試乗記・レポート
LEXUS LBX “Relax”試乗レビュー! コンパクトで上質な商品「独自性と積極姿勢を感じさせるクルマ」
LEXUSの新しいコンパクト車として発売された「LBX」。注目度の高い新商品ですが、販売店で試乗させていただきましたので、クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から特徴を分解し、印象・乗り味などをレポートしたいと思います。
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年2月
LEXUS LBX“Relax”試乗概要
存在感・力感ある外観スタイル。サイズを忘れさせる佇まい
“プレミアムBセグメントのクロスオーバーSUV”と知識で知ってはいても、現物をみるまでその存在感はわかりませんでした。“4つの車輪がグッと張り出し、とても力感あるスタイル…存在感強し”という第一印象。そのコンパクトなサイズを忘れさせる佇まいがありました。
スタイリング自体、より大きなサイズでも成立しそうなグッドデザインだと思いますが、そのデザインがコンパクトにまとまっている点に、このクルマの“凝縮感・上質感”といったものが生まれているのではないでしょうか?
クルマにとって外観スタイルは商品性を大きく左右する重要な要素ですが、このLBXは、その点で、とても高いポテンシャルを持っているのではないか?と感じました。
質感高くシンプルで扱い易い内装・操作系
内装デザインや操作系も、外観同様クルマのサイズやクラスを忘れさせるもので、より大きく上級なプレミアム商品同様の質感を備えていると感じました。
室内空間の広さ自体はサイズなりのもので、大きなSUV(例えばRXやNX等)とは異なるサイズ感ですが、内装全体の雰囲気やデザイン、目で見て手で触る部分については、どれも上級SUVと変わらない上質感でまとめられ、操作性になっていると思いました。
試乗した際の記憶をもとに書いている“試乗レポート”ですが、LBXに関しては、“そんなにコンパクトなクルマを運転していた風には思えない”感覚が記憶に残っており、そこには、運転中の乗り味・走り味・静かさといった“動的要素”だけでなく、目に入る視界や室内の質感、操作性といった“静的な諸要素”も関わっていたのではないか?と思いました。
必要十分な動力性能と雑味のない走り味
“パワートレーンの基本をヤリス クロスと共有する…ヤリス クロス的な走り・走り味なのではないか?”という勝手な推測は、良い方向で裏切られました。しっかりと走り、雑味のない走り味を味わうことができたからです。
販売店から街中へ出てすぐに加速。幹線道ゆえ結構速い交通の流れにのるために強めの加速をしましたが、LBXのハイブリッドパワートレーンは、さほど音を高くするでもなくスムーズに速度を上げ流れに乗れました。
そのあとは名古屋市内の交通の流れに乗り、時にリードし走行しましたが、どんな場面でもストレスなくスムーズに走行でき、またエンジン音が高まることもなく(バランスシャフト付きのためか?3気筒感もなく)必要十分な動力性能を発揮してくれました。
走り味全体の特徴としては、意図しない音や振動等がなく、すなわち“雑味のない”点だと思いました。絶対的な静かさや振動、足回りからの揺れ伝達等に関しては、大きな上級SUVのようにはいかないのでしょうが、こと“雑味のなさ”については、LEXUS商品の中でも最も良好なのではないか?と感じられました。
路面状況をシッカリ伝えてくるが、雑味がなく剛性感溢れる乗り心地
LBXの乗り心地・乗り味では、ボディ剛性感の高さが最も印象的でした。
試乗ルートは名古屋市内の幹線道路で、所々路面の継ぎ目や凸凹がある一般的な市街地走行ですが、LBXは、路面状況をシッカリ伝えてはくるが、それは不快なものではなく路面インフォメーションとして伝わってくる類のもので、“脚は動いているがボディは影響されていない”感覚で走行できました。
走行中の“雑味のなさ”について上述しましたが、乗り心地も全く同じで、必要な路面情報と不要な雑味がうまく振り分けられているような感じ…結果的に“雑味のない乗り心地”が実現できているように感じられました。
プラットフォームの強化や足回りの改良、ボディの強化、全体の味付けなど、色々な技術要素の結果なのでしょうが、クラスやクルマの大きさを超えて“良好な乗心地・乗り味”が実現されていると思いました。
プロアクティブドライビングアシスト等、充実した安全・先進装備
“安全装備・周辺監視機構”は日々進化しているので、新しいクルマほど充実しているものですが、このLBXでも、最新の充実した安全・先進装備が満載されていました。
