トヨタ車&レクサス車解説
セダンとは?セダンタイプのメリットや車種の特徴を解説!
かつては多く存在したセダンタイプの車。ただ昨今はコンパクトカーや大中小のミニバン、SUVといった車型が増え、さらにそのクロスオーバー(かけ合わせ)も増えており、セダンの数は減っています。
ただセダンは今でも根強い人気があり、セダンでないとイヤだ、という方も少なくありません。セダンとはどういった存在なのでしょうか。
本記事ではセダンのメリットやどんな人に向いているのか、詳しくご紹介していきます。
文:自動車ジャーナリスト 吉川 賢一 編集:KINTOコラム編集部
<この記事の目次>
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
自動車ジャーナリスト 吉川 賢一(よしかわ けんいち)
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど
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セダンとは?
セダンは、ステーションワゴンやミニバン、ハッチバックなどと同じく、車の形状のひとつです。
セダンは一般的に、エンジンルーム、キャビン(乗員が乗る部分)、トランク(荷室スペース)の3つの箱で構成されている乗用車のことを指し、これを3BOX(スリーボックス)といいます。
かつては2ドアセダンという車型もありましたが、現在は前席と後席それぞれにドアがある4ドアタイプの車のことを「セダン」と呼びます。例えば、カローラやクラウン(セダン)、MIRAI、そしてプリウスもセダンです。
なお、プリウスには跳ね上げ式の後部ドア(リヤハッチゲート)がありますが、トヨタではプリウスをセダンに分類しています。
ちなみに3BOXに対して、ひとつの箱の中にエンジンとキャビン、トランクを入れ込んだボディ形状を1BOX(ワンボックス)と呼びます。これにはハイエースのような四角い形状をした車が当てはまります。
また、フロントにエンジンがあり、キャビンと荷室がひとつの箱に存在するボディ形状を2BOX(ツーボックス)と呼びます。この種類の車は多く、ヤリスやカローラスポーツといったハッチバックや、カローラツーリングのようなステーションワゴン、ヤリスクロスやカローラクロスといったSUV、アルファード、ノア、ヴォクシーといったミニバンも含まれます。
セダンの魅力・メリットは?
セダンの魅力は一般的に、高い走行安定性と快適な室内空間を両立している点が挙げられます。
他の車型よりも全高を下げたスタイリングであるセダンは車両重心が低い傾向にあるため、高速走行やコーナーで比較的安定した走行ができます。
例えば、高速走行中に横からの強風を受けた場合、重心の高いミニバンやSUVでは左右に流されることもありますが、セダンの場合はこれらの車型よりも安定した直進走行が可能です。
コーナリング中のロールやブレーキングによるダイブ(前傾)も少なく、ボディの傾きを抑えるためにサスペンション特性を過度に固める必要がないため乗り心地も良い傾向にあり、走行中に風を受ける前面投影面積も小さいため空気抵抗が小さくなり、燃費性能もよい傾向になります。
また、乗員が乗るキャビンスペースが荷室側と独立した構造をしているため、後輪からくるロードノイズがキャビン内に響きにくく静粛性に優れているというのもメリットです。
伸び伸びとしたプロポーションもセダンの魅力でしょう。全高が低くスタイリッシュなデザインは、ミニバンやSUVにはないセダンだけの特徴。重心の低さが安心感につながり、ゆったりと運転することもできます。
かつて多くの高級車がセダン形状を採用してきたのは、走行性能と快適性の面でセダンタイプが有利だったことも関係しているでしょう。
大型セダンになれば高級感が一層増しますし、優雅さも漂います。昨今はミニバンやSUVタイプのショーファードリブン(要人が後席に乗る車)も多いですが、筆者はやはりショーファードリブンにはトラディショナルで落ち着いた雰囲気のあるセダンタイプのほうが向いているような気がします。
セダンがおすすめの人は?
