試乗記・レポート
これ買っときゃ間違いない!定番SUV トヨタ「ハリアー」を試乗!
2020年6月に発売され好調な売れ行きを続けているミドルクラスSUV“ハリアー”。その人気は何故なのか? 好評だった先代を更に超える(と思われる)商品性の高さはどこにあるのか? 試乗し考えてみました。クルマ大好き、元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、「ハリアー」の特徴を分解し、その魅力を探るレポートです。
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:2021年5月
ハリアー試乗概要
外観スタイル:インパクトあり上級感を備えたクーペルックSUVスタイル
最近は、街中で見かけることも多く目に馴染んだハリアーですが、出た当初、「これ何!?」と振り返らせる強いインパクトがありました。
普通に表現すれば「魅力的な外観スタイル」となりますが、このハリアー、ミドル~アッパーSUVとして、魅力的に見える要素を色々と備えているように思われます。私はデザインの専門家ではないので、具体的に言いづらいのですが、全体フォルムだけでなく、グリル・ウィンドウグラフィック・リアコンビランプ等、様々なところが本当にうまくできていると感じます。
(今でも、ハリアーを見かけると、これジャガーF-PACEかな?と思う時があります。ジャガーが良いと言う訳ではなく、上級に見えるという意味です)
※写真は名古屋のミッドランドスクエアトヨタショールームで撮影したもの
カタログ中のエピソード1として語られるストーリーで、オーナーとなった彼が「上質なクルマに乗っているという自信がわいてくる・・・」と語っているのですが、確かにそんな面を持ったハリアーのスタイル・佇まいだと思います。
上級に見えるハリアーですが、車体寸法は4,740mmx1,855mmx1,660mmと、日本で使うのに(少し大きめですが)適当なサイズに収まっています。また視界が良く取り回しやすい点もあって、スタイルと使い勝手のうまい折衷点を持った車だと感じました。
内装デザイン:「わかりやすい」高級感のインテリア
インテリアの意匠・質感も大変うまく出来ていると思います。これもカタログのコピーを紹介すると、「書斎のような空間。・・・心の底からリラックスできる。」とあります。
YouTubeのレビュー動画等では、「ステアリングが他車共通でよくない」等と言われており、確かにそれはあると思うものの、全体として、大変質感の高いインテリアであることは否定できないと思います。
もうひとつのポイントは「わかりやすさ」。LEXUSの質感とは違う高級感が、トリム・シート・インパネのデザイン・色・素材で表現されている感じがします。
装備:今のクルマとしてまんべんなく充実させた装備類と+α
今どきのクルマは安全装備はもちろん、快適装備も車種クラスに関わらず充実しているもので、このハリアーも(グレード間差はあるものの)大変充実した装備体系となっています。
ですが、「+αとして加えられているものもある・・・」これがポイントだと思います。例えば、ヘッドアップディスプレイ・運転席のオートスライドアウェイ・室内LEDイルミネーション・ステアリングヒーター等の装備に加えて、12.3インチディスプレイが設定されており(これらはもちろんグレードによって設定されているが、設定されているグレードが存在している点がポイント)、お客様の関心・購入意欲を掻き立てるものがあると思いました。
乗り味・走行性能:フラットでスムースな乗心地と十分な動力性能
外観・内装・装備と、ハリアーの商品性の高さを考えてみましたが、クルマの基本性能・乗り味はどうなのでしょう?
私は、昨年自分のクルマを買うために計114台(回)試乗したのですが、そのうち3回はハリアー試乗でした。選択を迷っていたから・・・ではありますが、「また乗りたい」と思ったのも事実で、そのフラットでスムースな乗心地は何回チェックしても変わらず、ハリアーの乗り味だったと思います。
(3回の試乗コメント)
1回目:「とにかくスムース」。段差乗り越しも好感触で「フラット」。必要十分なパワー感覚あり。素直で乗りやすい印象のクルマ。
2回目:質感高く、「スムース」な乗り味でホッとする感覚。
3回目:2.5Lハイブリット・乗心地ともに「スムース」で気持ちよく走行できる。
燃費:性能・燃費ともに良好
2.5Lハイブリッドの動力性能・燃費もわかりやすいものとなっており、普通に使うには何不足ない動力性能、かつWLTCモード燃費22.3km/Lと、大変リーズナブルな値となっています。
クルマ全体として、先代は「運転自体より安全にラクに移動できること」に価値をおいたクルマだった感じでしたが、新型は「運転自体も積極的に楽しめる」クルマに仕上がっている。それ位の変化・進化があると思います。
(先代は・・・の表現は、もちろんわかりやすくするために使っています)
価格:価格ポジションと価格レンジの広さ
クルマの商品性を決める大きな要素『価格』についてはどうでしょう? よく「ハリアーはベースグレードが300万円を切っているから商品性が高い」と言われているようですが、確かにインパクトあるものの、対競合車比そんなに安いわけではありません。
(ベースグレード比較:CX-52,909,000円(特採車は2,678,000円)、エクストレイル3,161,000円、CRV3,361,000円)
むしろ、このハリアーで注目すべきは価格レンジの広さであり、上方に拡がった価格体系に「ハリアーのハリアーたるゆえんがある」と考えます。
(最高価格は4WD・HVのZレザーPKG:5,040,000円)
「高価格であれば良い」という訳ではありません。高価格になる充実装備・機能の仕様を持つバリエーションがあること、そして、何よりも、その「高価格仕様を買っていただけるお客様を掴んでいる」ということ、すなわち「上級バージョンの高価格を通用させ得ること」。このことが、ハリアーの強さ・商品性の高さを雄弁に物語っているのではないでしょうか?
感想①:全方位的に高い商品性
インパクトある外観スタイル。手堅く質感・高級感を表現したインテリア。今どきの上級車として必要充分+αな装備類。それらに加えて、誰が乗ってもほぼ「良いね!」と思わせる乗り味。
今回のハリアーは、本当に全方位的に高い商品性を持つクルマだと思いました。個人的には、自分のニーズから外れる点(タワーパーキングのパレット入庫にギリギリで気遣う=ちょっと大きすぎる)や、内装の意匠センスが少し好みとは違う点など、気になる点もあり、ハリアーは選びませんでしたが、商品としてみたら、これは本当にすごいクルマだと思います。
クルマ購入のために色々な販売店にお邪魔し「いま何が商品性あると思いますか?」と尋ねてみると、トヨタ以外の販売店スタッフからも「ハリアーは、とても商品性高いクルマ」という旨のコメントが返ってきました。競合会社の方でもそう思うんですね。
感想②:オンロード・スタイリッシュSUVとして、とても分かりやすいクルマ。「間違いのない定番SUV」感あり
「これ使っときゃ大体うまい」という台詞が食品CMにあったように覚えていますが、クルマ・ミドルSUVクラスにおいては、ハリアーが、そんな存在で、「これ買っときゃ間違いない」=定番感あふれるクルマという感じがします。
総合評価
・乗る前の期待値越えか?
〇+ 全方位的に高い商品性は期待値を上回った
・また乗りたいか?
〇+ 色々な状況で乗ってみたい
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:ハリアーハイブリッドZならびにGグレード(2WD)
〔車両価格〕:車両本体価格4,520,000円(Z)、4,000,000円(G)
〔主要諸元〕:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,740mmx1,855mmx1,660mm・2,690mm・1,650~1,680kg
A25A-FXSエンジン:2.487L、178ps/5,700rpm、221Nm/3,600~5,200rpm+前モーター
サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:225/55R19(Z)
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください。
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