試乗記・レポート

電気自動車(BEV)の自宅充電(戸建て・マンション)にまつわる不安を電気のプロに聞いた【EV DAYSコラボ企画】

電気自動車(BEV)の自宅充電(戸建て・マンション)にまつわる不安を電気のプロに聞いた【EV DAYSコラボ企画】

電気自動車(BEV)の普及が加速してきています。2022年の電気自動車の国内販売台数(軽自動車や輸入車を含む)は5万8,813台と過去最高を記録。乗用車全体に占める割合は1.71%と、初めて1%を超えました。

CEV補助金も年々拡充され「次はウチも電気自動車かなぁ」と考える人も増えてきているわけですが、やはりネックになるのが電気自動車特有の「航続距離」や「充電」に関する不安です。

電気のことはプロに聞くのがイチバン!ということで、KINTO編集部は東京電力エナジーパートナーが運営するEVメディア「EV DAYS」編集部の町田さんに取材を打診。今回は「充電に関する不安」について根掘り葉掘り聞いてきました。

※記事公開時の情報をベースにしており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください。

Q1 自宅で電気自動車(BEV)を導入すると、どのくらい電気料金が上がるの?

bZ4XバッテリーKINTO:電気自動車を導入すると、ガソリン代はかからなくなるわけですが、その分電気料金が増えますよね。電気自動車を主に自宅で充電すると、どのくらい電気料金が上がるのでしょうか?
 
EV DAYS編集部(以降EV DAYS):そうですね…。加入している電気料金プランや購入する電気自動車の電費(※)などにより異なるので一概には言えませんが、目安としては今まで掛かっていたガソリン代の半分くらいになるとイメージしてもらえたらいいと思います。
※電費とは、1kWhあたりで走れる距離のこと(燃費のBEV版と考えてください)
 
KINTO:なるほど。何か例を出していただけないでしょうか。
 
EV DAYS:例えば、1月に1回給油して満タンにしているとしましょう。仮に満タンにするのにガソリン代が今まで月8,000円くらいかかっているとすると、電気自動車だと4,000円くらいの電気代で済むことになります。
 
KINTO:同じ距離走るのにかかる費用が半分くらいになるというわけですね。
bZ4X走行シーンEV DAYS:夜間が安い時間帯別の電気料金プランに入っていて、安い時間帯に充電する、電費のいい走り方をするなど工夫をすれば、もう少し安くなります。

Q2 電気自動車(BEV)を自宅で充電する場合、どんな設備が必要?

KINTO:充電するためには、家の外壁にコンセントが付いているといいですよね?私の家には、家の外で家電を使うためのコンセントが付いているのですが、これで電気自動車は充電できますか?

EV DAYS:それは、一般的な100Vコンセントですか?

KINTO:はい、家の中にもあるコンセントと同じ口のヤツです。

EV DAYS:電気自動車の充電には専用のコンセントが必要なため、一般的なコンセントは安全上の観点からも使用できません。また、車のバッテリー容量も増えてきているので、充電速度が速い200Vのコンセントがおすすめです。
200Vコンセント※200V充電コンセント。電気自動車の普通充電の際に使用する

KINTO:なるほど(確認中…)。調べてみたら、bZ4Xには100Vと200Vの電源プラグが標準装備されていますが、100V充電はとても時間がかかるようなので、200Vが良さそうですね。新たに設置する必要があるわけですが、どのくらいお金がかかりますか?

EV DAYS:依頼する電気工事店によって差はありますが、10万円程度(※)と心構えしておけば大丈夫です。
※自宅の構造によっては値段が高くなる場合もある

KINTO:もっと高いかと思っていました!工事費とかが別にかかる感じですか?
200Vコンセント※このようなコンセント形状になっている

EV DAYS:いえいえ、200Vのコンセントと工事費を合わせてです。工事自体も、事前に1回ご自宅を現地調査して見積をし、その次はもう工事です。2~3時間で済む場合が多いです。

KINTO:200Vだと充電出力はどのくらいなのですか?

