試乗記・レポート

駐車できない原因は?教習所との違いとバック駐車のコツ

駐車できない原因は?教習所との違いとバック駐車のコツ

運転初心者やペーパードライバーが運転をためらってしまう理由の1つとして挙げられるのが駐車です。今回は、駐車のコツを解説するとともに、教習所のコースで駐車ができたものの実際の駐車場でクルマをうまく停められない理由について説明します。

駐車が苦手というドライバーだけでなく、駐車場にクルマをうまく入れられない人にとっても役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

齊藤 優太(さいとう ゆうた)

この記事の執筆者

齊藤 優太(さいとう ゆうた)

自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト。大学卒業後、国産車ディーラー、教習所、中古車買取会社、タクシードライバーなど自動車関連の仕事に従事。現在は、フリーランスとして自動車WEBメディアや雑誌に寄稿したり、専門家としてメディアに出演。国家資格を保有する安全運転のプロとしての経験や知識、クルマの設計・開発を手がけてきたエンジニアからの学びを活かしながら、クルマの魅力や楽しさを伝えている。

保有資格

普通自動車第一種教習指導員、普通自動二輪教習指導員、応急救護指導員、運転適性検査指導員

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

実は駐車ではない?教習所で教わるクルマをバックする練習は方向変換だった

クルマの免許を取得する際に通う教習所では、駐車スペースのような場所にクルマをバックで入れる練習をします。しかし、この駐車スペースのような場所は、駐車場を想定して作られているわけではありません。

実は、教習所で行っている駐車スペースのような場所にバックでクルマを入れる練習は、方向を180°変えて来た道へ戻る方向変換です。つまり、方向を変えて出ることができればよいという項目となります。(バックで入れるスペースに対してクルマが斜めに止まっても問題ありません)

教習コース(方向変換)

また、方向変換の際にバックで入れるスペースの横幅は約3.5m(5ナンバーサイズのクルマ2台分の幅)。一方、一般的な駐車場の幅は2.5m前後です。そのため、方向変換でクルマを入れる場所は、一般的な駐車場と比べると幅にゆとりがあるということになります。このようなことから、「教習所ではできたのに、実際の駐車場でクルマをうまく停められない」ということが起きてしまうのです。

駐車するときのハンドル操作を始めるタイミングなどは車種によって異なる

教習所で教わる方向変換と実際の駐車場では、クルマを入れるスペースの幅が異なるものの、教習で習ったことを応用することで、駐車場にクルマを停めることができます。

駐車中のドライバーの様子

ただし、免許取得後に乗るクルマが教習車と全く同じという人は多くありません。クルマが変われば、駐車スペースからどのくらい距離を取るべきなのか、どのタイミングでステアリング(ハンドル)操作を始めるのかなども変わります。その理由は、車種によってホイールベースの長さや最小回転半径が異なるためです。

では、どのようにすれば、クルマを乗り換えても駐車がうまくできるのでしょうか。

駐車は「駐車スペースから距離を取ってバックしながらステアリング操作」がポイント

教習所で教わる方向変換(一般的に駐車と言われている教習)は、バックでクルマを入れようとするスペース部分から約1mの間隔を空け、少し角度をつけて前進させてから後退をするといった手順で習います。また、ポールが見えたらステアリング(ハンドル)を全切りしてバックすると教わった人もいるのではないでしょうか。

駐車しようとしているドライバー

確かに、教習車であれば、教習中に教わる方法でクルマを駐車スペースのような場所に入れることができます。しかし、実際の駐車場では、教習車ではないクルマを停めたり、駐車スペースの幅が異なっていたりするため、教習所で教わる方法で駐車できない場合があります。

教習所で教わった方向変換の内容を実際の駐車場に応用させるためには、「なぜ横の間隔を空けるのか?」、「なぜ角度をつけて前進するのか?」という点をしっかりと理解しておくことが大切です。この2点のポイントについて簡単に説明すると次のようになります。

駐車スペースから距離が取れている状態

駐車スペースと横の間隔を空ける理由

クルマをバックさせるときに外側の接触を防ぐため(後輪をバックで入れる駐車スペースに近づけすぎると、結果的に大回りになってしまい外側の前方や後方が接触してしまう)

角度をつけて前進する理由

バックで入れる駐車スペースとクルマの距離を取るため(方向変換のコースは前進できるスペースなどが限られているため角度をつけて距離を取っている)

駐車枠に停まっているクルマ

つまり、接触するおそれがある対象物までの距離がある場合(駐車場の通路幅が広い場合)は、駐車スペースとの横幅1mという間隔にこだわる必要はないということです。また、バックで入れる駐車スペースから距離を十分に取れる(前進できる距離がある)場所では角度をつける必要もありません。

そのため、場内の通路幅が広く前進できる距離が十分にある場合は、教習所で教わった方法(駐車スペースとの横幅1mと角度をつけて前進するという方法)にこだわらなくてもよいということです。

駐車場でクルマを停めるときのコツを順に解説!「あっ!」と思ったときの対処法は?

