試乗記・レポート
JMS2025で輝いたトヨタ、レクサス、センチュリーの各モデルをチェック
ジャパンモビリティショー2025は、例年以上に熱気とサプライズに満ちたイベントとなりました。電動化や知能化が当たり前となった今、各ブランドは次世代を見据えた技術やデザインを提示し、多彩なニューモデルを通じて「これからのモビリティ像」を鮮やかに描き出しました。そこにあったのは、単なる移動手段を超え、私たちの暮らしそのものをどう豊かにしていくかという新しい提案です。
本記事では、トヨタ、センチュリー、およびレクサスが出展した話題のニューモデルを中心に、そのデザイン思想や先進テクノロジー、そして各メーカーが込めた思いをご紹介します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
秘蔵モデルが遂に登場!最小のランクル「ランドクルーザーFJ」

今回のトヨタブースでもっとも大きなサプライズとなったのが、本ショーで世界初公開となった「ランドクルーザーFJ」です。「ランドクルーザー250」のデザインを受け継ぎながらも、全長と全幅をコンパクトにまとめたデフォルメ調のスタイリングを採用し、「原点回帰」をテーマに開発されたニューモデルとして来場者の注目を集めました。
レトロフューチャーな外観には、角型ヘッドランプ(オプションで丸目も設定)、力強いバンパーやフェンダー、サイドアンダーガードといったオフローダーらしい意匠が随所に盛り込まれています。ランクル300/250にはない「背面タイヤ」を採用している点も印象的。スペアタイヤを装着しない車が主流になりつつある現在において、背面タイヤをあえて残した姿には、かつてのFJクルーザーのDNAと、デザインに対する強いこだわりが感じられます。

内装は、ステアリングホイールやダッシュパネル、水平基調のインパネデザイン、12.3インチのセンターディスプレイやフル液晶メーターなど、ランクル250と同等の現代的な装備が数多く採用されています。シフトノブも他のランドクルーザーシリーズと共通のレバー式で、その右側にはH2/H4/L4の切り替えセレクターやヒルアシストコントロールのスイッチを配置。オフロード走行をサポートする装備も抜かりなく整えられています。
レトロとモダンが巧みに融合した新型ランドクルーザーFJは、往年のFJクルーザーを知る世代には懐かしさを、若い世代には新鮮な魅力を与えるモデル。幅広いユーザーから支持を集めることは間違いないでしょう。
20年続いたロングセラーモデルが遂に新型へ進化!! 「ハイエースコンセプト」
もうひとつ大きなサプライズとなったのが、商用車のベストセラーモデルである「ハイエース」の次期型を示唆する「ハイエースコンセプト」です。ハイエースは「働くクルマ」という枠を超え、アウトドアから趣味用途まで幅広いシーンに対応するオールマイティな存在として長年支持されているモデル。現行の200系は2004年から販売され続けるロングセラーで、年次改良を重ねながら現在も高い人気を維持していますが、ハイエースコンセプトの登場によって、ついにフルモデルチェンジとなるのかと期待が高まっています。
会場に展示されていたハイエースコンセプトは、直線基調でシンプルかつ無駄のない「箱型ボディ」を特徴としており、電動商用バンのコンセプトカー「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」とほぼ同じデザイン。見た目は従来モデルから大きく進化していますが、標準ルーフとハイルーフの2タイプが設定されるなど、従来のハイエースの魅力である「用途に合わせて柔軟に選べる」点は、しっかりと引き継がれています。
ハイエースコンセプトにおいて特に注目したいのは、パワートレインの多様化です。前回のジャパンモビリティショー2023に出展されていた「カヨイバコ」はバッテリーEVのみの設定でしたが、今回はガソリン車やハイブリッド車も想定されており、物流からカルチャーシーンまで、使用環境や導入コストに応じて最適な仕様を選べる「マルチソリューション戦略」をまさに体現しています。ハイエースコンセプトは、電動化時代を見据えた「次世代の働くクルマ」として大きな可能性を秘めているといえるでしょう。
インテリアはシンプルかつミニマムに仕上げている。運転席からの視界も良好だ
欲しくなる車へ進化した次世代スタンダード「カローラコンセプト」

