試乗記・レポート
LEXUS LM500h EXECUTIVE試乗レビューまさに一流品のラグジュアリー・ムーバー/日本の交通事情にもよくマッチ高価格ながら得られるものも大きい
LEXUSの高級MPVとして日本にも新たに投入されることになった“LEXUS LM”。トヨタのアルファード/ヴェルファイアと基本構造を共用しつつも、内外装やボディ補強等クルマづくり全体をレクサス化したクルマの出来・走り味はどうなのか?
今回、東京・日比谷のLEXUS Meetsで試乗してきましたので、クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年8月
LEXUS LM 500h EXECUTIVE試乗概要
レクサス化というだけでなく、全体に豊かで上品な質感を感じさせる佇まい
上級MPVというと、どうしてもトヨタのアルファード/ヴェルファイアとの共通性を感じてしまいますが、実車をみて全く別のクルマに仕立てられていることがわかりました。
全体にソフトで抑制が効いた感じの外観スタイルは独自のもので、高い質感を感じさせる佇まい。フロント/リアのレクサスアイデンティティも効いていますが、クルマ全体を貫く“上品さ”・“豊かさ”が強力なメッセージを発しているように感じました。“MPVの一流品”という感じが伝わってくる外観スタイルだと思います。
“ファーストクラス”の後席だけでなく運転席回りも充実し、レクサス化
乗り込むと、良好な視界で手の内感もあり、運転しやすいクルマとなっていた。今回試乗した“LEXUS LM”はEXECUTIVEグレードでパーティションを備える4人乗り・後席重視車両。そのため、室内空間としては、後席が“ファーストクラス”のしつらえとなっていますが、運転席回りも“一流品”らしい充実ぶりで、質感・操作性・視認性に優れたドライバーポジションとなっていました。
レクサス共通のTAZUNA Conceptのコックピット操作系・視認系、インパネ・トリムの形状や質感など、前席/運転席も“ファーストクラス”なのではないか?と思いました。また、乗り始めて感じたのは、車両サイズの大きさの割に“手の内感”があることで、視点の高さや視界の良さ、操作性の良さ等、ドライバーにとっても、このクルマは(日本の交通事情の中でも)扱い易い一流品と言えるのではないか?と感じました。
充分以上の動力性能を発揮する余裕のパワートレーン
車両重量が2,460kgの“LEXUS LM”ですが、2.4Lターボ+ハイブリッド+AWDのパワートレーンにより動力性能は充分以上のレベルにあり、首都高+市街地での試乗で大きな余裕を持った走行。繊細でしっかりしたアクセルペダルの踏み心地とパワートレーンのレスポンスの関係がよく、気持ちよく運転できました。
エンジン音が低速域で意外と伝わってくる(ごく低い音だが)点が少し気にはなりましたが、速度を上げると気にならなくなり、まるでBEVのような走行フィールで走る事ができました。全体に余裕を感じさせる動力性能だと思います。
シッカリしたボディ剛性とスムーズな乗心地で、スッキリと奥深い走り味
今回“LEXUS LM”に試乗してみて最も印象深かったのは、“シッカリしたボディ剛性”と“スムーズな乗心地”で、一般的なMPVの弱点を感じさせない乗り味のクルマになっている事でした。
クルマの性格から、もっとふんわり系の乗り味かと想像していましたが、実際は、スッキリ系で、“スッキリと奥深い”というレクサスとして目指す乗り味の方向性が実現しているように思われました。また、アクセルだけでなく、ブレーキやステアリングのフィールもそれぞれ繊細で気持ちよく、スムーズに気持ちよく“停まり”・“曲がる”性能や心地よさにつながっていると感じました。
至れり尽くせりの装備類。上級車らしさ・一流品らしさに溢れている
車両価格が2,000万円もする商品として当然かもしれませんが、仕様装備は至れり尽くせりで、考えられるものは大抵装備されていました。
第一優先は勿論後席回りで、パーティションで前席と区切られた空間にはフルリクライニング電動シートのヒーター・空調やマッサージ機能、超大型モニター、冷蔵庫等、ショーファードリブン車の後席に備えるべきものは、何でも装備されているような印象でした。
運転席回りでは、操作系・視認系の充実に加えて、安全・ADAS(先進運転支援システム)系装備の充実が著しく、アドバンストドライブやアドバンストパーク等レクサス最新のものが装着されていました。
LEXUS LM 500h EXECUTIVE試乗レビューまとめ
後席・運転席ともに“ファーストクラス”の一流品ラグジュアリー・ムーバー
- 後席シート・室内空間は、“ファーストクラス”の居心地
- 運転席回りの質感・雰囲気・運転操作に一流品の心地良さを感じた
- 優しく上品に運転したくなるが、クルマの応答も上品で気持ち良い(ブレーキのタッチやステアリングのフィール等、繊細で心地よい)
日本の交通事情にもマッチした上級MPVで、高価格ながら得られるものも大きい
- 背の高いクルマが多い交通の中では、視点の高いMPVのメリットは大きい
- 上質な移動空間として、価格は高いが、装備等も含めてバリューあると思う
レクサスらしい“スッキリと奥深い走り味”が実現されているクルマ
- “シッカリしたボディ剛性”と“スムーズな乗心地”のコンビネーションに“スッキリと奥深い走り味”を感じた
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
○+ (LEXUS LM独自の内外装に加えて、乗心地や走り味が期待値を上回っていた)
- また乗りたいか?
○+ (後席の乗心地を試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS LM500h EXECUTIVE
〔車両価格〕:車両本体価格20,000,000円、オプション:332,200円
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:5,125mm×1,890mm×1,955mm・3,000mm・2,460kg、T24A-FTSエンジン:2392cc、275ps/6,000rpm、460Nm/2,000~3,000rpm +前後モーター、システム最高出力:371ps、WLTC燃費13.5km/L、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:225/55R19
〔試乗概要〕試乗コース(首都高・市街地)約29km
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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