試乗記・レポート

【実走テスト】シエンタ ハイブリッドの燃費はどのぐらい?100km走ってわかったカタログ燃費との違い

【実走テスト】シエンタ ハイブリッドの燃費はどのぐらい?100km走ってわかったカタログ燃費との違い

コンパクトミニバン界の売れっ子モデル、「シエンタ」。2022年8月に3代目となる現行モデルが登場して以来、月間販売台数は1万台前後で推移しており、トヨタ車の中でも人気車種となっています。

とくに注目なのがハイブリッドモデル。燃費の良さは、やはり気になるポイントですよね。とはいえ、購入検討時に多くのお客様が本当に知りたいのは、カタログ燃費ではなく実際の燃費ではないでしょうか。

そこで今回は、エアコン使用や交通状況など、燃費にとって不利になりがちな条件を含めた環境下で、総走行距離100kmの実燃費テストを行いました。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

燃費のカタログ値は28.2km/L

今回利用した車両は、シエンタ ハイブリッド7人乗りの2024年モデル。上級・標準(中間)・エントリーと3つある仕様違いのうち、標準(中間)のグレードである「HYBRID G(2WD)」です。

シンプル&ベーシックな見栄えながら、両側電動スライドドアやブラインドスポットモニター、前方ドラレコなどを標準装備した「コスパのいい」グレードです。

道具感を引き立てるこのボディカラーの名称はシンプルな「ベージュ」
道具感を引き立てるこのボディカラーの名称はシンプルな「ベージュ」

テスト前に、カタログ上におけるシエンタの燃費性能数値をおさらいしておきましょう。

7人乗りモデルのGグレード(2WD)で、ハイブリッドとガソリンモデル(2024年モデル)それぞれの燃費は次のとおり。

ハイブリッド

ガソリン

WLTCモード

28.2km/L

18.3km/L

市街地モード

27.1km/L

14.1km/L

郊外モード

29.8km/L

19.1km/L

高速道路モード

27.6km/L

20.3km/L

ハイブリッドが得意とする市街地(=ストップ&ゴーが多く平均速度が低め)では、ガソリン車との燃費差が2倍近くに達するうえ、高速道路であっても3割超の好燃費を実現していることがわかります。

とはいえ、これはあくまでもカタログ掲載値。実際のところはどうなのか。いざ、実燃費を測定するべく100kmのテストに挑みます。

テストルートは、以下のとおり。

  • 高速道路:調布ICから相模湖ICまで約37km
  • 郊外路:相模湖ICから城山湖まで約13km
  • 下道:城山湖から調布まで約30km
  • 都市部道路:世田谷区弦巻から調布まで往復約20km

高速道路から混み合う都市部、流れの早い郊外路、さらに平均的な下道道路を組み合わせた半日のショートトリップを想定したルートです。

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カタログ値には及ばぬも20km/Lは楽勝!

走行開始時は午前10時ちょうど。ガソリンは満タン、タイヤ空気圧は適正。エアコンは23℃のAUTO設定。走行モードは「ECO」を選択します。

走行モードはシフトレバー横の「DRIVE MODE」で切り替える
走行モードはシフトレバー横の「DRIVE MODE」で切り替える

中央道に渋滞はなく、平均80km/h程度を概ねキープできる流れ。70km/hまでなら、メーター内にあるハイブリッドシステムインジケーターの針が「ECO」エリアに収まっている(=好燃費)ものの、車速がそれ以上になると「POWER」エリアに入る様子。

交通の流れを妨げないように80km/h前後で走り続けたため、インジケーターはほぼ「POWER」を指している状態でした。

ちなみに70km/h程度までは、ごくごく快適。80km/hを超えるとサイドミラー周りから聞こえる風切り音が増し、横風の影響をやや受けやすくなる印象でした。燃費の良し悪しの境目も、このあたりにひとつの鍵があるように感じられます。

往路の燃費は最終的に21.3km/Lとなった
往路の燃費は最終的に21.3km/Lとなった

高速道路を降りた時点での燃費は、21.8km/L。カタログ値には及ばぬ結果となってしまいましたが、それでもガソリン車のモード燃費は優に上回りました。

相模湖ICから城山湖までは、信号の少ない一般道で、快調なペースをキープして走行。郊外路とはいえ山坂道の登り勾配が多く、エアコンもフル稼働という負荷の高いシチュエーションでしたが、郊外路ながら高速道路と同じ「21.3km/L」となりました。

一般道は「ほぼカタログ燃費」の優等生!

