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車の修理でよく聞く板金とは?板金修理の費用相場や保険適用

車の修理でよく聞く板金とは?板金修理の費用相場や保険適用

自動車に乗っていると、『板金』という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?漠然と自動車の修理に使われている言葉というイメージはありますが、具体的にどんな作業をするのか、わらないという人も多いと思います。
 
そこで今回は「板金ってなに?」という基礎知識から、具体的に「板金作業ってどんなことをするの?」「どんなときに板金が必要になるの?」「どんな状態から修理できるの?」「保険は使えるの?」といった疑問にお答えします。

※記事公開時の情報をベースにしており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください。

板金の本来の意味について

板金の本来の意味についてまず、『板金』とは、自動車に限らず、金属加工全般で使われる言葉です。具体的には、金属製の板材を『切断』『穴あけ』『曲げ』などによって目的の製品・部品の形状にする加工全般を指します。自動車に限らず、冷蔵庫や洗濯機の本体カバー、テレビやパソコンの部品、フライパンや鍋のようなキッチン用品など、金属が使われている身近な製品を作るために使われている一般的な金属加工方法のひとつです。
 
補足ですが、現在『板金』という漢字が使われていますが、以前は『鈑金』という漢字を使うこともありました。昔から営業している板金工場や修理工場の看板を見ると、『〇〇鈑金』『鈑金塗装に対応』と書かれていることもあります。単純な『木へん』と『金へん』の違いで、厳密にいうと金属加工を指しているので『鈑金』が正しくなりますが、現在では『鈑』という漢字が当用漢字表や常用漢字表に含まれないため、『板金』と書くのが一般的です。あまり難しく考えず、どちらも正しいと覚えておけば大丈夫です。
板 = 薄くて平たい木材
鈑 = 薄くて平たい金属

車の板金とは、ガリ傷や凹みなどの修理をする作業全般

車の板金とは、ガリ傷や凹みなどの修理をする作業全般次は、車業界で使われる『板金』の意味を考えていきます。自動車関係で『板金』という言葉を使う場面は修理です。とくにボディの修理で『板金』という言葉が用いられます

自動車のボディは、金属の板からできており(※)、壁などに車にぶつけて擦り傷や凹みができてしまうことがあります。また、事故を起こしてしまってボディが大きく凹んでしまったり、塗装が剥げてしまったりすることもあります。このようなボディの損傷を修復する修理作業全般を一般的に『板金』と呼んでいます。
※一部のスポーツカーなどには金属ではなくカーボンなど非金属素材を使用している場合あり

また、『板金』とは、前述したとおり“金属製の板材を『切断』『穴あけ』『曲げ』などによって目的の形状に加工する技術”ですが、車の板金作業には、ボディの修復という意味で、壊れてしまったパーツやパネルの交換も含まれます。そのほか、板金作業後に色も塗りなおすので、塗装作業も含めて『板金塗装』とまとめていうこともあります。
 
このように一般的な金属加工の『板金』と、車を修理する『板金』では、少し内容が変わってくることも覚えておきましょう。自動車の板金は、事故などで変形してしまったボディを元通りに直す修理全般を指します

板金作業では、どんな傷や凹みの修理ができる?

板金作業では、どんな傷や凹みの修理ができる?ここからは、具体的に『板金』でどんな修理ができるのかについて説明します。板金といっても、ピンホール程度の小さな凹凸の修理からはじまり、べっこりと凹んだドアの修理、大事故でフレームまで歪んでしまった車の修正まで、修理内容は多岐にわたります。

具体例① 線傷、ガリ傷

具体例① 線傷、ガリ傷車のボディでよくあるトラブルが『線傷』『ガリ傷』『引っ掻き傷』などです。例えば、カバンの金具がボディに当たったり、ドアのカギ穴にキーを差し込もうとして滑ってボディに接触したりなど、車のボディは簡単な衝撃で傷ができてしまいます。そのほかにも縁石や段差などに軽くぶつかってしまったり、狭い路地でガードレールや塀に接触してしまったり、『線傷』『ガリ傷』『引っ掻き傷』ができる要因はたくさんあります。
 
このような『線傷』『ガリ傷』『引っ掻き傷』などは、軽度のものであれば、塗装するだけ、または軽くパテを盛って段差を埋める程度で修理できるケースもあります。この場合は、鉄板自体に『切断』『穴あけ』『曲げ』といった加工を行わないので、具体的に言えば塗装+αの作業と言えるでしょう。

具体例② 軽度の凹み

具体例② 軽度の凹み車のボディを縁石やガードレールなどにぶつけてしまい、軽く凹んでしまったという経験のある人も多いのではないでしょうか? こういったボディの凹みも板金で直せる代表例です。
 
軽度の凹みであれば、裏側から叩いたり、専用ツールで凹んでいる部分を引っ張り出したりすることで、ある程度の修復が可能です。凹みの程度にもよりますが、その後はパテを盛って整形し、再塗装することで元通りの見た目に直すことができます。あまりに凹みがひどい場合は、鉄板を修復するのではなく、新品のパネルに交換することもあります。

