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寒い車内で効率的に温まる方法は?走り出したらすぐエアコン全開が正解?

寒い車内で効率的に温まる方法は?走り出したらすぐエアコン全開が正解?

朝の通勤や送り迎えの時間帯、息が白くなるような寒さのなかで車に乗り込むと、車内はまるで冷凍庫のよう。ハンドルは冷たく、足元からじんわりと冷気が伝わってきます。
 
暖房を全開にしてもなかなか暖まらない車内に焦りを感じ、つい設定温度を上げてしまう方も多いでしょう。しかし、車の暖房は家庭用エアコンと異なり、使い方にコツがあります。
 
体をしっかり温め、集中力を保つことは、安全運転の基本のひとつです。体感温度を上げるテクニックから、車種ごとの効率的な暖め方まで、寒い季節のドライブを快適にするポイントを詳しく紹介します。

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

この記事の執筆者

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

自動車ジャーナリスト。日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

エンジン車では、始動直後はエアコン全開NG

「A/C(Air Conditioning)」ボタンは車載エアコンの冷房・除湿機能のオン/オフを切り替えるスイッチ
「A/C(Air Conditioning)」ボタンは車載エアコンの冷房・除湿機能のオン/オフを切り替えるスイッチ

エンジン車の空調システムにおいて、冷房と暖房は仕組みが異なります。冷房や除湿の仕組みは家庭用エアコンと同じですが、暖房はエンジンが発生させる熱を利用しています。

暖房は、エンジンの稼働熱で温まった冷却水(クーラント)の熱を利用して空気を暖め、車内に送り込む仕組みです。そのため、エアコン(A/C)のスイッチを入れても、それ自体が熱を作るわけではありません。エンジン始動直後など冷却水が冷えている状態では、いくら風を送っても暖かい風が出ないのはこのためです。

ただし、例外もあります。最近の寒冷地仕様車や一部の高級車などには「PTCヒーター(電気式補助ヒーター)」が搭載されていることがあります。これは電気の力で熱を作るため、水温が上がりきっていない状態でも比較的早く温風が出ます。もし愛車にこの機能がついている場合は、早めに暖房をオンにしても問題ありません。

エンジン冷却水が温まったかどうかは、運転席のメーター内にある「低水温表示灯(一般的に青色の温度計マーク)」などで確認できます。低水温表示灯は、エンジン始動直後など冷却水が冷えているときに点灯し、冷却水が温まると自動で消灯します。

暖房を入れるベストタイミングは、この「低水温表示灯」が消えたときです。低水温表示灯がない車の場合は、水温計の針が動き始めたころを目安にしてください。焦らず、まずはエンジンを静かに温めてから風量を上げるのが、車内を効率よく暖めるポイントです。

オートエアコンなら「おまかせ」でOK!

車の空調システム(エアコン)の「AUTO」ボタンは、車内の温度と湿度を快適な状態に自動的に保つための機能
車の空調システム(エアコン)の「AUTO」ボタンは、車内の温度と湿度を快適な状態に自動的に保つための機能

とはいえ、運転中に水温を確認しながらエアコンを操作するのは手間がかかります。この調整を自動で行ってくれるのが、最近の車に多く搭載されている「オートエアコン」です。

オートエアコンは、エンジンの冷却水の温度や室温などをセンサーで検知し、制御します。温かい風を出せる状態になるまでは送風を抑え、準備ができたあとに設定温度になるよう風量を自動調整してくれるのです。具体的には、「AUTO」スイッチを押し、表示灯を点灯させておけば問題ありません。

なお、暖房だけであればA/C(エアコン)スイッチがオフでも温風は出ますが、冬場は結露しやすくなります。車内の温度が上がるとガラスが曇りやすくなるため、A/Cスイッチは「オン」にして除湿機能を効かせたほうが、視界をクリアに保つことができます。コンプレッサーが作動するため燃費には多少影響しますが、安全(視界確保)の観点からは「オン」にしておくことが推奨されます。

また、エアコン操作パネルには、外気を取り入れる「外気導入」モードと、車内の空気を循環させる「内気循環」モードの切り替えスイッチがあります。早く暖めたいときは一時的に「内気循環」にすることで効率的に車内を温められますが、暖まった後は「外気導入」に切り替えるのがおすすめです。外気を取り入れることでガラスの曇り対策になるほか、車内のCO2(二酸化炭素)濃度上昇を抑え、酸素不足によるドライバーの集中力低下や眠気を防ぐ効果も期待できます。

