トヨタ車&レクサス車解説
ディーゼル車とは?特徴やガソリン車、ハイブリッド車との違い、代表車を紹介
かつては、静粛性の低さや排ガス性能の悪さから乗用車用エンジンとしては敬遠されてきたディーゼルエンジン。コモンレールシステムなど技術の発達により環境性能が改善され、1990年代以降、特に2000年代に入ってからはCO2排出量の少ないクリーンなエンジンのひとつとして、欧州を中心に乗用車にも積極的に用いられるようになりました。それに伴い、クリーンディーゼル(クリーンディーゼルエンジン)という名称も使われるようになりました。本記事では、表記はディーゼルで統一します。
そこで、ディーゼルエンジンを搭載するディーゼル車の特徴やガソリン車・ハイブリッド車との違いと、トヨタの代表的なディーゼル車をご紹介します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
ディーゼル車とは?軽油が燃料。燃費が良い
ディーゼル車は、軽油を燃料としたエンジンを搭載した車です。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは燃焼行程に違いがあります。もっとも大きな違いは、スパークプラグ(点火プラグ)の有無。ガソリンエンジンはスパークプラグ(点火プラグ)によって着火するのに対し、ディーゼルエンジンは燃料の自然発火によって着火します。
ディーゼル車の燃焼行程
- エンジン内に空気のみを吸気する
- 圧縮によってシリンダー内の空気の温度を上昇させる
- 燃料(軽油)を噴射する
- 軽油が自然発火して爆発し、ピストンを往復させる
なお、圧縮比の高いディーゼルエンジンは、ターボ(ターボチャージャー)との相性がよく、今ではほぼすべての乗用車用ディーゼルエンジンが、ターボと組み合わされたディーゼルターボエンジンとなっています。
ディーゼル車のメリット
ディーゼル車のメリットについて詳しく見ていきましょう。
燃費がいい
ガソリンエンジンよりも熱効率が高く、少ない燃料で大きなパワーを発揮する(=燃費がいい)ことが、もっとも大きなディーゼルエンジンのメリット。そのため、長距離走行の多いヨーロッパで古くから支持されてきました。
例えば、マツダのCX-60(※)は3.3Lのクリーンディーゼルエンジンを搭載。WLTCモード燃費は19.8km/Lと車両重量が1810kgの車とは思えない低燃費を実現しています。特に、高速道路モード燃費は21.8km/Lと低燃費です。
※CX-60 XD L Package 2WD(FR)を参考
また、日本ではガソリンよりも税金が安いため、燃料1Lあたりの価格はガソリンよりも軽油のほうが20円程度安いのもメリット。燃費のよさと燃料代の安さで、総じてランニングコストの安いエンジンだといえます。
低速トルクが太く、加速力がいい
ディーゼルエンジンは、一般的にガソリンエンジンよりも低い、2,000~2,500回転付近の低回転で最大トルクに達します。最大トルクは、同じ排気量のガソリンエンジンと比べて、30%程度、高くなることも。この特性から、発進加速が力強く、坂道や悪路でもパワフルに走ってくれます。
ディーゼル車のデメリット
具体的に購入を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも気になるもの。そこで、購入前に知っておきたいディーゼル車のデメリットをご紹介します。
比較的車両価格が高い
ディーゼル車のエンジンは、高圧縮比に耐えられる強度が必要です。また、ターボチャージャーと組み合わせる場合がほとんど。そのため、エンジン本体にコストがかかります。さらに、排ガス浄化にもガソリン車より高価システムが必要なため、ランニングコストが安い反面、ディーゼル車の車両価格は高くなりがちです。
ディーゼル特有のメンテナンスがある
また、車種によっては排ガスの浄化システムに「尿素SCRシステム」が採用されており、定期的にアドブルー(高品位尿素水)を補充する必要があります。アドブルーがなくなると、エンジンが始動できなくなります。走行途中になくなってもいきなり車が止まることはありませんが、エンジンを切るとエンジンがかからなくなるので、なくなる前に補充しましょう。
寒冷地で燃料が凍結する可能性がある
ガソリンよりも流動点の高い軽油は寒冷地で凍結し、流動性が低くなってしまいます。流動性が低くなると、燃料フィルターや燃料ラインで燃料が詰まり、エンジンがかからなくなったり、すぐ止まったりするトラブルが起こります。特に、寒冷地で長時間駐車する際は注意が必要です。
凍結を防止するためには、季節に応じて適した軽油を使用した方がよいです。寒冷地のガソリンスタンドでは寒さに適した凍結防止剤が入った軽油が販売されているので、寒冷地への出発前は燃料を満タンにせず、行ってから燃料を補充しましょう。
軽自動車には軽油ではない
近年、セルフ式ガソリンスタンドが普及した影響から燃料の入れ間違いが多発しています。
ガソリンエンジンはレギュラーもしくはハイオク、ディーゼルエンジンは軽油を燃料としていますが、軽油は「軽」という字が付くことから、ガソリンエンジンの軽自動車に軽油を入れてしまう方も少なくないようです。
実際に、JAF(日本自動車連盟)が2022年10月に出勤した「燃料の入れ間違いによる事故(2022年12月26日発表)」の救助のうち、59%が軽油をガソリン車に、41%がガソリンをディーゼル車に入れてしまっていたそうです。
燃料を間違えて入れてしまった場合、エンジン始動前に正しい燃料を入れ替えれば大きな問題は起きません。間違いに気付いたらすぐにガソリンスタンドのスタッフに相談しましょう。
ディーゼル車とガソリン車の違いとは
燃料以外に、ディーゼル車とガソリン車にはどのような違いがあるのでしょうか。改めて、燃費や走行性能などの違いをまとめました。
項目 | ディーゼル車 | ガソリン車 |
---|---|---|
燃料 | 軽油 | ガソリン |
燃費 | ガソリン車より良い | ディーゼル車に 比べると悪い |
走行性能 (トルク性能) | 低速で力強い | 高回転まで伸びる |
着火方法 | 自然発火 | スパークプラグ(点火プラグ)で着火 |
