試乗記・レポート
LEXUS NX450h+”OVERTRAIL”試乗レビュー!PHEVの魅力ある走り。気持ちよい走り味の年次改良車/ライフスタイル表現としての“OVERTRAIL”仕様
2021年に現行型が発表(日本)され、レクサスラインアップの中核的商品となっているミドルクラスのクロスオーバーSUV“LEXUS NX”。2024年の年次改良で追加されたLEXUS NX 450h+”OVERTRAIL”グレードを販売店で試乗させてもらいました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年10月
LEXUS NX450h+”OVERTRAIL”試乗概要
バランスよく格好良いスタイル。アウトドア派表現の“OVERTRAIL”
現行LEXUS NXは街中でもよく見かけるし、試乗も何度かさせてもらっているので、新鮮さはありませんが、いつどこで見ても「恰好良いなあ」と素直に感じさせる外観スタイルだと思います。全体にバランスがよく、前・横・後…どの角度からみても細部まで神経を使ったような造形になっており、走っているときの姿にとても躍動感があり魅力的なものと感じます。
今回試乗したLEXUS NX450h+“OVERTRAIL”は、各部のブラックアウトや専用ホイール/タイヤ・15mm引き上げられた最低地上高/全高などによって外観がセグメントされており、いかにも“私はアウトドア派です”と表現しているように感じられました。
バリエーションの豊富なLEXUS NXに加わった新種のアウトドア派商品だと思います。
OVERTRAIL専用インテリア。ちょうど良いサイズ感で絶妙のパッケージ
インテリアは落ち着いたトーンのモノリス&ブラック色で、OVERTRAIL専用のものになっており、グレードのキャラクターを上手く表現していると感じました。
操作系・視認系が良く出来ており、さほど事前勉強しなくても直ぐに運転・操作できる点は「レクサスならでは」「NXならでは」の長所で、今回の試乗でも気楽に運転し始めることができました。主要操作系がステアリング周辺と大型センターディスプレイに集約されている利点だと思います(タッチトレーサーだけは慣れないが)。
またLEXUS NX全体の良い点ですが、色々な路・状況で運転や駐車してみて、運転のし易さ・交通の流れの中での余裕・動きやすさなど、このNXのちょうど良いサイズ感、絶妙なパッケージを改めて感じました。
スムーズで力強いEV走行。踏み込めばとても速いHV走行
今回乗ったのはPHEV車の450h+。ハイブリッド車の350hより大容量のバッテリーで、長いEVモード走行距離を可能にしています。
街中数キロ試乗なので、EV航続距離の検証等は出来ませんでしたが、EVモードでは、とてもスムーズで、しかも場合によっては結構力強い加速・走行が出来ましたし、HVモード走行では(EV Autoモードでアクセルを強く踏み込んでも同じ筈ですが)、エンジン・モーター協調による、とても俊敏で息長い加速を楽しむことができました。
日常使用で充分なEV走行(カタログ値87km)が可能で、遠出に際してはHV走行が可能なPHEV車は、今の時代(給電インフラが充分とはいえない現状)における“現実的なEV”とも言えますが、この450h+は、必要時に充分以上のパフォーマンスを発揮する事も可能で、その動力性能面の魅力は、商品性の大きなポイントにもなっているのではないか?と感じました。
柔軟で良好な乗心地。オールテレインタイヤの硬さを感じさせない
OVERTRAILグレードは、18インチのオールテレインタイヤを装着し、AVS(可変ダンパー)も標準装備となっています。硬そうな見映えのタイヤのため、「乗心地はどうかな?少し硬いのでは…」と思いながら試乗したのですが、その心配は杞憂に終わりました。フラットで柔軟な乗心地を実現していたからです。
これまでに試乗したことのあるNX(一部改良前のF SPORTやversion L、標準仕様)のどれよりも柔軟さ・良い乗心地感があり、しかもフラットで姿勢変化も感じにくい…という好ましいもので、OVERTRAILグレードだからという点に加えて、様々な対策を施された一部改良後の車両だからという事も関係していると思います。
スッキリとして素直な感じの動的質感。オンロードSUVとして妥当な走り味
運動性能・ステアフィーリング・動的質感に関しては、全体として「スッキリと素直な感じ」だと思いました。
直進性・安定感・コーナリング性能等、基本的な性能が問題ない事は当然ですが(今回は特に直進性が良いと感じた)、走り味としても、一部の欧州車のような個性的なもの(濃いもの)ではないが、レクサスのオンロードSUVとしては妥当なもので、オンロードユース中心であろう“OVERTRAIL”に相応しいものという感じがしました。
LEXUS NX450h+”OVERTRAIL”まとめ
プレミアム指向層のマジョリティに向けたバランス型商品(NX全体)
- サイズ面・パッケージ面でのちょうど良さ(色々な路で実感)
- 魅力的な外観スタイルと質感・スポーティ感ある室内デザイン
- 視点の高さ・視界の良さによる運転のし易さ
- 充分以上(+α)の動力性能・運動性能と乗心地
- クラス充分以上の仕様装備
- 豊富な商品バリエーション(パワートレーン・駆動方式・グレード・色等)
洗練された走りの450h+。色々改良されている年次改良車
- 洗練されたEV走行。踏めば速いHV走行(今の時代の現実的なEV)
- 乗心地や直進性の良さなど、乗り味・走り味がリファインされている年次改良車
ライフスタイル表現としての“OVERTRAIL”
- 外観・内装・タイヤ・車高などアウトドア派表現のOVERTRAIL
- 「私はアウトドア派ですよ」というメッセージを発信できるクルマ
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
〇+(脚の柔軟さや走り味のシッカリ度合い・HVモードでの加速は期待値越え) - また乗りたいか?
〇+(色々な状況・路で走ってみたいクルマ)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
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期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕: LEXUS NX450h+”OVERTRAIL”
〔車両価格〕:車両本体価格7,725,000円
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,660mm×1,865mm×1,675mm・2,690mm・2,010kg、A25A-FXSエンジン:2,487cc、185ps/6,000rpm、228Nm/3,600~3,700rpm、+前モーター(182ps・270Nm)+後モーター(54ps・121Nm)、4輪駆動、WLTC燃費19.6km/L、EV走行距離87km、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ235/60R18オールテレイン
〔試乗概要〕:レクサス春日井 販売店周辺約5km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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