EV DAYS:コンセントタイプですと約3kW(3,000W)となります。つまり1時間の充電で約3kWh充電できます。

KINTO:なるほど。bZ4Xの場合3kW充電だと満充電に約21時間(※)かかるようですが、車を使わない日に充電すればいいワケですし、3kWでも十分そうですね。急ぎの場合は急速充電器を使うという方法もありますし。
※駆動用電池充電警告灯の点灯から満充電までのおおよその時間

Q3 電気料金プランの変更は必要?

ブレーカーボックス※ご家庭にあるブレーカーを見てみよう
 
KINTO:電気自動車を充電していると、ブレーカーが落ちたりはしませんか?
 
EV DAYS:電気自動車の充電の他にも多くの電気を同時に使っていればブレーカーが落ちることはあります。ただ、ご自宅であまり電気を使わない深夜などの時間帯にタイマー充電するなど、充電時間を工夫すれば契約アンペアを変更しなくても大丈夫な方もいます。こちらはご家庭によってケースバイケースなので、信頼できる電気工事店に相談してみてください。
 
KINTO:そうなのですね。ちなみに、契約アンペア数って気軽に変更できるものなのですか?
 
EV DAYS:こちらもご家庭の電気設備状況などによって異なるため一概には言えません。お客さまから変更申し込みを受け、遠隔で簡単に変更できる場合もありますし、電気工事店に依頼してブレーカーの交換などの工事が発生する場合もあります。
ブレーカー契約アンペアKINTO:先ほど少し話にも出ましたが、電気自動車を導入するにあたって、やはり夜間の料金が安いプランなどに変えた方がいいのでしょうか?
 
EV DAYS:そうですね…元々使っていた所に電気自動車分が追加されることになるので、電気自動車の充電だけを考えてプランを変更せず、元々の使い方とのバランスを考えて総合的に検討されるといいと思います。夜間時間帯の料金が安いプランの場合は、逆に昼間時間帯の料金が高い場合が多いので注意が必要です。電気料金プランのことなら我々のような電力会社にご相談ください。電気工事店の中にも相談に乗ってくれる所はありますよ。
 
KINTO:夜間安いプランは昼間高いですし、日中に使っている電気の量を考慮しないと高くなることもありますよね。電気自動車の充電料金のことばかりにとらわれないよう気を付けます。
 
EV DAYS:ちなみに、東京電力エナジーパートナーには「eチャージポイント」という、電気自動車などを持っている方向けのおトクなポイントサービスがあります。電気自動車やプラグインハイブリッド車(対象車種)にお乗りの方で、東京電力エナジーパートナーの対象料金プランにご加入しているなどの条件で、毎月最大300ポイント(※)たまります。入会金や会費のかからない無料オプションサービスのため、料金プラン自体を変更する必要も少ないので簡単です。ネットから申し込めます。
※月々の電気の使用量が300kWh以上の場合

KINTO:それは知りませんでした。ちなみにポイントは何に使えるのですか?

EV DAYS:提携先であるdポイントやTポイント、Pontaポイントなどと交換できます。交換レートは1ポイント1円相当です。
 
KINTO:ということは、ほぼ300円じゃないですか!いいこと聞きました!

≪関連リンク≫
 eチャージポイント

Q4 太陽光発電やV2Hを導入しないと電気自動車(BEV)を買う意味はない?

KINTO:電気自動車を買うなら、太陽光発電とかV2H(電気自動車の電気を自宅で使うシステム)も一緒に導入しないと意味がないのでしょうか?
 
EV DAYS:もちろんそんなことないですよ。電気自動車には電気自動車の良さがあります。例えば、静粛性・乗り心地・加速・ワンペダルドライブ・給電など、クルマとしての新しい価値を提供してくれます。また、保有コストもガソリン車より安いのでメリットが多いです。ただ、電気自動車は太陽光発電と相性がいいのは事実です。
 
KINTO:どう相性がいいのですか?
 
