トヨタ車&レクサス車解説
ハリアーのPHEVモデルをレビュー!ハイブリッド車との違いは?
2022年に誕生から25周年を迎えた、トヨタの高級クロスオーバーSUV「ハリアー」。現在、発売されているハリアーは4代目で、スポーツカーのような張り出しを持つリヤフェンダーとシャープなライン、大らかなたくましさを感じさせる室内空間が特徴の人気車種です。
2022年10月にガソリン車とHEV(ハイブリッド車)の一部改良が施され、新たにPHEV(プラグインハイブリッド車)が設定されました。PHEVとは、HEVと同様にエンジンとモーターで駆動する車のことで、PHEVはバッテリーに直接充電することが可能。より大きなバッテリーを積むことで、モーターのみで走行出来る距離が長く、近距離移動では、モーター(大容量バッテリー)のみで走行でき、ガソリンの消費を抑えることができます。
本記事ではHEVモデルと比較しながら、ハリアーのPHEVがどのような車なのかを紹介します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
ハリアーのPHEV(プラグインハイブリッド車)とHEV(ハイブリッド車)の違い
ハリアーのグレードはパワートレーン共通で、標準グレードのS、中間グレードのG、上級グレードのZの3種類。くわえてZのシート表皮に本革仕様を用いた最上級グレードのZ“Leather Package”が設定されています。
PHEVモデルのグレードはZのみ。シート表皮には本革仕様を用いており、基本的な内容はZ“Leather Package”に相当します。また、HEVとガソリン車の駆動方式には2WDとE-Four(電気式4WD)が設定されていますが、PHEVはE-Fourのみの設定です。
PHEVに近い内装と駆動方式を採用するHEV・E-FourのZ“Leather Package”を対象に、比較を行います。
価格の違い
グレード | Z | Z“Leather Package” |
---|---|---|
価格(税込) | 6,200,000円 | 5,148,000円 |
ハリアーのPHEVの価格は620万円、HEVの価格は514万8,000円で、差額は105万2,000円(価格は税込)。記事執筆時点で、ハリアーのPHEVはCEV補助金(国の補助金)として55万円の交付を受けることができるので、実質的な価格差は約50万円になります(※)。
※補助金は、申請総額が予算額の上限に到達し次第、受け付け終了となります。補助金に関する最新の情報は、「次世代自動車振興センターWebサイト」でご確認ください
また地方自治体によっては補助金がある場合もありますので、その場合、価格差はさらに縮まることになります。例えば東京都の場合、ハリアーのPHEVの補助金額は55万円、さらに充放電設備(V2B・V2H)導入による上乗せ補助金額が10万円、再生可能エネルギー電力導入による上乗せ補助額が10万円となります(※)。
※地方自治体ごとの補助制度、補助金額などについては一般社団法人次世代自動車振興センター「全国の地方自治体の補助制度・融資制度・税制特例措置」をご覧ください。
CEV補助金の詳細は、後述します。
主な外観や内装の違い
PHEVとZ“Leather Package”(HEV・E-Four)、両車の装備や内装の差は少なくありません。
スクロールできます
| Z | Z“Leather Package” |
---|---|---|
ボディカラー |
|
|
内装色 | ブラック/レッド |
|
リヤシート | シートヒーターあり | シートヒーターなし |
タイヤ・ホイール | 225/55R19タイヤ&19×7Jアルミホイール(切削光輝+ブラック塗装) | 225/55R19タイヤ&19╳7Jアルミホイール(スーパークロームメタリック塗装)
|
フロント |
|
|
サイド・リヤ |
|
|
ボディカラー
PHEVのボディカラーには、専用色のグレーメタリックが設定されます。
≪関連記事≫
内装色
PHEVの標準内装色はブラック/レッドを設定。HEVのZ“Leather Package”とZの標準内装色はブラックを設定し、オプションでブラウンを選ぶことができます。
タイヤ・ホイール
PHEVとHEV(Z“Leather Package”、Z)ともに、タイヤは225/55R19、ホイールは19×7Jアルミホイールを採用。PHEVのホイールは切削光輝加工とブラック塗装が施され、HEVはスーパークロームメタリック塗装が施されています。
HEV(Z“Leather Package”、Z)は225/55R19タイヤ&19╳7Jアルミホイール(スーパークロームメタリック塗装)が装備されています。
≪関連記事≫
フロント
