トヨタ車&レクサス車解説
ヤリス クロスとカローラ クロスを実車で比較!サイズ・乗降性・荷室の違いは?
今やSUVは、日本の乗用車マーケットにおける最大勢力となりました。そのため自動車メーカーは、多くのSUVモデルをラインナップ。サイズや価格など、好みに応じて選ぶことができます。その結果として、小さなSUVや小さめのSUVが売れ筋となりました。
トヨタで該当するのは、なんといっても「ヤリス クロス」と「カローラ クロス」。クルマ選びの際は、その2台で悩む人も多いかもしれません。そこで今回は、気になる2台の違いを探っていきましょう。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
明確に異なる車体サイズ
まず異なるのが車体サイズ。ヤリス クロスの車体は全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,590mm。
※「Z“Adventure”」の全長は4,200mm

一方、カローラ クロスは全長4,455mm×全幅1,825mm×全高1,620mm。
※「GR SPORT」は4,460mm×1,825mm×1,600mm)

カローラ クロスは、昨今のSUVとしては大きな部類ではありませんが、とはいえ全長も全幅もヤリス クロスより、ひとまわり大きめ。全長は25cm以上長いので2台を並べてみると、その差は歴然ですね。


室内は後席に大きな違いあり
当然ながら車体の大きさは、室内の広さにも関わってきます。特に違いを感じるのは後席です。
運転席を筆者のポジションに合わせた状態で、リヤシートに座った際のひざ前の余裕(運転席シートの背もたれからひざまでの間隔)は、ヤリス クロスが「こぶし1個強」でカローラ クロスだと「こぶし2個」。全長の差ほどの違いはなく、むしろ「ヤリス クロスが頑張っている」といっていいかもしれません。


しかし、実際の開放感はそれ以上に差がある印象。カローラ クロスはヤリス クロスよりも側面の窓が大きく、それが大きく影響しているのでしょう。

また、後席シートバック(背もたれ)は、カローラ クロスだと2段のリクライニング調整が可能ですがヤリス クロスは固定式。さらに、シートバック自体にも違いがあります。

どちらも上位グレードにはセンターアームレストが組み込まれますが、カローラ クロスが一般的なタイプであるものの、ヤリス クロスは後席格納を兼ねたもの(背もたれごと前へ倒す)なので触感が硬いのも興味深い違い。比べるとカローラ クロスのほうが快適性は高いですね。

そういった“感覚”や“快適機能”に関しても両者で異なり、比べると居心地のよさはカローラ クロス優位といえます。
荷室は数値以上に違いを感じる
居住性と並んで、実用性に直結するポイントとなる荷室はどう違うでしょうか。
まずはヤリス クロスから。5名乗車時(リヤシートを倒さない状態)における荷室床面のサイズは、前後奥行きが820mm×左右幅1,000mm~1,400mm(最も狭い部分~最も広い部分)です。

一方、カローラ クロスは前後奥行き849mm×左右幅(同947~1,369mm。
※スペアタイヤ+アクセサリーコンセント非装着車の奥行きは848mm

また、床から天井までの高さは732mm~871mm(仕様により異なる)のヤリス クロスに対し、カローラ クロスは864~957mmと、こちらも余裕が増します。
車体サイズの大きさを考えると、ヤリス クロスは大健闘といえるでしょう。しかし、やはり室内空間はひとまわり大きな車体を持つカローラ クロスのほうがより広く、より多く荷物を積みたいユーザーにとっては、カローラ クロスのほうがマッチング良好と判断できます。
ちなみに、リヤシートを倒さない状態でのゴルフバッグ積載数は、ヤリス クロスが2個でカローラ クロスは4個(※)。荷室はサイズの数値として比べるとそれほど大きな違いがないと思える両者ですが、実際に荷物を積むシーンになると違いを実感することになるでしょう。
参考:トヨタ「【カローラ クロス】ラゲージルーム(トランク)に、ゴルフバッグは何インチが何個積めますか?」
参考:トヨタ「【ヤリス クロス】ラゲージルーム(トランク)に、ゴルフバッグは何インチが何個積めますか?」
「乗り降りのしやすさ」はSUVの美点
ところで、SUVの美点といえるのが「乗り降りのしやすさ」。
それは地面に対する着座位置の高さが関係していて、スポーツカーのように低いと腰を沈めながら乗り込むことになり身体への負担が大きく、逆に背の高いクルマはよじ登るような感覚でわずらわしくなるものです。

その点からすると、ヤリス クロスもカローラ クロスも乗降性は良好。着座位置が“低すぎず高すぎず”だから、身体に負担をかけずにサッと乗り降りできます。
参考までに、地面に対する運転席(シート上下調整の中央となる中立位置)の着座位置はヤリス クロスが約615mmでカローラ クロスは約635mm(どちらも上側に30mm、下側に30mmでトータル60mmの上下調整が可能)。
2車で20mmの違いがありますが、乗り降りのしやすさに影響を与えるほどではありません。

