試乗記・レポート
LEXUS LBX MORIZO RR試乗レビュー(市街地走行編)コンパクト+良く走り+上質。造った人の想い伝わるクルマ
レクサスのクラスレスコンパクトLEXUS LBXに追加された高性能バージョン“LEXUS LBX MORIZO RR”。注目度の高い新商品ですが、試乗車が設定されたので市街地で乗ってきました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年10月
LEXUS LBX MORIZO RR 試乗概要
凝縮感・力感に加えてスポーツマインド感じさせる外観スタイル
販売店店頭に置かれていたLEXUS LBX MORIZO RRは、一見して高性能スポーツモデルとわかる存在感を放っていました。専用のフロント・リヤバンパーやホイール等のスポーツアイテムが効果的に付加され、その特別なキャラクターを雄弁に語っている外観スタイルです。
LBX外観スタイルの持つ凝縮感や力感はそのままに、19インチタイヤ/ホイールや2本出しのエキゾーストパイプ、フロント/リヤバンパー周りの空力処理、サイドシル、フェンダーアーチモール等によってセグメントされているのですが、より精悍さを増し、見る人に“走りへの期待感”を抱かせるエクステリアと感じました。
Bセグメント・プレミアム商品に304馬力・400Nmのパワートレーンを搭載した特別なスポーツ車というキャラクターを素直に表現している外観だと思います。
身体に吸い付くスポーツシート。外観同様“スポーツマインド”あるインテリア
内装デザインや操作系・視認系も外観スタイル同様、レクサスLBXならではの質感に加えてスポーツマインドを感じさせるものになっていました。
スポーツステアリング・アルミペダル・スポーツシートといった正統派スポーツアイテムに加えて、ブラックにレッド色ステッチを入れたインテリアや専用12.3インチ液晶メーター等、ドライビングに関係する点は抜かりなく手が入れられており、“高性能スポーツ車”らしい雰囲気を醸し出しています。
最も気に入ったのは、スポーツシートで、なかなか他のスポーツ車ではないレベルで「身体に吸い付く感覚」があり、座ってドライビングポジションを合わせるだけで、気分が相当ハイになりました。
市街地で試乗した感じは、コンパクトサイズゆえの取り回しし易さに加えて、運転に関わる諸操作がとてもし易く、操作系・視認系の配置や操作ロジックが理にかなったものになっていると感じました。
GRヤリス譲りの“パワー/トルク感”溢れる動力性能
このLEXUS LBX MORIZO RRのハイライトは、トヨタのGRヤリス譲りのパワートレーン(304ps・400Nm)による動力性能と、専用プラットフォームや各部チューニングによる走り味にあると思います。今回は限られた市街地走行試乗でしたが、そのポテンシャルの一端を充分以上のレベルで味わうことが出来ました。
G16E-GTSターボエンジンの回転フィールはとても力感に溢れており、特に3,000rpmからのレンジにおける走りは(GRヤリスのそれを思い出させてくれる)素晴らしいもので、余裕を持って街中の交通をリード可能でした。
組合わされる8速AT(マニュアルTM車も設定あり=LEXUS日本初)は、エンジンの美味しい回転域を上手く拾って走らせる賢い感じの変速で、走りの洗練さの大きな要因となっていました。
走り味としては、ベースLBXに較べると「上質さ・雑味のなさを維持したまま数段迫力ある走り」を実現しており、またGRヤリスと較べると「同レベルの高性能さを持ちつつ、より上質な走り」を味わえるクルマになっていると感じました。
上質さと走りの迫力が同居するレクサスらしい高性能車に仕立てられていると思います。
スポーティで硬めながらいなしの効いた乗心地。雑味のなさはベース同様
豪快でかつ上質さも感じさせてくれたLEXUS LBX MORIZO RRの走り味ですが、乗り味も相当印象的なものでした。
乗心地・乗り味では上述した吸付き感あるシートといなし感・精密感ある乗心地が最も気に入った点で、路面の凸凹や不整を上手くいなし、かつ路面状況を精密に伝えてくれる乗り味が実現しているように感じられました。
脚の硬さ自体は高性能スポーツモデルとした適切なレベル(結構硬い)に仕立てられているのですが、乗心地も意外なほど優れており、ベースLBXにも増してのボディ剛性の高さや、世界初採用のREDS(レスポンス向上減衰構造)、チューニングの巧みさ等がその要因と思われました。
気になる点は…“低速域での普通さ”位か?⇒要再検証
気になる点は特に大きなものはありませんが、“走り味の低速域での相対的な普通さ”位ではないか?と思いました。
キビキビと速めに走行している際のエキサイティングさに較べて、普通低速走行時の走り味…“相対的な普通さ”は高性能車としての課題かな?と思いました。
トヨタのGRヤリスに乗っている時にも同様の感想なのですが、速く走っているときの面白さが半端ないだけに、出来れば普通に走行している時にも何か特別さを感じさせてほしいなあと思いました(次回の高速・ワインディング路試乗で再度検証してみようと思います)。
LEXUS LBX MORIZO RR試乗レビューまとめ
コンパクト+良く走り+上質。全身にみなぎる“スポーツマインド”
- コンパクトで良く走り上質なクルマ。理想的な組合せの商品
- 外観・内装・動力性能・走り味等、全身にみなぎる“スポーツマインド”
- 動力性能・走り味・乗り味を特別にチューニングした特別仕立てのLBX
造った人の想い伝わるクルマ
- モリゾウさんの想い・佐々木選手の想い・開発者の想いが伝わってくるクルマ
- 全体のパッケージから性能・動質・走り味・乗り味…細部に至るまでの拘り
- ここまで「造った意図」が明確に語られる事も珍しく、大変分かり易い商品
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
〇+(上質な高性能車としての仕上り・シートや脚の出来・雑味なさ等期待値超え)
- また乗りたいか?
〇(次に買う候補となりうるクルマ。その走り味を色々な路で試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:LEXUS LBX MORIZO RR
〔車両価格〕:車両本体価格6,500,000円 (メーカーオプション:ヒートブルーコントラストレイヤリング&ブラック165,000円、マークレビンソン257,400円、デジタルキー33,000円、ドライブレコーダ―42,900円)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,190mm×1,840mm×1,535mm・2,580mm・1,470kg、G16E-GTSエンジン:L3ターボ1.618cc、304ps/6,500rpm、400Nm/3,250~4,600rpm、8速AT、4輪駆動、WLTC燃費10.7km/L、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:235/45R19
〔試乗概要〕販売店周辺約8km試乗ルート
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
メニュー