具体例③ 塗装剥げ

具体例③ 塗装剥げ自動車の塗装は、紫外線によるダメージや経年劣化などで、事故を起こしたりしなくても塗装が剥がれてくることがあります。このような状態を一般的に『塗装剥げ』と呼んでいます。こういった塗装剥げも板金塗装の修理範囲になります。通常、凹みなどがなければ再塗装するだけで修復できます。

具体例④ ボディのサビ

車は、金属の塊なので、経年劣化や使い方によってサビが発生することがあります。とくに傷や塗装剥げなどがあると、そこから雨水が進入し、ボディの金属にサビが発生しやすくなります。そのほかにもボディにサビが発生する原因はありますが、そのサビが進行するとボディの金属がボロボロと剥がれ落ちてしまうことも。このようなボディのサビ、さらに劣化による損傷の修理も板金に含まれます。
 
軽度のサビであれば、その部分を落として再塗装するだけで済む場合もありますが、サビが進行して金属がボロボロの状態になっている場合は、大掛かりな作業が必要になります。

具体例⑤ フレーム修正

『線傷』『ガリ傷』『引っ掻き傷』『軽度の凹み』などは外板パネルの修理です。それに対して、比較的大きな衝撃が加わる事故など、車の骨格に歪みが発生した場合に行う作業が『フレーム修正(内板骨格修正)』です。これらの作業も板金の範囲になり、ボディ修正装置やフレーム修正機といった特殊な機械を使用しながら修理します。

具体例⑥ バンパーなどの傷

バンパーには金属製や、樹脂製(塗装済み、または無塗装)のものなど素材に違いがあります。樹脂製のバンパーは金属ではないので板金加工からは外れますが、「板金」や「板金塗装」にはボディ塗装も含まれるため、板金業者の修理メニューの中に樹脂製バンパーの修理も含まれることがあります。
 
最新車両のバンパーにはセンサーが内蔵されているので、修理のためにバンパーの脱着を行った場合、センサーの不具合等が発生する可能性があります。バンパーの傷は、ディーラーに相談しましょう。

板金修理ができる場所はどこ?

板金修理ができる場所はどこ?次に板金修理を依頼できる場所について紹介します。一般的には、新車・中古車を販売している『ディーラー』のほか、板金塗装などのボディ修理をメインにしている『板金工場』、そのほか一般の『自動車整備工場』や『ガソリンスタンド』『カー用品店』などが板金修理を受け付けています。対応できる修理内容は工場や店舗によって違うので、実際に修理を依頼する際はあわせて調査することをおすすめします。

新車・中古車の販売をしている『ディーラー』

修理で最初に思い浮かべるのが、その車を購入した『ディーラー』や『販売店』ではないでしょうか?新車や中古車の販売をしている『ディーラー』や『販売店』の多くは、アフターサービスにも対応しており、大型の店舗であれば自社で自動車整備工場・板金工場を併設している場合もあります。修理に行く前に、電話等でまずは気軽に修理可能か相談してみるといいでしょう。

板金塗装などのボディ修理をメインにしている『板金工場』

ディーラーと並び、板金塗装などのボディ修理をメインにしている『板金工場』も頼もしい存在です。板金修理が可能と謳っているディーラーや自動車整備工場、ガソリンスタンドのなかには、自分達で修理を行うのではなく、板金工場に修理を依頼する場合もあります。板金工場も大小さまざまあり、対応できる車両や修理メニューも違うので、板金工場選びが重要になります。こちらも修理を依頼する前に下調べをするといいでしょう。

一般的な修理を行っている『自動車整備工場』

一般的な修理を行っている『自動車整備工場』でも板金修理の受け付けを行っているケースがあります。『ディーラー』や『販売店』と同様、自社で板金工場を持っている場合もあれば、提携の板金工場に作業依頼する場合もあります。

車検や整備などを行っている『ガソリンスタンド』

車検や整備、そのほかタイヤ交換などを行っている『ガソリンスタンド』も、板金修理を受け付けているところがあります。この場合も自社で板金工場を併設していることもあれば、提携の板金工場に依頼する場合もあります。すべてのガソリンスタンドが板金修理に対応しているわけではないので注意しましょう。

『カー用品店』

『カー用品店』でも板金修理に対応しているケースがあります。入りやすく、相談しやすいのはメリットでしょう。他の選択肢と同様、店舗によって対応できる車両やメニューに違いがあるので、修理に行く前に、電話等で修理可能か相談してみることをおすすめします。

板金修理にかかる費用相場は?

