試乗記・レポート
LEXUS LX600 EXECUTIVE試乗レビュー!オールテレインヴィークル出自ながらオンロードの走り味も秀逸/動力性能・安心感・信頼感・内外装の質感など、ハイエンドSUVらしいクルマ/価格以上の価値も感じる商品
2022年に発売されたものの需給状況からいまだに“受注停止”となっているレクサスのハイエンドSUV“LEXUS LX600 EXECUTIVE”。LEXUS Meets 日比谷での試乗が再開されたので、試乗してみました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年9月
LEXUS LX600 EXECUTIVE 試乗概要
充分以上のオンロード動力性能とリーズナブルな燃費性能
LEXUS LX600に搭載されるパワートレーンは3.5LのV6ツインターボで、415ps/650Nmを発揮し、10速ATと組み合わされて全輪を駆動します。
街中ではなかなか出来ないフル加速ですが、2度ほど試みる事ができました。停止状態からアクセルをグッと踏み込むと、少しの溜めのあと猛然とダッシュし、とても2.6トンもあるクルマの加速とは思えません。オンロードでスムーズかつ充分以上の動力性能だと実感できました。
また燃費も、今回の走行で実測7.5km/LとWLTC燃費8.0km/Lに近い数値を記録でき、その重量と性能からするとリーズナブルといえそうな燃費性能だと思いました。
柔軟で快適な乗心地。ユッタリしてゆとりを感じさせる走り味
LEXUS LX600に試乗するのは2度目ですが、今回は先回にも増して“柔軟で快適な乗心地”に感心しました。車両サイズの大きさもあって全体に“ユッタリしてゆとりを感じさせる走り味”のクルマだと思います。
乗心地に関しては、走行モード切替で脚の硬さを変更できる事が効果的に働いていると思われ、NormalからComfortモードにすると、Normalではやや気になった低速域での路面継ぎ目・凸凹乗越えも気にならなくなり、至極快適な乗心地を享受することができました。
今回の試乗コースは、首都高とその前後の一般道を組み合わせた約30kmでしたが、一貫して“ユッタリ感・ゆとり”を感じながらの走行でした。
上記したように、その気になれば素晴らしい動力性能でガンガンいけてしまいそうなのですが、そんな走りよりも“交通の流れに任せて、その中でゆとりを感じながらドライビングする”…そんなスタイルが似合っていると思いました。
オールテレインヴィークルでハイエンドSUVという同じ領域に属するレンジローバーにも相通じる感じの“ユッタリ感・ゆとり”ある走り味と感じました。
安定感・重厚感ある運動性能。上手くシンクロしている動的質感
車両重量が2.6トンもあり車高も1,900mmあるクルマなので、ヒラヒラ俊敏に走るという訳にはいきませんが、首都高や一般道を安定感・重厚感持って走る事ができました。
首都高レインボーブリッジ前後のカーブ等、混合交通の中でとても安定しシッカリしたフィールで走行でき、安全性・余裕の高さを感じ取れました。
また、動的質感としても大変ソフィスティケートされたものがあり、運動性能・旋回性能・ステアリングフィール・動力性能・走り味など、それぞれが独立して云々ではなく相互に上手くシンクロしているゆえではないか?と思いました。
ワインディング路を速く走るという点では、LEXUS LX600は最高のチョイスではないかもしれませんが、オンロードでの走りのキャパシティは充分高く、何よりも、どんな路面や交通状況でも、余裕を持ってユッタリしてゆとりをもって走らせることができる点が、このクルマの真の価値であり存在意義なのではないか?という気がしました。
オールテレインヴィークル+ハイエンド=LEXUS LX600の外観スタイル
本格的オフロード走行まで見据えた“オールテレインヴィークル”である出自を表しているボディプロポーション(背の高さ・地上高の高さ・スクエアな車体寸法)に、上品な高級感を付加したエクステリア。それがLEXUS LX600の外観スタイル上の特徴であり、一目見るだけでその価値が伝わってくる強力なメッセージだと思います。
乗用車ベースのクロスオーバーSUVとは明らかに異なるプロポーションや地上高、オフロード走行を可能にするディメンジョンなど、SUVの“原点”的な雰囲気すら感じさせる外観ですが、一方、高級感の方も抜かりなく具備されており、フロントグリル・リヤスタイル・サイドウィンドウグラフィックス・面や線の質感など、見るからに高級車といえるスタイリングになっていると思います。
4座席に割り切ったEXECUTIVE空間。オールテレインヴィークルらしい操作系
試乗したLEXUS LX600はEXECUTIVEグレードで、室内を4座席に割り切った仕様です。後席試乗の機会はありませんでしたが、座ってみると、充分なスペースと立派で装備満載のシート回りでEXECUTVEらしい空間になっていました。
今はショーファーカーや空間重視のクルマはLEXUS LM等のMPVが主流となっていますが、このLEXUS LX600のようなSUVも同様のニーズを満たせるのではないか?…と思いましたし、仕様・見映え質感の点でも、また乗心地の点でも“超高級なショーファーカー/ファミリーカー”にもなりえるクルマと感じました。
運転席回りのデザイン・配置は、最新レクサス車のトレンドとは少し違っていて、操作系・視認系が色々な場所に配置されているものでしたが、運転していての操作性や視認性は良好で、“様々な環境で運転するために考え抜かれた操作系・視認系”という気がしました。
運転全体を通じて、その大きさの割には運転しやすいクルマだと感じました。インテリアのデザインや操作系・視認系の操作しやすさや見やすさ、そしてクルマ全体の見切りの良さや視界の良さが効いているのではないでしょうか。
LEXUS LX600 EXECUTIVE試乗レビューまとめ
オールテレインヴィークル出自ながらオンロードでも実力ある走り
- 街中・高速で充分以上の動力性能
- 柔軟で快適な乗心地。ユッタリしてゆとりを感じさせる走り味
- 安定感・重厚感ある旋回性能。上手くシンクロしている動的質感
LEXUSハイエンドSUVとしての役割を果たす“高級品”。4座席に割り切ったEXECUTIVEは更にその色が濃い
- オールテレイン性能+乗って感じるソフィスティケート感
- いかにも“高級品”らしい外観・内装と仕様・装備
- レクサスのハイエンドSUVらしい存在感
SUV人気の根底にあるものが何かを改めて教えてくれる商品
- オールテレイン性能=オフロード・悪天候時の走り+オンロードの走り
- 走破性・全天候性・視点の高さ・車体の強さ感等からくる安心感
- 人・物両方にとって信頼できる移動手段
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
〇+(重厚感と運動性能のバランス、信頼感・安心感・全体質感など期待値超え)
- また乗りたいか?
〇(こんなハイエンドSUVをファーストカーにしてみたいものだ…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
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期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS LX600 EXECUTIVE(4人乗り)
〔車両価格〕:車両本体価格18,000,000円 (オプション:外装色マンガンラスター165,000円、オーナメントパネル・アートウッド110,000円)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:5,100mm×1,990mm×1,895mm・2,850mm・2,600kg、U35A-FTSターボエンジン:3.444cc、415ps/5,200rpm、650Nm/2,000~3,600rpm、10速AT、サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク、タイヤ265/50R22
〔試乗概要〕首都高+湾岸地区約31km
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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