ちなみに後席(左右席)の高さは、ヤリス クロスの2WDが約650mmで4WDだと約645mm。カローラは駆動方式を問わず約660mmでいずれも前席より高くなっています。小柄な人だと、乗り込むときに“やや登る感覚”を感じるかもしれません。
カローラ クロスはハイブリッドのみに
両者で大きく異なるのは、パワートレインです。ヤリス クロスは1.5Lの3気筒エンジンを積み、そこへモーターを追加したハイブリッドも選択可能です。

対してカローラ クロスは、2025年の一部改良以降、全車がハイブリッドに。このシステムに搭載されるエンジンは、排気量が1.8Lもしくは2.0L(GR SPORT」)で、どちらもヤリス クロス用エンジンより1気筒多い4気筒となっています。
つまりカローラ クロスは、ヤリス クロスよりも動力性能にゆとりがあると考えておけばいいでしょう。
ちなみに自動車税の年額は、ヤリス クロスが3万500円(自家用・1L超〜1.5L以下 / 2019年10月以降の初回新規登録車)でカローラ クロスは3万6,000円(自家用・1.5L超〜2.0L以下 / 2019年10月以降の初回新規登録車)。基本的に排気量を基準として納税額が決まるので、両者で異なるというわけです。

駆動方式は、どちらも2WD(前輪駆動)に加えて4WD(4輪駆動)も選べますが、カローラ クロスの2.0Lエンジン搭載ハイブリッド車である「GR SPORT」は4WD専用となっていることを覚えておくといいでしょう。
ちなみに燃費をカタログ記載のWLTCモードで見てみると、ヤリス クロスのガソリン車が16.7~18.9km/Lでハイブリッド車は26.0~30.8 km/L。一方、カローラ クロスは23.3~26.4 km/Lです。
燃費に関してはヤリス クロスのハイブリッド車がリードしていますが、カローラ クロスでも十分な水準と判断していいのではないでしょうか。
ガソリン車もあるヤリス クロスは価格も魅力
価格も見ておきましょう。ヤリス クロスは、ガソリン車であれば最も安価な「X」グレードが212万6,300円から選べるのが魅力。最高価グレード「Z“Adventure”」でもガソリン車なら273万6,800円(4WDは298万4,300円)です。

ハイブリッド車は251万200円から310万7,500円(4WDは335万5,000円)とガソリン車に比べると高い設定ですが、カローラ クロス(298万1,000円~407万7,700円)に比べると身近なプライスとなっています。
参考までに装備面では、どちらもディスプレイオーディオは全車標準装備。画面サイズはベーシックグレードが8インチ、中級グレード以上は10.5インチと共通です。
ハンズフリーパワーバックドア(手を触れることなく足の動きをきっかけとした開閉もできる電動式のテールゲート)はカローラ クロスの「Z」グレードのみ標準で、カローラ クロスGR SPORT、ヤリス クロスZ、Z“Adventure”に7万7,000円のオプション設定となっています。

また、いずれも運転席の電動調整機能は上位グレードのZのみに標準装備。両者互角と言っていいでしょう。
ただし、メーターディスプレイのサイズを見ると、ヤリス クロスは7インチなのに対して、カローラ クロスのZやGR SPORTは12.3インチと大型に。
カローラ クロスはドライブレコーダーを標準装備(ヤリス クロスは工場装着ドライブレコーダーの設定なし)するなど、装備水準が少しずつ引き上げられている印象です。
「気軽さ」か「余裕」か、どちらを選ぶか?
こうしてヤリス クロスとカローラ クロスを比べて改めて感じたのは、ヤリス クロスの“身近さ”でした。具体的にいえば、運転しやすい車体サイズや選びやすい価格など、ヤリス クロスのほうが気軽なのです。

それでいて、大人も不満なく移動できる後席スペースや車体サイズのわりに広いラゲッジルームなど、実用性の高さも十分。そしてハイブリッド車なら燃費も良好です。
一方のカローラ クロスは、価格が少し上がるものの、居住性や積載性といった実用面だけでなく、動力性能などでも“ゆとり”があることを実感。

どちらを選ぶかはクルマに何を求めるかで変わってきますが、どちらかが絶対的に優れているというのではなく、どちらのほうが良好なマッチングを選べるかはユーザーのニーズに応じて変わってくることでしょう。
いずれにせよ「選択できる」ということがクルマ選びをする側からすればうれしいですね!
(文:工藤貴宏 企画・編集・写真:木谷宗義/type-e)
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