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【前編】レクサスLBX開発秘話:チーフエンジニア遠藤氏インタビュー

【前編】レクサスLBX開発秘話:チーフエンジニア遠藤氏インタビュー

2023年11月に発売されたレクサスLBX。フルモデルチェンジではなく、完全な新型車として登場したLBX。発売以降、順調に販売台数を伸ばしており、ヒットカーとなっています。

本記事では、LBXの遠藤邦彦チーフエンジニアインタビューの前編をお届け。レクサスというブランドの話、LBXの開発秘話、発売後の評判などを聞いてきました。

レクサスとは「本物を知る人が最後に戻ってくるブランド」

KINTOコラム記事編集部(以降、編):LBXのサイズ感、とっても良いですね!こういうサイズの高級車を待っていた人も多いのではないでしょうか?欧州の高級車と肩を並べるレクサスですが、まだ触れたことがない方向けに、レクサスとはどんなブランドなのかを教えてもらえますか?

遠藤チーフエンジニア(以降、遠藤CE):レクサスの目指しているところは「本物を知るお客様が最後に選んでいただけるブランド」です。

編:本物を知る、ですか。高級車といえば大きくて豪華なイメージがありますが。

遠藤CE:豪華だったり、華美だったりといった高級車の固定概念ではなく、本物を知るお客様が素の自分に戻って、気負いなく乗れるラグジュアリーなブランドを目指しています。特に、LBXは肩の力を抜いて、素の自分に戻って気負いなく乗れる、スニーカーのような車を目指しました。

編:なるほど。「本物を知る」についてもう少し教えてください。

遠藤CE:そうですね…素材一つひとつがどれだけ心をこめて、どれだけ手をかけて作られてきたかというのは、本物を知っている人はわかります。レクサスはごまかせないんです。

編:良いものに触れている人にはわかるということですね。そういう人たちに選んでもらうブランドというのは、「大きい」「豪華」みたいにわかりやすくない分、難しい目標に聞こえます。

遠藤CE:ええ。レクサスで仕事をしていて難しいところです。

LBXが目指すのはカジュアルなラグジュアリー

遠藤CE:LBXは「本物を知る人が最後に戻ってくる車」であると同時に、初めてレクサスに触れていただく1台でもありたいと思っています。

編:先ほどスニーカーとおっしゃっていましたが、確かにLBXにはカジュアルな印象があります。このスニーカーとはどういう意味で使われているのですか?

遠藤CE:豊田章男会長から「スーツを脱いで肩の力を抜いて、素の自分に戻った時にふっと乗れる、Tシャツにスニーカーで乗れる車が欲しいんだよね」という話を、LBXを企画するなかでもらって。

編:最前線で戦っている大人がオフで乗る車ということですか。そこで革靴ではなくスニーカーと。

遠藤CE:今まで我々が持っているスニーカーのイメージではなく…つまり、運動靴ではなく、ちょっとしたおしゃれなところにも自信を持って履いていけるスニーカーです。会長からは具体的にこのスニーカーみたいな…と言われて。実は今日履いてきています。フランスの高級ブランドのスニーカーなんです。

編:これですか。実際に履くとどんな靴ですか?

遠藤CE:履いた瞬間に自分の足にスパっとはまる、まるでオーダーメイドしてくれたような仕立ての良さがあります。普通の運動靴とは違う、上質な素材使いや丁寧な縫製で、どんどん足に馴染んできて、ずっと履いていたくなるようなスニーカーです。LBXで提案したかった世界観っていうのは、気負いなく乗れる、このスニーカーのようなカジュアルなラグジュアリーです。

編:なるほど…そのカジュアルなラグジュアリーの実現のためにどういう工夫をされたのですか?

遠藤CE:一番大切にしたのは「手の内感」です。乗る車が大きいと、細い道に入った時に気負いなく乗れないじゃないですか。なので、細い道でも気負いなく乗れるサイズ感。あとは、自分を取り囲むコックピットも「手の内感」を大切にしています。

編:乗ってわかりましたが、コックピットは包まれ感もありつつ、必要なものが必要なところにあって手に届く感というか、ごちゃごちゃしていない感じが印象的でした。あれが手の内感ということですね。

Cool・Relax・Bespoke Build・MORIZO RR CONCEPT

遠藤CE:素材にもこだわっていて、セミアニリン本革やウルトラスエードといった素材を使用しています。さらに、Bespoke Build※では最高級のL-ANILINE本革というLSやLCでしか使っていない最高級の革も選べます。

※専用アイテムを含めた約33万通りのバリエーションの中からユーザーが独自のオリジナル・コーディネートを選択可能なグレード

編:両素材とも触れる部分の触感が心地よくて、フィットする感じがして心地良かったです。やっぱりレクサスは違うなと。Bespoke Buildの話が出てきましたが、グレード毎にどのような特徴があるのですか?

