試乗記・レポート
LEXUS RX350h “version L” AWD試乗レビュー!(首都高・湾岸試乗編) バランスの良さと“敷居”の低さが特徴/街中・首都高での走行でより分かり易い商品特性
2022年に発売されたLEXUSの基軸車種、第5世代RX。これまでLEXUS RX350 “F SPORT”(2.4Lターボ)、LEXUS RX500h “F SPORT Performance”(2.4Lターボ+ハイブリッド)、LEXUS RX350h “version L”(2.5L エンジン+ハイブリッドシステム)に試乗し、“一歩先に踏み出した正常進化”を経験してきましたが、今回はRX350h “version L”AWDを首都高ならびに湾岸地区で試乗してみた感じをレポートしたいと思います。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年11月
LEXUS RX350h “version L” AWD試乗概要
都内や首都高で運転し易く安心して乗れるクルマ。ちょうど良いサイズ感
今回の試乗は日比谷にあるLEXUS Meetsのプログラム。最近利用している首都高と湾岸地区を組み合わせた約30kmのコースを走るものでしたが、RX350hは、混雑した都内の幹線道路でも、同じく混み気味の首都高でも、また大型車が多く走る湾岸地区でも、運転し易く安心して乗れるクルマと感じました。
全長4,890mm・全幅1,920mm・全高1,700mmと立派なミディアムサイズのSUVですが、視点の高さにより周辺交通を認知しやすく、運転していて“手の内感”を感じました。また、操作系、視認系に関しても使い易く見やすいと思いました。
周囲を大型車で囲まれても威圧感をさほど感じることはなく、まさに都内で大きすぎず、小さすぎずのサイズ感だと思いました。

穏やかでバランスの良さを感じさせる動力性能。燃費も良好なレベル
RXには350、350h、450h+、500hと多様なパワートレーンの選択肢が用意されていますが、今回試乗した350hは、2.5Lエンジン+ハイブリッドの構成で、LEXUSではNXやESにも搭載されており、ある意味“中核”と呼べそうなものです。
始動すると最初はモーターのみで、走り出してアクセルを少し踏み込むとエンジンが始動し、電気モーターとの共同作業で走らせるというLEXUS・トヨタのハイブリッドらしい走行でしたが、アクセルの余裕を持って都内と首都高の交通の流れに乗ることができ、充分な動力性能が確認できました。また燃費も計測してみましたが、流れに乗りつつ時々リードする走行で平均燃費16.0km/Lと、WLTC18.7km/Lには及びませんでしたが、1.9トンのSUVとしては良好な数字と思われました。
他のパワートレーンとの比較では、350のターボ+8ATらしい伸びの良い走りや、500hのパワフルでスポーティな走りに比べ、全体に穏やかで落ち着いたフィールながら必要な動力性能は発揮するバランスの良さが特徴のように思われました。

ちょっと課題を感じてしまった乗心地。個体差によるものだろうか?
以前乗ったRX350h version Lは柔軟で快適な乗心地だったのですが、今回乗ったクルマ(AWDだがグレードは同一)ではそれほどの感心はなく、「悪くはないが平均的なレベル」と感じてしまいました。
具体的には、都内幹線路や首都高の舗装継ぎ目、路面補修跡を乗り越えていく際に、あまり柔軟さが感じ取れず、視覚的に予想したのとほぼ同じレベルの音・振動が伝わってくる感じ…。21インチタイヤの重さと大きさをそれなりに伝えてくる乗心地とも思いました。
考えられるのは、今回乗ったのがAWDで先回のFWDと乗心地で違いがあったためなのか。もしくは、今回乗ったクルマのタイヤ空気圧条件等で何か違いがあったためか。いずれにしても、ちょっと課題を感じてしまった乗心地でした。
ステアリングフィールや動的質感については、落ち着きあるキャラクターの味付けで、ラグジュアリー仕様らしいと感じました。パワートレーンの感じ(バランスよく充分な動力性能で、エンジン回ってもあまり音が気にならない)と走り味の感じ(落ち着きある感じ)が互いに上手くシンクロしている感じで、一言でまとめると“ソフィスティケート(洗練された)感覚”と表現できると思いました。