セダンは走行性能の高さと快適性を求める方に向いていると考えられます。
比較的全高が低いため重心が下がり、運転時の安心感は高い傾向があり、大型セダンの場合は後席乗員の居住性がさらに高く、快適な移動空間が得られます。
さらにフォーマルなイメージもあるため、ビジネスオーナーにもセダンは向いているといえるでしょう。
また、昨今はミニバンやSUVにも高額モデルがありますが、レクサスや欧州御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)のようなラグジュアリーメーカーでは現在も大中小のセダンが用意されており、「セダンは高級車」というイメージが世界的に浸透しています。そのため、トラディショナルな高級感を求める方にはセダンが向いているかもしれません。
なお、セダンは積載性が低いと考えられていますが、プリウスやカローラには後席シートバックを左右ともに倒せるトランクスルー機構がありますので、ステーションワゴンのように長くて大きな荷物を運ぶことも考慮されています。昔のセダンはスキー板のような長い荷物を運ぶために後席シート中央の貫通穴を使うしかありませんでしたが、それは既に過去の話となりつつあるのです。
トヨタの現行セダンをピックアップ
トヨタの主力セダン、カローラ、クラウン(セダン)、プリウスの3車種をご紹介します。
カローラ
1966年に誕生して以来、グローバルで5,000万台以上、世界150以上の国と地域で販売されてきた小型セダンの「カローラ」。現行モデルは2019年9月に誕生した12代目です。2022年10月にマイナーチェンジが実施されており、ヘッドランプやフロントロアグリルなどの外装デザインの変更のほか、パワートレーンの刷新、最新の安全機能の導入、進化したコネクティッドサービスの提供が主なポイントとなっています。
ガソリン車には優れた燃費性能と走りの楽しさを追求した新開発の1.5Lエンジンが採用され、WLTCモード燃費は19.4km/Lです(ガソリン2WD G/Xグレード)。一方、ハイブリッド車には大幅にシステムを改良した1.8Lハイブリッドシステムが採用されており、WLTCモード燃費は30.2km/L(ハイブリッド2WD G/Xグレード)となっています。
また、トヨタの先進予防安全パッケージであるToyota Safety Senseの機能が拡大され、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車および右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能の追加や運転状況に応じたリスクの先読みを行い、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストも追加されました。
さらに次世代のディスプレイオーディオT-Connectも搭載。コネクティッドナビに対応した8インチのディスプレイオーディオと10.5インチのディスプレイオーディオPlus(車載ナビ機能付)が一部グレードにメーカーオプション設定。また、ドライブレコーダー(前方)とバックガイドモニターを標準装備(※)し、録画機能付バックガイドモニターもオプション設定されました(※)。
※Xグレードはメーカーオプション。録画機能は付与できない
クラウン(セダン)
2022年に発表された4つの新しいクラウン。「革新と挑戦」というクラウンのDNAを引き継ぎつつ、多様な価値観を持ったお客様のニーズに応えるべくトヨタは4つのスタイルのクラウンを提案しました。そのなかで原点に立ち戻った開発を経て誕生したのがこのクラウン(セダン)です。
FRプラットフォームを生かした伸びやかなプロポーションは、かつてのセダンにはない美しさがあり、フロントには鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」と、縦基調の大型台形グリルである「アンダープライオリティグリル」を採用し、リヤにはワイド感を強調した横一文字のテールランプを取り入れています。
快適な乗り心地と上質な走り、そして、ショーファーニーズを満たすくつろぎの空間が特徴で、シリーズ最長の3mもあるホイールベースによって、後席は空間にゆとりがあります。足元のスペースが広いことで足抜きしやすくスムーズな乗り降りをすることができます。
また、サスペンションセッティングの最適化や減衰力を制御するAVSにより路面の凹凸を乗客に伝えない足回りに仕上がっており、パーソナルユースにもビジネスユースにも応える「ニューフォーマル」という価値観に挑戦しているモデルです。
パワートレーンには新開発の2.5Lハイブリッドと、FCEVシステムを設定。トヨタとして初搭載の2.5Lマルチステージハイブリッドシステムは、エンジンと2つのモーターに加えて有段ギアを組み合わせることで、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を実現しています。WLTCモード燃費は18.0km/Lを達成。FCEVは1回あたり約3分の水素充填で約820kmを走行可能で、WLTCモード燃費は148km/kgを達成しています。
プリウス
世界初の量産型ハイブリッドカーとして1997年に誕生したプリウス。新世代のエコカーとしてハイブリッド車の普及を牽引してきた名車です。
現行モデルは2023年1月に発売となった5代目。従来モデルの強みである低燃費性能に加えて、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えた、エモーショナルな車として誕生しました。
エクステリアデザインは歴代プリウスの特徴である「モノフォルムシルエット」を引き継ぎながら、さらに低重心かつスタイリッシュなプロポーションとなりました。またインテリアデザインも改良し、ステアリングホイールの上端越しにメーターをみるレイアウトに設計し、圧迫感のない広々とした空間と運転に集中しやすいコックピットとなっています。
また、熟成を重ねた第2世代TNGAプラットフォームによって低重心化を実現しており、大径タイヤも採用。さらに最新のE-Fourも設定(ハイブリッド車)しています。後輪に高出力モーターを採用したE-Fourによって雪道や低μ路での登坂性能や、旋回時の安定性がさらに向上しています。
パワートレーンは最新の第5世代ハイブリッドシステムをベースに、2.0Lハイブリッドと1.8Lハイブリッド、2.0Lプラグインハイブリッドの3種類の設定。WLTCモード燃費は2.0Lハイブリッド(Z/Gグレードの2WD)が28.6km/L、1.8Lハイブリッド(X/Uグレードの2WD)が32.6km/L、2.0Lプラグインハイブリッド(Z/Gグレードの2WD・19インチタイヤ装着車)が26.0km/L(17インチタイヤ装着車では30.1km/L)の低燃費を達成しています。なお、1.8LハイブリッドのUグレードはKINTO専用の特別なグレードです。
まとめ
「セダンは古い」と考えている方もいるかもしれませんが、これまで多くの自動車メーカーが造り続けてきた伝統的なスタイルです。また、世界中で売れているミドルクラスセダンや、高級感があり落ち着いた雰囲気のラージセダン、スタイリッシュなデザインへと進化した最新型のセダンなど、セダンにもさまざまな種類があります。
KINTOでは現在(記事執筆時点)、セダンのラインアップとしてプリウスとクラウン(セダン)を用意しています。大中小のミニバンやSUV、ハッチバックなどが増えたことでセダンの選択肢は減少している昨今ですが、こうした時代だからこそ、あえてセダンを選ぶというのもよいかもしれません。
文:自動車ジャーナリスト 吉川 賢一 編集:KINTOコラム編集部
最後に、購入以外にもトヨタやレクサスの新車に乗れる方法のひとつ「KINTO」についてお伝えします。
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
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などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
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KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
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