トヨタ車&レクサス車解説
新型クラウン スポーツPHEVレビュー!ハイブリッド車の違いとは?
トヨタの新型クラウン(スポーツ)のPHEVについて解説します。2023年10月にハイブリッドモデル(HEV)、2023年12月にプラグインハイブリッド(PHEV)が発売されましたが、果たしてどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、ハイブリッドとプラグインハイブリッドの違いなど、クラウン(スポーツ)PHEVについて解説します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
新型クラウン(スポーツ)PHEVとクラウン(スポーツ)HEVの違いとは?
新型クラウン(スポーツ)PHEVの特徴は、クラウン(スポーツ)HEVが追求する「楽しい走り」をさらに昇華させるべく、スポーティな味付けにこだわって開発されたこと。感性に響く「美しいデザイン」はそのままに、走りの味付けにふさわしい専用装備も採用し、よりスポーティな走りを目指しました。また大容量リチウムイオン電池を搭載したことで、実用的なEV走行航続距離を得たプラグインハイブリッド車となっていることも特徴です。まずは価格から見ていきましょう。
価格の違い
新型クラウン(スポーツ)PHEVのグレードは、「SPORT RS」の1グレードのみで、価格は765万円(税込)、HEVのグレードは、「SPORT Z」の1グレードのみで、価格は590万円(税込)です。このようにクラウン(スポーツ)は、HEVかPHEVの2つの選択肢から選ぶ、非常にシンプルなグレード構成となっています。
なお車のサブスク「KINTO」では、2024年8月1日よりクラウン(スポーツ)のPHEVの取り扱いを開始しました。クラウン(スポーツ)のPHEVやHEVを検討中の方は、購入やローンに加え、KINTOも選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
KINTO – クラウン(スポーツ)紹介ページはこちら
サイズの違い
次に、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の車両諸元の違いを見てみましょう。
| クラウン(スポーツ)PHEV | クラウン(スポーツ)HEV |
---|---|---|
全長(mm) | 4,720 | 4,720 |
全幅(mm) | 1,880 | 1,880 |
全高(mm) | 1,570(+5)※1 | 1,565 |
車両重量(kg)※2 | 2,030(+220)※2 | 1,810 |
※1 カッコ内は、HEVとの違い
※2 パノラマルーフを着用した場合は、10kg増加します
新型クラウン(スポーツ)PHEVのボディサイズは、全長4,720mm×全幅1,880mm×全高1,570mmです。クラウン(スポーツ)HEVと比べると、全長と全幅は同じですが、全高は5mm高くなっています(HEVは全高1,565mm)。また新型クラウン(スポーツ)PHEVのホイールベースは2,770mm、フロントトレッドは1,605mm、リアトレッドは1,615mm、これらの車両諸元は、クラウン(スポーツ)HEVも同じです。
大きく異なるのが車両重量です。新型クラウン(スポーツ)PHEVは大容量のリチウムイオン電池を搭載しているため、車両重量は2,030kgにもなります。クラウン(スポーツ)にもニッケル水素電池が搭載されていますが、電池容量はPHEVと比べると少なく、その分軽量であるため車両重量は1,810kgです。つまりはクラウン(スポーツ)PHEVの方が220kg重たいことになります。
外観の違い
新型クラウン(スポーツ)HEVと新型クラウン(スポーツ)PHEVの外観上の違いは、ひとつは、ボディの右側後方、燃料リッドの反対側の位置に、充電用のインレットが備わることです。リッドを開けると、中には普通充電インレットと急速充電インレットの2つが備わっています。また、暗い夜間でも充電口を照らすことができる、充電インレット照明も備わっています。
足周りでは、PHEVにはマットブラック塗装を施したPHEV専用アルミホイールが採用されています。特徴的なトリプルスポークと細いレイヤースポークでデザインされた21インチサイズのアルミホイールは、プレミアムさとスポーティさが合わさった、魅力的なデザインに仕上がっています。一方のHEVには、グロスブラック塗装の21インチアルミホイールが標準装備されています。
またブレーキも、PHEVにはフロントに20インチ対向6ピストンアルミキャリパー(リアは18インチ鉄キャリパー)が標準装備となります。なおキャリパーのカラーは前後共にレッド塗装となります。
また、PHEVではドアウインドウフレームモールディング(SUS)が、ブラック塗装のみとなります。HEVは標準色がシルバーとなっており、PHEVと同様、ブラック塗装に変更するには、ボディカラーにバイトーンを選択する必要があります。
ほかにも、ボディリアに装着されるシンボルマークが、PHEVマークとなるのも特徴です。
内装の違い
内装について新型クラウン(スポーツ)PHEVとクラウン(スポーツ)HEVとで異なる点のひとつはインテリアのカラーリングです。PHEVでは運転席と助手席で左右非対称になるよう、ブラックとセンシュアルレッドを配色しました。艶がありながらもマットな雰囲気がある新開発の光輝材を入れた表皮を組み合わせたことで、運転への高揚感をより高めるとともに、個性とスポーティさを際立たせています。同時に、フロントとリアのシートベルトもレッドとし、インテリア全体で統一感を持たせています。
