試乗記・レポート
LEXUS RC300h “F SPORT”試乗レビュー「バランスの取れたスタイリッシュスポーツクーペ」
レクサスのミディアムスポーツクーペLEXUS RC “F SPORT”。数ヶ月前に高性能版LEXUS RC F“Performance Package”に試乗し、その素直に力を出す高性能ぶりが印象的でしたが、 LEXUS RC “F SPORT”はどんな走り味なのか?ハイブリッド車のLEXUS RC300h “F SPORT”に販売店で試乗させてもらいました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年9月
LEXUS RC300h “F SPORT”試乗概要
低く構えたスポーティな外観スタイル。10年の経過を感じさせない
LEXUS RCの発売は今から10年前(2014年10月)なので、かなり時間が経過している訳ですが、目の前でみた実物に関しては、さほど古さを感じませんでした。
LEXUS RCならびにその高性能版たるLEXUS RC Fが、今では希少な“2ドアクーペ”で、さほど多く走っていない=見慣れていないという点、基本スタイルが古くなりにくい点などの要因によるのでしょうが、いずれにしても、乗る前に「ちょっと特別なクルマに乗るんだ」という新鮮さ・期待感を抱かせる外観スタイルだと感じました。
また、全長4,700mm・全幅1,840mm・全高1,395mmと、今の基準ではコンパクトともいえるサイズであることも、「スポーティで扱い易そう」に見え、好ましく感じられました。
低くクルマのセンターに座る感覚。視界は不利だがスポーティ感覚は強い
販売店の店頭から広い幹線道路に出て少し加速…低い着座位置でクルマのセンターに座っている感覚で、まずスポーティさと新鮮さ(最近あまりないので…)を感じました。
SUV・MPVといった背の高いクルマが多い日本の交通環境の中では、低い視点からの視界といった点は周囲の状況把握に不利な面は否めませんが、低い視点からくる安定感やスポーティ感、手の内感は、こうした低めのクルマならではのものと改めて感じました。
LEXUS RC “300h”という名称通りの動力性能。充分なパフォーマンス
直列4気筒2.5Lエンジン(最高出力178㎰・最大トルク221Nm)と電気モーター(最高出力143ps・最大トルク300Nm)を組合せたハイブリッドパワートレインによる走りは、街中での試乗に充分なパフォーマンスを発揮してくれました。
もう少しエンジンサウンドが気持ち良ければなあ…という点はありますが、モーターとエンジンの協調で、発進加速・追い越し加速等、交通の流れをリードできる実力を体感でき、“LEXUS RC300h”という名称通りの動力性能だと感じました。
全体として、特段速い訳ではないが遅くもなく、充分なレベルと思いました。
タイヤからのインフォメーション多めの乗心地。雑味ないがコツコツ感強め
乗心地は、タイヤからのインフォメーションが多めのもので、そういう意味ではスポーティ感ある乗り味と思いました。
雑味は(ほぼ)ないが、路面の凸凹や不整に対して“コツコツ”した感じは伝わってくるもので、またブレーキング時のノーズダイブの大きさなど、乗り味・走り味全体として、「もう少しリファインされたら良いのに」との感想も持ちました。
ステアリングフィールは良好で、剛性感あり街中の曲がり角でもラクに切る事ができ、(街中走行のみで、それらしい路を走ってはいませんが)ワインディング路等は快適かつ気持ち良い動的質感で走ってくれそうな感じがしました。
クルマ全体に余裕ある走り味があり、もしかしたら、それは“LEXUS RC”には3.5LV6搭載車や2.0Lターボ搭載車もあり(更にLEXUS RC Fという高性能バージョンも派生モデルにある)、“300hモデル”では車体やシャシーに大きな余裕があるためかもしれません。
走り味全体としては、スポーティさの中に色々な面での余裕を感じさせてくれるものだったと思います。
室内デザイン・操作系は最新レクサスとは違うが…操作性は良好
室内デザイン・操作系については、最新のレクサス車とは違い、タッチパッド式のディスプレイ操作や各所に配置されたスイッチ類によるものでした。
そのあたりに最新モデルとの違いを意識させられましたが、とはいえ、操作性は悪くなく、今のタッチスイッチよりも使いやすい面もあると感じられ、街中走行で感じたこのクルマの扱い易さには、そうした操作系・スイッチ類の扱い易さも寄与しているのではないか?と思いました。
鮮烈なレッドと黒のコンビネーション内装色に仕立てられたクルマで、配色からくる“スポーティさ”を意識しつつの試乗でしたが、そうした色使いに加えて、レクサスのF SPORTグレード専用のステアリング・ペダル・シート等によるスポーティ演出が効いているように感じられました。
LEXUS RC300h“F SPORT”試乗レビューまとめ
全体にバランスの取れたスタイリッシュスポーツクーペ
- スポーティな外観スタイルとそれに見合った走り味
- 過剰ではないが、不足もない動力性能
- 内装も含めたスタイリッシュさとスポーティさ
2名乗車+2ドアで間に合うなら、“あり得るチョイス”
- 実用的には不便な2ドアクーペはある意味贅沢なチョイス
- そのスタイリッシュさ・スポーティさを意識しながら運転できるクルマ
- 視点の低さや2ドアによる不便さを除けば特に不自由はない
時代(少し前のクルマ)は感じるが、古さは顕著ではない
- 基本設計が10年前のため、時代(少し前のクルマ)は感じさせる
- だが、不断の改良もあり、色々な面でアップデート・リファインされている
- 見て・乗って・走って、さほど古さは感じられなかった
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
〇 (全体のバランス感、薄味ながらF SPORTらしい乗り味など)
- また乗りたいか?
〇 (高速道長距離試乗などで乗ってみたい…)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS RC300h “F SPORT”
〔車両価格〕:車両本体価格6,792,000円(オプション装備:ブレーキキャリパー66,000円、三眼フルLEDヘッドランプ77,000円)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,700mm×1,840mm×1,395mm・2,730mm・1,740kg、2AR-FSEエンジン:2,493cc、178ps/6,000rpm、221Nm/4,200~4,800rpm+モーター:143ps、300Nm、RWD、 WLTC燃費17.7km/L、サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク、タイヤ前後:235/40R19、265/35R19
〔試乗概要〕:レクサス名古屋西試乗車、店舗周辺約7.5km試乗ルート
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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