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車の雪対策や運転のコツは?都市部在住だからこそ知っておきたい雪道ドライブの心得

車の雪対策や運転のコツは?都市部在住だからこそ知っておきたい雪道ドライブの心得

普段は雪の降らない地域でも、年に一度ぐらいは雪に見舞われこともあるかもしれません。東京都内でも、降雪状況によっては、10cmを超える積雪となる場合もあるものです。
 
「スタッドレスタイヤを履いているから大丈夫」と思っていても、いざ雪道を走ってみると運転感覚は乾いた路面と大きく違いますから、あらかじめ雪の運転を想定した知識をつけたり、準備をしたりしておくことが大切です。

鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)

この記事の執筆者

鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)

自動車ジャーナリスト。執筆のメインフィールドは自動車関係。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力しています。最近は新技術や環境関係に注目。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

雪道の運転はスタッドレスタイヤが大前提

雪道を走るときは、冬タイヤである「スタッドレスタイヤ」を装着していることが、大前提となります。たとえわずかな雪であっても、路面がうっすらと白くなってしまうと、夏タイヤではまともに走ることができません。ハンドルを切っても思うように曲がれず、ブレーキも効かなくなります。

そのため、どうしても車を利用しなくてはならない人や、少しでも雪が降る可能性があるエリアに向かう場合は、必ずスタッドレスタイヤに交換しておきましょう。

スタッドレスタイヤ

「雪の予報が出たらスタッドレスタイヤを買おう」と思っていても、品切れなどで手に入らない、あるいはピットが混雑して交換できない場合もあります。スタッドレスタイヤへの交換は、早めがおすすめです。

とはいえ、スタッドレスタイヤが万全というわけではありません。過信は、禁物です。万一に備えた心構えや、雪道を運転するためにも知識が必要となります。

タイヤの“踏ん張り”が利かなくなる

雪道を運転するとき、まず理解してほしいのは、“ものすごく滑りやすい”ということです。タイヤが路面をグリップする力は、乾いた路面がもっとも強く、その次に濡れた路面、そしてもっとも弱くなるのが雪道です。

滑りやすいわけですから、タイヤの“踏ん張り”が利きません。濡れたタイルの上を歩くときを想像してみれば、“踏ん張り”が利かない状況がわかるでしょう。

濡れたタイル

急加速をしようとアクセルを踏めばタイヤが空回りしますし、ブレーキの効き(減速力)も低下。もちろん、ハンドルを切っても、曲がりにくくなります。そのため、アクセル/ブレーキ/ハンドルは、“ゆっくり操作する”ことが大切です。

“ゆっくり操作する”ということは、夏の乾いた路面のときと違って、若干、操作するタイミングを早くしなければなりません。慌てずに、ゆっくりと確実な操作が必要となるのです。

雪道運転の難しさは「路面の変化」にあり

雪道は、シチュエーションによって、滑りやすさが変わります。

  • うっすらと白い路面
  • 真っ白に降り積もった路面
  • 車が走って踏み固められた路面
  • 半分溶けてベチャベチャになった路面
  • 溶けた雪が凍ってツルツルに磨かれた路面

このように、ひとくちに積雪路といっても、さまざまな状態に変化します。そして、変化するごとに滑りやすさも変わってしまうのです。これが、雪道運転が難しい、大きな理由です。

たとえば、同じ道でも朝に降り出した新雪が踏み固められた状態ではそれほど滑らずとも、日中になって陽が出て雪が溶けてくると、ベチャベチャになって滑りやすくなります。さらに、夜になって溶けた雪が凍ると、今度はスケートリンクにようにツルツルになって危険なことも。同じ場所でも、時間によって雪道の状態は変化することを覚えておきましょう。

凍ってツルツルになっている道路

また、踏み固められた雪は意外に滑りにくいものですが、橋の上など風の強い場所や日陰になっているところは、その部分だけが凍ってツルツルになっていることも。新雪と同じ調子で走っていると、急にハンドル操作やブレーキが利かなくなってしまうので、注意が必要です。

つまり、雪道を走るときは、タイヤのグリップ力の変化に敏感になっておくことが求められます。ハンドルやブレーキペダルから伝わってくる感覚に、神経を研ぎ澄ませて集中して運転してください。

視界確保の大切さ

雪道では、ウィンドウが曇りやすくなります。そのため、雪道を走るときは、エアコンを作動させてデフロスターで、しっかりと曇りを消しておきましょう。ウィンドウの内側が汚れていると、より曇りやすくなります。普段からしっかりと汚れを取って、曇り止めを塗っておくと安心です。

カーエアコンの操作パネル(デフロスター)

風で小雪が舞い上がって、視界が妨げられることもあります。その場合は、速度を落として慎重に走りましょう。少しでも「怖い」と感じるのであれば、どこか安全な場所で風がやむまで待機するのがおすすめです。無理をして、交通事故を起してしまうと、時間はもっと長くかかります。慌てずに安全優先としましょう。

