試乗記・レポート
ランドクルーザー“250” VX (ディーゼル)試乗レビュー! ランクルの伝統と時代進化を同時に味わえるクルマ
2024年に発売されたランドクルーザー“250”。プラドの後継車ながら、よりオフロード性能、オールテレイン性を前面に出したクルマに進化しましたが、街中で乗ってみた印象や走り味はどうか…?試乗車のある販売店で試乗してきました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年12月
ランドクルーザー“250” VX (ディーゼル)試乗概要
大きくスクエアなプロポーション。視界よく大きさの割には取り廻ししやすい
先代プラドに対してかなり寸法が大きくなったランドクルーザー(以下ランクル)“250”。兄弟車“300”に近いサイズの立派な押し出しのクルマになっていると感じました。オフロードSUVらしいスクエア気味のプロポーション(全長4,925mm、全幅1,980mm、全高1,925mm)で、伝統的なランドクルーザーらしさの正常進化と存在感を思わせるスタイルでした。
| 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | ホイールベース(mm) |
---|---|---|---|---|
ランドクルーザー”250” VX | 4,925 | 1,980 | 1,925 | 2,850 |
ランドクルーザー”300” VX | 4,950
| 1,980 | 1,925 | 2,850 |
ランドクルーザープラド | 4,825 | 1,885 | 1,850 | 2,790 |
寸法だけで考えると街中で持て余しそうですが、乗り込んで運転し始めると、高い視点からの視界が良く、ボディ見切りが分り易いため、リラックスして試乗することができました。以前乗ったLXやディフェンダー同様、オフロードSUVは視点の高さとボディ見切りの良さが補って運転しやすいことを再度実感しました。

機能的でオフロードSUVらしいインテリア。操作性・視認性も良好
運転席のドアを開けてインテリアを見ると、そこには機能的でオフロードSUVらしい空間が広がっていました。全体の水平基調インパネと視認系配置、あるべきところに配置される各種操作系など、ある意味「極限状況でも運転し易いクルマ」を意図したような雰囲気があると思いました。
最近はディフェンダーなど、オフロードSUVでも上質で乗用車ライクなインテリアが流行ってきていますが、このランクル“250”では、「ランクルの伝統はこういう所に現れる」とでも言いたげなデザインが採用されているような気がしました。
極限状況でも運転し易い操作系・視認系は、街中など一般的な道や状況でも通用し、さほど慣れも必要なく余裕を持って運転することができました。
スイッチ類の扱い易さや運転操作の気楽さからランクルの進化を感じ、一般的な乗用車から乗り換えても、さほど戸惑うことなく運転操作できそうな敷居の低さがあるように感じました。


軽快でトルクあるディーゼルと8速ATにより充分な動力性能
試乗車は販売の中心と思われる2.8Lディーゼルターボエンジン搭載車でしたが、エンジン始動から少しの間は、ディーゼルらしい音・振動を感じたものの、暖気後は軽快でスムーズな印象を受けました。
204PS・500Nmを発揮するエンジンと8速ATの組合せで、街中の加速や定常走行で快適な走りを体感でき、「これなら普通にオンロードで使っても充分な感じだな」と思わせてくれました。8速ATが良い仕事をしている…そんな感じを受けたランクル“250”の動力性能でした。
フレーム付独特の乗り味だが、柔軟でゆったりとした感覚が味わえる
乗心地は、フレーム付き独特の乗り味を持つものの、全体に柔軟でゆったりとした感覚が味わえるものでした。
オフロードSUVに期待する「ソフトなストローク感を伴った柔軟さ」が、街中の凸凹や継ぎ目でも感じられ、いかにも「オフロードSUVを街中で試乗している感」が味わえました。
乗り味全体としてゆったり感が強く、余裕もった運転に寄与している感じもしました。



ランドクルーザー“250” VX (ディーゼル)まとめ
ランクルの伝統と時代進化を同時に味わえるクルマ
- ランクル“300”の兄弟車として、ヘリテージ“70”の伝統を強く感じさせるクルマ
- 快適性や扱い易さ等に、ランクルの時代進化も感じさせるクルマ
オンロードでも扱い易く、性能も良好だが、本質的にオフロード性能を感じさせる
- オンロードでの扱い易さもあり、オールラウンダーに仕立てられている
- とはいえ、商品の本質的価値としてオフロードSUV第一義を感じさせる
(プラドに比べ)大きく・高くなったが、説得力あるのはランクル伝統のなせる技か
- プラドに比べて大きく、高くなったランクル“250”
- とはいえ、この大きさや価格に価値を見出すことが出来るような感覚
- 強い説得力を持ちうるのは「ランクルの伝統(とブランド力)」ゆえか?

総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇+(得も言われぬ伝統感、安心感、信頼感など“ランクルらしさ”が期待値越え)
- また乗りたいか?
〇+(高速道路などでも乗ってみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:トヨタ・ランドクルーザー250 VX (ディーゼル)
〔車両価格〕:¥6,300,000(消費税・オプション除き)
〔主要諸元〕:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,925mmx1,980mmx1,925mm・2,850mm・2,380kg、エンジン:直4ディーゼル 2754cc、204PS/3,000~3,400rpm、500Nm/1,600~2,800rpm、駆動:AWD、8AT、WLTC 11.0km/L、サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク、タイヤ:265/65R18
〔試乗概要〕:愛知トヨタ豊田下市場店、周辺約6km試乗ルート(一般路)
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください

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