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【海の上を走る国道?】国道350号の知られざるお話
「国道なのに海の上を通り、Googleマップを見ると途中で道が途切れている…?」そんな都市伝説のような国道が、実際に新潟県に存在します。その名は、国道350号。この道は、車ごとフェリーに乗って海を渡るというユニークな国道です。
今回は、そんな国道350号が持つ、他の道にはないユニークな魅力と、その道が生まれた背景にある物語をお届けします。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
国道350号とは? 基本スペックと全体ルート
国道350号は、新潟県新潟市から、佐渡島の両津港~小木港を経て、新潟県上越市の下源入交差点までを結ぶ、総延長約195.5kmの国道です。ただし、その全区間が陸上にあるわけではありません。新潟港~両津港、および直江津港~小木港の「フェリー航路」が、海上区間として含まれています。

具体的には、新潟市中央区本町交差点を起点に新潟港へ向かい、港で国道は海に行き当たります。そこからは佐渡汽船のフェリーに車ごと乗り込み、約2時間半の航海を経て、佐渡島へ渡ります。

島に上陸後、両津港から小木港まで再び国道が続いています。港や島内には「350」の案内看板や道路標識も設置されており、「海を越える国道」として多くの道路ファンや地理マニアの注目を集めています。
小木港からは再びフェリーに乗り、直江津港へ。上陸後は「マリンロード350」を経由し、直江津バイパスに合流する新潟県上越市の下源入交差点が終点となります。
なぜ佐渡島に国道を通す必要があったのか?

観光地としても人気のある佐渡島ですが、かつてはインフラ整備が大きな課題でした。島内には険しい山々を越える狭くカーブの多い道路が多く、特に南北を結ぶ移動には時間がかかる時代がありました。
そんな中、島の生活基盤の向上を強く後押ししたのが、地元新潟県出身の政治家・田中角栄氏と言われています。彼は「道路なくして地方の発展なし」という信念のもと、佐渡一周線の整備を進め、さらに両津港から小木港へと続く道を、国の予算で継続的に整備できる「国道」に指定することを目指したそうです。しかし、当時の道路法では、国道は「全国的な幹線道路網を構成する」ものと定められており、原則として島内だけで完結する道路は国道に指定できなかったのです。
そこで、港と港を海上区間でつなぎ国道の一部とする「海上国道」の考え方を取り入れ、1972年に沖縄本土復帰とともに指定された国道58号(鹿児島市~奄美大島~那覇市)と同様に、本土と佐渡島を結ぶフェリー航路を「国道の一部」とみなすことで、佐渡の道路を本土とつながる「全国的な幹線道路網」に組み込むことにしたのです。

そして1975年(昭和50年)、ついに海上区間を持つ「一般国道350号」が誕生しました。
現地レポ:国道350号をちょっとだけ走ってみた
筆者マサカも実際に国道350号を体験すべく、新潟市から佐渡島へ向かいました。まずは新潟港から佐渡汽船のフェリーに乗船。車両を載せ、約2時間半の航海へ。


カーフェリーから両津港に上陸すると、遠くの案内標識にはしっかりと「国道350号」の標識が見えました。

佐和田から真野を経て小木港へ向かう道は、爽快なドライブルートが続きます。島の中央部には「国中平野」と呼ばれる広々とした盆地が広がり、田園風景の中を快適なドライブを楽しむことができました。

佐和田〜真野間では、海岸沿いに美しい海が広がり、天候の良い日には、真野湾越しに海に沈む夕日を望むことができます。夕暮れ時には、季節や場所によって絶景が楽しめるスポットとして知られています。

真野〜小木間はゆるやかなカーブが続くワインディングロードで、空や海、田畑の風景を楽しみながら、離島ならではの、のどかさと走る楽しさを味わうことができました。

道路の整備状況も良好で、かつて未舗装だった面影を感じることはなく、ただ走るだけでも気持ちの良い道でした。今回、残念ながら小木港から直江津までのルートは体験できずでしたが、いつか国道350号を完走したいという夢を持つことができました。
まとめ|国道には一つ一つの想いがあるはず
フェリー航路までを国道に組み込むという発想は、国道350号のように、一見すると抜け道のようにも見えます。しかし実際には、そうした柔軟な仕組みがあってこそ、日本の複雑な地形や離島地域にもしっかりと道がつながっていったのだと感じさせられます。
なかでも、「海を含めてでも道をつなぐ」とするその考え方には、単なるインフラ整備を超えた、人々の暮らしを支えたいという強い想いがにじみ出ているように感じられます。目の前に道がないのなら、どうすればつなげられるのか。そんな問いに真正面から向き合った結果が、この海の国道なのです。
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