トヨタ車&レクサス車解説
電気自動車(BEV)の充電時間/料金/走行距離は?自宅では?
電気自動車=BEVは、昨今の自動車業界のホットワード。カーボンニュートラルを実現する地球に優しいモビリティとして、自動車メーカー各社が開発にしのぎを削っています。
2021年末には、トヨタがバッテリーEV(BEV:電気自動車)戦略について「2030年にBEVのグローバル販売台数で年間350万台を目指す」と発表。ズラリと並んだバッテリーEV(コンセプトカー)を世界に向けて公開したシーンは、きたるべきEV時代の幕開けを感じさせるものでした。
本記事では、電気自動車の基礎知識から充電場所、充電料金、一回の充電で走れる走行距離など、電気自動車の「充電」を中心に解説していきます。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
電気自動車とは
電気自動車とは、充電された電気で走る車のこと。自宅の電源や充電スタンドなどで車載バッテリーを充電し、モーターを動力として走行する車を指し、一般的には「Electric Vehicle」の頭文字をとって「EV」と略されます。
一方で、HV/HEV(ハイブリッド車)、PHV/PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV/FCEV(燃料電池車)を含む総称である「電動車(Electrified Vehicle)」も「EV」と略されます。
電気自動車は電動車の中のひとつですが、混同されることがしばしばあります。そのため、海外では電動車のことを「xEV」と総称されるようになっており、またトヨタでは電気自動車(EV)のことを「BEV(Battery Electric Vehicle)」という表記に統一する動きを見せるなど、時代とともに表現も変わってきています。
電気自動車のメリット
まずは、電気自動車のメリットについてみていきましょう。
環境にやさしい
電気自動車を利用するメリットのひとつは、環境に優しいことです。
電気自動車は、駆動用電池に充電された電気を使い電気モーターを駆動させて走行するため、CO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)などを排出しません。ガソリン車に比べて、地球温暖化対策への貢献度は高いものといえます。
経済的
電気自動車の燃料である電気は、ガソリンよりもコストが低く経済的。後述しますが、ガソリン車に比べ燃料費が半分以下に抑えられるという試算もあります。
また、エンジンオイル交換やオイルフィルターなどの消耗品交換も不要なため、メンテナンス費を安くおさえられる点でも経済的。購入資金においては国や自治体から補助金が支給(※)され、税金もエコカー減税やグリーン化特例などの優遇措置も適用(※)されるほか、自動車保険のプランによっては電気自動車に対する割引制度が設けられる(※)など、様々な面で経済的なサポートが受けられるのは大きなメリットといえます。
※2022年3月時点
とても静か
ガソリン車はガソリンをエンジン内で燃焼・爆発させて走行しますが、電気自動車は電動モーターで動きます。
そのため騒音や振動がほとんどなく、エンジン始動時、アイドリング中、走行中においてもとても静か。車内も同様に静かなので、乗員同士の会話が弾み、近隣への騒音を心配する必要もありません。
ほかにも、エンジンルームが不要なため「車のデザインやパッケージの自由度が高い」といったことや、「走行安定性や加速性が高い」「アウトドアで電源を利用」「災害時の非常用電源として活用できる」などのメリットもあります。
電気自動車と充電
電気自動車には多くのメリットがあることがわかりましたが、充電設備や一回の充電で走れる距離など、電気自動車の充電に不安を持つ方もいるかもしれません。ここからは、電気自動車の充電についてみていきます。
電気自動車の充電場所
電気自動車を充電できる場所は大きく分けると、全国に設置された「充電スタンド」と利用者の「自宅」の2つです。
充電スタンド(充電スポット)
国の補助金制度(2022年3月時点)の後押しもあり、電気自動車の充電スタンドの設置は急速に拡大。全国約1万8千箇所に設置されており、その数はガソリンスタンド数の約6割にもおよびます。
カーディーラー、高速道路のサービスエリア、道の駅、ショッピングモールやスーパーマーケット、宿泊施設など様々な場所に設置され、その多くには、目印となる案内標識「CHARGING POINT」(東京電力の登録商標)が掲げられ、見つけやすくなっています。
普通充電と急速充電
充電スタンドの設備は、大きく普通充電と急速充電に分かれます。
普通充電設備は、カーディーラーや商業施設、コンビニ、屋外駐車場、戸建住宅・マンションなどに設置されるもので、200Vコンセント、ポール型普通充電器(200V)、100Vコンセントがあります。
一方、急速充電設備は、カーディーラーや高速道路のサービスエリアなど、比較的規模の大きな施設に設置されていることが多いです。
自宅で充電
自宅で電気自動車を充電する場合、コンセントを自宅に設置し、車両に標準装備された充電用ケーブルを接続すれば充電可能。設置には工事が必要で、第二種電気工事士の有資格者のみ行うことができます。設置は資格をもつ施工業者に依頼しましょう。
自宅に充電設備があれば、わざわざガソリンスタンドやカーディーラーなどにある充電スタンドに行く必要がなく、手軽に充電することが可能です。 戸建て住宅では気軽に取り付けられる一方で、マンションやアパートなど、戸建住宅以外へ充電設備を導入する場合、マンション理事会やマンションオーナーの承認を得る必要があるのでハードルが高くなるのが現実のようです。
電気自動車の充電時間
電気自動車の充電時間は、普通充電か急速充電かによって異なります。
航続距離160kmの場合、200Vコンセントおよびポール型の普通充電器では約7時間、100Vコンセントでは約14時間の充電時間を要します。
一方、カーディーラーや高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電設備は約30分で充電完了(※)。宿泊中や買い物ついでなど、駐車時間の合間にさっと充電することも可能です。
※急速充電は1回の利用につき原則30分まで
※テスラ車専用のスーパーチャージャーは時間制限なし(超過料金あり)
電気自動車の充電料金
電気自動車を自宅で充電した場合、電気代(燃料代)はガソリン車に比べて安く抑えられます。例えば100km走行した場合、ガソリン車はランニングコストが約690円(※1)。電気自動車は約310円(※2)と、半分以下におさえられ、年間では約3万6千円も安いという試算も。家計の節約に大きく貢献します。
