試乗記・レポート
LEXUS LC500 コンバーチブルを試乗レビュー!美しさ+高い質感+高性能の高級スポーツGT
2017年に発売されたレクサスのフラッグシップクーペ“LC”をオープンカーにした“LEXUS LC500コンバーチブル”(2020年追加発売)。その乗り味・走り味はどんなものか?東京日比谷にあるLEXUS Meetsのプログラムで試乗してきました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年10月
LEXUS LC500 コンバーチブル試乗概要
美しく、匠の技を思わせる外観スタイル。まったく古さを感じさせない
東京ミッドタウン日比谷の一階車寄せに停められたレッドカラーの“LEXUS LC500コンバーチブル”。その美しさに思わず「綺麗なクルマですねえ!」と口走っていました。レクサスのLCが発売されたのは今から7年前の2017年。コンバーチブルは2020年追加と、決して新しいクルマではないのですが、その美しいスタイルは全く色褪せることなく存在感を醸し出していると感じました。
プレスラインや面構成・細部処理・ボディのチリ等、本当に細かい点まで細工が行き届いた感じで、造り上げるために多くの“匠の技”が投入されているのだろうなあ…と思いました。
乗る前に眺めただけで、(走りへの)強い期待感を抱かせる素晴らしい外観スタイルだと思います。

非常に高い質感が印象的なインテリア。外観同様、匠の技を感じさせる
美しい車体のドアを開けて室内に乗り込むと、そこにも“匠の技”を感じさせる美しい空間が拡がっていました。
ドライバー・パッセンジャー双方にとって魅力的で美しいと思わせるインテリアデザインで、造形・色・質感・各種操作系/視認系の配置等、全ての要素が注意深くアレンジされ組み合わされている感じがしました。
東京・日比谷のミッドタウンから走り始め、芝公園から首都高に乗ってお台場・湾岸地区を回ってくる…という、最近お決まりのコースで試乗したのですが、操作性・視認性の良さから、運転に気遣うこともなく、美しいインテリアを愛でつつドライビングすることができました。
最新のレクサス商品と較べると、少し前の時代の操作系・視認系もあるLEXUS LCですが、使い易さ・見やすさは充分以上のレベルで確保されており、またメインディスプレイやADAS(先進運転支援システム)関連仕様がアップデート(2023年の一部改良で実施)されていた事もあり、最新のクルマに近い運転経験が出来ました。
高級GTらしい動力性能を発揮するV8パワートレーン
最高出力477psを7,100rpm、最大トルク540Nmを4,800rpmで発生する今では希少なV8エンジンを搭載するLEXUS LCですが、今回試乗してみて、“高回転型ゆえのデメリット・乗り難さ”を感じることはありませんでした。
寧ろ、8気筒エンジンと8速ATの上手いコンビネーションにより、街中走行から首都高での活発な走りまで、充分以上のパフォーマンスを発揮し、交通の流れに乗り、時にはリードしてドライビングすることが出来ました。以前乗った同じパワートレーンのLEXUS RC-Fよりも乗り易い感じがあり、それは、RC-Fでは感じた“3,000rpm以下領域での羊のような性格”がなかった事に起因していると思いました。(おそらく)細かいチューニングが異なるのでしょうが、全般的に好印象を受けたLC500の動力性能でした。
コンバーチブルの不利さをほぼ感じさせない乗心地。高級感ある乗り味
コンバーチブルは車体構造上、剛性的に不利で、どうしても走り・走り味や乗心地に悪影響が出がちなものですが、今回LEXUS LC500コンバーチブルに乗った感じでは、乗心地の不利さを(ほぼ)感じさせないレベルに抑えられていると思いました。
相当大き目な路面の凸凹では流石にボディの揺れ(ねじれ)を感じましたが、普通の路面では凸凹・不整を問わず、上手くいなしている印象がありました。
全般として、高級感ある乗り味で、フラット感・いなし感あるスッキリした乗心地のクルマに仕立てられているように感じました。

全速域で特別感ある走り味。高級グランツーリスモらしさあり
今回の試乗は、BMWの上級GTである8シリーズの後に乗ったので、「どうかな?LEXUS LCで落差感じないかな」と心配していたのですが、杞憂に終わりました。
味付けのポイントは当然違うものの、LCにはLCなりの“GTの解釈”があり、それは具体的には、全速域でスッキリと特別感ある走り味(音・加減速感・操作系のフィール等)として具現化され、その美しさや匠の技も含めて、このクルマを高級グランツーリスモと呼べるものにしていると感じました。



LEXUS LC500 コンバーチブルまとめ
美しさ+高い質感+高性能。高級スポーツGTとして高い存在感
- 内外装ともに“美しさ”と“匠の技”溢れるもの
- どこのプレミアム商品と較べても引けを取らない高い質感
- パワートレーン・走りの味付け等、性能面での実力と演出
LEXUS商品ラインアップの中で、フラッグシップの一台に位置づけられるクルマ
- 2017年発売ながら、美しさ・質感・性能ではフラッグシップの位置づけ
- 高級品らしい佇まいや品質、走り味・乗り味を備えたクルマ
- 色々なクルマに乗ってきた大人が選ぶ選択肢になり得ている
“Always ON”の考え方のもと、不断の改良をされているクルマの魅力
- コンバーチブルの不利さを(ほぼ)感じさせない乗り味
- スムーズかつ全域で高性能を感じさせるパワートレーンの味付け
- ディスプレイやADAS(先進運転支援システム)の進化など様々なアップデート

総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
◎ (街中でもシッカリ良好な乗り味など、全般に期待値を超えていた)
- また乗りたいか?
〇+(ワインディング路・サーキットなど走る機会あれば…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS LC500 コンバーチブル
〔車両価格〕:車両本体価格15,500,000円(オプション装備:外装色165,000円、タイヤ&ホイール110,000円、マークレビンソン223,300円、ヘッドアップディスプレイ88,000円)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,710mm×1,845mm×1,390mm・2,730mm・1,720kg、2UR-GSEエンジン:4,968cc、481ps/7,100rpm、535Nm/4,800rpm、8速AT、RWD、 WLTC燃費8.5km/L、サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク、タイヤ前後:255/35ZR19、275/35R19
〔試乗概要〕LEXUS Meets試乗プログラム90分間、都内一般路+高速約30km試乗ルート
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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