半世紀以上にわたって5,000台以上が生産されてきた名車「カローラ」。その次世代モデルを示唆するモデルとして出展された「カローラコンセプト」も注目すべきモデルです。プリウスやクラウンなど最新モデルが採用するハンマーヘッドデザインをさらに進化させた力強いフロントマスクが印象的で、ワイド&ロープロポーション、大きく傾斜したフロントウィンドウ、ショートオーバーハングによって、スポーティでスタイリッシュなシルエットが強調されています。エッジを効かせたボディパネルも相まって、従来のカローラの印象を大きく刷新する存在感を放っていました。
内装は、ドライバー正面に大型メーターディスプレイを配置するとともに、助手席にも専用のワイドモニターを用意。センターコンソールはフローティング構造となっており、前席間をスムーズに移動できるウォークスルーにも対応します。後席も足元空間が広く、車内全体を包み込む間接照明によって、デザイン性と使いやすさを兼ね備えた快適な室内空間が演出されています。
今回はセダンボディのみの公開でしたが、現行モデルのように、ハッチバックやツーリングワゴン、SUV、さらにはGRシリーズなど、多彩なラインアップが展開されるものと思われます。実用性・信頼性・デザイン性、そして誰もが手にできる身近さを兼ね備えた「未来のカローラ」。正式発表が待ち遠しいです。
歴代モデルでもっともスタイリッシュなデザインに!! 「新型RAV4」
2025年5月にワールドプレミアされた新型RAV4も、今回のショーで一般向け初披露となりました。ブースには、ベーシックな「コア」、よりタフさを強調した「アドベンチャー」、そして走行性能を重視した「GRスポーツ」の3タイプが勢ぞろいし、それぞれの個性が明確に打ち出されていました。ヘッドライトやボディラインには最新のトヨタ共通デザインが取り入れられるなど、より洗練されたスタイリングに進化しており、従来型よりも精悍で低重心なプロポーションとなったことで、よりスポーティなSUVへと進化した印象を受けます。

内装では、ダッシュボード中央に大型ディスプレイを配置し、運転席には液晶メーターを採用するなど、デジタル化が一段と進んでいます。さらにラゲッジ容量は従来の733Lから749Lへ拡大され、日常使いからレジャーまで幅広いシーンに対応できる実用性も備えています。
パワートレインはガソリン車が廃止され、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の2本立てに。「コア」はHEVとPHEVの両方を設定し、「アドベンチャー」はHEV専用、「GRスポーツ」はPHEV専用という構成となります。いずれのモデルもE-Four(4WD)を採用、高い走破性と安定性を実現することでしょう。
洗練されたデザインと高い実用性を併せ持ち、歴代モデルの中でももっともスタイリッシュに仕上がった新型RAV4。日本での発売は2025年度内の予定とアナウンスされています。
日本の誇りを体現する新ラグジュアリークーペの誕生「センチュリークーペ」
日本を代表するラグジュアリーモデル「センチュリー」は、今回のショーでクーペスタイルの新型コンセプトカーを公開しました。
披露された「緋色(ひいろ)」のセンチュリークーペは、日本の匠の技と文化を映し出す特別な高級車として仕立てられたとのことで、厳かなフロントグリル、2ラインのヘッドライトとテールランプ、流麗なルーフラインが織りなす外観に加え、インテリアはゆとりある3人乗りのパッケージングを採用。前席2席と、運転席側の後席1席という独自のレイアウトで、助手席は後方へ大きくスライド可能で、足元空間が広がり、ゆったりとリクライニングすることができます。乗降時にはシート自体がドア側へ向かって回転する機構も備わるなど、優雅で丁寧な「おもてなし」を感じさせるつくりとなっています。

このセンチュリークーペの発表に際しては、「センチュリーブランドを独立した最上級プレミアムブランドとして位置付ける」ということも発表されました。同社の歴史において大きな転換点といえるでしょう。トヨタの豊田章男会長はこのセンチュリークーペについて「日本を背負って生まれた一台」ともしており、ラグジュアリー性だけでなく、「日本の誇り=ジャパンプライド」を世界へ届ける象徴的な存在となることが期待されるモデルです。

