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【後編】軽快感のある走りと手の内感にこだわった!レクサスLBXチーフエンジニア遠藤氏インタビュー

【後編】軽快感のある走りと手の内感にこだわった!レクサスLBXチーフエンジニア遠藤氏インタビュー

前回のインタビュー記事で、レクサスLBXはタイヤを中心に「カジュアルなラグジュアリー」「スニーカーのような車」を目指して開発されたことが遠藤チーフエンジニアから明かされたわけですが、この目標の実現のためにどんな工夫をLBXに加えていったのかについて迫ります。キーワードは「手の内感」と「軽快感のある走り」です。

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「手の内感」運転視界が広くて運転しやすかったLBX

編:LBXはシートの位置を低くしたとのことですが、通常シートの位置が低いと、インパネやナビが視界に入ってきて運転視界が狭くなるイメージがあります。LBXは運転視界が広くて運転しやすかった印象がありますが、なにか工夫はありますか?

※ダッシュボードの位置が通常より下げられているほか、ナビの位置も低い

遠藤チーフエンジニア(以降、遠藤CE):ここ(ダッシュボード)の高さを下げたほか、ナビの位置も下げています。 ただ、見えればいいというものでもなくて。Aピラー を後ろに下げることで、視界 を広く取っています(フロントガラスがより広く見える視界を実現)。

編:確かに、ダッシュボード低いですし、ピラーも後ろですね…これが、運転視界がよかった理由ですか。

遠藤CE:それだけじゃなくて、実はここが見える必要があるんです。

編:この窓の部分ですか。

遠藤CE:ええ。コーナーを曲がっていく時にここが見えると安心感がだいぶ違うんです。この部分がよく見えるように、アウターミラーの形状も工夫しているんです。

編:ミラーのこの形状にはそんな意味もあったのですね!カッコいいからこのデザインにしたのかと気にしていませんでした。そういえば、シートも座り心地がよくて。腰掛けている感覚がSUVにしては強かったです。

遠藤CE:シートの形状はもちろんですが、そもそもLBXのパッケージの考え方として、ヒップポイントを低めに設定し、シートバックの角度もアップライトではなく体を預けられるようにパッケージングしています。それに合わせてステアリングの角度も合わせ、遠く感じない位置に調整しています。この辺もスニーカー※なんですね。

※編集注:スニーカーのような、履いた瞬間フィットするような、馴染むような車をイメージしてLBXは開発が進められた

編:フィットすると。

遠藤CE: 座った瞬間、自分の体にフィットするドライビングポジションといいますか。我々はこのLBXを「もっと車と一体になろう」という価値観を選択しまして、車の重心と近いところにヒップポイントを下げて重心に近づけてあげることで、車の動きとドライバーの動きが一体になります。

編:ヒップポイントを下げて重心に近づけてあげるのはいいことなのですか?

遠藤CE:例えば、車がロールしたときに(ドライバーが)重心よりも遠いところにいると、より揺さぶられます。重心に近いと車の動きにドライバーが追従しやすいので、一体感を感じやすくなるかなと。

編:なるほど、そういうLBXのこだわりというか、工夫が「座り心地がいいなぁ」って感覚につながったのかも。これは読者の皆さんに体験してほしいです。

気負いなく乗るためにサイズにもこだわった

編:スニーカーの話がありましたが、LBXのこのサイズ感は絶妙だなと感じています。まず全高ですが、ワールドプレミアの際には1,560mmと発表されていたので、日本仕様が1,545mmになったのには驚きました。シャークフィンアンテナを日本仕様では使ってないからこの高さになったわけですね。

遠藤CE:立体駐車場事情がありますから、日本向けにはやはり1,550mm以下にはこだわりました。もちろん、お買い上げいただく際は駐車場に収まるかどうかご自身で確認いただければ。駐車場によっては結構高さにバラつきがありますから。

編:そして、運転すると取り回しがよくてコンパクトSUVであることを実感するのですが、決して小さく見えないデザインですね。

遠藤CE:まず注目していただきたいのはこのタイヤサイズです。同じGA-Bプラットフォームを使うヤリスクロスからは2サイズも大きくしています。なんなら、レクサスUXよりも1サイズ大きいです。225/55R18なので幅も広いです。ダイナミックでエモーショナルなプロポーションを実現するためには不可欠でした。

編:そんなに大きかったのですね。ボディの外側いっぱいにタイヤが出てきていてカッコいいなぁと思っていました。

遠藤CE:このタイヤコンシャスなデザイン(編集注:タイヤを中心に作られたデザイン)を実現するために、GA-Bプラットフォームをベースにかなりの専用設計を加えています。

※エンジンの位置はボンネット内の奥側(ドライバーに近い方)に配置されている。この辺り、重いものを重心に近づける「慣性諸元」の最適化の一環と思われる

遠藤CE:車の「手の内感」を実現するには小回りの良さも大事です。小回りの良さを出すためにタイヤの切れ角をしっかり確保しました。タイヤの切れ角を確保するためにも、サイズが小さいエンジンを載せたくて、1.5Lハイブリッドを採用しています。

