ブログ
今振り返るトヨタFRセダンの名車「マークⅡ/マークX」の軌跡
高級車「クラウン」とミドルクラスの「コロナ」の中間に位置する上級モデルとして、1968年に誕生した「コロナマークⅡ」。以降マークシリーズは、50年に渡って存続し、通算で11代目に到達するなど、ロングセラーブランドとなりました。
大人4人が快適に移動でき、上質な内外装デザインを備え、余裕のあるパワーユニットによる力強い加速性能と高い静粛性、そして高いステータス性。これらが魅力となり、トヨタの「マークⅡ」、そして後継の「マークX」は、幅広い世代に支持されてきました。
ドライバーズカーとしての楽しさに加えて、ファミリーカーとしての実用性も併せ持ったこの後輪駆動セダンは、お客様の声を第一にするトヨタの技術と哲学の結晶といえるでしょう。
 
今回は、時代を超えて日本人に愛されてきたミドルサイズセダンの象徴的存在である「マークⅡ」と、その後継車の「マークX」が築いてきた歴史を振り返りたいと思います。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
マークⅡ/マークXが残した記録

初代「コロナマークⅡ(1968年)」から始まったマークシリーズは、11代目(2代目マークX)の「マークX(2009年)」が2019年に生産を終了するまで、半世紀に渡って販売されてきた、トヨタの人気ミドルクラスセダンです。
51年間の累計生産台数は約688万1,500台。このうちマークⅡは約651万8,000台、2004年にマークXとなったあとも約36万3,500台も生産されました。セダン需要が縮小していくなかでも、時代の需要に合わせてデザインやコンセプトを微修正することで、これだけの販売を維持するなど、ファンに長年愛されてきたモデルでした。

※データ出典元:トヨタ「国内生産 主要車名別生産台数」
以降の章では、歴代のマークシリーズを大まかに分類し、それぞれの時代におけるマークシリーズの変遷を振り返ります。
初代~3代目:高級中型セダンとして爆発的ヒットを記録

初代マークⅡが誕生したのは、高度経済成長期真っただ中の1968年のこと。当時のサラリーマンは、昇進に伴い経済的に余裕ができると、マイカーをカローラ、コロナ、クラウンへと徐々にステップアップさせることをステータスとしていたとされ、「上級のクラウンはまだ早いけれど、真ん中のコロナよりも上級感のある車が欲しい」というアッパーミドル層の需要を狙って1968年に登場したのが、高級感のあるデザインと上級装備を纏った「コロナマークⅡ」でした。
「マーク」は英語の「Mark(目標、成功、名声)」、「Ⅱ」は「コロナの第二世代」という意味が込められており、身分に見合った高級な車に乗り換えたいというサラリーマンのお父さんの「気持ち」に見事に応えた初代モデルは大ヒット。販売翌年の1969年には約30万台(月販平均2.5万台)を売り上げます。
その後、1972年には2代目、1976年には3代目、1980年には4代目が登場。「コロナの上級仕様」というコンセプトは継承しつつ、その時代の高級車への需要を反映したデザインに改良されながら、4年ごとのフルモデルチェンジを続けていきました。

4代目~6代目:より高性能化し、スポーツ志向へと進化

1980年に登場した4代目マークⅡは、それまでのなだらかなボディーラインから、直線基調のスタイリッシュなスタイルへと変化しました。当時の日本では、上質で高級感のある都会的な暮らしを求める文化が形成され始めていました。自動車にも上質感や高級感を求める、いわゆる「ハイソカー」ブームが到来し、4代目マークⅡも高性能化や上質化を図るなど、ブームを取り入れた内容になりました。
この4代目マークⅡが取り入れた高性能化や上質化は、1984年に登場した5代目マークⅡで花開きます。

車名から「コロナ」が外れ、名実ともに独立したモデルとなったこの5代目は、4代目に引き続き直線的でシャープなデザインを採用。さらに走行性能も高めたことでスポーツ性も兼ね備えるようになり、まさに「ハイソカー」ブームの中心を行く最先端の一台になりました。またこの頃から、マークⅡ・チェイサー・クレスタの「3兄弟」というラインアップが確立され、若者からVIP層にまで広く受け入れられました。
その後、1988年に登場した6代目マークⅡは、ボディーサイズを拡大するとともに流線形のエクステリアを採用し、さらに高級感を強調した姿へと進化しました。その結果、毎年20万台を超える生産台数を記録する大ヒットモデルとなりました。

