試乗記・レポート
LEXUS RX350h “version L”試乗レビュー「プレミアムSUVらしくソフィスティケートされたクルマ」
2022年に発売されたレクサスの基軸車種「第5世代LEXUS RX」。これまで、LEXUS RX350 “F SPORT”(2.4Lターボ)、LEXUS RX500h “F SPORT Performance”(2.4Lターボ+ハイブリッド)に試乗し“一歩先に踏み出した正常進化”を経験してきましたが、今回は2023年に追加発売された2.5Lハイブリッド搭載のLEXUS RX350h “version L”(2.5L エンジン+ハイブリッドシステム)に試乗しました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年8月
LEXUS RX350h “version L”試乗概要
充分な動力性能と良好な燃費性能。バランスの良さを感じる走り
新型のLEXUS RXには、350/350h/450h+/500hと多様なパワートレーンが用意されていますが、今回試乗したのはLEXUS RX350h “version L”。2.5Lエンジン+ハイブリッドの構成で、レクサスではNXやESにも搭載されている“中核”をなすパワートレーンです。
始動すると最初はモーターのみ。走り出してアクセルを少し踏み込むと、エンジンが始動し電気モーターとの共同作業で走らせる…というレクサス/トヨタのハイブリッドらしい走行でしたが、アクセルの余裕を持って周囲の交通の流れに乗ることができ、充分な動力性能が確認できました。また燃費も計測してみましたが、飛ばし目に走行した街中走行で平均燃費12.7km/Lと、WLTC20.2km/L(市街地モード16.5km/L)には及びませんでしたが、1.9トンの大きなSUVとしては良好な数字と思われました。
他のパワートレーンとの比較では、“RX350”のターボ+8ATらしい伸びの良い走り、“RX500h”のパワフルでスポーティな走り、と較べると、全体に穏やかで落ち着いたフィールながら必要な動力性能は発揮するという“バランスの良さ”が特徴のように思われました。
柔軟で快適な乗心地。ゆったりしてゆとりを感じさせる走り味
試乗車は、LEXUS RXのグレード体系(”version L” /“F SPORT” /“F SPORT Performance”)の中でラグジュアリー仕様と位置付けられている“version L”。乗った感じ(乗心地や走り味等)も、その位置付けを強く感じさせるものでした。
現行RXは、プラットフォーム刷新等もあり、先代に対して、乗心地・走り味が大きく進化したモデルですが、今回“version L”に乗ってみて、そうした乗心地・走り味の進化とともに、“柔軟で快適な乗心地”、“ゆったりしてゆとりを感じさせる走り味”を感じました。
具体的には、名古屋城周辺の荒れた舗装路面でも21インチタイヤの重さ・大きさを感じさせることなく、しなやかに走破し、また同時に路面情報は雑味なく伝えてきて、全体にスッキリと良好な乗心地だと思われました。
F SPORT系と”version L”で足回り等のセッティングにどれ位の違いがあるのか?よく知りませんが、記憶にあるF SPORT系とは明らかに異なる柔軟さ・ゆとりを感じた”version L”の乗り味で、グレードの位置づけに見合ったものと思いました。
落ち着きのあるステアリングフィール。上手くシンクロしている動的質感
ステアリングフィールや動的質感についても、この“version L”は落ち着きあるキャラクターの味付けで、ラグジュアリー仕様らしいものと感じました。
- パワートレーンの感じ(バランスよく充分な動力性能。エンジン回ってもあまり音が気にならない)
- 乗心地の感じ(柔軟で快適。ユッタリしてゆとりを感じる)
- 走り味の感じ(落ち着きある感じ)
と、このLEXUS RX350hの動的質感は、互いに上手くシンクロしている感じで、一言でまとめると“ソフィスティケート感覚”と表現できると思いました。
プレミアムSUVクロスオーバーとして妥当な走り味のクルマにチューニングされていると感じます。
“正常進化型+α”の外観スタイル。一目で新しいRXとわかるデザイン
発売から1年半経過し、今では街中でもその姿をよく見るようになった現行のLEXUS RXですが、見るたびに“サイズの立派さ”と“RXらしさ”、そして“新しいRXとしての変り映え”を意識させられます。
