トヨタ車&レクサス車解説
レクサス新型フラッグシップMPV「LM」をレビュー!何人乗り?
2023年4月18日〜4月27日に開催された上海モーターショーで世界初公開された新型LEXUS LM。2023年10月19日に日本でも発売されました。レクサスが提案する新たなフラッグシップMPV(Multi Purpose Vehicle:多目的車)である新型LM。本記事では、新型LMがどのような車なのか、外観や内装、サイズや走行性能、価格などについて解説します。プレミアムMPVを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
新型LEXUS LMとは
2020年にデビューした初代LEXUS LMとは、中国やアジア地域でのショーファードリブンMPV需要に応えるために登場したミニバンタイプのプレミアムカーです。4座仕様と7座仕様が用意され、高い評価を受けました。
そして、2023年の上海モーターショーにて世界初公開された新型LEXUS LMは、近年のラグジュアリーマーケットにおける価値観の変化を受け、「ラグジュアリームーバー」を意味する車名「LM」としての価値や存在意義を見直し、全面的に刷新されています。すべての乗員が自然体でくつろげる乗り味と居住空間を作り上げることを目指して開発されました。
そして2023年10月19日、ついに日本でも新型LEXUS LMが発売されました。フラッグシップMPVとしての存在感や上質感を高い次元で実現しているモデルとなった新型LMについて、詳しく見ていきましょう。
新型LEXUS LMの外観
まずは外観についてです。
新型LEXUS LMの外観は、独自の存在感と上品な佇まいが特徴です。また、次世代のレクサスデザインが目指す「機能的本質や動的性能に根差したプロポーションと独自性の追求」をMPVパッケージで表現しています。
乗員スペースを最大限に確保した前後方向に抜けの良い開放的なキャビンと走りの良さ・乗り心地を想起させる前後タイヤの存在感を強調した造形を融合させ、躍動感がありながら、上品で伸びやかなフォルムを実現しています。
フロントデザインを見てみましょう。レクサスのアイデンティティであるスピンドルボディを更に進化させました。押し出しの強いスピンドル形状のグリルに外板色を採用することでボディとの一体感を高めています。また、周辺部品との境界の段差を減らし、ボディに融合した構成とすることで、空力性能、冷却性能、操縦安定性にも寄与しています。
新型LEXUS LMのボディカラーは全4色
新型LEXUS LMのボディカラーは全4色がラインアップされています。それぞれどんな色か見ていきましょう。
ソニックチタニウムがこちら。ISやLC、RCなど広く採用されているレクサスの定番カラーのひとつです。ただのシルバーとは少し違う、大人なシルバー系カラーとなっています。
続いてはソニックアゲートをご紹介。LSにもラインアップされているダークなワインレッドカラーで、鮮やかなレッド系カラーとは一味違った雰囲気を醸し出しています。
白系のボディカラーでは、ソニッククォーツがラインアップされています。NXやISなどレクサスで広く採用されている定番カラーです。
黒系では、こちらはグラファイトブラックガラスフレークがラインアップされています。真っ黒ではなく、少しだけ明るいグラファイト(黒鉛)カラーに、ガラスフレークで輝きをプラスしています。
新型LEXUS LMのサイズ。全長/全幅/全高や室内寸法
つづいてはサイズです。新型LEXUS LMのサイズは全高5,125mm、全幅1,890mm、全高1,955mmです。新型アルファードと比べて、全長が130mm、全幅が40mm、全高が20mm、それぞれ大きくなっています。
LEXUS LM | |
---|---|
LM500h | |
駆動方式 | AWD |
乗車定員(名) | 4人乗り |
全長(mm) | 5,125 |
全幅(mm) | 1,890 |
全高(mm) | 1,955 |
ホイールベース(mm) | 3,000 |
トレッド フロント/リヤ(mm) | 1,615/1,620 |
室内 長/幅/高 (mm) | 2,735/1,590/1,365 |
最小回転半径 (m) | 5.9 |
新型LEXUS LMの内装
次は内装です。日本に導入された新型LEXUS LMは4座仕様となっています。
新型LMの内装は、快適で開放的な空間となっていることが特徴です。また、乗員が素に戻れる時間を提供するために、人間中心の考え方に基づいた精緻なつくり込みがされているのもポイントとなっています。近年は車内での過ごし方が多様化し、ユーザーによって車の使い方がさまざまになってきているなか、新型LMは、自宅のリビングルームのようにくつろげるだけでなく、ビジネスシーンにも対応することができる空間となっています。
専用の独立シートとなる後席は、オットマンの伸縮量を従来型より延長しつつ、パーティションとの距離を保つことで余裕のあるスペースを確保。また、レクサスとして初めて、アームレストとオットマンにもシートヒーターを採用しています。
室内は、高さのあるパッケージを生かし、広くて心地よい空間となっています。デザインは、水平・垂直を基調としたシームレスな造形により、リビングのようにくつろげる世界観を実現しています。
内装色は、ソリスホワイト(内装加飾:サテンカッパー)とブラック(内装加飾:サテンシルバー)の2色から選択可能です。どちらの内装色も、前席はセミアニリン本革シート、後席はL-ANILINE本革シートを採用しており、非常に高い質感を誇ります。
充実した室内装備の数々
室内を彩るイルミネーションは、14色のテーマカラーと好みに合わせて選べる50色のカスタムカラーの計64色を用意。癒やしやリラックスなど、テーマに合わせたカラーリングや乗員の好みの色調を選択することが可能です。