ハイブリッド車やバッテリーEVではステアリングヒーターやシートヒーターを活用しよう

シートヒーターのボタン
シートヒーターのボタン

ハイブリッド車は、モーターのみで走行する時間が長く、エンジンが停止している場面も多いため、エンジン車に比べて冷却水が温まりにくい傾向があります。そのため、暖房をつけるとエンジンが始動し続ける時間が長くなり、燃費が悪化しやすくなります。

また、エンジンのない電気自動車(バッテリーEV)では、電気を使って熱を作るヒーターが搭載されていますが、消費電力が大きく、暖房の使用は航続可能距離に影響します。

筆者もかつてバッテリーEVを所有していましたが、当時のバッテリーEVは昨今の最新モデルのように航続可能距離が長くなかったこともあり、冬場は寒さと航続距離とのバランスにかなり悩まされました。

そこでおすすめなのが、「ステアリングヒーター」や「シートヒーター」といった装備の活用です。これらは体に直接触れる部分を温めるため、即効性があり、エアコンよりも少ないエネルギーで効率よく暖をとることができます。

特にバッテリーEVの場合は、出発前に充電ケーブルをつないだ状態で車内を空調しておく「出発前空調(プレ空調)」を活用するのもおすすめです。車載バッテリーの電力を温存したまま、快適な状態で出発できます。

「首」「手首」「足首」を冷やさないのがコツ

「首」「手首」「足首」を冷やさないのがコツ
「首」「手首」「足首」を冷やさないのがコツ

効率的に温まるには、温める場所を意識することも大切です。太い血管が通っている「首」「手首」「足首」の「3つの首」を温めると、効率的に全身が温まるといわれています。

ネックウォーマーや手首を覆うアームウォーマー、足首を覆う厚手のソックスなどを賢く使いましょう。これらを活用すれば、エアコンの設定温度を控えめにしても十分に暖かく感じられます。燃費・電費の節約にもつながる、まさに「エコ防寒術」です。ただし、運転操作に支障がないものを選ぶよう注意してください。

寒くてもアウターは脱いで!

寒くてもアウターは脱いで!
寒くてもアウターは脱いで!

車内が寒いと、ついダウンジャケットや厚手のコートを着たまま運転したくなりますが、これはおすすめできません。モコモコしたアウターを着たままではハンドルやブレーキの操作がしにくくなる恐れがあるだけでなく、シートベルトが体に正しく密着せず、万が一の衝突時に本来の効果を発揮できないリスクがあります。

運転前にはアウターを脱ぎ、寒さが気になる場合は、薄手の服を重ね着したり、ひざ掛けを活用したりして調整しましょう。筆者は、脱いだアウターを足元に絡まないよう注意しつつ、ひざ掛け代わりに使用することもあります。

後付けアイテムで「ピンポイント暖房」を強化

プリウスUグレードのステアリングヒーターは、KINTO Unlimitedの「アップグレードサービス」で後付け・追加が可能
プリウスUグレードのステアリングヒーターは、KINTO Unlimitedの「アップグレードサービス」で後付け・追加が可能

愛車にシートヒーターなどがついていない場合は、後付けアイテムを利用するのもひとつの手です。車種によってはステアリングヒーターの後付けが可能な場合もあります。

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身体を温めることは安全運転にも

身体を温めることは安全運転にも
身体を温めることは安全運転にも

車内を快適に暖めるためには、やみくもにエアコンの設定温度を上げるのではなく、車の特性やエアコンの機能を理解し、身体の冷えやすい部位をケアすることが大切です。

オートエアコンがあるなら調整は車に任せ、シートヒーターや後付けアイテムなどを賢く使いつつ、「3つの首」を保温して体を温める。こうすることで暖房効率は格段にアップします。

寒さで身体がこわばった状態では、とっさのハンドル操作やブレーキ操作が遅れてしまう可能性があります。暖房を上手に使って体をリラックスさせることは、安全運転にもつながります。

少しの工夫で、燃費や電費を抑えながら、冬のドライブをもっと快適に。「寒いから仕方ない」ではなく、「上手に暖める」ことで、心にも環境にもやさしい冬のカーライフを楽しみましょう。

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

この記事の執筆者

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

自動車ジャーナリスト。日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど。

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