試乗記・レポート
クラウン(セダン)試乗レビュー!“立派さ+落ち着き=存在感”
新型クラウン3番目のボディタイプとして登場した「クラウン(セダン)」。愛知県の販売店で試乗車が設定されたので街中を少し試乗してきました。今回もクルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から特徴を分解し、感想・印象をレポートしたいと思います。
<この記事の目次>
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年1月
クラウン(セダン)試乗概要
低い構えで落ち着きと凄みを感じさせるエクステリア
4つのボディタイプを持つ「新型クラウン」ですが、その中で最も保守的というか、伝統を感じさせるのがこの“クラウン(セダン)”だと思います。今回実車をみた第一印象は、“クラウン(クロスオーバー)やクラウン(スポーツ)のような新鮮なインパクトは少ない”が、立派かつ低い構えで“落ち着きと凄みを感じさせ存在感あるスタイル”だと思いました。
全長・ホイールベース・全幅を大きくしたディメンジョンも含めて、欧州のプレミアムサルーンのような“走りと立派さが合体したクルマ”という感じが外観に現れているような気がしました。
| 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | ホイールベース(mm) |
---|---|---|---|---|
クラウン(クロスオーバー) | 4,930 | 1,840 | 1,540 | 2,850 |
クラウン(スポーツ) | 4,720 | 1,880 | 1,565 | 2,770 |
クラウン(セダン) | 5,030 | 1,890 | 1,475 | 3,000 |
今回試乗したクルマは、“凄み”という高級サルーンとして重要な要素が、特に滲み出ている感じがしましたが、それは、オプション装備のブラックパッケージ(ブラックトリムと20インチタイヤ)によるところも大きい感じがしました。
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“クラウンらしい”インテリア操作系や視認性も良好
外観上は大きくセグメントされている“新型クラウン”の各ボディタイプですが、インテリアはほぼ同じような眺めで、車両に乗り込みシートやミラーを合せ、すぐに走り出しても特に不便さや不安を感じない点が“クラウンらしく”、“トヨタ車らしい”所でした。
整然と配置された計器類やディスプレイ、操作系やスイッチ類は、クラウン/トヨタ車に慣れた人にとっては、慣れ親しんだ感じの取っ付きの良さがあり、運転のし易さや安心感につながっていると感じました。
また、外寸の大型化で憂慮された車両周囲の視認性/見切りに関しても、実際に運転してみると、さほど悪化しておらず、全長5,030mm×全幅1,890mmの大型車でも街中を気楽に運転することができました。
より“スムーズさ”と“しっとり感”を感じる乗り味”
“新型クラウン”の中で唯一伝統のFR駆動方式を採用する“セダン”ですが、その乗り味は顕著とは言えないまでも、どこかFRゆえの“スムーズさ”と“しっとり感”あるものと感じました。
試乗コースは名古屋市内数キロのみで、試乗車は既走行距離15kmと全くの新車のため、乗り味について大した体感はできていませんが、路面からの情報が、よりマイルドにふんわり伝わってくる点や、ステアリング操作がとてもスムーズな点で“クロスオーバーやスポーツ”との違いがあるように思われました。
具体的には、駐車場から歩道の段差乗り越え時のしっとりさ、交差点でのステアリング操作のスムーズさ等、“クロスオーバー”のゆったり感、“スポーツのスポーティ感覚に対して、“スムーズさとしっとり感”がこのセダンの乗り味上の特徴ではないかと思いました。
車重の重さは気になるが“まず必要充分”と思われる動力性能
縦置きFRベース・2.5Lマルチステージハイブリッドのパワートレーンによる動力性能・走り味は、正直、“FRベースでもFFベースでもさほど差はないなあ…”と思わせるものでしたが、スムーズで安定しており、また動力性能としては、このクラスのクルマとして、まず必要充分な印象を受けました。
車両重量が2トンを超えている(クロスオーバーより200kg以上重い)こともあり、踏み込んでも“俊足”という訳にはいきませんが、さりとて“遅い”訳ではなく、街中の流れに乗ってリードして走行できました。
また走りのフィーリングは、“基本静かで、踏み込んだ時だけエンジンの存在を感じる”典型的なトヨタ・ハイブリッド車のそれで、したがって、普通におとなしく走行している時は極めて静かな室内環境の中での運転となりました。
燃費は計測できていませんが、WLTCで18.0km/Lとなっており、一般走行で10km/L台後半のレベルが期待できそうです。
クラウン(セダン)試乗レビューまとめ
立派さ+落ち着き=存在感
- 立派で低く構え重厚な感じを醸し出すエクステリアデザイン
- スムーズでしっとりした乗り味等、クルマ全体を貫く落ち着き感
- それらの要因により、保守的だが安心できる存在感を感じる
“クロスオーバー”や“スポーツ”より何故か“クラウンらしさ”を感じてしまう
- “クロスオーバー”・“スポーツ”は市場の動きに合わせた新世代のクラウン
- “セダン”は歴代の正常進化+αで、トヨタらしい慎重さを感じる商品
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
〇+(保守的だが凄み・落ち着きを感じさせる外観、しっとりした走り味は〇+)
- また乗りたいか?
〇(機会があれば、荒れた路面や高速道路を試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:クラウン(セダン)Z HEV
〔車両本体価格〕:7,300,000円(オプション:ブラックパッケージ198,000円)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:5,030mm×1,890mm×1,475mm・3,000mm・2,020kg
A25A-FXSエンジン:2487cc、185ps/6,000rpm、225Nm/4,200~5,000rpm+モーター、バッテリー容量:4.3Ah、WLTC燃費18.0km/L、サスペンション前/後:マルチリンク、タイヤ:245/45R20
〔試乗概要〕:トヨタカローラ愛知・東片端店の周辺約5km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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