“正常進化型+α”の外観スタイル・内装デザイン
発売から2年経過し、今では街中でもその姿をよく見るようになった現行RXですが、見るたびに“サイズの立派さ”と“RXらしさ”、そして“新しいRXとしての変り映え”を意識させられます。
一見してLEXUSのRXとわかり、かつ最新型と気づかされる外観は、正常進化型+αと呼べそうな魅力あるスタイリングにまとめられていると思います。
一方インテリアについても、自然で適度に囲まれ感のある雰囲気、本革張りシート等による高級感、分かり易い操作系・視認系が組み合わされており、これも正常進化型+αと呼べそうな魅力をもつものと思いました。
インパネ中央に配置された14インチディスプレイは、NX同様、このRXでも大きな存在感を持っており、操作性に関しても、色々なLEXUS車に乗っているうちにかなり習熟してきて、扱い易いと思うようになりました。(ステアリングのタッチトレーサーだけは今でも慣れていない感じですが…)


乗り易さ・扱い易さなど“敷居の低い”プレミアムSUV
RXは乗用車派生プレミアムSUVのパイオニアであり、市場拡大の推進役を果たしてきたクルマだと思いますが、その基本は、普通の乗用車から乗り換えてもすんなり乗りこなせる上に、オンロードSUVとしての特徴(視界やスペース多用性等)はしっかり押えてある点にある、すなわち、SUVを敷居の低い存在にしたことが最大のポイントであり強みだと思います。
数あるミディアムサイズのプレミアムSUVの中でもLEXUS RXが存在感を発揮しているのは、歴史的な積重ねや蓄積といった面もありますが、一貫して乗り易さ、扱い易さなど敷居の低いプレミアムSUVを志向してきた事が大きな要因となっているのではないでしょうか。
今回試乗したRX350h “version L”は全体的にバランスの取れた商品性で、SUV流入層にも受け入れやすいクルマに仕立てられており、まさに“敷居の低い”プレミアムSUVらしい存在と言えそうに思いました。
LEXUS RX350h “version L” AWDまとめ
正常進化型+αとして、一歩先に踏み出した5代目RX
- 正常進化型のモデルチェンジながら、走りと乗り味の面で大きな進歩
- ターボ+ハイブリッド(500h)やPHEV(450h+)等、商品展開面の拡がり
- 内外装デザインや仕様装備面でも様々な“新しさ”を具現化
バランスの良さと“敷居”の低さが特徴の350h “version L”
- 500hや350はスポーツ味で魅力的だが350hはバランスの良さが魅力
- プレミアムミディアムSUVとして選びやすい“敷居の低さ”
東京の街中・首都高での走行でより分かり易いその商品特性
- 大きすぎず小さすぎず、運転し易さと存在感あるサイズ・パッケージ
- 動力性能や走り味等、都内の運転に適合した感じがある諸性能


総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇-(バランスのとれた商品性は期待値超え。今回試乗車の乗心地はいまいち)
- また乗りたいか?
〇(RXはサイズが許せば欲しいクルマなのだが…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS RX350h “version L” AWD
〔車両価格〕:車両本体価格\7,960,000 (OPT:パノラマルーフ¥209,000、デジタルインナーミラー¥44,000、マークレビンソン¥279,400、ドラレコ¥42,900等)
〔主要諸元〕:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,890mmx1,920mmx1,700mm・2,850mm・2,010kg、A25A-FXSエンジン:2,487CC、190PS/6,000rpm、243Nm/4,300~4,500rpmモーター:182PS、270Nm/ 54PS、121Nm、AWD、WLTC燃費18.7km/L、サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク、タイヤ:235/50R21
〔試乗概要〕
レクサスMeets日比谷・試乗車両
首都高+湾岸地区ルート約30km試乗
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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