試乗記・レポート
LEXUS LBX “Cool”試乗レビューオールラウンドに使える“プレミアム・コンパクト”
LEXUSの新しいコンパクト車として注目度の高い「LBX」。先回の“Relax”に引き続き、今回は“Cool”で高速道路も含む試乗をしました。クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点からLEXUS LBX “Cool”の特徴を分解し、印象・乗り味などをレポートしたいと思います。
<この記事の目次>
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年4月
LEXUS LBX“Cool”試乗概要
サイズを忘れさせる佇まい。今回乗った“Cool”仕様の方が好みに合っていた
販売店の駐車場に置いてあったLEXUS LBXは、横に並んだRXやNXそしてUXと較べると、相対的に“コンパクトさ”がわかりますが、別の場所に移動させ一台だけで眺めてみると、サイズ感がわからない(小ささを感じさせない)ように思いました。“鏡餅”にインスパイアされたデザイン…タイヤ/フェンダーが張り出して四つ足で踏ん張っているようなプロポーションが効いているのでしょうか?
“Relax”と“Cool”の外観上の違いは、カラー(バイトーン)とホイール表面加工程度で、基本的には変わりませんが、先回乗ったホワイトの“Relax”と今回のグレー色バイトーンの“Cool”では、全体の精悍さやボディライン(面とプレスライン)のハッキリ感から、今回乗ったクルマの方が自分の好みに合っていると思いました。
室内も今回の“Cool”の方が好み。大人3人でも問題ない室内空間
インテリアや操作系に関する感想も先回同様で、シンプルな水平基調のインパネや内装デザインの雰囲気、良好な視界、目で見て手で触る部分の質感、シフトレバーやペダル、各種スイッチ類等の操作系等、すべてにわたって上級の商品を思わせ、全体としてクラスレスなクルマに仕立てられていると思いました。
先回乗った“Relax”との比較では、革張り内装の“Relax”に対して、スエードX革のコンビシートの“Cool”という感じですが、ドアトリムやインパネに張られたスエード調表皮の質感が高いこともあって、やはり今回乗った“Cool”の方が好みに合っていると感じました。
“Relax”に乗った時は“室内空間の広さ自体はサイズなりのもの”と感じたのですが、今回、大人3人乗車で乗ってみて、“Cool”は、まずは十分な居住空間が確保されていると実感できました。(無論広さ面での余裕は大きくないが)上手いパッケージングにより、前席乗員も後席乗員も“窮屈な思いをせずに乗っていられる”ように思われました。
どんな場面でも必要十分な動力性能。電気リッチ+アクティブノイズコントローラーの働きによって、静かな走行が実現されている
試乗のために販売店の駐車場から公道へ出て加速…。“これ静かだなあ!先回乗った時より更に静粛空間になっている。”が最初の感想でした。
試乗車に装着されていたマークレビンソンオーディオ(オプション)にセットの“アクティブノイズコントローラー”の効果が表れたためとも思われますが、もともと、電気リッチで電気モーター使用走行領域が広がっているこのクルマは、一般的な走行条件では基本的に静かな走行が実現されていると感じさせられました。
今回の試乗では郊外ワインディング路や高速道路も走行できたのですが、動力性能は、どのような場面でも必要十分なレベルで、エンジン負荷の高まる高速道での追い越し加速でも、3気筒ノイズは最小に抑えられるなど、まずは余裕ある走行をすることができました。
走り味全般としては、意図しない音や振動がなく、すなわち“雑味のない”点が特徴で、“雑味のなさ”に関しては、現行LEXUS商品の中で最良のクルマではないか?と改めて感じさせられました。
路面状況は伝えてくるが、雑味がない乗心地。タイヤによる差を感じた
乗り心地・乗り味についても、先回乗った“Relax”同様で、ボディ剛性感の高さ、雑味のない乗心地が印象的でしたが、今回乗った“Cool”では路面からの様々な入力が少し多めな感じがしました。
今回の試乗ルートである名古屋高速~グリーンロード~一般道~伊勢湾岸道~名古屋高速という区間は基本的に路面状態がよく、乗心地の良否が分かり難い面もありましたが、路面の継ぎ目や工事跡での入力が少しハーシュなものと感じられました。