短時間の試乗で全てを試すことはできませんが(もちろん安全装備等のように試してみることができないものも多いが)、それでも、クルマの走行状況に応じて運転操作をサポートする“プロアクティブドライビングアシスト”は、プリウスで乗った時よりも更に進化している感じがしましたし、様々な警告画面・音や表示等で、安全運転・より快適でラクな運転を支援してくれるようになっていました。
これらの安全・先進装備類も、上級商品と変わらないものが搭載されており、クラスレスでプレミアム価値を提供するLBXらしいものと感じました。
LEXUS LBX “Relax”試乗レビューまとめ
コンパクトで上質な新商品。コンパクトさゆえの凝縮感も出ている
LEXUSブランドの新商品“LBX”は、コンパクトサイズの中にLEXUSの価値を盛り込んだ(所謂)小さな高級車になっていました。
外観・内装・走り・乗り味・装備類…と、全方位的に上質さを実現したコンパクト車で、上級車の持つ上質な価値をうまく解釈し、コンパクトなクルマの中にうまく盛り込んで具現化した商品だと思いました。
また、その魅力の中には、小さくまとめたゆえのという部分もあり、“コンパクトさゆえの凝縮感”といったものが、LBXの商品魅力の結構な部分を占めているのではないか?とも感じました。
他に類をみない独自性。ブランドの積極性を感じさせるクルマ
Bセグメントのプレミアムクロスオーバーという商品カテゴリーに入るクルマは多くはなく、このLBX以外ではAUDIのQ2くらいではないか?と思います(Q2にも乗った事はありますが、より割り切ったクルマづくりがされていて、全方位的プレミアムというのとは少し違うコンパクト車だったと記憶しています)。
全長4,190mm・全幅1,825mm・1.5Lハイブリッドという枠組みの中で、全方位的に上質な価値を持たせたLBXは、他に類をみない独自性があるように感じられましたし、またそのような新領域にチャレンジしようとするLEXUSの積極姿勢が、実はこのLBXの魅力の大きな部分を占めているのではないか?とも思った試乗でした。
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
◎ (外観の佇まい・内装質感・雑味なく剛性感溢れる走り味など期待値超え)
- また乗りたいか?
〇+ (次に買う候補となりうるクルマ。その走り味を色々な路で試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS LBX “Relax”
〔車両価格〕:車両本体価格4,600,000円(メーカーオプション:294,800円アドバンスドドライブ、アドバンスドパーク、ヘッドアップディスプレイ,ドライブレコーダ―、AC100V電源、置くだけ充電)
〔主要諸元〕:全長×全幅×全高・WB・車重:4,190mm×1,825mm×1,545mm・2,580mm・1,310kg、M15A-FXEエンジン:L3、排気量:1,490cc、91ps/5,500rpm、120Nm/3,800~4,800rpm+モーター:94ps、185Nm、WLTC燃費27.7km/L、サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:225/55R18
〔試乗概要〕:レクサス名古屋西・試乗車両、販売店周辺約8km試乗ルート
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
≪関連記事≫
- LEXUS LBX MORIZO RR試乗レビュー(市街地走行編)コンパクト+良く走り+上質。造った人の想い伝わるクルマ
- LEXUS LX600 EXECUTIVE試乗レビュー!オールテレインヴィークル出自ながらオンロードの走り味も秀逸/動力性能・安心感・信頼感・内外装の質感など、ハイエンドSUVらしいクルマ/価格以上の価値も感じる商品
- レクサスLBX “Elegant”をレビュー!価格は?【2024年10月31日発売】
- LEXUS RC300h “F SPORT”試乗レビュー「バランスの取れたスタイリッシュスポーツクーペ」
- トヨタ クラウン(スポーツ) RS(PHEV車)試乗レビュー!魅力的な佇まい+迫力ある動力性能と上手い味付けの乗り味
- LEXUS ES300h "version L"試乗レビュー「バランスよくまとめられたプレミアムミドル商品」ラクで寛げ取り回しもしやすい“セダンらしいセダン”
メニュー