またステアリングホイールもPHEV専用品となります。ホイール下側のスポークはレッドの装飾が追加されており、ステッチもレッドのかがり縫いが施されています。またグリップの良いディンプル加工の表皮と、スポーティな走りを存分に楽しむためのパドルシフトが標準装備となり、ステアリングホイールから手を離さずに、マニュアル感覚でのシフト操作が可能です。
さらに運転席シートも、PHEV専用のスポーツシートとなります(HEVはスポーティシート)。赤いステッチやシートの形状など、スポーツの名にふさわしいデザインが与えられています。標準のシートよりもさらにホールド感を高め、ドライバーがしっかりと身を預けて、より運転への高揚感を高めることを狙いとしました。ちなみにPHEVは、後席左右シートヒーターが標準装備となります。
また、ディンプル加工が施された本革シフトノブ(ピアノブラックのオーナメント付)もPHEV専用装備です。
燃費の違いと合計航続距離の違い
新型クラウン(スポーツ)PHEVの燃費は、WLTCモードで20.3km/Lで、バッテリー満充電時のEV走行距離は90kmです。クラウン(スポーツ)HEVと比較すると、WLTCモード燃費に関しては、HEVのほうが概ね良い傾向にあります。
| クラウン(スポーツ)PHEV | クラウン(スポーツ)HEV |
---|---|---|
WLTCモード燃費(km/L) | 20.3 | 21.3 |
市街地モード(km/L) | 17.5 | 19.1 |
郊外モード(km/L) | 21.5 | 22.7 |
高速道路モード(km/L) | 21.0 | 21.6 |
燃料タンク容量(リットル) | 55 | 55 |
WLTCモード燃費(km/L) | 21.5 | 22.7 |
EV航続距離(km) | 90.0 | - |
合計航続距離(km) | 1206.5 | 1171.5 |
※PHEVの合計航続距離は、WLTCモード燃費×燃料タンク容量+EV航続距離で計算
ただしPHEVにはバッテリーで走行できるEV航続距離分があるので、WLTCモード燃費では単純比較ができません。そこで、給油満タン、バッテリー充電満タンの条件でどれほど走行可能なのか、合計航続距離について比較してみましょう。
PHEVもHEVも、燃料タンクの容量は55L(リットル)で同じです。ただしPHEVには90kmのEV走行ができるので、このEV航続距離を加えた合計航続距離は、PHEVが1,206km、HEVが1,171.5kmとなり、PHEVのほうが航続は長い、ということがわかります。
もちろん、走行する環境(高速道路メインか一般道路メインかなど)によって燃費は変わるので、この距離を走ることができる保証はありませんが、航続距離はHEVを凌ぐポテンシャルがあるというのは、クラウン(スポーツ)PHEVの魅力のひとつといえます。
走りの違い
クラウン(スポーツ)PHEVの最大の特徴は、やはり新開発されたパワートレーンです。
PHEVに搭載された新開発の2.5Lプラグインハイブリッドシステムは、システム最高出力は225kW(306PS)に達し、出力密度の高い駆動用モーターを最大限活用することで、より滑らかで力強い加速が得られるように進化しました。
また、車体中央の床下に配置した大容量リチウムイオン電池は、満充電状態時にはEV走行距離90kmを達成しています。そのため、日常生活の大部分をEV走行でカバーできると思われます。
一方、HEVに搭載されている2.5L シリーズパラレルハイブリッドシステムは、効率向上と性能向上を追求した高効率ハイブリッドシステムです。低速でのレスポンス向上、中速~高速域でのダイレクトな加速、さらには燃費性能や静粛性にも強いといった特徴があります。
PHEVとHEVのエンジンやモーターのスペックは次のとおりです。
| クラウン(スポーツ)PHEV | クラウン(スポーツ)HEV |
---|---|---|
総排気量(L) | 2.487 | 2.487 |
種類 | 直列4気筒 | 直列4気筒 |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
最高出力(kW(PS)/rpm) | 130(177)/6,000 | 137(186)/6,000 |
最大トルク(Nm/rpm) | 219/3,600 | 221/3,600~5,200 |
フロントモーター最高出力 kW(PS) | 134(182) | 88(120) |
フロントモーター最大トルク Nm | 270 | 202 |
リアモーター最高出力 kW(PS) | 40(54) | 40(54) |
リアモーター最大トルク Nm | 121 | 121 |
動力用主電池の種類 | リチウムイオン電池 | ニッケル水素電池 |
動力用主電池の容量 Ah | 51 | 5 |
またPHEVは、HEVのSPORT Zをベースとして、フロアトンネル部へブレースを追加し、ボディの最適な剛性バランスをさらに追求。さらに前後ショックアブソーバーの摩擦特性と減衰力特性を最適化し、路面状況や運転操作に応じて、ショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVSも採用しました。その結果、しなやかな動きと接地感のあるフラットな乗り味を実現しています。