車両価格 | ガソリン車より比較的高い | ディーゼル車より比較的安い |
その他 | 寒冷地で燃料凍結の可能性あり | 影響なし |
購入時の補助金 | あり (上限15万円※) | なし |
※2020年度基準達成かつ2030年度基準60%達成車のみ
低速で力強い反面、高回転まで伸びない出力特性や高い圧縮比などによる騒音の大きさから、かつてはガソリン車よりも快適性に劣るのがディーゼル車でした。しかし、今はガソリンエンジンにも劣らないアクセルレスポンスのよさや騒音対策により、快適性は大幅に向上。ガソリン車とは別の魅力を持つディーゼル車は、車好きを中心に愛用されています。
ハイブリッドとディーゼル、どっちがいい?違いを解説
ハイブリッド車とは、複数の動力源を持つ車のこと。主にガソリンで動くエンジンと電力で動くモーターを併用しています。たとえば、トヨタハイブリッドシステムTHS-IIの場合、加速時や巡行時など、走行シーンに合わせて最適な動力配分(電気のみ、エンジンのみ、両者のミックス)を行うことで燃費効率を高めます。
日本では信号や渋滞によって止まったり動いたりする「ストップ&ゴー」を繰り返すことが多いため、発進や低速域をモーターのみで走行でき、減速時のエネルギーを回生してバッテリーを充電できるハイブリッド車の特性がマッチします。一方、欧米では、高速で長距離運転することが多いので、高速走行時のパフォーマンスが高いディーゼル車が支持されてきました。
したがって、長距離運転や信号の少ない道を走ることが多い場合はディーゼル車、市街地での運転が多い方にはハイブリッド車が適しているといえます。
ディーゼル車とBEV、航続距離を比較
車が1回の燃料補充や充電で走ることができる距離を「航続距離」といいます。当然、航続距離が長ければ、頻繁に燃料の補充をする必要がありません。
では、航続距離は車のタイプによってどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、トヨタ「ランドクルーザー プラド」と「bZ4X」を例に、ディーゼル車とBEV(バッテリー式電動自動車)の航続距離を比較してみましょう。
なお、航続距離は車内のマルチインフォメーションディスプレイに表示されているのが一般的ですが、「燃費(WLTCモード)× 燃料タンク容量」でも算出が可能です。
ディーゼル車:トヨタ「ランドクルーザー」GR SPORTディーゼル車
トヨタ「ランドクルーザー」のGR SPORT(3.3Lディーゼルエンジン搭載車)の燃料タンク容量は80Lです。309ps/71.4kgmと、非常に強力なエンジンを搭載しており、悪路も難なく走破します。WLTCモードの燃費は9.7km/Lなので、航続距離は776kmとなります。
BEV:トヨタ「bZ4X」
一方、トヨタ「bZ4X」の航続距離はFWDで559km(※)です。
※交流電力量消費率および一充電走行距離は定められた試験条件のもとでの値、FWD・18インチタイヤ装着時の場合
車のタイプや燃料タンクの容量によっても異なりますが、この2車種ではディーゼル車の方がBEVより長く走れることが分かりました。
また、ディーゼル車の燃料である軽油の補充は数分で完了しますが、「bZ4X」の場合、BEVは駆動用電池充電警告灯の点灯から急速充電を行った場合、約80%まで最短で40分程度(90kW急速充電器の場合)かかります。そのため、ディーゼル車の方がスムーズに補充でき、頻繁に長距離の移動をする場合に使いやすいといえるでしょう。
トヨタのディーゼル車一覧
トヨタのディーゼル車は、商用車のハイエースを除くと、4種類あります。
シリーズ | 車名 | ディーゼル車販売価格(税込) |
---|---|---|
ミニバン | グランエース | 620万円~ |
SUV | ハイラックス | 352万7,000円~ |
ランドクルーザー(ZX、GR SPORT) | 760万円~ | |
ランドクルーザー プラド | 367万6,000円~ |
今回は、SUVラインの中から2種類をピックアップしてご紹介します。
ランドクルーザー プラド
ランドクルーザー プラドは、ランドクルーザーより一回り小さく、大自然にも都会にも馴染むスタイリング。内装も都会にふさわしい洗練されたデザインとなっています。また、ボディカラーは、5種類から選べます。
パワフルな動力性能を発揮し、燃費性能にも優れています。路面状況に適した5つのモードによる走行支援システムを搭載するなど、高い走破性と安全性が魅力です。
ハイラックス
ハイラックスの最大の特徴は、巨大なボディサイズとデッキです。圧倒的にタフで力強いエクステリアデザインが圧倒的な存在感を放っています。カラーはグレードによって異なり、2〜5種類から選択が可能です。
また、路面からの衝撃を守るためのフレームや厳しい路面でも耐えられるサスペンションを装備。4WDシステムには、2WDとの切り替えが可能なパートタイム4WDを採用しています。
ディーゼル車まとめ
ディーゼル車は燃費性能や力強さが魅力です。一方で、車両価格が高くなりがち、維持費がかかるなどのデメリットもあるため、市街地での走行よりも高速道路での長距離や坂道での運転などが多い方、大きい車に乗りたい方におすすめの車といえるでしょう。
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KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
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などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
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KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
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