遠藤CE:通常のレクサスは、version Cやversion L、F SPORTといった、装備のヒエラルキーに基づくグレード体系です。LBXは、世界観というと大げさなのですが、お客様の価値観に合わせたグレード体系を準備しました。パッケージオプションみたいなイメージで考えていただくとわかりやすいかなと。

編:たしかに、Cool、Relaxには価格差はないですものね。内装の素材や外装色の違いくらいで、装備差というか、グレード間に上下の差がつけられていない。このあたりもLBXの新しい提案なのですね。

遠藤CE:ええ。僕らが車を企画するときって、結構明確にペルソナを作ります。例えば、Coolだったらイタリア在住のインテリアデザイナー、ロベルトさん…とか。50歳だったかな?走りが大好きだけど、大人な走りを大事にするような方ですね。

編:年齢や名前まで決めているのですね。なんかイメージがわきます。Coolの内装にウルトラスエードが使われているところとかロベルトさん向けっぽいです。

遠藤CE:Relaxの方はイザベラさん。走りはともかく、内装の質感に対する妥協は絶対嫌で、エレガントでオシャレな感じがほしいわっていうような方ですね。

編:おもしろいです。Bespoke Buildはどんな立ち位置ですか?

※専用アイテムを含めた約33万通りのバリエーションの中からユーザーが独自のオリジナル・コーディネートを選択可能なグレード

遠藤CE:最後の仕上げはお客様に仕上げてもらいたいという気持ちでBespoke Buildは準備しました。このBespoke Buildは、L-ANILINEっていう、LSやLCでしか使っていない最高級の本革も用意していて、Bespoke Buildであれば選んでいただけます。今までレクサスを愛して乗り継いでいただいているお客様で、そろそろ大きい車もしんどいから手の内感のあるクルマにしたいなって感じられたと時に、今まで触れていたものと違うものになるのは申し訳ないということで、少しお金をいただくことになりますが、(L-ANILINE本革を)選んでいただければと。

※LBX MORIZO RR CONCEPT

編:なるほど、そうやって一人ひとりの思いに応えるために限定としているのですね。Bespoke Buildの第2弾期待しています! そして、オートサロン2024で発表されたコンセプトカーのLBX MORIZO RR CONCEPTもあります。GRヤリスと同じパワートレーンに4WDシステム、さらにワイドになったボディと、個人的に大興奮です。

遠藤CE:タイムを競うような車ではないかもしれないですが、レクサスらしい走りを大事にしながら、ハイパフォーマンスを実現していきます。冷却系などもしっかりと作りこみ、サーキットのような場所を思う存分楽しんで走れるような車に作りこんでいこうと思っています。

編:続報を待っております!!

LBXは東北復興の一助となるか?実は東北出身だった遠藤チーフエンジニア

編:LBXは岩手工場で生産されるのですね。生産現場の方々も頑張っていらっしゃると聞きました。

遠藤CE:TMEJ(トヨタ自動車東日本株式会社)はコンパクトカーを世界一上手に作っている工場なんです。実は、トヨタのセンチュリーも作っていた匠の皆さん、検査の皆さん、品質検査の部長さんとか、そのまま岩手に行ってくださっているので、LBXを検査しているのはセンチュリーを見ていた人たちです。だから、LBXはセンチュリー品質なんです(笑)。

編:凄い説得力です。

遠藤CE:色々話を聞くと、センチュリーの気の使い方は半端ないらしいですよ。もし皆様の頭の中に「小さい車って安いよな」というイメージがあれば、LBXはそのイメージは払拭していただけるような車に仕上がっていると思います。ちなみに、TMEJ(トヨタ自動車東日本株式会社)という会社がどういう経緯で生まれたかご存じですか?

編:いえ…ぜひ教えてください!

遠藤CE:東日本大震災の翌年に、豊田章男会長(当時は社長)が、真の災害復興は義援金みたいなお金の支援ではなく、経済復興こそ真の災害復興だろうという思いで、東北に第3のトヨタの生産拠点を作ったんです。自動車産業はものすごく広い産業になっていますので、裾野の広い産業が根付きます。短期的な支援ではなく、中長期的な支援をやっていきましょうっていう思いでTMEJは作られました。

編:そんな経緯があったのですね。

遠藤CE:実は私、生まれが福島で。大学卒業まで仙台にいた、根っからの東北っ子なんです。なので、その思いっていうのは本当にうれしかったです。まさか自分がチーフエンジニアとして開発した車が、東北で生産させてもらえるとは。これ以上の喜びはないなと。

編:東北出身の遠藤さんを中心に開発したLBXが、東北のさらなる復興の助けとなっていくわけですね…そんなドラマがあったとは。

遠藤CE:恩返しです、ほんと。一緒に車を作らせていただいたレーシングドライバーの佐々木さんも実は岩手に拠点を置いていらっしゃって。

編:まさにチーム東北ですね!

LBXの細部へのこだわりはインタビュー後編でお届け

LBXは海外のメディア、国内の販売店からも高い評価を得られているとのこと。東北で生まれ育った遠藤CEが、思いがけない形で故郷に恩返しすることになったという、心温まるエピソードも聞けたインタビュー前編でした。

インタビュー後編では、LBXの細部へのこだわりに迫ります。最後に、車のサブスクKINTOについて紹介いたします。LBXをご検討中の方は、購入やローン、残クレに加えて、KINTOもご検討ください。

KINTO月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける()サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます

  • トヨタの新車が対象の「KINTO ONE
  • レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS
  • SUBARUの新車が対象の「KINTO ONE(SUBARU)
  • トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE(中古車)」納期1ヶ月~2ヶ月!(東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中)
  • KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited

などのサブスクリプションサービスを展開しています。

それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。

KINTO ONEとは?

KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります

初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「KINTO ONE(中古車)」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ

トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。

また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。

KINTO Unlimitedとは?

トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。

KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?

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