前席と後席の間にはパーティションが設置され、上部に昇降式スモークガラスを装備。プライバシーを保護しつつ、開放感を両立させています。リヤシートエンターテインメントシステム(48インチ大型ワイドディスプレイ)は、オンラインによるビジネスミーティングやエンターテインメントなど多彩な使い方が可能。プライベート/ビジネスの両面で活躍します。
パーティションの上部中央には、乗員と周辺温度を検知する後席専用の「温熱感IRマトリクスセンサー」を設定。乗員の顔、胸、大腿、下腿の体の部位を4つに分け温熱感(温かさ/冷たさ)を推定することでエアコンやシートヒーターなどを一括コントロールして車内を常に快適な状態に保ちます。
脱着可能なタッチ式コントローラーのリヤマルチオペレーションパネルは、リヤクライメートコンシェルジュ/シート/オーディオ/照明など、後席の各機能を操作することができます。2列目シートのコンソールアームレストに2個装備され、左右の乗員がそれぞれの好みの設定ができるようになっています。
エアコン/シートポジション/サンシェード/照明などを統合制御するレクサス初採用の「リヤクライメートコンシェルジュ」は、最適な車内環境の実現をサポートする機能です。4種類のプリセットモードに加え、乗員の好みに応じてカスタマイズできるモードも用意されているため、好みの快適な空間を作り出すことができます。
リヤシートエンターテインメントシステムの下には、ドリンクを冷やせる冷蔵庫も装備されています。
新型LEXUS LMの走行性能・エンジン・燃費
新型LEXUS LMのパワートレーンは、直列4気筒2.4Lターボエンジン(275ps/46.9kgm)に、フロントモーター(87ps/29.8kgm)とリヤモーター(103ps/17.2kgm)を組み合わせたハイブリッドとなっています。組み合わせるトランスミッションは6速ATです。WLTCモード燃費は13.5km/Lです。
レクサスが一貫して取り組んでいる「素性の刷新」を新型LEXUS LMでも実践。ラジエターサポートブレース/ロッカーストレート構造/リヤ床下ブレース/クォーターピラー部レインフォースメント設定などにより、従来型よりボディのねじり剛性が約1.5倍、高まりました。また、アッパーボディやフロアに採用した構造用接着剤も振動の軽減に効果を発揮しています。
新型LEXUS LMの乗り心地、快適性
快適な乗り心地を実現するために、レクサス初となるリニアソレノイド式アクチュエーターと周波数感応バルブを併用した「周波数感応バルブ付きAVS」を採用していることもトピックです。この周波数感応バルブ付きAVSは、低周波から高周波まで幅広い領域できめ細かく減衰して振動を軽減し、速度を問わず常に上質な乗り心地を実現します。
また、後席の快適性を重視したドライブモードセレクト「Rear Comfort」モードもレクサス初採用の機能です。AVSの減衰力特性を後席の乗り心地優先にしつつ、アクセルやブレーキを統合制御することで加減速時の姿勢変化がより少なくなっています。
乗り心地の面で、シートにも工夫を凝らしています。
シートは、どこに座っても心身共に自然体でいられるよう乗員の身体の動きを徹底的に分析。特に頭部の揺れの軽減と視線の安定化が図られました。
フロントシートは、座面の面圧分布を最適化し、旋回時のGの大小にかかわらず身体を適切にホールド。疲労を軽減する座り心地と車との対話に集中できる環境となっています。
2列目シートは、特性の異なる2種類の衝撃吸収材を使用することで、停車時から走行時まで乗員を優しく包み込みながら支える構造としています。
新型LEXUS LMの静粛性
静粛性の高さも新型LMの魅力となっています。
新型LMでは、「心地よく感じる自然な静けさ」という"静粛感"にもこだわっています。
ノイズの周波数帯域と発生部位などを解析し、発生するノイズ(源音)を小さくする/車内への侵入を防ぐ(遮音)/車内のノイズを下げる(吸音)の3ステップで静粛感の開発に取り組んできました。
源音の低減では、主にロードノイズと風切り音に着目。ロードノイズはタイヤ周辺、風切り音はボンネットやピラー周りに重点的に対策を施すことに加え、アコースティックガラスの採用により、高周波の風切り音の低減に寄与しています。
音や振動の発生源のひとつであるエンジン、振動の伝達増幅の原因となるマウント系などにも徹底したチューニングを施し、高い静粛性を実現しました。
また、静粛感にこだわっているLMは、外部からの音を完全にシャットアウトするのではなく、音を適度に反射させ空間の広がりを感じさせる工夫も施しています。具体的には、ルーフヘッドライニングの積層構成を見直し、あえて非吸音化することにより、心地よさを追求した静粛性を実現しています。
その他にも、吸音材/遮音材/制振材の分量や厚みをチューニングし、それぞれの部位に最適に配置することで、車室内騒音の大幅な低減を図っています。
新型LEXUS LMの安全性能
新型LMには、先進の予防安全技術「Lexus Safety System +」が装備されています。
運転状況に応じて適切な操作サポートを行うプロアクティブドライビングアシストやドライバーモニターとの連携によるドライバーの運転状況に応じた最適制御などにより、安全・安心なドライブにより一層貢献していることが特徴です。
また、安全装備の基本的な機能である、プリクラッシュセーフティやドライバー異常時対応システムなどの性能も向上させています。
まとめ
2023年10月19日に発売された新型LEXUS LMは、レクサスブランドならではの高級感と快適性を具現化したプレミアムMPVです。ショーファードリブンとしての利用だけでなく、多人数乗車できるプレミアムカーを求めている方には最適なモデルといえるでしょう。
新型LMはサブスクリプションサービス「KINTO」でも取扱っています。申込みは、「KINTOオンライン相談」で受け付けているため、問い合わせてみましょう。
KINTOでは、LM以外にもレクサス車を取り扱っているので、興味のある方はKINTOのレクサス車のラインアップをご覧ください。
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