全長4,900mm・全幅1,900mm・全高1,700mmある現行RXは、サイズ面で存在感ある佇まいで、インパクトを感じますし、上級SUVであることを語っていると思います。
また、全体フォルムやCピラー周辺の処理等は“RXとしてのアイデンティティ”を引き継いでいるような感じ。そして、新しいスピンドルボディやリヤの処理、低重心感等には“新しいRXとしての変り映え”を感じ取りました。
全体として、“一目で新しいRXとわかるデザイン”だと改めて感じましたし、見慣れるにつれて、印象がよくなるスタイリングだと思いました。
室内の広さと扱いやすさ。最新レクサスらしいインテリアと操作系
全長4,900mm全幅1,900mm。全高1,700mmもあるクルマとして当然かもしれませんが、乗り込んだ際に、“広くて使いやすそうなインテリアだ”と感じました。日頃、インテリアや荷室スペースの狭いLEXUS “UX”に乗っている私としては、居住性や広さも重要だなあ…と感じさせられる空間でもあります。
インテリアのデザイン・質感は、最新のレクサス車らしく、自然で適度に囲まれ感ある明るい内装は、長時間乗っても快適なのではないか?と思われました。
インパネ中央に配置された14インチディスプレイは、NX同様、このRXでも大きな存在感を持っており、操作性に関しても、色々なレクサス車に乗っているうちにかなり習熟してきて、扱い易いと思うようになりました (ステアリングのタッチトレーサーだけは今でも慣れていない感じだが…) 。
運転全体を通じて、その大きさの割には“手の内感”があり、運転しやすいクルマだと感じました。インテリアのデザインや操作系・視認系の操作しやすさや見やすさ、そしてクルマ全体の見切りの良さや視界の良さが効いていると思いました。
LEXUS RX350h “version L”試乗レビューまとめ
正常進化型+αとして、一歩先に踏み出した5代目LEXUS RX
- 正常進化型のモデルチェンジながら、走り・乗り味面で大きな進歩
- ターボ+ハイブリッド(500h)やPHEV(450h+)等、商品展開面の拡がり
- 内外装デザインや仕様装備面でも様々な“新しさ”を具現化
プレミアムSUVらしい“ソフィスティケートされたフィーリング”のクルマ。全体にバランスよく、欠点を指摘することが難しい感じ
- “見て”・“乗って”・“走って”のいずれの面でも感じる“ソフィスティケート感”
- 乗っていると“バランスの良さ”が染み入ってくる感じのクルマ
- RX全般に“欠点を指摘することが難しい”感じに仕上がっている
RXラインアップのなかで、最もバランスのとれた350h “version L”
- 500hや350はスポーツ味で魅力的だが350hはバランスの良さが魅力動力性能・燃費・乗り味・内外装など、ラグジュアリーSUVとして好バランス
- ”version L”の存在価値・存在感を改めて痛感させられた
最近のレクサス車はどんどん走り味・乗り味が良くなっているが、このRX350hもまさにその具体例だと感じた
- RXの動的質感は“スッキリと奥深く”レクサスの目指す方向の具現化
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
○+ (バランスのとれた走り味、落ち着いて洗練された乗り味は期待値超え)
- また乗りたいか?
〇+(サイズが許せば欲しいクルマなのだが…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS RX350h "version L"
〔車両価格〕:車両本体価格7,580,000円 (オプション:ムーンルーフ110,000円、デジタルミラー44,000円等)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,890mm×1,920mm×1,700mm・2,850mm・1,940kg、A25A-FXSエンジン:2,487cc、190ps/6,000rpm、243Nm/4,300~4,500rpm、5Nmモーター:182ps、270Nm、FWD、 WLTC燃費20.2km/L、サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク、タイヤ:235/50R21
〔試乗概要〕販売店周辺約7km試乗ルート
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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