編:なるほど。これだけ大きなタイヤの切れ角を確保するには、タイヤを外側に出しつつ、スペースも確保する必要があったわけですね。

遠藤CE:さらに、ヤリスクロスからタイヤの中心を前に20mm出し、ホイールベースを伸ばして、キャスター角※も多めにつけています。これにより、コンパクトカーが苦手とする直進安定性とスタビリティを上げています。まずは真っすぐ走らないと…ということで、そのうえでハンドリングを工夫していきました。

※キャスター角:タイヤの中心を通る垂直の軸と、ハンドル操作に応じて回転する軸の角度のことで、キャスター角が大きくなるほど直進安定性が高まり、キャスター角が小さいほど操舵がしやすくなる。LBXは、キャスター角をつけて安定性を高めたうえで、ハンドリングも良くなるように開発が進められた

「軽快感」レクサスとしての走りを表現するためにこだわった軽量化

編:1.5Lハイブリッドと排気量は小さいですが、車がパワー不足だなとは全く感じませんでした。軽快感があって楽しかったです。

遠藤CE:レクサスが目指す走りを実現するにあたって大事なのは、レスポンス(操作に対する車の応答の速さ)とリニアリティ(操作の量に対して車の挙動の強弱が比例していること)です。このレスポンスの速さを出すのに一番いいのは電気なんです。

編:なるほど、モーターがレスポンスやリニアリティの面でいい仕事をしていたと。

遠藤CE:それだけでなく軽量化にもこだわりました。1.5Lのパワーを十分に活かしきりながら、軽快な走り、楽しい走りを実現させようとすると、やはり車を軽くしなければならない、ということですね。

編:レクサスとしての走りの実現はかなり重要視されたわけですね。

遠藤CE:かなり重点的に取り組みました。レクサスとしての走りを表現すること、軽快感のある走りを実現するというのは、開発の中でも比重が大きかったです。

編:ところで、軽量化って難しいのでしょうか? 1kg、2kgと減らしていくイメージなのですが。

遠藤CE:いえいえ、1グラム2グラムの話でして。

編:失礼しました、甘く見ておりました。そもそも単位から違いました…(笑)。

遠藤CE:ええ。1グラム2グラム単位のものを積み上げて軽量化していきます。何千個積み上げれば10kg減るだろう…と。例えば、工場で塗装に失敗したから塗り直したとしましょう。それだけでも結構な重さになります。

編:そんな極限の世界とは知りもせず。あの軽快感を出すために開発に関わった皆さんが頑張られたわけですね。

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軽量化で取捨選択された装備たちと譲らなかった安全性

遠藤CE:今回だと、例えば助手席のパワーシートとかがないわけですが、そのあたりが軽量化にあたってオミットした部分なんです。あとは、電動チルトとか。

編:なるほど。軽量化がグラム単位での攻防だということが分かったので、高級車によくある装備がないことは納得できました。

遠藤CE:電動にすると、モーターが入ります。モーターが入ることによって今度は衝突安全性を高めないといけないので安全性を上げるためにその部分を固めるなど、単純にその装備を追加する以上の重量アップがあります。

編:ただ単に機能追加分の重さが増えるだけかと思っていました!安全面含めていろんなところに影響が出て重量に影響が出るのですね。

遠藤CE:とはいっても、お客様の期待値は裏切れないので…、まだまだ頑張ります。

※ルーフパネルを薄板化、フードをアルミにするなど、車の高い位置にある素材が軽量化されているほか、高張力鋼板を使用して剛性を上げている

編:よろしくお願いします!ちなみに、安全性を上げるため…というお話が出ましたが、安全性は犠牲にしていないわけですね。

遠藤CE:そこはもう全く削る気はなかったです。車のサイズのヒエラルキーに関係なく、レクサスRX、RZに具備している予防安全性能をLBXにも具備しています。

編:やはり安全は大事なのですね。

遠藤CE:一番大事です。お客様に安心して乗っていただくために、できる限りの、今持っている技術すべてをお客様に選択していただけるように準備しました。

実際に「見て」「触って」「乗って」感じて欲しいLBX

※空力も配慮されており、走りを重視しながらも高い燃費性能を獲得した

編:最後に、LBXを検討している方、KINTOでLBXに乗ろうかなと考えている方に向けて、メッセージをお願いします。

遠藤CE:はい。本物を知るお客様が素の自分に戻って気負いなく乗れる、カジュアルなラグジュアリーを目指して作ってきた車になります。ぜひ、実際に見て、乗って、感じていただければと思いますので、よろしくお願いします。

安全性を犠牲にせず、タイヤを中心に作られたカッコいいデザインと、軽快感のある走りを実現したLBX。カジュアルなラグジュアリーを実現した、貴重な1台に仕上がっているのではないでしょうか。

KINTOコラム記事では、LBXの試乗記も掲載しているのでそちらも合わせてご覧ください。KINTOはLBXの「Cool」と「Relax」を取り扱っているので、購入と合わせて車のサブスクKINTOもご検討ください。

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KINTO月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける()サブスクリプションサービスを展開しています。
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トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。

KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?

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