PHEVとHEV(Z“Leather Package”、Z)のヘッドランプユニットとLEDフロントフォグランプは共通。PHEVのフロントバンパーロアには艶あり黒塗装が、フロントバンパーメッキモールにはスモークメッキが、それぞれ施されます。
またPHEVのフロントアッパーグリルにはブラックメタリック塗装が、メッキモールはスモークメッキがそれぞれ施され、フロントロアグリルは艶あり黒塗装の施されたメッシュタイプが採用されています。
サイド・リヤ
PHEVのアウトサイドドアハンドルはカラード(ボディと同色)仕様、HEV(Z“Leather Package”、Z)はメッキ仕様になります。PHEVのリヤバンパーロアは艶あり黒塗装、リヤバンパーメッキモールはスモークメッキが、それぞれ施されています。
燃費の違いと合計航続距離の違い
ハリアーのPHEVはHEVやガソリン車と異なり、充電の仕方で燃費が大きく変わります。
HEV(E-Four)の燃費は21.6km/L(2WDは22.3km/L)。PHEVを外部充電を行わずに利用した場合の燃費は20.5km/Lで、わずかにHEVに劣ります。
※燃料消費率の数値はWLTCモードにより計測
PHEVを満充電し、ガソリンを消費せず、モーター(大容量バッテリー)だけで走行した場合の走行距離は、およそ93km。理屈の上では93km以内に外部から充電を行えば、ガソリンを消費せずに走行を続けることが可能です。
※エンジン、リチウムイオンバッテリーの状態、エアコンの使用状況や運転方法(所定の車速を超える)などによっては、バッテリー残量に関わらずEV走行が解除され、エンジンが作動します
走りの違い
Z | Z“Leather Package” | |
---|---|---|
システム最高出力(kw/ps) | 225/306 | 163/222 |
車両重量(kg) | 1,950(※) | 1,750(※) |
最小回転半径(m) | 5.7 | |
全長(mm) | 4,740 | |
全幅(mm) | 1,855 | |
全高(mm) | 1,660 | |
ホイールベース(mm) | 2,690 | |
トレッド | 1,605/1,625 | |
最低地上高(mm) | 190 | |
乗車定員(人) | 5 |
※調光パノラマルーフを装着した場合は20kg増加
ハリアーのPHEVとHEVは共通のガソリンエンジン、リヤモーターを搭載します。しかしフロントモーターの違いとエンジン制御の違いから、システム最高出力は異なります。
PHEVはHEVと比べてシステム最高出力が62kw・84ps上回り、より力強い加速を体感できます。一方、車両重量はHEVの方が200kg軽く、カーブなどで軽快さを感じることが出来るでしょう。車体サイズはPHEV、HEVで共通、最小回転半径も一緒です。狭い路地や駐車場では、同じ感覚で取り回すことができます。
ハリアーのPHEV 充電と給電機能
ハリアーのPHEVへの充電は、家庭用コンセント(100V/6A)と専用の充電設備(200V/16A)、2つの規格から行うことができます。充電ポートは、ガソリン給油口の逆側にあります。PHEVの大容量バッテリーに蓄えた電力は、外部へ供給することができます。
充電方法や充電時間
規格 | 100V/6A | 200V/16A |
---|---|---|
特長 |
|
|
充電時間(※2) | 約33時間 | 約5時間30分 |
※1 抜止形コンセントの場合は、軽負担電動車両充電用コンセントへ交換が必要です
※2 社内測定値。EVモードからHVモードに切り替わった状態から、満充電までのおおよその目安です。駆動用電池の残量や温度・外気温・接続した電源の状態・普通充電器(スタンド)の使用などにより変わります
家庭用コンセントの利用には、特別な配線工事は必要ありません。毎日、車を利用するならば、配線工事を行って200V/16Aの利用がおすすめ。休日利用の多い人や勤め先が自宅近くの人は、100V/6Aの利用がおすすめです。
車外への外部給電
ハリアーのPHEVのラゲージにはアクセサリーコンセントが設置されており、家庭用コンセントとして使用することができます。また付属のヴィークルパワーコネクターを使用することで、100Vの外部給電用コンセントが設置できます。合計で1,500Wまでの給電に対応し、消費電力の大きな家電でも使用することができます。
外部給電モードは「EV給電モード」と「HV給電モード」の2つが設定されています。EV給電モードは、大容量バッテリーの残量が少なくなると外部給電を停止します。HV給電モードは、大容量バッテリーの残量が少なくなるとエンジンが始動して外部給電を継続。災害時や非常時を想定したモードです。
ハリアーのPHEVの補助金額(令和5年度補正予算)はいくら?