EV DAYS:今は資源価格の高騰などにより電気料金が高いので、電気を買うよりは、電気をつくった方がコストメリットは高いです。例えば東京都は補助金を活用すれば太陽光発電の設置費用は約6年で回収可能(※)と言っています。ご自宅で電気を発電して、それで電気自動車に充電すれば、さらにメリットが得られます。
※太陽光発電のメリット(東京都)
デンソーV2H機器※V2H=Vehicle to homeの略。電気自動車への充電のほか、電気自動車内の電気を自宅で使うことが可能な機器
 
KINTO:なるほど。電気をたくさん使っている人ほど太陽光発電をすれば電気代が減るわけですから、電気自動車と相性がいいというのはその通りですね。ちなみに、V2Hはどうなのですか?
 
EV DAYS:災害時に停電しても、電気自動車内の電気を家で使えるようになるV2Hは非常におすすめです。電気自動車は「走る蓄電池」とも呼ばれていて、大容量バッテリーを搭載していますので。価格がまだ高いのがネックですが、補助金もありますので、せっかく電気自動車を所有するのであればV2Hを入れる価値はあると思います。

(豆知識)電気自動車や太陽光パネル、V2H機器の補助金

令和4年度現在の電気自動車や太陽光パネル、V2H機器の補助金について簡単に解説します。
 
国…電気自動車、V2H機器に補助金を設定。電気自動車の補助金額は車両によって異なります(最大85万円。4年所有が必要)。V2H機器は設備費最大75万円(補助率1/2)、工事費最大40万円となります(令和4年度については22年10月31日で申請受付終了。令和5年度以降の補助金については一般社団法人次世代自動車振興センターのWEBサイトをご覧ください)
 
≪参考リンク≫
令和4年度CEV補助金について(一般社団法人次世代自動車振興センター)
令和4年度CEV補助金延長について(経産省)
令和4年度CEV補助金(V2H充放電設備)のご案内(一般社団法人次世代自動車振興センター)
 
地方自治体…一部の地方自治体は電気自動車や太陽光パネル、V2H機器の導入に補助金を出しています。東京都を例にすると、電気自動車に45~70万円、太陽光パネルに最大45万円、V2H機器に最大50万円(太陽光、V2H及びBEVまたはPHVが揃う場合は最大100万円)となります。詳しくは、お住まいの自治体の補助金をお調べください。
 
≪参考リンク≫
(令和4年度)災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(東京都)

Q5 マンションやアパートに住んでいて充電設備がない人はどうすればいい?

立体駐車場※マンションでも、とくに立体駐車場などは充電設備設置のハードルが高い

KINTO:マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる方は充電設備が自宅にない人も多いです。解決方法はありますか?

EV DAYS:スタートアップなどを中心に、マンション向けの充電設備のサービスを提供している事業者は増えてきていますが、現状まだ導入ハードルは高いですよね。まずは外で充電するというのがひとつの方法となります。カーディーラーや商業施設に設置されている公共充電を、何かのついでに充電するといった感じで生活に組み込んでいくと、案外不自由を感じないでしょう。現在の全国の充電設備数は約3万基ですが、国は2030年までに充電設備を15万基(急速充電3万基、普通充電12万基)に増加するという目標を掲げています。また、公共充電インフラを整備している東京電力グループのe-Mobility Powerも、約7,400口(2022年3月時点)ある急速充電器を、2025年度までに2倍程度の15,000口へ増強する計画です。
急速充電器※急速充電器は今後増えていく

KINTO:国やe-Mobility Powerさんのような所が設置数を増やす、という目標を掲げて動いているのは安心材料ですね!

EV DAYS:はい。今後も充電設備は増えていくので、マンションやアパートだから電気自動車は持てないとは思わなくていいと思いますよ。

KINTO:ちなみに、充電設備の場所を調べるいい方法はありますか?

