる走り味となっていました。
また、加速時だけでなく減速時の走り味=ブレーキフィーリング面の改良も著しく、UX250hでは、うまく踏力を抜かないとスムーズに停まりにくい事があるのですが、このUX300hでは、ごく普通にブレーキングしてスムーズに停まることができるようになっていました。
“version L”らしく、普通タイヤ装着らしいしっとりとした乗心地
上級仕様の”version L”は、ノーマルセッティングの足回りと普通タイヤ(非ランフラット)装着ですが、とても「しっとりとした乗心地」のクルマでした。
歩道の乗越え時の当たりが柔軟で良い感じだった他、路面の凸凹やマンホール等の障害が気にならない乗心地だと感じました。自分のUX250h “F SPORT”では、厳しくはないが路面の凸凹やマンホールは意識せざるをえない感じなので、やはり、相当乗心地は違うなあ…と思いました。
試乗車の装着タイヤは、DUNLOPの“SP SPORTMAXX 050”というものでしたが、このタイヤの特性も乗心地に貢献していたのかもしれません。
2022年と2023年の一部改良で、大幅に乗心地が改良されたLEXUS UXですが、その改良度合は、今回乗った”version L”よりも”F SPORT”の方が顕著で分かり易いとは思いました。いずれにしても、UX全車が充分以上に良好な乗心地のクルマになっていると思いましたし、自分のUX250と比較して「羨ましいぞ」と感じる大きなポイントになっていました。
ごく普通の右左折でもわかるステアリングフィールのスッキリ感。上品な走り味
一般的な販売店試乗で微妙なステアリングフィールの云々をレビューするのは結構難しいのですが、今度のUX300hは、販売店から公道に出るところで、そのスッキリ感がすぐに伝わってきました。
販売店出入り口での操舵と戻しつつの加速…。これだけで「ステアリングフィールのスッキリ感」が実感できましたし、交差点での左折時の操舵でも同じような「スッキリ感」がありました。(少し「ドライな感じ」もしましたが…)
2023年12月のプレスリリースによると、「クルマの体幹を鍛えた、安心とゆとりをもたらす上質ですっきりと奥深い走りの味の深化」をテーマに、ボディ剛性の向上と車両制御の最適化を行ったとのことですが、こうした目に見えない改善内容が、走り味・操舵フィール等に効いているのではないか?と思いました。
静かでスムーズな走行・しっとりと良好な乗心地・スッキリ感あるステアリングフィールと、走り味に関わる要素が揃って洗練されていると、運転スタイルも上品にしたくなる…。以前の”F SPORT”で感じたことを今回の”version L”でも同様に感じました。
プロアクティブドライビングアシスト等の運転支援装備充実
安全装備・運転支援機能は日々進化しているので、“新しいクルマ=より安全・運転支援機能が充実したクルマ”となっているものですが、今度のUX300hでも様々な機能・装備が追加/アップデートされていました。
プレスリリースによると、Lexus Safety System+のアップデートによる予防安全機能の拡充が行われ、プリクラッシュセーフティの検出対象および機能を拡大させる等の改良が実施されたとの事ですが、センターディスプレイの運転支援画面を見ると、確かに様々な安全・運転支援機能が働きドライビングをサポートしていると実感できました。
今回の街中試乗でも、プロアクティブドライビングアシストにより前車との車間距離を適切に保つ事が容易になり、とても安心で余裕を持った運転ができました。
運転者の認知・判断・行動(制動行動)について、クルマも同じように対象物を検知し必要に応じ判断・行動(制動行動)をするという点が、「運転主体である人間をクルマが上手く賢くサポートする機能」という意味で、とても良く出来た装備だと思います。
LEXUS UX300h “version L” AWDまとめ
より電気リッチで洗練された走り味のUX300h。改良度合い大
- 外観スタイルは殆ど不変(エンブレムのみ)
- インテリアは大型フル液晶メーターが改良ポイント
- 乗り味・走り味に関わる部分は大きな進化・改良で年次改良の最重要ポイント
⇒『UX250hとUX300hの差の“50”は、“走りのゆとり”と“上品さ”にあり』
様々な改良を加えられた今のUX300hは現行モデルの完成形か?
- UXのデビューは2018年であり、かなりの年数が経過
- 2022年、2023年と一部改良を実施。見た目よりも中身中心の改良
- 「300h」「300e」ラインアップ化と、走り味のリファインを加えた2023年に改良
改良度合いは、”F SPORT”の方がversion Lよりも顕著で分かり易い
- 自分の2021年式UX250h “F SPORT”と較べると、今の300h “F SPORT”の乗り味・走り味進化度合いはとても大きい
- ”version L”でも改良内容・幅は実感できたが、”F SPORT”程ではなかった
総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇+(乗心地・ステアフィール“走り味”が、こうあってほしい姿になっていた)
- また乗りたいか?
〇(UX完成版として欲しい感じもするが…やっぱりF SPORTが好みです)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
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期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS UX300h “version L” AWD
〔車両価格〕:車両本体価格5,657,000円(メーカーオプション¥218,900:デジタルキー、ドラレコ、HUD+パノラミックビューモニター)、(販売店オプション¥881,540:モデリスタエアロパーツ、アルミホイール、フロアマット等)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4495mmx1840mmx1540mm・2640mm・1580kg、M20A-FXSエンジン:1986cc、152ps/6000rpm、188Nm/4400~5200rpm、+フロントモーター(113ps・206Nm)+リヤモーター(41ps・84Nm)、WLTC燃費25.0km/L、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ225/50R18
〔試乗概要〕:レクサス名古屋西・試乗車両、試乗コース約8km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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