他にも、手元でシフト操作が可能となるパドルシフトや、前輪に20インチベンチレーテッドディスクブレーキも採用。専用20インチ対向6ピストンアルミキャリパーによって制動力を向上させたうえで、スポーティなイメージを更に引き上げるため、フロント・リヤともにブレーキのキャリパーに赤色塗装も施しています。
よりハイパフォーマンスなクラウン(スポーツ)が欲しい方はPHEVを、通常走行時の燃費やコストパフォーマンスを求める方にはHEVがおすすめです。
新型クラウン スポーツPHEVの充電と給電機能
ここからは、新型クラウン(スポーツ)PHEVの充電機能や外部給電機能について紹介します。新型クラウン(スポーツ)PHEVは、バッテリーにためた電力を外部に給電できる「EV給電モード」と、停電や災害などの非常時に車を電源として活用できる「HEV給電モード」が備わっています。
HEV給電モードは、はじめは蓄えたバッテリーの電力で給電しますが、バッテリーが一定の残量を下回るとエンジンがかかり給電を継続します。バッテリー満充電・ガソリン満タンの状態だと、一般家庭の約6.5日分の電力が供給可能です。
なお給電時に、車室内へ虫などの侵入や雨天での雨水の侵入を防ぐ、外部給電アタッチメントを標準装備しているので、外部給電はドアガラスを閉じたまま行うことができます。
充電方法や充電時間
新型クラウン(スポーツ)PHEVは、7メートルの長さの充電ケーブルが標準装備されており、充電コネクターを車に差し込むだけで充電が可能です(15メートルの充電ケーブルもメーカーオプションで選択可)。電源プラグコード(コンセント側)は200V用に加えて、100V用の電源プラグコードも標準装備しており、使用するコンセントに合わせて交換できます。
普通充電にかかる時間は、100V(6A)の場合だと約33時間(満充電)、200V(16A)の場合だと約5時間30分(満充電)、200V(30A)の場合だと約3時間30分(満充電)がかかります。200V充電には、100Vよりも早く充電できるメリットがありますが、専用の配線工事が必要となります。
またクラウン(スポーツ)PHEVは普通充電機能に加えて、急速充電機能も備えています。充電時間は約38分(満充電量の約80%まで)と、200V用充電ケーブルを使った場合と比べて大幅に短縮ができます。なお急速充電器は、トヨタの販売店やコンビニ、道の駅、公共施設、高速道路サービスエリアなどに設置されています。
車外への外部給電
新型クラウン(スポーツ)PHEVは、センターコンソールボックス後端とラゲージ内にアクセサリーコンセントが設置されていますが、さらに、屋外でも電源が使えるヴィークルパワーコネクターが付属しています。
普通充電インレットに差し込めば、100Vの外部給電用のコンセントに早変わり。AC100V/合計1500Wまでの外部給電機能を標準装備しています。停電や災害時などの緊急時や電源の無いアウトドアシーンでも大いに役立つことでしょう。
また、普通充電時にパワースイッチをONにすると、外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能になる「マイルームモード」になります。テレワークや休憩などで電気を使いながらも、エンジンをかけずに車内で快適に過ごすことができるでしょう。
さらに車に蓄えた電気を住宅に供給する「V2H(ブイツーエイチ)」にも対応しています。V2H機器(別売)と接続することで、駆動用バッテリーに蓄えた電力を、家庭用電力として利用することが可能。あわせて、住宅側の太陽光発電などで生じた余剰電力を、車側の駆動用バッテリーに蓄電することもできます。プラグインハイブリッド車は、まさに「動く蓄電池」なのです。
新型クラウン スポーツPHEVの活躍シーンとは?
クラウン(スポーツ)PHEVは、HEVと比べて走行性能を突き詰めたスポーティなクロスオーバーSUVでありながら、プラグインハイブリッド車としての使い勝手や利便性も備え、さらにはアウトドアや災害時には畜電池として、外部給電の機能も有した、万能な電動車といえます。
しかも、電力が尽きると動けなくなるバッテリーEVとは違い、燃料(しかもレギュラーガソリン)による走行も可能なほか、急速充電にも対応しています。また満充電状態で90kmのEV航続距離があるので、ガソリンスタンドへ行く機会がかなり減るのではないでしょうか。
新型クラウン スポーツPHEV まとめ
昨今、アウトランダーPHEVやCX-60 PHEV、レクサスNX 450h+、ハリアーPHEVなど、国産プラグインハイブリッド車が続々と登場していますが、このクラウン(スポーツ)PHEVは、走行性能の高さはもちろんのこと、デザイン、PHEVとしての使い勝手、そしてコストパフォーマンスなど、全ての面で注目されています。興味を持った方は、ぜひ一度、トヨタ販売店を訪れてみてください。
最後に車のサブスク「KINTO」について説明します。KINTOでは、クラウン(スポーツ)のPHEVとHEVを取り扱っています。クラウン(スポーツ)をご検討中の方は購入、ローンに加え、KINTOも選択肢に加えてはいかがでしょうか。
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