7代目~9代目:基本に立ち戻り高級感・快適性を重視

7代目マークⅡは1992年に登場。ボディーはさらに大型化され、デザインも従来の直線的なエクステリアから、丸みを帯びた流線形デザインへと大きく変貌しました。インテリアも一層豪華になるなど、高級車路線を突き進んだ7代目マークⅡは、最高出力280馬力を発揮するターボエンジンを搭載したスポーティモデル「ツアラーV」も設定。走りと高級感を両立した「新世代のマークⅡ」としてファンに受け入れられました。
しかし、1990年代半ばを過ぎると、マークⅡの販売台数は徐々に減少し始めます。1991年のバブル経済崩壊による不況で高級車需要が落ち込んだことに加え、エスティマのような多人数乗車が可能なミニバンや、ハイラックスサーフやランドクルーザーといったSUVなど、セダンよりも広くて使い勝手の良い車の登場、チェイサーやクレスタ、クラウン、カムリといったトヨタ内での競合セダンが多く存在感が薄れてしまったことなどが、マークⅡとしての販売台数減少に影響したと考えられます。
セダンに強い逆風が吹く中でも、1996年には8代目マークⅡ、2000年には9代目マークⅡが登場しましたが、販売台数の減少が止まることはなく、2003年には年間約4万台と、ピーク時の5分の1以下にまで減少してしまいました。


10代目~11代目:スポーツセダンとして再生へ

この状況を打開するため、2004年にマークシリーズ通算10代目となる「マークX」が登場します。それまで「中高年サラリーマン向けの車」というイメージを脱却しようとする試みであり、トヨタのセダン戦略における大きな転換点となったモデルです。
低く構えた全高やスポーティな外観、パワフルな新型V6エンジンの採用、さらに欧州車を意識した高い走行性能などを備え、「大人のスポーツセダン」として魅力を打ち出しました。その結果、市場から好評を得て、翌2005年には年間6.3万台を販売するまでに成長を遂げます。
11代目にあたる最終モデルの「マークX」は2009年に登場。シャープなフロントマスクが特徴的で、正統派FRスポーツセダンとして登場したこのモデルは、2016年にフェイスリフトや各種アップデートを実施するなど、継続的な改良が重ねられました。その結果、マークシリーズの中で最も長い10年間にわたり販売が続き、2019年12月23日をもって生産を終了。こうして、51年という長きにわたるマークシリーズの歴史が幕を閉じました。
笑いと笑顔で包まれたマークXの最終車生産終了!
筆者は2019年12月末に愛知県のトヨタ元町工場で開催された「マークX生産終了イベント」に参加しました。
元町工場はマークⅡやマークXをはじめ、数々の重要車種を生み出してきた工場です。イベント当日は、当時の二之夕(にのゆ)工場長や2代目マークXの友原CE(チーフエンジニア)をはじめ、マークX関係者や元町工場の従業員など、総勢150名ほどが集いました。
終始笑顔に包まれた温かなイベントで、湿っぽさは一切ありませんでしたが、歴代マークシリーズを振り返りながら思い出話を語り合うなど、関係者のマークシリーズへの熱い思いが感じられるひとときでした。
まとめ

前述のイベントでは、バッテリーEV「マークE」として復活するかもしれないといった冗談が飛び出していましたが、仮に「マーク」の名が無くとも、トヨタやレクサスブランドにおいてセダンのラインアップは健在です。マークシリーズが築いてきた伝統や思想は、そうした既存の車たち、そして今後も確実にトヨタ車に受け継がれていくことでしょう。ファンの期待に真摯に応え、絶えず改善を続けるトヨタ車には、今後も大いに期待しています。
≪関連記事≫
 
はじめてのクルマはKINTOで!【35歳以下の方限定】はじめてのクルマおためしキャンペーン実施中
 
「クルマは欲しいけど、あと一歩が踏み出せない」という若年のお客様の想いにKINTOが応えます!
はじめてKINTOをご契約される方、及び申込時点で35歳以下の方を対象(法人契約は対象外)に、初期費用無料・自動車保険もコミコミといったKINTOの基本サービスはそのままに、
「6カ月目に限り中途解約金なし(※1)で乗り換えや解約が可能」でアクア、ヤリス、ライズ、ヤリス クロス、カローラ クロス、シエンタの6車種全グレード(※2)が対象のキャンペーンを開始いたしました。
    ※1. 6カ月目の中途解約希望日の3カ月~30日前までに解約のお申し出が必要となります。ボーナス払いを併用の方が6カ月目で中途解約する場合、初回のボーナス月(1月もしくは7月)の加算額はお支払い対象となります
    ※2. モデリスタ仕様は対象外です。取り扱い車種やグレードは、予告なく変更される場合があります
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
- KINTO ONE
- トヨタの新車が対象
- KINTO for LEXUS
- レクサスの新車が対象
- KINTO ONE(SUBARU)
- SUBARUの新車が対象
- KINTO ONE(中古車)
- 納期目安1~2ヶ月!東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中
- KINTO Unlimited
- KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドの付加価値をプラス
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
KINTO ONEとは?
KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります
初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「KINTO ONE(中古車)」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ
トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。
また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。
メニュー