駐車場でクルマを停めるときのコツを順を追って解説すると次のようになります。

  1. 駐車場の通路が広い場合は中央、狭い場合は駐車スペース側にわずかに寄せて進入する
  2. クルマの死角で見えなくなる前に、自車および駐車スペースの周りの障害物などを認識するとともに、クルマを停める駐車場所(目標)を定める
  3. 前進して駐車スペースからなるべく距離を取ってクルマを止め、バックの準備をする
  4. クルマの四隅が接触しないか目視およびミラーで確認しながらバックを始める
  5. クルマをバックさせながらステアリング(ハンドル)操作をして、駐車スペースにクルマが入るようステアリング(ハンドル)を切り足したり戻したりして調整する
  6. 必要に応じて切り返し、微調整して駐車を完了させる
後方の距離が予想以上にある様子

実際の駐車場でクルマを停めようとするとき、「このまま進んだら危ないかも…」と思うこともあるでしょう。このようなときは、すぐに止まって切り返してください。

また、クルマをバックさせるときは車幅や長さを意識することも重要となりますが、多くのクルマに装備されているバックガイドモニターやアラウンドビューモニターなど、画面に表示される映像だけで幅や長さを正確に把握するのは至難の業です。

そのため、クルマをバックさせるときは、頻繁に首を動かしたり目線を移動させたりして、自分の目で障害物に接触しないか距離感をチェックしましょう。

駐車時に目視確認をする運転者

加えて、周囲の安全を確認しながらクルマを目標とする駐車スペースに入れるためにはクルマの速度を抑えることもポイントとなります。AT車の場合はブレーキペダルをわずかに踏み足したり戻したりして速度を抑え、MT車の場合は断続クラッチで「極低速(目安:歩いている人よりも遅い速度)」を作れるよう練習しておきましょう。

駐車のときに役立つモニターは補助機能として使おう

多くのクルマに装備されているバックガイドモニターやアラウンドビューモニターは、駐車するときに役立つ便利な機能です。

ただし、モニターに映し出される映像は、車両の後方やクルマの周囲の一部のみの表示だったり、広角の映像の組み合わせであったりする場合が多いです。また、映像での見え方と目視したときの見え方に違いがあるということもよくあります。

このようなことから、バックガイドモニターやアラウンドビューモニターは、駐車の補助機能として使うようにしましょう。

バックガイドモニターの映像

 なお、クルマの取扱説明書にも「バックガイドモニターは、後退操作を補助する装置です。後退するときは、必ず後方や周囲の安全を直接確認してください。」と書かれています。このような注意書きがされていることからも、駐車するときは、自分の目で周囲の安全を確認しながらクルマをバックさせることが重要だといえるでしょう。

駐車はポイントを理解しておくことが大切!

ここまで教習所で教わる方法でクルマを停めようとしているのにうまく駐車できない理由や駐車場でクルマを駐車スペースに入れるときのポイントを解説してきました。

この記事で伝えたい主な駐車のポイントは次のとおりです。

駐車している途中のクルマ
  • 目標(クルマを停めたい場所)をしっかり定める
  • クルマの死角で見えなくなる前に障害物(接触しそうな物など)の位置を把握しておく
  • 駐車スペースからなるべく距離を取る(通路が広く前進できる距離がある場合は横の間隔や角度のつけ方を気にする必要はない)
  • 極低速(目安:歩いている人より遅い速度)を作れるようにする
  • バックしているときはクルマの四隅に目配りや注意を払って接触しないよう注意する(危ないかもしれないと思ったら無理せず止まって切り返す)
  • 周囲の安全確認は目視やミラーで行うのが基本だが、バックガイドモニターやアラウンドビューモニターなどの補助機能も有効に活用する
  • クルマをバックさせながらステアリング(ハンドル)操作をして、目標(駐車スペース)にクルマが入るよう操作量を調整する

上記のポイントを押さえることで、バックでの駐車が上達しやすくなります。駐車やバックでクルマを動かすのが苦手な人は、ここで解説した内容も参考に実践してみてください。

齊藤 優太(さいとう ゆうた)

この記事の執筆者

齊藤 優太(さいとう ゆうた)

自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト。大学卒業後、国産車ディーラー、教習所、中古車買取会社、タクシードライバーなど自動車関連の仕事に従事。現在は、フリーランスとして自動車WEBメディアや雑誌に寄稿したり、専門家としてメディアに出演。国家資格を保有する安全運転のプロとしての経験や知識、クルマの設計・開発を手がけてきたエンジニアからの学びを活かしながら、クルマの魅力や楽しさを伝えている。

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普通自動車第一種教習指導員、普通自動二輪教習指導員、応急救護指導員、運転適性検査指導員

≪関連動画≫大きな車でスムーズに駐車するコツ | トヨタ アルファードで挑戦🚙苦手意識を克服しよう!

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