復路は市街地燃費をチェックすべく、一般道をおよそ20km、1時間ほどかけてトコトコ走ります。

信号の多いルートでストップ&ゴーが繰り返される状況で、特別な省燃費運転を意識せずに走行。

窓が大きいため日差しは入るが、エアコンの効きはよく快適!
窓が大きいため日差しは入るが、エアコンの効きはよく快適!

急加速・急減速はしないものの、目を三角にして「省エネ」に励んだわけでもなく、比較的アイドリングストップ時間も少ない状況での1時間の下道ドライブ。スタート地点に帰ってきて、恐る恐る燃費計を表示させると……、結果は26.0km/Lを示していました!

市街地のモード燃費は27.1km/Lなので、わずか4%の差しかありません。ほとんど誤差の範囲です。

発進や加速で燃料を使いがちなガソリン車の“苦手”を補うように、その領域をモーターが担うハイブリッド。その特性が、見事に現れた結果となりました。

ちなみに、市街地では高速での風切り音のように気になる点もなく、乗り心地や操縦性が良好だったことも付け加えておきます。

185/65R15という控えめなサイズで軽量なタイヤも燃費に貢献しているはず
185/65R15という控えめなサイズで軽量なタイヤも燃費に貢献しているはず

燃費向上のコツはトリセツに

シエンタ ハイブリッドが、街乗りで優等生であることが判明した今回のテスト。

あとから「EVモードをもっと積極的に活用すればよかったかな?」と思って取り扱い説明書を見てみると、下記の文言を発見しました。

ハイブリッドシステムは、通常走行(ガソリンエンジンと電気モーターによる走行)において、最も燃費がよくなるように制御されています。EVドライブモードを多用すると、燃費が悪くなることがあります

みなさん、愛車の取扱説明書ってご覧になっていますか?実は、このように好燃費につながるコツが明記されていることが多いので、チェックしておくことを強くおすすめします。

欧州生まれのベーシックカー味も感じさせる愛らしさ
欧州生まれのベーシックカー味も感じさせる愛らしさ

シエンタの場合、他にもこんなコツが掲載されていました。

メーター内のハイブリッドシステムインジケーターのバー表示をエコエリアの範囲に保つことで、環境に配慮した走行が可能です

信号待ちや渋滞のときなどは、シフトポジションをDにしましょう。また、駐車するときは、シフトポジションをPにしましょう。シフトポジションをNにしても、燃費向上の効果はありません。Nでは、ガソリンエンジンが回転していても駆動用電池は充電されないため、エアコンなどを使用していると駆動用電池の残量が低下します

燃費性能の低下を防ぐために、駆動用電池冷却用吸入口が目づまりしていないか、定期的に点検してください

このように燃費に関する項目がたくさん!一度、ぜひ愛車のトリセツをご覧になってみてください。愛車を知ることは、もっと安全で、もっとエコで、もっと経済的なカーライフにきっとつながるはずですから。

ヴォクシー ハイブリッドも同時にテストしたのでこちらのレポートもお楽しみに
ヴォクシー ハイブリッドも同時にテストしたのでこちらのレポートもお楽しみに

それにしても、シエンタの優等生っぷりには感心させられることしきり。日常も休日も、本当にこれ1台でこなせてしまう使い勝手の高さは、大きな魅力ですね!

(文:三代やよい 写真:飯島隆 編集:木谷宗義/type-e)

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三代 やよい(みよ やよい)

この記事の執筆者

三代 やよい(みよ やよい)

某自動車メーカー勤務後、編プロ、老舗自動車専門誌を経て現在はフリーランスとして文筆・編集・翻訳・PRなどを生業に。EV、エネルギー、ロボット分野も多数取材。運転さえしていれば上機嫌。現在の愛車はローバー・ミニ。

飯島 隆(いいじま たかし)

この記事の撮影者

飯島 隆(いいじま たかし)

1977年新潟県生まれ。広告会社で自動車のカタログ写真などを手掛け、1999年よりフリーランスのフォトグラファーへ。「日本BtoB広告賞ポスター部門銅賞」などの受賞歴も。自動車、芸能、スポーツ分野で幅広く撮影を行うロードバイク好き。

木谷 宗義(きたに むねよし)/type-e

この記事の編集者

木谷 宗義(きたに むねよし)/type-e

SNSを含むさまざまなクルマ関連メディアで、クルマとカーライフにまつわるコンテンツの企画・制作を行う自動車編集者。そのほか自動車コラムニストや大学講師などの顔も持つ。

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