※1 2020年5月20日時点の経済産業省資源エネルギー庁の「石油製品価格調査の結果」を元にNeVが試算
※2 2020年5月時点の東京電力スタンダードプランを元にNeVが試算
一方、充電スタンドを利用するにはメーカーが発行するカードや、充電インフラ整備を支えるe-Mobility Power(イーモビリティパワー=eMP)が発行するカードなどが必要となり、それぞれのカードのプランに応じた充電料金を支払う形となります。
多くの場合、月額料金+利用時間に応じた料金で、例えばトヨタのEV・PHV充電サポートカードの場合、定額プランでは、月額の基本料金1,100円(税込)を支払うことで普通充電は使い放題。急速充電は16.5円/分(税込)となっています。また、基本料金なしの従量プランもあり、普通充電は2.75円/分(税込)、急速充電は16.5円/分(税込)で利用できます。
電気自動車の充電料金は、利用するカードやプラン、利用状況によって料金体系が大きく変わってくるため注意が必要です。
一充電走行距離や充電時間
日進月歩の技術開発もあり、一回の充電で走れる距離(一充電走行距離)は年を追うごとに伸びています。電気自動車をピックアップし、各メーカーがカタログ等で公表している一充電走行距離と充電時間などの数値をそのまま表にまとめました。
なお、充電器や車種の仕様、駆動用電池の残量、外気温などの条件により、必要な充電時間は変化しますので、あくまで目安としてご覧ください。
車名など | 一充電走行距離 | 充電時間 | 充電時間 |
---|---|---|---|
トヨタ | 559km | 約12時間 | 約40分 |
トヨタ | 150km | 約5時間 | 非対応 |
レクサス | 367km | 約7.5時 | 約50分 |
日産 | 470km | 約12時間 | 約45分 |
日産 | 180km | 約8時間 | 約40分 |
日産 | 458km | 約12.5時間 | 約60分 |
ホンダ | 283km | 約12時間 | 約30分 |
マツダ | 256km | 約5時間 | 約40分 |
Audi | 427km | 約28時間 | 約101分 |
Tesla | 689km | ※公式情報なし | ※公式情報なし |
BMW | 650km | 約10時間45分 | 約42分 |
Mercedes-Benz | 422km | 約11時間 | 約36分 |
※充電時間はあくまで目安です。充電器や車種の仕様、駆動用電池の残量、外気温などの条件により、必要な時間は変化します
※各メーカーがカタログ等で公表している数値をそのまま表にまとめております
※記事公開時の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
なんと一回の充電で650km以上走行できる車種も。電気自動車に対して「充電の手間がかかる」といったイメージがあるかもしれませんが、車種によっては一回の充電で東京から兵庫あたりまで行けてしまうと考えると、そのイメージも変わってくるのではないでしょうか。
電気自動車と充電 まとめ
登場して間もない頃は、充電スタンド等の整備が進んでいなかったこともあり、ハードルが高い印象もあった電気自動車ですが、最近ではサービスエリアやショッピングモールなどに設置された充電設備も普及し、身近な存在となってきました。技術開発も進み、1回の充電で走行距離できる距離も伸びています。さらに、電気自動車の燃料費はガソリン車に比べて約半分。購入費用に対する補助金や税金の優遇措置なども適用されるなど、ランニングコストが安いことは大きな魅力です。
世界規模でカーボンニュートラルの社会を目指している中、ガソリン価格の高騰も続いており、ガソリン車に代わり電気自動車が主役になる時代はすぐそこまで来ているのかもしれません。電気自動車は今後、ますます注目を集めていくことになるでしょう。
最後に、購入以外にもトヨタのSUV型BEV「bZ4X」などに乗れる方法のひとつ「KINTO」についてお伝えします。
KINTOは月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける(※)サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます
- トヨタの新車が対象の「KINTO ONE」
- レクサスの新車が対象の「KINTO for LEXUS」
- SUBARUの新車が対象の「KINTO ONE(SUBARU)」
- トヨタの中古車が対象の「KINTO ONE(中古車)」納期1ヶ月~2ヶ月!(東京・愛知・長野・大阪で提供、エリア順次拡大中)
- KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドを加え、月額料金がリーズナブルになった「KINTO Unlimited」
などのサブスクリプションサービスを展開しています。
それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。
KINTO ONEとは?
KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
※SUBARU車を契約の場合、月額のお支払いは口座振替のみのご利用となります
初期費用0円で気軽に乗り始められる「 初期費用フリープラン」と、 所定の申込金を契約時に支払うことで解約金が0円となる「 解約金フリープラン」の2つから選ぶことができます(※)。
※「KINTO ONE(中古車)」では、解約金フリープランのみ、契約期間は2年のみ
トヨタ・SUBARUの新車は3/5/7年、レクサスの新車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「 のりかえGO(法人契約・レクサス車・SUBARU車・bZ4X専用プランは対象外)」もあります。
また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。
KINTO Unlimitedとは?
トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。
KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。
充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?
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