試乗記・レポート
GRMNヤリス サーキットパッケージ試乗レビュー! GRヤリスの非凡さから生まれた更に特別な一台/ポテンシャルは非常に高く余裕度大/GRMNの名称付与に相応しい特別さ
モータースポーツの技術と思想を市販車に反映させるアプローチで誕生した“GRヤリス”。そのGRヤリスをさらにサーキットやラリーといった競技フィールドに照準を合わせ、徹底的にチューニングしたモデルが“GRMNヤリス”です。
その特別さとはいったいどんなものなのか。今回はレンタカーとして運用されているGRMNヤリスに試乗してみました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて2,000台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:25年7月
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
GRMNヤリス サーキットパッケージ 試乗概要
“レーシングカー”そのものと思える外観スタイル。圧倒的特別感・存在感
GRヤリスは元々スポーツ感溢れるスタイルを持つモデルですが、GRMNヤリスでは随所に施されたカーボンパーツや空力パーツによって、まるで“レーシングカーそのもの”と思えるほどの外観になっていました。
車のあらゆる部分に速く安定して走るための形状と仕掛けが施されており、“本物”の雰囲気を持った特別感と圧倒的なオーラがあります。
世の中には数多くのカスタマイズされたGRヤリスが存在しますが、このGRMNヤリスは、トヨタ・GRが自ら企画・開発した “本家”であり“本物”のチューニングカー。その看板に相応しい佇まいと完成度の一台に仕立てられていると思いました。

走り出す前から“ワクドキ”する車。内装をみると更に高まる“競技車”感覚
外観だけでも十分に“ワクドキ”させてくれるGRMNヤリスですが、ドアを開けて内装をみると、その特別感はさらに高まります。
“速く走るため”“サーキット走行するため”という明確な目的のもと、本格的なバケットシートの採用、2人乗り化、各部モディファイが施されています。
RECARO製の本格バケットシートに腰を下ろすと、一般的なスポーツシートとは違った“身体を深く包み込むポジション”になり、「このマシンで走りに集中しよう」という気持ちが湧いてきました。
操作系や視認性は公道走行に差し支えないように作られているものの、ステアリング、メーター、シフトレバー、走行モード切換スイッチなど、目に入るもののすべてが“モータースポーツ”を想起させ、気分を盛り上げる空間になっていました。
競技由来のGRヤリス。その中でも、レース・ラリーに更に近い“GRMNヤリス”は、乗る人に競技車感覚を強烈に抱かせ、人と車が一体となって速く・上手く走らせるよう導いている…そんな風にも感じられました。


走り出すと、更に“モータースポーツ感覚”は高まる。サーキット走行する錯覚
モータースポーツの“仕事場”とも言えるGRMNヤリスに乗り込んで走り出すと、 “モータースポーツ感覚”はさらに高まりました。
走り味がまさに特別で、「ここまで剛性感の高い車は他にあるだろうか?」と思わせるほど、車体と足回りの剛性がストレートに身体に伝わってきます。
サーキット走行を前提としたチューニングと、車体・足回りの強化により、どんな基準で見ても 「これは硬い」と感じさせる乗り味です。
その剛性感の中にいると、まるで富士スピードウェイか鈴鹿サーキットを走っているかのような錯覚すら覚えました。
街中や高速道路では、「流石にこれは固すぎるのでは?」と思う場面もありましたが、この車の成り立ちと目的を考えるとそれは当然のこと。GRMNヤリスはあくまで “サーキット走行をターゲットにしている固さ”を持ち、公道も走れるように仕立てられた“レーシングカー”と捉えたほうが良いような気がしました。
変速比ローギアード化もあって、インスタントに速い車。速くなければ意味なし
もともと速いGRヤリスをベースに、さらにチューニングと味付けを施したGRMNヤリス。その走行性能は言うまでもなく、市街地・高速道・ワインディングロードのどこを走っても、“極めて速い車”だと実感しました。
オリジナルモデルに対して、20Nmのトルクアップが施され、クロスギア化されたトランスミッションとローギアードなファイナルギアを組み合わせているのもあり、どのギア、どの回転域でも、インスタントかつ豪快な加速を味わえました。
高性能車に共通する特徴として、公道での動作性能に余裕があり、高い安全マージンを持って走行できるわけですが、このGRMNヤリスではそれに加えてフルバケットシートや車体・足回りの剛性アップといった要素が手伝って、運転中も「ポテンシャルが高く、余裕がある」と感じさせてくれました。
動力性能面・動質・余裕度の面で、本当に特別な一台だと思います。

モータースポーツ由来の車で街中走行する“特別感”
これはGRヤリス自体の特徴ですが、モータースポーツを起点に企画・開発・発売されたユニークな市販車“GRヤリス”で街中を普通に走行するだけでも独自の“特別感”を強く感じました。
コンセプト、パッケージ、ディメンジョン、搭載されるパワートレーン、車体構造・足回り、操作系。この車を構成する全てが、「モータースポーツで勝つため」という明確な目的に向かって設計されている特別さは、普通に街中で流して走っているだけでも、強いインパクトとして伝わってきました。
ストックのGRヤリスでも十分に特別ですが、このGRMNヤリスはGRドライバーやGR関係者による走り込みやモディファイが加わっているので、更に高い特別感を味わえる一台になっています。

GRMNヤリス サーキットパッケージ まとめ
GRヤリスの非凡さから生まれた更に特別な一台
- 元々速いGRヤリスをベースに“サーキット走行”用にチューニング
- パワートレーン・足回り・車体・シート・2人乗車など、車全体に及ぶチューニング
- どこのどんな道をどう走っても強烈に感じる“特別感”
ポテンシャルは非常に高く余裕度大
- 普通のGRヤリスよりも更に高く感じられる性能・車体ポテンシャル
- 車を構成するパーツ全体から伝わってくる競技由来の特別感
- 路上・交通の中で感じられる余裕度が半端なく高い
GRMNの名称付与に相応しい特別さ
- 本当に特別な造り方をされた車にのみ付与される“GRMN”
- 数少ない生産台数(限定500台)
- 内容・仕様の特別さ。少量生産ゆえにできる仕様

総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇+(車全体の剛性感・特別感は期待値を上回っていた)
- また乗りたいか?
〇+(速度制限のないサーキットで思う存分走らせたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕 GRMNヤリス サーキットパッケージ
〔主要諸元〕: 全長x全幅x全高・WB・車重:4,030mmx1,815mmx1,475mm・2,560mm・1,260kg 、G16E-GTSエンジン:1,618CC、272PS/6,500rpm、390Nm/3,200~4,000rpm、 6速MT(クロスギアレシオ+ローギヤードファイナル)、4WD、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:235/40R18
〔試乗概要〕
GRガレージ小牧~豊田市往復、約100km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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