試乗記・レポート
トヨタ ハリアー Z (PHEV・4WD)試乗レビュー! ガソリン版より洗練された乗り味・走り味で魅力的/少し高価格ながら“電動化”の将来性も見越して選びたいクルマ
初代以来、一貫して都市型クロスオーバーSUVとしての歴史を刻んできたハリアー。その最新バリエーションとして、2022年PHEV版が追加されました。その商品性や走り味がどうなのか。販売店で試乗してきました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて2,000台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:25年3月
トヨタ ハリアー Z (PHEV・4WD)試乗概要
スタイリッシュで格好良い。PHEV版としての外観セグメントは僅か
都市型クロスオーバーSUVとしての絶妙なサイズ・パッケージ、質感があり見映え良い“恰好よい”外観スタイル。これらはハリアーの大きな特徴であり、PHEV版でも変わらぬ強みとなっています。
スタイリッシュで存在感ある佇まい、ちょうどよいサイズ感により、このクラスの定番商品として確固たるポジションを築いているといえるでしょう。
PHEV版としての外観セグメントは、専用ホイールや専用グリル、PHEVエンブレム、各部位のモール変更程度にとどまっています。しかし、大きく変更する必要を感じられないほどの “格好良さ”を持っている印象があります。


質感・高級感あるインテリア。ちょうど良いサイズ感で絶妙のパッケージ
室内デザインはガソリン/ハイブリッド版と基本的に共通し、アッパーミドル商品らしい質感と高級感を備えたインテリアになっています。
ハリアー全体に共通する、ちょうど良いサイズ感の絶妙のパッケージ。運転のし易さや取り回しの良さにつながっていると実感できました。
操作性・視認性にも優れているクルマですが、フル液晶メーターの採用やディスプレイオーディオの改良なども加えられ、更に扱い易くなっていると思いました。
高出力モーターとエンジン協調により充分以上の動力性能
2.5Lエンジン+ハイブリッド(前後モーター)の組み合わせによる動力性能は十分以上のものがあり、強く踏んでみると思ったより速く走ることができました。
電動化がより進み、前後の高出力のモーター(前:182PS・270Nm、後:54PS・121Nm)が協調して加速をサポートすることで、PHEV版ならではの洗練された加速フィーリングを感じました。PHEVの特質は、ある程度の距離をEV走行できる事にありますが、走り味にも大きな影響を与えているという事がよくわかりました。
とても魅力的な走り味が実現されていると思います。

フラットでスムーズな乗心地。ガソリン版より明らかに滑らかな乗り味
PHEV版の乗心地はとてもフラットでスムーズ。同じ日に試乗したガソリン版よりも明らかに滑らかさが強く感じられました。
車両重量(ガソリン版1,590kg、PHEV版1,950kg)の違いや車体剛性、味付けの違い等、色々な要因が影響しているのでしょうが、路面の段差や不整路面を乗り越える際も、とても滑らかに走行し、気持ちよく運転することができました。
上品で上質なドライビングをしたくなる味付けが施されていると感じました。

都市型クロスオーバーの魅力に加わったPHEVとしての商品魅力
ハリアーは(いうまでもなく)都市型クロスオーバーSUV領域における定番の人気車種であり、PHEV版はその最上位モデルとしてラインアップに加わりました。ただのエコやEV走行だけではない広範囲な魅力を持ったクルマだと感じます。
モーター走行やエンジンとの協調走行によるスムーズさと洗練度の高さ、さらに走り味・乗り味の魅力といった点で、更に完成度を高めたアッパーミドル商品だと思います。車両価格は相応に高いものの、その価値は十分にあるように思われました。


トヨタ ハリアー Z (PHEV・4WD)まとめ
PHEVとしての魅力・乗り味の魅力が加わった都市型クロスオーバーSUV
- ベース車ハリアー自体の魅力(格好良さ・ちょうど良さ)+PHEVとしての魅力
- パワフルでスムーズなPHEVパワートレーン
- より滑らかで動質もよい乗り味・走り味
“電動化”の将来も見据えて選択したい一台
- 乗用車ベースSUVとしての確固たる立ち位置を堅持しているハリアー
- 電動化進展の中、現実的なEVとしてのPHEV版の存在意義
- 電動化による動力性能や動質も体感できる“今そこにある将来”
総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇+(PHEVパワトレの走り、全体的な走り味・乗り味が期待値越え)
- また乗りたいか?
〇+(特別仕立てのハリアーという感じが出ているクルマ)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕: トヨタ ハリアー Z PHEV (E-Four)
〔車両価格〕:¥6,200,000(税込)(車両本体価格)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,740mmx1,855mmx1,660mm・2,690mm・1,950kg、A25A-FXSエンジン:2,487CC、177PS/6,000rpm、219Nm/3,600rpm、+前/後モーター(182PS・270Nm)/(54PS・121Nm)、4輪駆動、WLTC燃費20.5km/L、EV走行レンジ 93km、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:225/55R19
〔試乗概要〕
名古屋トヨペット 熱田店試乗車、試乗コース約5km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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