試乗記・レポート
LEXUS UX300h F SPORT 2WD試乗レビュー「250と300の差“50”は、ゆとりと上品さの違い」「LEXUSのAlways Onを体現した商品改良」本気で買い替えたくなりました
LEXUSのCセグメント・クロスオーバー“UX”。2023年末の商品改良でHEV・BEVのみとなり、ハイブリッドシステムや乗り味など様々な点が改良されました。“自分の愛車でもあるLEXUS UX250hが300hとなってどう変わったのか?元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、「LEXUS UX300h F SPORT 2WD」を試乗して特徴を分解、その魅力を探るレポートです。
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年4月
LEXUS UX300h F SPORT試乗概要
外観は不変だが、結構手が入った運転席回り(メーター・視認・操作系)
販売店の店頭に停められていたLEXUS UX300hですが、外観はほぼ不変…サイドの“Hybrid”バッジがなくなったのとリヤの車名バッジが“UX300h”に変わっただけで、“今度の変更は中身がポイントだからね”と語っているような感じがしました。
2018年の発売から既に5年以上経過しているUXの外観デザインは、リヤのLEXUSマークなど、色々な点で最新LEXUS商品とは異なっていますが、クーペとSUVのクロスオーバー的なシルエットや外観スタイルは、今でも新鮮さを保っているように思われます。
一方、内装については、2022年の商品改良でも何点か変更されましたが、センターディスプレイがタッチ式に変更され位置が手前に置かれたり、シフトレバーがバイワイヤー式になったり、またメーターが大型液晶ディスプレイ採用で意匠変更されたり等、運転席回りは結構手が入っていると感じられました。(ただ、メーター意匠に関しては、LEXUS 250h F SPORTの可動式専用メーターの方が特別感あって個人的には好きな感じですが…)
公道に出てステアリングを切った瞬間に“まろやか”でビックリした
今度のUX300h。“見て”の変化は、まあこれくらいの商品改良はするよね…と冷静に受け止められましたが、“中身の走り味”に関する数々の項目は、驚きと羨望の気持ちで受け止めざるを得ない…それ位の大幅な改良だと感じました。
まず驚いたのはステアフィールで、販売店の店頭から公道に出る際に操舵した瞬間、“何てまろやかなフィールなんだ!”とビックリしました。
自分のUX250hのステアフィールは、スムーズで軽さも適度なレベルと思っていましたが、それがこのUX300hでは、スムーズなことは勿論、切っていったときに“ある種の快感を覚えさせるような”まろやかさでクルマが受け止めてくれ、“いやー。これは違うなあ…すごい”と思わず口走っていました。
少し走って、乗心地の“当たりの優しさ”に更に驚き。本当にランフラット!?
試乗コースは、何度も走った事があるところで、路面の継ぎ目や凸凹の所在もある程度頭に入っている路でした。
ステアフィールに驚きつつ走りを進めていくと、次に“乗心地面の驚きが…”。
継ぎ目や段差・凸凹の通過に際しての当たりが、とても優しいものになっていたためです。“このクルマ、F SPORTで、装着タイヤはランフラットですよね?”と、同乗スタッフに再確認するほど、F SPORTグレードとしては、とても当たりの優しい乗心地で、ランフラットタイヤでは仕方ないと思っていた路面からの突き上げが大幅に緩和されていました。(装着タイヤはDUNLOPのSP SPORTMAXX 050 DSST CTT)
“ステアリングのフィールだけでなく、乗心地もこんなに良くなっていたのか?…本当に羨ましいぞ”・・・タイヤの当たり感だけでなく、ボディ剛性も高くなり、路面からの入力を余裕もって受け止めている…そんな感じを受けました。
電気リッチな走りで“静かさ&スムーズさ”が向上
ステアフィールのまろやかさ・乗心地の当たりの優しさを味わっていると、次に走行音全体が静かになっている事に気づきました。
今回の改良では、駆動モーターの出力をアップし、バッテリーをリチウムイオン化し、ハイブリッドシステムをレベルアップしている…とは事前に勉強して乗りましたが、実際に、“より電気リッチな走り”で、それが走行時の静かさ・スムーズさにつながっていることが実感できました。
UX250hでは、発進後すぐにエンジンが始動し、エンジン+モーターで速度を乗せていく感じなのですが、このUX300hでは、発進からしばらくはモーターで走行し、踏むとエンジン始動するが、その時の音や振動も気にならないもの(音質や音圧レベルが気にならないものになっている感)に改良されていました。おそらくエンジン音自体の遮音にも何か対策されているのではないか?と推測しましたが、これも、UX250hユーザーとしては“驚きと羨望”を持たざるをえない改良点でした。
全体的に“上品な運転をしたくなる”走り味に仕立てられていた
まろやかなステアリングフィール、当たりの優しい乗心地、静かでスムーズな走りといった要素を総合したクルマ全体としての乗り味・走り味ですが、UX250hと較べて、ソフィスティケートさがワンランク~ツーランク高レベルのものになっていると感じられ、全ての運転操作が“まろやかに”、“優しく”、“スムーズ”になるため、結果として、“上品な運転をしたくなる”(LEXUS車として理想の)走り味に仕立てられていると思いました。
現行LEXUSラインアップの中では、その走りのまろやかさ・静かさ・スムーズさのために“とても上品に運転したくなる”と感じたBEVの“RZ”を運転したときの感覚に近いものを、今回UX300hに乗って感じました。
本当に“驚きと羨望”の商品改良だと感じた今回のUX300h試乗でした。
LEXUS UX300h F SPORT試乗レビューまとめ
UX250hと300hの差“50”は、“走りのゆとり”と“上品さ”にあり
これまでの250hが300hに改名され、“ふーん。性能向上したんだな”と思っていましたが、乗ってみて、その改良が単なる数字・性能数値だけのものではなく、乗り味・走り味に大きく影響する内容であることが理解できました。
「250と300の差“50”は、“走りのゆとり”と“上品さ”にあり」そんな感想が頭の中に浮かびました。
“Always On”のLEXUSを象徴するような改善の大きさと広範囲さ
発売後も磨き続け改良し続ける…LEXUSでは“Always On”と称しているそうですが、今回、UX300hで“乗り味・走り味”面での改良を目の当たりにして、Always Onの具体的事例だと思いました。外観や見える部分にはあまり手をつけず、そうした“味”に関わる点を磨きこむ…その開発姿勢の意義・意味を実例でみせつけられた感じがしました。
UX250hユーザーの私ですが、本気でこの300hに買い替えたくなりました
私は250hユーザーで、そのコンセプト・スタイル・サイズが気に入って、約2年半乗っていますが、こんな乗り味面の改良を体感すると…“こうあってほしいが実現されている”と、本気でこの300hに買い替えたくなりました。
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
◎ (乗心地・ステアフィール…“走り味”全般が、こうあってほしい姿になっていた)
- また乗りたいか?
〇+ (出来れば、本当に代替したくなるクルマ。現実には難しいだろうなあ…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS UX300h F SPORT 2WD
〔車両価格〕:車両本体価格5,241,000円 (メーカーオプション581,900円:ツートーン、ルーフレール、デジタルキー、ドラレコ、ヘッドアップディスプレイ+パノラミックビューモニター、本革シート)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,495mm×1,840mm×1,540mm・2,640mm・1,540kg
M20A-FXSエンジン:L4 1.986cc、152ps/6,000rpm、188Nm/4,400~5,200rpm+モーター:113ps、206Nm、WLTC燃費24.7km/L、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:225/50R18RFT
〔試乗概要〕:レクサス昭和・試乗コース約5km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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