試乗記・レポート

新型クラウン(クロスオーバー)を試乗レビュー!長距離試乗で感じたこと

新型クラウン(クロスオーバー)を試乗レビュー!長距離試乗で感じたこと

4つのボディタイプ・CROSSOVERバリエーション・FFベースのクルマづくり・海外展開等、話題に事欠かない“新型クラウン”。今回は、富山への往復にレンタカーを使うことができましたので、クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から特徴を分解し、長距離走行で感じたことをレポートしたいと思います。

※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:23年7月

新型クラウンCROSSOVER G試乗概要

人目を惹く外観スタイル・佇まい。“インパクト強い!”

第一印象で「カッコイイ新しいクルマ出たなあ!」と感じた新型クラウンですが、今回、長距離走行してみても、パーキングエリアや街中で人目を惹いており、そのインパクトの強さを改めて感じさせられました。
 
主たる要因は、新鮮さを感じさせるプロポーションや、カッコイイと素直に思わせるスタイリングによるものでしょうが、見られている感じは、「おっ。これが新しいクラウンか?」といった視線で、伝統あるクラウンが大きく変身したこと自体も含めてのインパクトだと思いました。
新型クラウン 試乗レビュー

整然として取っ付きの良い内装・操作系

乗り込んでシートやミラーを合せてすぐに走り出しても、特に不便さや不安を感じない点が“クラウンらしく”、“トヨタ車らしい”所だなと思いました。

整然と配置された計器類やディスプレイ、操作系やスイッチ類は、クラウン/トヨタ車に慣れた人にとっては、慣れ親しんだ感じの取っ付きの良さがあり、運転のし易さや安心感につながっていると感じました。

またナビゲーションの操作ロジックも、最近のトヨタ車の中では、直感的に操作しやすく、目的地入力等も簡単に出来、レンタカーの営業所で短時間のうちに目的地入力して出発・・・という状況下、とても安心して使う事ができました。

こうした“取っ付きの良さ”や“乗って操作する際の安心感”は、クルマを扱い・運転する上で、とても重要な要素で、それらによる気持ちの余裕は、安全で安心なドライビングに大きく影響していると思いますが、その意味で、このクラウンは、とてもよく出来たクルマだと感じました。
新型クラウン 試乗 内装

“ゆったりした空気を感じる空間”。静粛性と乗り味によるものか?

名古屋高速から東海北陸道を使っての富山行きでしたが、高速道路を走行していて、ふと感じたのは、“ゆったりした空気を感じる空間だなあ”という事でした。

大きなクルマ・上級車になるほど、居住スペースの広さも相まって“ゆったり”した感じがあるものですが、このクラウンでは、そのサイズ/クラス以上に“ゆったり感”があるような気がしました。

ひとつの要因は静かさで、日本の交通の流れに乗って走るペースでは、エンジンの音を意識することがあまりなく(もちろん殆どの局面でエンジンは回っているのですが)、静かさによる“ゆったり感”が室内に流れているような印象でした。

また、乗心地や運転操作に対するクルマのレスポンスといった“乗り味”も“ゆったり感”の要因で、基本的にフラットで良好な乗心地、安定してスムーズな感じの走り味、よく出来たADAS(先進運転支援システム)制御等によって、“ゆったり感”が演出されているのではないか?と思いました。
新型クラウン 試乗 ステアリング

“ほぼ9割の場面”で必要充分な動力性能。秀逸な実用燃費

横置きFFベース・2.5Lハイブリッド・4WDのパワートレーンによる走り味は、基本を共用するハリアーやLEXUS NX等に近いもので、これまでのFRクラウンとは違う事に少し寂しさも感じますが、走行性能としては、このクラスのクルマとして必要充分なものを持っていました。

今回、名古屋から富山往復という長距離走行で、“ほぼ9割の交通状況で必要充分な動力性能”・“秀逸な実用燃費”を実感できました。

10割でなく9割なのは、フル加速でエンジン音の高まりと若干のじれったさを感じたためで、街中の加減速・郊外路・高速道路走行など、交通の流れに乗った通常の走行パターンでは、エンジン音は静かなまま、必要なパワーを車輪に伝えてくれました。

また燃費は、往路21.7km/L、復路22.0km/Lと、ほぼWLTCに近い数値を記録でき、このサイズのクルマとしてはとても良い燃費と思いました。

新型クラウン 試乗 エンジン

新型クラウン 試乗 ディスプレイ
往路245km走行で平均燃費21.7km/Lを記録

“ほぼ9割の場面”でフラットな乗心地。曲がりもほぼ良好

乗心地も、動力性能同様、“ほぼ9割の場面で良好”な感じがしました。

重厚で、正しいドライビングポジションで運転したくなった先代クラウンとは違い、軽快で、リラックスしてクルマに身を任せたくなる感じの乗心地で、大体の路面状況では、スムーズに乗越え、フラットさを保つような感じがありました。

10割でなく9割なのは、“高速道路の継ぎ目の中には少し強めにショックを伝達してくる場合がある”事や、“これも高速道路で、舗装の荒れや路面状態によってロードノイズが気になる”事があったためで、この辺りは“クラウンゆえの期待値の高さ”も影響しての事でした。

曲がり・運動性能の方は、(そもそも振り回したくなるクルマではないが)、基本安定していて、スムーズに無理せずコーナリングしている感覚がありました。4輪操舵の効果が表れていたのかもしれません。(4輪操舵は、街中や駐車時の小回り性能では有難みがよくわかりました)

新型クラウン 試乗 ホイール

最新のADAS制御が気持ちよい

最新のトヨタ車・クラウンという事で、ADASはとても充実した内容になっていました。

レーダークルーズに加えて、レーントレーシングアシストやプロアクティブドライビングアシストによって、本当にラクに安全に走って来られましたし、先行車の動きに合わせた加減速など、ドライバーの気持ち・動作にかなり近い動きをしてくれ、ストレスのない安楽長距離走行が実現できました。

新型クラウンCROSSOVER G まとめ

  • 商品としての強いインパクト=新しいアッパークラス車・新しいクラウンの提示
  • 取っ付きの良い内装・操作系=クラウンならではの美点
  • ゆったりとした空気を感じる空間=新型クラウンならではの特徴か?
  • “ほぼ9割の場面”で充分な性能と乗心地=マジョリティらしさと期待値の高さ
  • 最新のADAS制御が気持ちよい=最新の商品らしさ

新型クラウン 試乗レビュー

総合評価

・乗る前の期待値越えか?
〇+ (燃費性能・ADAS制御などが期待値を超えていた)

・また乗りたいか?
〇+ (2.4Lターボ版や今後発売される色々なボディバリエーション等乗ってみたい)

※評価基準と評価マークの意味

項目/マーク

〇+

〇-

期待値を・・・

大きく上回る

上回る

まあ上回る

上回る部分もあるが・・・

下回る

また乗りたいか

とても乗りたい

乗りたい

まあ乗りたい

乗りたい面もあるが・・・

あまり乗りたくない

今回試乗したクルマはこちら!

〔試乗車〕:クラウンCROSSOVER G車両本体価格4,750,000円
〔主要諸元〕: 
全長×全幅×全高・WB・車重:4,930mm×1,840mm×1,540mm・2,850mm・1,760kg
A25A-FXSエンジン:2.487cc、186ps/6,000rpm、221Nm/3,600~5,200rpm+前後モーター、バッテリー容量:5Ah、WLTC燃費22.4km/L、サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク、タイヤ:225/55R19
〔試乗概要〕名古屋⇔富山(東海北陸道経由)の512km走行
 ※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください

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