もちろん、それは朝の出発時も同じです。凍ったウィンドウが溶けてくるまでには時間がかかるかもしれませんが、十分な視界が確保できるまで、デフロスターを作動させて待ちましょう。

この待ち時間を短縮させたい人には、窓を凍らないようにするウィンドウカバー(フロントガラスカバー)をかけておくのがおすすめです。

「走るとき」だけじゃない!駐車時のポイント

夜間の駐車時については、パーキングブレーキを“かけない”選択があることも、知っておきましょう。気温が氷点下になると、パーキングブレーキを作動させるワイヤーが凍ってしまい、溶けるまでブレーキ解除ができなくなることがあるためです。

都市部ではあまり深刻でないかもしれませんが、寒冷地で車を停めるときは、シフトを「P」レンジに入れて、パーキングブレーキをかけずに停車させます。電動パーキングブレーキ(EPB)車の場合は、自動でパーキングブレーキが作動するオートモードを解除しておきましょう(※)。

出典:トヨタ自動車「電動パーキングブレーキをかける/解除する方法を教えて。

ランドクルーザー250の電動パーキングブレーキ&ブレーキホールド
ランドクルーザー250の電動パーキングブレーキ&ブレーキホールド

マニュアルミッション車の場合は、1速、もしくはバックにギアを入れておきます。最後に車が動かないように、対角線に位置する前後2か所のタイヤに輪留めを設置します。一般的に輪止めは、標準装備ではないので、予め購入しておくことが必要です。

なお、積雪が多い場合は、駐車中にワイパーが雪の重みで曲がってしまうこともあります。駐車中に曲がりそうなときは、あらかじめワイパーを立てておきましょう(車種によってはワイパーを立てておけないこともある)。

雪道ドライブの安心感を高めるために

先ほど触れた輪止めのほか、雪のドライブに備えるグッズとして、凍った窓を溶かす融雪スプレーと、雪や氷を除去するスクレイパーを常備しておくのはおすすめ。さらに、轍(わだち)にはまったりスタック状態になったりする可能性に備えたスコップ、長靴、グローブ、けん引ロープ、懐中電灯も持っておくといいでしょう。

寒い場所ではバッテリーの性能も劣化しますので、バッテリー上がりに備えてブースターケーブルもあると安心です。

雪深い場所では、スタッドレスタイヤでは足りずに、追加でタイヤチェーンを装着しなければならないときもあります。高速道路でチェーン規制が行われることも。

タイヤチェーン

さらに近年は、雪を理由とする立ち往生が発生することもあるため、長時間を車の中で過ごせるよう、毛布や水、食料も持って出かけるとさらに安心感は高まります。

普段、雪のない場所から降雪エリアに向かうときは、ウィンドウォッシャー液を凍らないタイプに交換しておくことも大切。

また、ディーゼルエンジン車では、燃料の軽油が凍ってしまうこともありますから、降雪エリアへ行くときは燃料を少なめにして向かい、現地で凍らない成分が添加された軽油を給油するといいでしょう。当然ですが、ガス欠にならないように気をつけてください。

もっとも安全な選択、それは……

近年は、精度の高い気象予報が行われるようになっています。もしも、降雪が多くなるという予報があるときは、迂回をするなり出発のタイミングをずらすなり、降雪を避けるような行動を考えてみましょう。

繰り返しになりますが、スタッドレスタイヤは万全ではありませんし、自分はしっかり備えをしていても、あまり積雪のない都市部では、雪道に慣れないドライバーや夏タイヤのまま走っている車も少なくありません。交通の流れがスムーズにいかず、渋滞も発生します。

「急がば回れ」という故事があるように、無理をして出かけずに済む方法を考えてみるのはいかがでしょうか。不安要素はできるだけ避ける。これが一番の安全です。

(文:鈴木 ケンイチ 編集:木谷宗義/type-e)

鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)

この記事の執筆者

鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)

自動車ジャーナリスト。執筆のメインフィールドは自動車関係。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力しています。最近は新技術や環境関係に注目。

木谷 宗義(きたに むねよし)/type-e

この記事の編集者

木谷 宗義(きたに むねよし)/type-e

SNSを含むさまざまなクルマ関連メディアで、クルマとカーライフにまつわるコンテンツの企画・制作を行う自動車編集者。そのほか自動車コラムニストや大学講師などの顔も持つ。

最後に、購入以外にもトヨタやレクサス、SUBARUの新車に乗れる方法のひとつ「KINTO」についてお伝えします。

KINTO月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける()サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます

  • トヨタの新車が対象の「KINTO ONE
  • レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS
  • SUBARUの新車が対象の「KINTO ONE(SUBARU)
  • トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE(中古車)」納期1ヶ月~2ヶ月!(東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中)
  • KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited

などのサブスクリプションサービスを展開しています。

それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。

KINTO ONEとは?

KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります

初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
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また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。

KINTO Unlimitedとは?

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KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?

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