EV DAYS:スマホアプリなどで調べられます。e-Mobility Powerにもアプリがあって、充電器の場所や種類・出力、使用中かどうかのステータスがわかるので、是非活用してください。

KINTO:使用中かどうかのステータスまで分かるとは驚きました。アプリを上手く活用すれば、充電に関する不安はさらに減りそうですね。

(豆知識)EV? BEV? 電気自動車の呼び方

「電気自動車=EV」と認識していらっしゃる方も多いでしょう。これまで、EVとは電気自動車を指す言葉として使われてきましたが、最近では「EV=電動車両すべて」を指す言葉として使われるようになりました。電動車両とは、電気自動車はもちろん、エンジンとモーターを使うハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、水素を使って発電して走る燃料電池車の総称です。

電動車両の略称は以下になります。
電気自動車=BEV(Battery Electric Vehicle)
ハイブリッド車=HV(Hybrid Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)
プラグインハイブリッド車=PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)
燃料電池車=FCV(Fuel Cell Vehicle)、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)

まとめ

取材の最後に、EV DAYS編集部から自宅の充電設備設置に関して、こんな話も聞きました。
 
EV DAYS:電気自動車の充電ポートの位置によっては、一般的な7.5m充電ケーブルだと届かない場合もあります。電気自動車によって充電ポートの位置が違うので、将来的な電気自動車の乗り換えも考慮して充電設備を設置するといいでしょう。また、車載の充電ケーブルを使う場合、コントロールボックスが大きくて困ることがあります。東京電力グループのTEPCOホームテックの充電コンセント工事を取材したことがあるのですが、その時にコントロールボックスの重みで充電ケーブルが痛まないように計算してコンセントの位置を提案していました。充電器の設置工事を依頼する際は、是非親身になって提案してくれる電気工事店を見つけてください。
 
いずれは電気自動車から電気自動車に乗り換える時代が来るので、それを見越したうえで自宅の充電設備を検討すべし! というお話。勉強になりました。
 
今回の取材のまとめ:

  • 自宅用200V充電コンセントの設置費用は工事費コミで10万円くらい
  • 太陽光発電やV2Hは、電気自動車との相性がバッチリなので導入を検討するのもアリ
  • 公共の充電設備は増えていくので、自宅に充電設備がないからと電気自動車をあきらめる必要はなし

電気自動車に乗るならbZ4Xがおすすめ。バッテリー保証までコミコミの「KINTO bZ4X専用プラン」

bZ4X Zグレード(ブラック×プレシャスメタル<オプション装着品>※bZ4X Zグレード(ブラック×プレシャスメタル<オプション装着品>
 
最後に、トヨタの電気自動車bZ4Xを紹介します。bZ4Xは大容量71.4kWhのリチウムイオン電池を搭載一充電走行距離は559km(WLTCモード)なのでロングドライブでも安心です。となると気になるのは走行性能。TOYOTA GAZOO Racing所属のプロドライバーがインプレッションした動画を公開中なので、ぜひご覧ください。


bZ4XはKINTOでのご提供となります。KINTOは、月々定額でトヨタ・レクサスの新車に乗れるサブスクリプションサービスです。車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用がコミコミ定額。さらに、クレジットカード払いも可能です。
 
bZ4Xは専用プランが用意されています。バッテリー保証やコネクティッドサービスなど最新機能もコミコミで、長く乗りたい方にも、フレキシブルに乗り換えたい方にも安心してご利用いただけます。詳しくは「bZ4X専用プラン」ページをご覧ください。


電気自動車生活を始めるなら、安心のbZ4Xがおすすめです。
bZ4X専用プラン見積ページはこちら

今回取材協力してくれたEV DAYSについて

EV DAYSは、東京電力エナジーパートナーが運営する、電気自動車に関する情報を発信するWebマガジンです。電気自動車や電気自動車導入にまつわるおトクな情報が満載なので、電気自動車に興味がある方、検討中の方は必見。下記リンクよりぜひアクセスしてください。
 
≪関連リンク≫
EV DAYSはこちら
電気料金プランなどの情報はこちら(東京電力エナジーパートナーWebサイト)

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