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「もしも」の時に備えて知っておきたい車の機能や装備の扱い方
日々の移動を支えてくれる車は、私たちの生活に欠かせない存在です。しかし、故障や交通事故はいつ起こるかわかりませんし、台風や豪雨、地震、火災といった自然災害など、想定外の事態に直面する可能性もあります。
本記事では、万一の場面でも慌てず行動できるよう、事前に確認しておきたい車の機能や装備の扱い方を整理します。普段は意識しない機能こそが、いざという瞬間に大きな助けになります。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
子どもが車内に閉じ込められたときのクラクションの鳴らし方

まず大前提として、熱中症や事故、誘拐など重大な危険を伴うため、子どもを車内に残す行為は絶対にしてはいけません。
真夏の車内温度は短時間で危険域に達します。車内に取り残された子どもや動物の事故は毎年のように報じられており、ほんのちょっとの油断が、悲惨な事故につながっています。近年は車両の遮音性能が高まっていることから、車内で助けを求めても外から気づかれにくい点にも注意が必要です。
誤って施錠された車内に閉じ込められた場合、周囲に異常を知らせるもっとも確実な手段が「クラクション」です。バッテリー上がりなどで電源が完全に落ちている場合は鳴らないこともありますが、多くの車種ではエンジン停止中でもホーンは作動します。
クラクションはハンドル中央を強く押し込む必要があるため、子どもの力では十分に鳴らせない場合もありますが、警視庁は水筒の底で押す方法や、両手でハンドルをつかみお尻で体重をかける方法などを紹介しています(※)。
操作は「知っている」だけでは不十分です。実際にハンドルに触れさせ、「ここを強く押すと音が鳴る」という体験を一度でもさせておくことが重要です。言葉で伝えるだけでなく、身体で覚えさせておきましょう。
※参考:X「警視庁警備部災害対策課」
水没時の脱出方法(窓の割り方)

集中豪雨によるアンダーパスの冠水は、決して珍しい事例ではありません。大雨での浸水や冠水路への進入などで車が水に落ちた場合、もっとも大切なのは「時間との勝負」であることを理解することです。状況や車種にもよりますが、水中に入った直後であれば、数分間は浮いているケースが多いとされています。その間に、落ち着いて行動することが生死を分けます。
まず、シートベルトを外し、すぐにサイドウインドウを開けます。パワーウインドウは水没直後であれば作動する可能性が高いため、ためらわず操作してください。開いた場合は、外を確認するよりも、いったん車内側を向き、背中側から抜けるように体をひねると脱出しやすいとされています。
窓が開かない場合は、サイドガラスを破砕します。狙うのは四隅。脱出用ハンマーをガラスに対して垂直に当て、強く一撃を加えます。傘やヘッドレストの棒などで代用できると考えるのは危険。現実的には、専用工具でなければ破砕は困難です。
それでも開口部を確保できない場合は、車内に水が入り、内外の水位差が小さくなるのを待ちます(※)。水位が同程度になったと判断できたら、ドアロックを解除し、足で強く蹴るなど勢いをつけて開けます。恐怖心から無理にドアを押し開けようとするのではなく、「ベルト解除→窓を開ける→割る→水位が揃うのを待つ」という順番を頭に入れておくことが重要です。事前に知っているだけで、判断のスピードは大きく変わります。
また、脱出用ハンマーは、運転席から手の届く位置に固定しておいてください。グローブボックスの中では緊急時に取り出せない可能性があります。家族とも設置場所を共有しておきましょう。
※参考:国土交通省「水没車両からの脱出手順と脱出用ハンマー搭載のお願いについて」
※参考:国土交通省「水中に転落したときの脱出方法」
シートベルトの切り方とカッターの使い方

横転や水没などの緊急時には、シートベルトのバックルが衝撃や変形によって作動しないことがあります。その際に有効なのが「ベルトカッター」です。
切る位置は、力を込めやすい胸元付近が適しています。首元に近い位置は刃が肌に触れる危険があるため避けましょう。また、切断した瞬間に身体が落下する可能性があるため、必ず片手で身体を支えてから作業します。
重要なのは、ベルトに張力がかかっている状態で切ることです。たるんだ部分では確実に切断できない場合があります。できるだけピンと張った部分に刃を差し込み、一気に引くように切ります。
このベルトカッターも、運転席から手の届く場所に設置しておいてください。

脱出用ハンマーの柄にベルトカッターが一体化した製品であれば、ガラス破砕とベルト切断の両方に対応でき、緊急時でも迷わずスムーズに行動できます。
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スマートキーの電池切れ時の対処法

携帯しているだけで、車の解錠/施錠ができるスマートキー。非常に便利なアイテムですが、怖いのが「電池切れ」。しかしながら、多くのスマートキーには物理キーが内蔵されており、電池が切れても解錠できる仕組みになっています。