あらゆるラグジュアリーを再定義するブランドに進化する「レクサス」
レクサスは、今回のショーで実に多彩なモビリティを披露しました。掲げたテーマは「ラグジュアリーの再定義」と「電動化・多様化を見据えたブランド戦略の深化」。従来の高級車という枠を超えた、新しい走る歓びや感性と知性を融合させた体験価値を追求しつつ、地域ごとのニーズに応じた幅広いラインアップを展開し、世界に向けてレクサスの新たなラグジュアリー像を提示する姿勢を鮮明にしました。
会場には究極のミニバンからスポーツモデル、4ドアクーペ、都市型コミューター、さらにはカタマランヨット(双胴船)や航空機まで、実に幅広いモビリティが並び、レクサスが描く未来の世界観を強烈に印象づけていました。
なかでも来場者の注目を集めていたのが「レクサスLSコンセプト」です。「Luxury Space=LS」の未来を示すモデルとして発表され、車という概念を超えた「移動する上質空間」を目指したというLSコンセプトは、先進的なインテリアデザインや光の演出により、極上のおもてなし空間がつくられており、まさに次世代のラグジュアリーのあり方そのものを表現したモデルとなっています。
特徴的なのは、後輪を2輪セットとした6輪構造。これによりタイヤハウスの張り出しを抑え、大開口のスライドドアを実現。2列目シートを動かすことなく3列目へスムーズにアクセスできるという、従来のミニバンとは一線を画すアイディアが盛り込まれています。フラッグシップにふさわしい存在感と新機軸が融合した、まさに未来のラグジュアリーを象徴するコンセプトカーといえるでしょう。
「LSクーペコンセプト」も見逃せないモデルです。一見すると大径タイヤを履いた美しいクロスオーバーSUVですが、サーキット走行も想定されるなどスポーティな側面も持ち合わせており、「走りを楽しみつつ家族とも移動できる」という、新しい高級クーペのあり方を提示しています。
室内空間は現行LSと同等レベルを確保しており、居住性にも抜かりがなく、インテリアも革新的で、ドライバー正面には多面液晶ディスプレイを採用。精緻な造形と光の演出によって、重厚で知的な空間をつくりあげています。後席に設置された大型モニターには、前方景色やドライバーの顔を映すといった新しいコミュニケーション機能も搭載。次期量産モデルへの発展も期待される先進的なアイディアが随所に散りばめられています。
「レクサススポーツコンセプト」にも注目です。シャープで研ぎ澄まされたシルエット、深い陰影を生むボディパネル、どこから見ても惚れ惚れする造形など、レクサスが思い描く次世代スポーツの姿を体現していると思われるスポーツコンセプトは、ドライバーの意図に鋭く応えるレスポンスを重視した、デザイン・走行性能・電動化技術を高次元で融合させたスポーツクーペ。かつてのLFAが宿した精神を継ぐフラッグシップスポーツの再来を予感させるモデルです。
結び
トヨタ、レクサス、センチュリーがそれぞれの哲学を体現したモデルを披露した今回のジャパンモビリティショー2025。ランドクルーザーFJやRAV4、ハイエースコンセプト、カローラコンセプトなど、市販化への期待が大きく膨らむ一方で、未来のモビリティ像を提示したセンチュリークーペやレクサスのコンセプトカーにも強く心を揺さぶられるものがありました。
スペックや装備といった機能面だけでなく、各ブランドが大切にしてきた価値観や想いまでもがしっかりと表現され、単なる移動手段を超え、「体験」や「共有」新しい価値を生み出す次世代の車も目にすることができ、モビリティの可能性を改めて実感できるショーだったと思います。
はたして次回のジャパンモビリティショーでは、どのような未来のモビリティが私たちの前に姿を現すのでしょうか。電動化や知能化が進むだけでなく、車が「体験」や「価値観」そのものを更新していく時代において、2027年のショーは、さらに大きな転換点となるはずです。次の一歩を示す新しい提案が生まれることを期待しつつ、その瞬間に立ち会える日を今から心待ちにしています。
はじめてのクルマはKINTOで!【35歳以下の方限定】はじめてのクルマおためしキャンペーン実施中
「クルマは欲しいけど、あと一歩が踏み出せない」という若年のお客様の想いにKINTOが応えます!
はじめてKINTOをご契約される方、及び申込時点で35歳以下の方を対象(法人契約は対象外)に、初期費用無料・自動車保険もコミコミといったKINTOの基本サービスはそのままに、「6カ月目に限り中途解約金なし(※1)で乗り換えや解約が可能(※2)」なキャンペーンを開始いたしました。
※1. 6カ月目の中途解約希望日の3カ月~30日前までに解約のお申し出が必要となります。ボーナス払いを併用の方が6カ月目で中途解約する場合、初回のボーナス月(1月もしくは7月)の加算額はお支払い対象となります
※2. 取り扱い車種やグレードはキャンペーン対象車種に限ります(モデリスタ仕様は対象外)。取り扱い車種やグレードは、予告なく変更される場合があります
KINTOとは?
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスです。一部車種は中古車のお取り扱いもあります。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
KINTOは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります
初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「中古車」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ
トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。
また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。
メニュー