板金修理にかかる費用は?板金修理にかかる費用相場ですが、修理内容や依頼先によってケースバイケースです。例えば、5cm以下の線傷・擦り傷程度であれば、1万円以下で修理可能なケースもあります。逆にフレーム修正のような大掛かりな板金修理となると、100万円以上かかることもあります。
 
一例として、トヨタの販売店『トヨタモビリティ東京』の板金修理金額を紹介します。

  • こぶし2つぶんくらいの小さな傷の修理におすすめ『キズナックス』

バンパーやサイドマットガード、ミラーカバー等の樹脂部品が対象
15cm×15cm以内の傷 1万8,000円
25cm×15cm以内の傷 2万3,000円
※3コートパールは金額25%加算

  • 低価格でお手軽に修理したい人向けの『お手軽コース』(パテで修理)

20cm×20cmの単色ドアの傷修理(アクアの場合) 4万6,740円

  • 品質を保ちながら価格を抑えたい方向けの『シンプルコース』(凹んだ鉄板まで修理)

20cm×20cmの単色ドアの傷修理(アクアの場合) 5万6,395円

  •  新車同様の仕上がりを求める方向けの『本格修理コース』(部品の取り換え)

20cm×20cmの単色ドアの傷修理(アクアの場合) 11万1,540円
 
上記を見ていただければわかりますが、同じ20cm×20cmの単色ドアの傷修理(アクアの場合)でも4万6,740円~11万1,540円と倍以上の差があります。このように板金修理は、求めるクオリティによって費用が大きく変わります。そのため、まずは状態を伝え、見積りを取ってもらうことが大切です。

板金修理費は高騰中

板金修理にかかる費用は、近年値上がりを続けています。背景に、板金修理が可能な人材(板金工)の不足による人件費の高騰のほか、車の多機能化や高剛性化により板金修理の難易度が高くなっていること、材料費や物流費の高騰などが挙げられます。
 
見積もりを取る際は、車の板金業界も価格転嫁の動きがある、ということを頭に入れつつ、予算と相談して修理メニューを選ぶといいでしょう。

板金修理に自動車保険は使える?

板金修理に自動車保険は使える?板金修理する際に「自動車保険は使えるの?」と気になる人も多いはずです。自動車保険の車両保険に加入していれば、事故などで自分の車が破損した場合に状況や内容によって修理代が保険金として支払われます。自動車保険を使って板金修理ができるということです。ただし、車両保険が適用されるケース、されないケースがあるので注意が必要です。

車両保険が適用するケース

車両保険に加入していることが大前提となります。また、車両保険は、事故や盗難、自然災害、いたずらなどで自分の車に被害あった場合に対し、修理費用が支払われる保険です。保険の内容によって適用する範囲や金額も異なるので、詳しくは保険会社などに確認してください。
 
また、注意点として、車両保険を利用すると翌年度から等級が下がります。さらに一定期間『事故あり係数適用期間』が適用され、保険料が割増しになります。そのため、少額で修理できる場合に車両保険を使ってしまうと、逆に保険料が高くなってランニングコストが上がってしまうことがあります。そこで自損事故などで車両保険を利用する場合は、車両保険を使った場合の翌年度からの保険料と、板金塗装の修理費を比較し、どちらのほうがお得か計算して使うようにしましょう。

車の修理「板金」まとめ

車の修理「板金」まとめ板金の基礎知識から板金塗装が必要なケース、さらに板金塗装を依頼する方法、自動車保険の対応についてなど、板金修理の概要について今回は説明しました。愛車が傷ついてしまうことや事故を起こしてしまうことは考えたくありませんが、どれだけ安全運転していても避けられないことがあります。また、車に長期間乗っていれば、気づかないうちに傷や凹みも増えてしまうもの。そんなときに悩まないために、板金修理のことも覚えておきましょう。
 
最後に、メンテナンス費用や保険もコミコミで安心な、車の新しい乗り方「車のサブスクKINTO」について紹介します。

KINTO月々定額でトヨタ・レクサス車をご利用いただける(サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます

  • トヨタの新車が対象の「KINTO ONE
  • トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE 中古車」最短1ヶ月納車!(東京・愛知・長野で提供、エリア順次拡大中)
  • 電気自動車(BEV)のbZ4Xが対象の「KINTO ONE bZ4X専用プラン
  • レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS
  • KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited

などのサブスクリプションサービスを展開しています。

それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。

KINTO ONEとは?

KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用がコミコミ定額(※)のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です。

初期費用0円で気軽に乗り始められる初期費用フリープラン(※)」と、 いつでも解約金0円でライフスタイルの変化に対応できる解約金フリープラン(※)」の2つから選ぶことができます。

トヨタの新車は3/5/7年(※)、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車は対象外)」もあります。「KINTO ONE 中古車」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ。 申し込みは全てインターネットで完結できます

※「KINTO ONE bZ4X専用プラン」では、契約期間中の電池性能(10年20万km/電池容量70%)の保証、コネクティッドサービス利用料金も込みのコミコミ定額、最初の4年間は月々定額で5年目以降は段階的に月額が下がります。5年目以降の中途解約金は0円、契約期間は最長10年。

≪関連リンク≫

KINTO ONEサービス内容

KINTO Unlimitedとは?

トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。

KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

≪関連リンク≫

KINTO Unlimitedサービス内容

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOを利用してトヨタ車やレクサス車に乗ることも検討してみてはいかがでしょうか?

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