「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」は、環境にやさしいクリーンエネルギー自動車の普及を目的とした制度です。PHEVやBEV(バッテリー電気自動車)、FCEV(燃料電池車)、EV(超小型モビリティ、ミニカー、側車付二輪自動車・原動機付自転車)を対象としています。これらの車両を新車で購入した場合(新車リースも対象)に限り、補助金が交付されます。
ハリアーのPHEVはCEV補助金の対象車両で、記事執筆時点で実施されている「令和5年度補正予算」では55万円の補助を受けることができます。
CEV補助金の概要や申請方法は、「一般社団法人次世代自動車振興センター」の公式サイトで確認できます。本年度(令和6年度)のCEV補助金はすでに受付が始まっており、予算上限に到達し次第、受付は終了となります。申請書の提出期限は原則、初度登録(届出)の日から1ヶ月以内となりますので、購入後は速やかに申請を行うことをおすすめします。
またCEV補助金の交付を受けて購入した車は、原則として新車登録日から3年または4年(自家用乗用車の場合は4年)の保有が義務付けられています。期限前に手放した場合、補助金の返還が求められることを覚えておきましょう。
ハリアーのPHEVはCEV補助金の他にも、エコカー減税やグリーン化特例の優遇を受けられます。また地方自治体によっては独自に補助金を交付しており、こちらも併せて受け取ることができます。例えば東京都の場合、ハリアーのPHEVの補助金額は55万円、さらに充放電設備(V2B・V2H)導入による上乗せ補助金額が10万円、再生可能エネルギー電力導入による上乗せ補助額が10万円となります。
これらの補助金や優遇は「一般社団法人次世代自動車振興センター」の公式サイトでも紹介されていますが、詳しくは各地方自治体の公式サイトでご確認ください。
ハリアーのPHEVまとめ
しっかりと充電を行うことで、ガソリンの消費を抑えることのできるハリアーのPHEV。大容量バッテリーが少なくなっても、ガソリンエンジンで充電しつつ走行も続けられるので、安心して遠出も行えます。CEV補助金の交付もあり、購入しやすいのもうれしい要素です。
各補助金は申請総額が予算額の上限に達し次第、年度内であっても受け付け終了となりますので、その点に注意しながらハリアーのPHEVの購入を検討してみてください。
なお2024年8月より、車のサブスク「KINTO」でもPHEVの取り扱いが始まりました。トヨタやレクサスのPHEVをご検討中の方は、一括購入やローン購入とあわせて、KINTOも選択肢の一つとして、是非ご検討ください(※)。
※車のサブスク「KINTO」でCEV補助金の対象となるのは初期費用フリープランの「5年契約」「7年契約」のみとなります。
最後に、車のサブスクリプションサービス「KINTO」についてご案内します。
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
- トヨタの新車が対象の「KINTO ONE」
- レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS」
- SUBARUの新車が対象の「KINTO ONE(SUBARU)」
- トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE(中古車)」納期1ヶ月~2ヶ月!(東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中)
- KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited」
などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
KINTO ONEとは?
KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用がコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります
初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「KINTO ONE(中古車)」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ
トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。
また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。
KINTO Unlimitedとは?
トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。
KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。
充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?
≪KINTO ONE中古車≫
メニュー