物理キーは、キー側面のスライドレバーなどを操作することで取り出すことができます。その後は、ドアハンドル付近のキーホールで解錠します。キーホールはカバーで隠れていることもあるため、位置を事前に確認しておくと安心です。
電池交換の目安は一般的に1~2年。交換方法は取扱説明書に記載されていますので、必ず説明書に従って作業しましょう。
また、プッシュスタート車では、電池切れなどでスマートキーが正常に動作しない場合も、キー本体をスタートボタンに近づけることで認証される仕組みが備わっている場合があります。具体的な操作方法は車種ごとに異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
発炎筒の使い方、LED非常信号灯との併用もおすすめ

故障や事故によって路上で停止した際、二次事故防止のために重要なのが発炎筒です。発炎筒は、多くの車種で助手席足元付近に設置されており、キャップ内部の擦過面(ヤスリ状の部分)で先端を強くこすって点火します。燃焼時間はおよそ5分。設置位置は、車両後方50~100m以上(目安として車約10〜20台分以上後方)です。高速道路ではさらに距離をとることが望ましいでしょう。
発炎筒や三角表示板の設置が完了したら、速やかにガードレールの外側など安全な場所へ退避します。特に高速道路では、車内にとどまらないことが重要です。また車は可能であれば路肩に寄せ、ハザードランプを点灯させることも忘れないようにしてください。
発炎筒には使用期限があり、一般的には約4年とされています。期限切れのままでは使用できないため、車検時などに確認しておくと安心です。
近年は、LED非常信号灯も普及しています。繰り返し使用でき、視認可能時間も長い製品も多く、マグネットで車体に固定できるタイプや、懐中電灯機能を備えるものもあります。ただし電池切れには注意が必要です。
乗車前に静電気を逃がして「バチッ」を防ぐ

冬場や乾燥した季節に、車のアウタードアハンドルに触れた瞬間、「バチッ」と走る静電気に驚いた経験はないでしょうか。体に帯電した電気が、車に触れた瞬間に一気に放電することで起こるもので、完全に防ぐのは困難ですが、軽減することは可能です。
もっとも簡単な対策は、乗車前に周囲の壁や地面に触れておくこと。1~2秒ほど、手のひら全体でアスファルトやコンクリート、建物の外壁、木製の塀などに触れるだけで、体に溜まった電気を放電することができます。適切な対象物がない場合も、車の金属面に、指先ではなく手のひらや全体で触れることで電流密度を下げ、痛みを感じにくくすることができます。小さな工夫ですが、日常の不快感を減らす効果が期待できますので、ぜひ取り入れてみてください。
SOSコールの使い方

近年の新型車には、緊急通報システム(通称:SOSコール)が搭載されているケースが増えています。トヨタ車においても、緊急通報サービス「ヘルプネット」が、T-Connect対応車の多くに、標準またはオプションで設定されています。
事故でエアバッグが展開した際に自動通報されるほか、運転中の急な体調不良の際、またあおり運転などのトラブル時にも、ボタンを押すことでオペレーターに連絡することができます。オペレーターは車両位置情報をもとに状況を確認し、必要に応じて警察・消防へ迅速に連絡します。アルファード/ヴェルファイア、ノア/ヴォクシー、プリウス、ランドクルーザー“250”“300”などに設定されています。
操作は、天井付近のスイッチカバーを開けて行う形式が一般的で、助手席からでも操作が可能です。事故の当事者だけでなく、重大事故を目撃した場合にも活用できます。あらかじめボタンの位置や操作方法を確認しておけば、万一の際にも落ち着いて対応できます。
※参考:トヨタ「ヘルプネット」
ドライブレコーダーの緊急録画保存方法

あおり運転の問題をきっかけに急速に普及したドライブレコーダー。多くの機種は、「ループ録画方式」という、SDカードの保存容量が上限に達すると古いデータから順に上書きする仕組みですが、事故などで一定以上の衝撃を本体内蔵のGセンサー(加速度センサー)が検知すると、「イベント録画」機能が作動します。衝撃の前後数十秒間の映像を別領域に保存し、上書きされないよう保護してくれます。
そのため、事故など衝撃が加わった場合は、基本的には操作する必要はありません。慌てて操作して、誤って電源を切ったりSDカードを抜いたりしてしまうと、データが正常に保存されない可能性があります。
事故ではない場面で「録画したい」という場合、任意で作動させる「手動録画」機能を活用します。手動録画機能は多くの機種で備わっていますが、走行中の操作は危険です。必ず安全な場所に停止してから操作してください。
まとめ

安全装備は、仕組みを理解し、実際に操作してみたり、手順を頭の中でシミュレーションしておくことが重要です。家族とも情報を共有しておけば、万一の瞬間にも落ち着いて判断しやすくなります。
発炎筒の位置を確認する、物理キーを一度取り出してみる、SOSボタンの場所を確かめる――ほんの数分の確認が、万一の場面での落ち着いた行動につながります。今日できることを、ひとつ試してみてはいかがでしょうか。
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