ひとつ考えられるのは、タイヤの違いで、先回の“Relax”はミシュランのPrimacyで、今回の“Cool”はヨコハマのADVAN銘柄が装着されており、それによる乗心地の差かもしれないな?と思いました。
充実した安全・先進装備もあり、ラクでリラックスした運転が可能
最新の充実した安全・先進装備が満載されているLBXですが、試乗車には、アドバンスト ドライブ・アドバンスト パーク・ヘッドアップディスプレイ等が装着されており、“安全装備・周辺監視機構”については、フル装備の状態でした。
なかなか“試してみる”事ができない安全関連装備ですが、今回試乗してみて、パノラミックビューモニター(駐車時にとてもラク)、プロアクティブドライビングアシスト(高速道等で追従走行している際の車間距離維持にとても有効)は、その有難みを通常の運転で体感できるものと改めて感じましたし、そのおかげで本当にラクかつリラックスした試乗運転が可能となりました。
LEXUS LBX“Cool”試乗レビューまとめ
オールラウンドに使える“プレミアム・コンパクト”際立つ個性
今回、このLBX“Cool”に試乗するにあたって、似たジャンルの商品として、事前にアウディのQ2とQ3、VWのT-CrossとT-Rocにも試乗してみました。
それらのクルマは、夫々特徴があり(Q2=キビキビ快活,Q3=ゆったりスタイリッシュ、T-Cross=ハッチバック風SUV、T-Roc=クーペ的実用SUV)、気にいった点も、気になった点もあったのですが、LEXUS LBXのように、限られたサイズの中で、オールラウンドにプレミアムさを追求したコンパクトクロスオーバーSUVというコンセプトとは異なっており、LBXの独自性は際立っていると改めて感じました。
コンパクトなクルマだが、乗っていて“その小ささ”を意識することは少ない、RX・NX系列の直系にあるLBXという感じがする
今回、高速道走行も含む試乗をしてみて、“小さなクルマながらその小ささを意識することが少ない”点や、“全方位的にプレミアムさを追求した凝縮感”といったものをより強く実感することができました。
LBX=“LEXUS BREAKTHROUGH (X)OVER”という名称由来ですが、LEXUS商品の持つ様々な価値(特に上位クロスオーバーであるRXやNXの価値)を、全長4,190mm・全幅1,825mm・1.5Lハイブリッドという枠組みの中に凝縮した商品、すなわち、RXやNXが切り開いてきた“プレミアム・クロスオーバー”の世界を、大きさの面で拡大する役割を持ったクルマ…という気がしました。
LEXUS LBX “Cool”の試乗動画も公開中!
今回の試乗記の様子をKINTOのYouTubeで動画公開中!ぜひご覧ください。
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
◎ (外観の佇まい・内装質感・雑味なく剛性感溢れる走り味など期待値超え)
- また乗りたいか?
〇+ (次に買う候補となりうるクルマ。もっと色々な路で試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS LBX “Cool”
〔車両価格〕:車両本体価格4,600,000円 (メーカーオプション579,700円:アドバンスドドライブ、アドバンスドパーク、ヘッドアップディスプレイ、ドライブレコーダ―、AC100V電源、置くだけ充電、マークレビンソン)
〔主要諸元〕:全長×全幅×全高・WB・車重:4,190mmx1,825mmx1,545mm・2,580mm・1,310kg、M15A-FXEエンジン:L3 1490㏄、91ps/5,500rpm、120Nm/3800~4800rpm+モーター:94ps、185Nm、WLTC燃費27.7km/L、サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:225/55R18
〔試乗概要〕レクサス名古屋西⇔鞍ヶ池公園約103km試乗
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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