試乗記・レポート
GRカローラはファミリーカーとして使えるのか?4人家族のパパオーナーのリアル報告
みなさん、はじめまして。自動車業界の特命ライター、ゴリ奥野です。10代の頃から国産スポーツカーが大好きで、これまで「86」「スイフトスポーツ」に乗り、現在は「GRカローラ」を所有しています。86を所有している時に2人目の子どもが生まれ、泣く泣く売却。以降は家族4人の移動の足としても使える5ドア車という車歴です。
今回はGRカローラのファミリーカーとしての適性を、クルマ好きと父親、両方の目線でレポートします。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
カローラに1.6リッターターボ+4WDを搭載!
GRカローラは2022年にデビューした、いわゆる「GRモデル」のカローラ スポーツ。「GRヤリス」と同じ1.6L直列3気筒ターボエンジン「G16E-GTS」を搭載し、これまたGRヤリスと同じアクティブトルクスプリット4WDシステム「GR-FOUR」で駆動します。
素のモデルがあるのもGRヤリスと同じですが、GRヤリスの3ドアに対して、こちらは5ドア。筆者が購入したのは2022年式の初期型(RZ)で、ボディカラーはプレシャスホワイトパールです。

ステアリング左下のスタートスイッチを押すと、猛々しいサウンドとともに304psのエンジンが始動。国産車では非常にめずらしい、3本出しマフラーが大きな排気音を奏でます。
ギアを1速に入れてアクセルを踏み込めば370N・m(37.7kgf・m)のトルクが炸裂。背中がシートに押し付けられ、みるみるうちにスピードが上がる加速も魅力のひとつです。
また、4WDのトルク配分を変更できるモードセレクトスイッチや、走りの特性を変更できるドライブモードセレクトも装備され、走行ステージに合わせた走りを楽しめます。
モータースポーツで鍛えた妥協のない作り込みはさすがGAZOO Racingというところで、筆者は自分のあらゆるセンサーを働かせながら、いろいろな乗り味を楽しんでいます。
カローラベースゆえに使い勝手はとっても高い
そうは言っても、ベースはハッチバックのカローラ スポーツです。これ1台で日常使いから家族とのドライブなど、すべてをこなそうと考える人も多いのではないでしょうか?
自分もそのひとりで、仕事の出張はもちろん、妻と子どもを乗せて、遠出もしています。結論から先に言えば、使い勝手にまったく問題なし!ファミリーカーとして十分、使えます。
理由はやはり、ベースがカローラ スポーツだから。その一点に尽きます。室内空間は4人がゆったり座れる十分な広さがあるし、奥行きのある荷室も同様です。
子どもが開け閉めするのに助かる、3ドア車とは比較にならないドアの軽さもポイント。さらに、後席中央のアームレストには2人分のカップホルダーがあるし、前席左右のシートバックにはポケットもあります。
このクルマのキャラクターを考えれば、使う人はそんなにいないだろうと思ってしまいますが、ひょっとしてカローラ固有の装備なのでしょうか?だとしたらカローラをベースに選んだGAZOO Racingの決断に激しく同意します。
GRモデルの走りと、カローラの手軽さの2台分をまとめて購入した気分です。
とはいえ子供目線で見ると扱いづらい部分もある
ただし、GRモデルならではのデメリットもあって、子どもの乗り降り、特に乗り込みが大変そうなのはお伝えしたいところ。ある日、小学生の子どもが後席に乗り込むのをじっと見ていると、なんとGR-FOURのロゴが輝くサイドステップに足をかけようとしているではありませんか!
GRカローラのアイデンティティである特徴的なボディラインに傷がつくのはまずい。筆者は慌てて制止したのですが、今度はボディと内装のちょうど境目(サイドシル)に足をかけようとしています。これはさすがに止めませんでしたが……。
子どもの立場で考えてみて初めて状況がわかりました(すいません)。大人の足だったらサイドシルをまたいで乗り込めばよいのですが、小学生の子どもの足ではさすがにまたげない。
たしかにサイドステップは外に張り出しているので、SUVやクロカンのステップに見えないこともありません。子どもに不便を詫びる父親の気持ちと、傷を心配するクルマ好きの気持ちの半々。納車時に内装に貼られていた養生テープをはがさなければ良かったと後悔しました。
サイドシルに足をかけるのは仕方ないとしても、使用感が強く出るのはイヤなので、マメに清掃しています。
座り心地の良い高級なシートで子どもたちも大満足のはず
GRモデルで気になる乗り心地については、幸いなことに家族からクレームが来たことはありません。
GRカローラの足まわりは、フロント:ストラット、リア:ダブルウィッシュボーンという基本構成こそベースモデルのカローラ スポーツと同じですが、ワイドサスペンションやスプリング、ピロボールブッシュなどを装備した専用設計となっています。
ピロボールブッシュと言えばレーシングカーではおなじみの装備。ハードな乗り心地をイメージしますが、筆者自身も不快に感じたことはありません。
その理由は、シートの座り心地が良いから。GRカローラの純正シートは、シート表皮にパーフォレーション付ブランノーブを採用しているのですが、体を包み込むようにずっしりと沈んでくれて、非常に快適。40扁平の18インチタイヤを履いていても乗り心地はマイルドです。
残念ながら走行中の後席に座ったことはないのですが、シートの座り心地は前席と同じ印象。子どもたちからも「悪くない」とお褒めの言葉をいただいており、ファミリーカーとして不足はありません。
GRカローラはファミリーカーとして何点か?
では、ファミリーカーとしてGRカローラに点数をつけるとしたら、何点になるでしょうか?
スライドドアを持つ、ミニバンやスーパーハイトワゴンを100点とすると、ベースモデルのカローラ スポーツは、だいたい80点ぐらい。
GRカローラは、そこから子どもの乗り降りのしづらさを加味して5点減点。しめて75点というところでしょう。
乗り心地や排気音、ロードノイズなどは減点なしですが、傷をいちいち心配する小心者の筆者自身は減点対象ですね。
ただし、75点はかなり良い方だと思います。3ドアハッチバックや2ドアクーペは減点必至。繰り返しになりますが、カローラ スポーツがベースゆえに、ファミリーカーとしてのポテンシャルは高いんです。
あとは、トランスミッションが現行のGR-DAT(8速AT)だったら得点はさらに上がりますが、乗ったことがないのでなんとも……。
というわけで、家族を乗せられるスポーツモデルを探している人にGRカローラは、文句なしにおすすめできます。奥様を説得する時「カローラなら良さそうね」と言ってもらえるのも大きなアドバンテージです。
(取材・文・写真:ゴリ奥野 企画・編集:木谷宗義/type-e)
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